平成17年度夏山合宿報告書
    (蝙蝠岳〜塩見岳〜山伏峠〜荒川岳)

1.期 間   平成17年8月3日(水)〜8月7日(火)(3泊4日)
2.山 域   南アルプス 蝙蝠岳〜塩見岳〜山伏峠〜荒川岳
3.参加者名簿
  CL菊池 一弘  SL水越 健夫  相良 
 順一 興津 正一 矢田 和寛

4.行動概要
  水戸8/3 20:20───── (常磐道・東名) ───8/4 清水IC──2:35畑薙駐車場──
  (東海フォレストバス)───8:15椹島8:40===二軒小屋===16:30徳右衛門岳

  8/5 徳右衛門岳===蝙蝠岳===塩見岳===三伏峠小屋

  8/6 三伏峠小屋===小河内岳===板谷岳===高山裏避難小屋===荒川岳===
  千枚岳===千枚小屋

  8/7 千枚小屋
===椹島───畑薙駐車場───口坂本温泉───清水IC───
  富士川PA────(常磐道・東名)───水戸

5.行動詳細報告
 ○8月3日(水)晴れ・4日(木)晴れのち曇りのち雨
  水戸20:20──
20:40土浦合庁──(常磐道・首都高・東名)──清水IC 0:00──2:35畑薙駐車
  場(仮眠)7:15〜〜(東海フォレストパス)〜〜8:15椹島8:40===10:20水場===11:40二軒小
  ===12:55中電施設(標高1867)13:25===16:30徳右衛門岳
   (水場往復約30分)

 当初6名の予定が、西村が夏風邪によりダウンしたため、車1台(5人)で出発することになった。常磐道〜首都高〜東名ともに順調に走行することができ、日にちが変わると同時に清水ICから一般道に入ることが出来た。しかし、ここからが、思っていたよりも道路事情が悪く(道路が狭く・カーブの連続)時間が掛かってしまった。畑薙の駐車場から朝のバスの時刻表では、始発は8時10分だが、2年前に来たときは、時間前に出ていたため、仮眠後、5時半に起床して準備をしていると、6時に第一便は出てしまった。次のバスは人数が揃えば出発するということで、始発よりは1時間ほど早くバスに乗車することができた。しかし、椹島に到着して二軒小屋までのバスを聞くと、椹島から二軒小屋までの送迎は、二軒小屋に一泊食事付(料金13、000円)の予約者のみに行っているサービスとのことであった。

 インターネット等にも掲載しているとのことで、水越さんが持っていたプリントを見ると確かに表示されていた。情報の確認不足だったのは、否めない。しかし、ここから計画を大幅に変更するのも難しいため二軒小屋までの林道歩き約3時間を今回の合宿に加えることとなってしまった。だが、この林道歩きは二軒小屋から徳右衛門岳までの登りに相当のダメージを与えたようである。ここまではほとんど平坦な道であり、予定していたより早く二軒小屋には到着することが出来た。二軒小屋からのルートは、地図(私の地図は8年目、水越さんは10数年前)で見ると二軒小屋トンネルを行くようになっているが、現在はトンネルにゲートが掛けられており、大井川をつり橋で二度渡り、登山道に入るようになっていた。登山道に入ると一気に急登になったが、道はよく整備されており、赤ペンキのマーカーがされていた。約1時間でとても立派な中電施設に到着した。ここの階段を登ったところで全員で休憩を取ってから更なる樹林帯の中の登山道へと進んだ。しかし、この辺りから既に空模様が怪しくなってきていた。


つり橋を二度渡り登山道へ


樹林を抜けると立派な施設が出現。


鬱蒼とした樹林帯

 中電施設からの登山道は、樹林帯の中の歩きとなったが、あまり人が入っていないため、キノコやコケすばらしい風景を観賞できた。だが、途中から、靴連れの影響か矢田くんと相良くんが休憩待ちをしても到着しないため、紙に伝言を残して、山頂へ向かった。3時を過ぎた頃から雷の声が聞こえ出し ていた天気はほどなくして一気に雨に変わってしまった。しかし、小雨になってきたころ何とか徳右衛門岳の頂上に到着、テントは2張りがやっとくらいのスペースしかないがなんとかなりそうである。早速、今晩用の水を確保に水場へ向かう。

