2004夏山合宿 栂海新道縦走報告書
1 期 間   平成16年7月30日(金)夜行〜8月2日(月)(山中2泊3日)
2 山 域  北アルプス 栂海新道 (朝日岳〜親不知海岸)
3 目 的  メンバーシップの確立、持久力の養成
4 メンバー 飯島孝夫(51)、舞木善郎(59)、矢田和寛(25)、西村優子(24)

5 行動記録
 舞木部長現役最後の夏山合宿に、酷暑の栂海新道を若い部員2名と苦労を共にし、思い出深い山行となった。また、日程の都合で翌週組の4人と行動を共に出来なかった事は残念であったが、メンバーそれぞれ都合もあり致し方ないことである。

 今回のコースは、オリンピックイヤーであることからも、蓮華温泉から五輪尾根を登り朝日岳直下からの栂海新道を目指そうとしたものであったが、初日の五輪尾根の登りで暑さと睡眠不足のためバテてしまい、白高地の雪渓下の整地された場所を初日のテン場とした。また、2日目は黄蓮の水場近くで森の中の静かなテン場に幕営した。結果的に2カ所とも水が確保でき、効果的な幕営地であった。以下、行動の概要を記載し報告とします。

◆7/30(金)
県立中央病院20:00===(常磐・外環・関越・上信越)===長野IC===白馬 ====1:30蓮華温泉 (仮眠)

◆7/31(土) 5:00起床  天気:晴れ 夜:満月
  蓮華温泉6:15〜〜〜8:40ひょうたん池 〜〜〜11:20花園三角点〜〜〜11:50青ザク〜〜〜14:10白高地テント場 泊
(矢田・西村)テント場14:30〜〜〜15:44朝日岳山頂〜〜〜16:30テント場

 蓮華温泉ロッジに計画書を提出し出発した。始めの白高地沢への300メートルの下りは、後の登り返しを考えるとイヤな下りである。2時間半ほど下り白高地沢の広い河原の丸木橋を渡ると、いよいよ五輪尾根への取り付きであるカモシカ坂の急登が始まる。

 暗い灌木帯の登りを喘ぎながら2時間位登っていくと、登りが緩やかになり視界も開けてきた。カモシカ原の草原の美しいお花畑である。ギボウシやチングルマなどの可憐な花達が我々を迎えてくれている。ふり返れば焼山、雨飾山の山並みが望まれ、麓には 蓮華温泉の赤い屋根が小さく見える。

  やがて道は青ザクの登りにかかるとジリジリと太陽に照らされ、暑さでペースが延びない。ツガ林の五輪の森に入り、時折心地よい沢からの風に励まされ登っていくと朝日岳の大斜面がだんだん迫ってくる。白高地にかかり、沢の流れを幾度か渡り階段状に登っていくと雪渓下に絶好のテントサイトが有った。暑さと睡眠不足のためこれ以上の行動は無理と判断し、この場を今日のテン場とすることにした。早速、ザックを降ろし、雪渓でシャカシャカを楽しみ疲れを癒した。後から来た富山の中高年パーティーに、これを振る舞うとたいそう喜んでくれた。

  朝日岳に未踏の矢田、西村はアタックすることとし、舞木・飯島は昼寝を決め込んだ。
 二人が帰ってくる頃ソーメンを茹で上げ、冷たく冷やしたビールで乾杯とした。


蓮華温泉登山口                カモシカ原 朝日岳をバックに       白高地のハクサンコザクラ群落

◆8/1(日) 5:00起床  天気:晴れ
テント場5:00 〜〜〜5:35照葉の池〜〜〜6:40アヤメ平〜〜〜7:30黒岩平〜〜〜8:35黒岩山〜〜〜10:25サワガニ山〜〜〜12:25犬ヶ岳〜〜〜12:35栂海山荘13:00〜〜14:35  黄蓮乗越テント場 泊

テント場から千代の吹上までは5分程度、ここから栂海新道へと入る。しばらくシラビソの樹林を進み、雪にふちどられ、青く澄んだ水をたたえる照葉の池を右に眺めながら緩やかに登って行くとガラ場になり長栂山である。ここからは日本海に浮かぶ能登半島が霞の向こうに望まれる。ふり返ると朝日岳、雪倉岳、白馬岳が我らを見送っている。

 長栂山からのアヤメ平を経て黒岩平まではこのコースのハイライトである。大小の池塘、花の楽園、豊富な水の流れは北アルプス最後の楽園と言われる所以である。ただ、やはり季節の歩みはここでも早くなっているようで、以前来たときに見られた紫一面アヤメの群落はもう終わっている。サワガニ山を越えるあたりから犬ヶ岳が望まれる。ここからイヤと言うほど下り、鞍部からはやせて切れ落ちている尾根の通過がいやらしい。

犬ヶ岳への登りの前に北俣ノ水場で冷たい水を補給し、最後のキツイ登りにかかる。喘ぎながら登り着くと犬ヶ岳頂上そして少し下ったところに、前回訪れた時に泊まった栂海山荘である。

  このあたりから今日も暑さでペースが延びず、黄蓮の水場近くにテントサイトがあったことを思い出し、本日の泊地をここにすることにした。テン場は樹林帯の中の静かな所で、少し傾斜があるが2〜3張り程度のスペースが有る。夕食はチラシ寿司とキノコ豊富な野菜炒めと残った酒全部を平らげ、明日の体力を養成し、早々に就寝した。

長栂山付近                    黒岩平                  栂海山荘
◆8/2(月) 5:00起床   天気:晴れ
テント場5:00 〜〜〜5:15菊石山〜〜〜6:00下駒ヶ岳〜〜〜7:40白鳥小屋〜〜〜9:10  シキ割の水場〜〜〜10:05坂田峠〜〜〜11:00尻高山