登山道沿いの水場の表示からガレバ沿いに多少下ったところが水場になっていた。持てるだけの水を確保し山頂に戻るが、遅れている2名が到着しないため、明日の行動用の分までの確保はできなかった。このため、夕食の準備をしている間に、相良君が調達に行ったのだが、・・・? → 7時半外は真っ暗、ヘットランプはもって行ったらしいが、頂上から呼んでも返事がない。(=またか!・まさか 急いでヘットランプをとり、サガラ〜」と叫びながら、水場へと向かう。水場へ降りる手前の下のほうからやっと「ここです」の声がした、水場から戻る場所ではないが、灯りを頼りに登って来るように指示し、やっと生還。このため、明日の出発前に再度行動用の水の調達が必要となった。

 ○8月5日(金)晴れ
  起床2:30
   徳右衛門岳4:45===5:50ピーク(標高2721)===6:20蝙蝠岳7:20===
  
9:30塩見岳===10:55塩見山荘===11:15権右衛門沢===12:25 本谷===13:30三伏峠小屋
  (水場往復約30分)

 早朝暗い中で水場へ向かうのが難しいため、多少明るくなってから水の調達に向かった。そのため、スタート時間が多少遅くなってしまった。天気は夜の間は雨がだいぶ降ったようだが、快方に向かっているようである。徳右衛門岳から樹林帯のなか、虫に悩まされながら、アップダウンを繰り返し、標高2721mのピーク出ると森林限界を超え、一挙に視界が開けた。蝙蝠岳まではもう少しである。蝙蝠岳の後ろには塩見岳も顔を出している。


森林限界を抜け,後方には徳右衛門岳


前方には蝙蝠岳−左後方には塩見岳


蝙蝠岳へのガレ場には高山植物

 最高の天気の中、蝙蝠岳に到着、塩見岳、荒沢岳をバックに大撮影会が始まった。塩見岳への展望はここのジャンダルムからが、最高のロケーションになっている。あまりの天気の良さと好展望のため1時間近くもここで費やしてしまった。 


蝙蝠岳の頂上(後方には塩見岳)


塩見岳をバックにジャンダルムの↑から

 塩見岳からは、ピストンで蝙蝠岳まで来る人は結構いるようで、団体も含めて20名程度の登山者とすれ違った。あとは、本日の登頂予定の最高峰の塩見岳を一気に目指した。手前の北俣岳付近は小さな、いくつもの花畑があり、ゆっくり行きたいところではあるが、本日の行程を考えて先を急いだ。塩見岳で多少の休憩を取り、小屋までは、一挙に岩場の下りである。 下って直ぐのところに塩見の小屋は、塩見岳を後方に抱いて、最高の位置の建っており、時間と天気が許せば、ここから、塩見岳や蝙蝠岳を登頂するのも頷ける。

 予想より、飲料水の消費が少ないため、ここでの、水の補給は行わないで、三伏小屋へ向か うことにする。最近の地図は、ここから三伏小屋までは水場の表示は無いが、水越さんの地図には、途中の権右衛門沢が水場になっていた ため、多少の期待を持っていたのだが、夏の時期は枯れてしまうようである。なお、塩見の小屋からは、ずっと樹林帯の中のため、暑さに悩まされながら、三伏小屋と三伏峠小屋の分岐に着くと三伏小屋へのルートは、ロープにより閉鎖されていた 。やむを得ず三伏峠を経由することとなってしまった。峠の小屋で確認すると、三伏小屋は、老朽化により撤去さており、水場の位置も変わっているとのことであった。

 予定では、三伏小屋で水を補給して、小河内岳避難小屋まで向かうはずであったが、行動時間の遅れから全員での行動が難しいと判断し、今日は三伏峠小屋で泊まり、明日は日の出前に出発して千枚小屋を目指すこととした。 峠の小屋のテント場には既に数張りの設営がされており、学生のテントは夜遅くまで賑やかだったようであるが、私は熟睡状態だったため、快適な睡眠を取ることがでました。
(水場往復20分)
(テン場 一人600円 ビール350_缶600円)
(トイレ1回100円 なお、水洗は200円 夜間照明あり)
(東海フォレストのチケットは使用付加)

 ○8月6日(土)曇り
  起床2:
00    3:50三伏峠小屋===5:50小河内岳===7:30板谷岳===8:15高山裏避難小屋===11:10荒川岳前岳11:55===12:05荒川岳中岳===13:20荒川岳東岳14:45===15:40千枚岳===16:20千枚小屋


小河内岳は朝もやのなか

 昨日の遅れを取り戻すため、日の出前、ヘッドランプをつけて行動を開始した。周囲には、さほど濃くはないが、霧がかかっており、夜露のために、ズボンは 直ぐにびしょ濡れになってしまった。三伏峠から荒川岳方面はさほど歩かれていない様子で、なお、はい松が多く、登山道が無明瞭なところがいくつかあった。約2時間程度で小河内岳へ到着したが、小河内岳の小屋は夏場は有人小屋になっており、テントの設営は出来ないようである。(東海フォレストのチケット の使用による小屋泊は可能)

小河内岳を越えるとまた樹林の中である。ピークらしからぬ板屋岳の手前のガレ場から西への展望が開けたほかは単調な樹林帯の行程が続いた。板屋岳から高山裏避難小屋(ここも 夏場は有人)に向かう途中は崩落が激しく登山道が切れてしまいそうな所が随所に視られた。また、今日は雲は多いが荒川岳への展望も良いコースである。(西岳の小屋がよく見えた。)
 高山裏避難小屋から荒川岳へ向かう途中には、相良君でもたぶんに迷わないでたどり着けるだ


登山道沿いにある水場

ろう水場があった。地図等の案内等では水量は少ないようになっていたが、十分な量となにより水温が低いため大変おいしく飲むことが出来た。ここから、荒川の前岳までは、最初樹林の中の急登を抜け、ガレ場からは一挙に前岳に到着した。しばらくしてから、初日から今回不調の矢田君となんとか相良君が到着したため、記念撮影をし、 まだ休憩が足りない2人を残して悪沢岳を目指した途中の中岳の小屋も夏のみの有人小屋になっており、そこからは、20人以上の登山者が空荷で前岳方面へ向かってい った。

水越、菊池、興津の三人は中岳で記録写真を撮ってから直ぐ悪沢岳へ向かったが、相良、矢田は燃料不足のため、中岳小屋でチャージしていたようである。
 中岳からの悪沢岳は、一挙に下り、そこからはそれ以上の登り返しとなっていた。なお、このあたりは、規模は大きくはないが、登山道から見えるさまざまな花畑になっていた。そして、天気がよければ、塩見岳や聖岳への展望が良いはず なのだが、時折ガスが抜けそうな期待をしながら、急登の登り返しをだらだらと悪沢岳へと向かった。


時々ガスのなか、中岳が顔を見せる

 しかし、まだまだ元気な興津くんは、水越さん曰く、「海猿ならぬ山猿のごとく」で、 見る間に悪沢岳の頂上に到達時し、カメラ小僧と化していた。悪沢岳の頂上で、一通り記念撮影を済ませ後続の二人を待つまでに相当時間が掛かりそうなので、残っていたラーメンを作ることにする。 約1時間後、出来上がったらラーメンが伸びてしまうころに、 雷鳥の親子のような家族(両親と7・5・3歳の娘3人)の後から後続二人が到着したため、暖め治してご馳走する。(延びていてもやはりうまいようである)。そして、すぐ近くで、 本物の雷鳥の親子が泣き声をあげながら,出現したためまた撮影会となってしまった。

 この親子に写真を撮ってもらい、千枚岳を目指した。悪沢岳から下りは初めは大きな岩の重なり合った場所を赤ペンキを頼り進み、途中から気持ちの良い稜線を 歩き最後には、また千枚岳への急な岩場の登り返しが待っていた。
 また、稜線沿いのハイマツ地帯では、何度も雷鳥の親子に出会うことができた。


やっと、悪沢岳山頂で全員撮影


悪沢岳から下る岩場


ルンルンの稜線歩き

  千枚岳へ登頂したときには、今日の行動を開始してからほぼ12時間が経過していた。ここからは、千枚の小屋までは一機に下りとなり、花が多くなってきたところで、小屋へ到着し、今日の12時間半におよぶ長い行動が終了した。
 宿泊は、東海フォレスト利用のチケットを使い、素泊まりの寝具なしで一人当たり500円のプラス(チケットなしは3,500円)で本来は小屋に泊まるのだが、食事等のこともあり、テントを張って宿泊した。しかし、翌日確認した宿泊施設は、素泊まり用の小屋が二棟あり、寝具ありとなしで分かれており、ほとんどの登山者は、1泊2食付のため、ほとんど利用者はいないようであった。(またの機会があれば素泊まり小屋の利用も良いのでは。)
水洗トイレ
ビール350ミリ 600円

○8月7日(日)晴れ
  起床
4:00    4:40千枚小屋===6:05駒鳥池===6:40見晴台===7:20水場===8:55林道===9:05椹島11:10───12:10畑薙駐車場───14:00口坂本温泉───16:00清水IC───富士川PA────(常磐道・東名)───23:30水戸

 最終日、天気はこの4日間のなかで、1番良いかも知れない。遠く富士山の頂上も観えている。宿泊予定だった、素泊まり用の小屋(千枚、百枚)を確認にいくと、時間のためもあるだろうが、どちらの小屋にも人影はなかった。しかし、富士山を観るには絶好の位置に立てられていた。


素泊りの小屋(千枚=寝具あり)


遠く富士山が


百枚小屋(寝具なし)のなか

 千枚の小屋からの登山道は樹林のなかのために、ほとんど展望が効かないが、好天のなか樹林の切れ間から赤石岳への展望を楽しみながら下っていると、昨日の雷鳥の親子のような家族に追い着いた(この後の見晴台で聞いたところ家族5人で椹島〜赤石岳〜荒川岳〜千枚岳の一周とのことだった。=水越さんがうらやましそうに話をしていた。)。


見晴台からの赤石岳


 荒川岳も最高

 相良と矢田は昨日の遅れを取り戻すかのようにそのまま下っていってしまったが、樹林の隙間からの写真を撮りながら下っていくと、左側の土手に踏跡があり、怪訝に想い登ってみると絶好の見晴台になっていた。(看板等の表示なし)そこから、先ほどの親子の声が登山道の辺りから聞こえてきたので、呼び止め、また、キノコの探索をしていたらしい水越さんと興津さんも呼んで、荒川岳と赤石岳への展望を楽しむことが出来た。

 見晴台から下り、水場で休憩してから水越さんに持病?(膝がイタイ・イタイ病)の発作が 起きてしまい、マイペースで降りるということなので、興津さんと先行した。途中、林道と登山道が交差した地点で、地図を確認したところ、下でまた合流するため、登山道よりは景色が良さそうな林道のコースを取った。(ここで、相良と矢田を追い越してしまったらしい。)林道から一度だけ荒沢岳が見えたが、既にガスが掛かってきてしまっていた。林道からまた登山道に戻ると一気に樹林帯の中の下りとなった。途中以前は鉄の橋が掛かられていたところは、周囲の崩落により、橋が落ちてしまい、斜面に沿って新たにルートがつけられていた。沢の音がだんだん大きくなってきて、つり橋を渡り、小さな滝の横を抜けると3日前に歩いた二軒小屋へと続く林道に到着。4日間の長かった行程を振り返った。

 林道を少し登り、椹島に到着すると、既に到着していると思った2人が見当たらない。畑薙ダムへのバスが予約順とのことなので、手続きに行くと小屋の領収書がないと受付出来ないとのことだった。仕方なくベンチでくつろいでいると3人が到着し、直ぐに予約をしたが、11時のバスとのことなので、約2時間テントを乾かしながら、ビールやコーラでここまでの山行に乾杯をした。

 畑薙の駐車場には、バスに揺られ、12時過ぎに到着した。そこから、椹島で聞いた口坂本温泉に向かったが、行きはとりあえずバス路線だったが、こちらはそれ以外の一般県道ではあるが、さらに道路事情は非常に悪く2時間近くも掛かってしまった。しかし、温泉自体は静岡市営で、一人280円(入湯 税(150円)が免税になくなっているらしい?)と安価で、施設も多少古いが露天風呂もあり、弱アルカリの良い温泉だった。温泉の隣の怪しげな食堂で遅い昼食をすませ、清水ICから東名高速に乗り、富士川PAで渋滞情報を確認すると、予想通りの渋滞が始まっていた。1時間ほど様子を見たが解消する様子がないため、帰水することにする。そして、東名高速での渋滞で時間は相当ロスしたが、なんとか翌日になる前に水戸まで戻ることが出来た。

 こうして、初日の椹島から二軒小屋までの行程のプラスや相良の迷子、三伏小屋の消滅等の計画の確認不足や安易な行動によるトラブルはあったが、初日以外は雨にも降られず、行動時間が13時間近くなってしまった3日目には、好展望とは行かなかった代わりに、さほど暑さに悩まされなかったため、体力的には天気に恵まれた山行だったと思います。

 最後になりましたが、今回の合宿に志を頂きました、檜山さん、北条さん、中野さん、飯島さん、渡辺(一)さん、長谷川さん、鈴木(忠)さん、佐藤さん楽しい夏の山行なりました。ありがとうございました。

(記録:菊池)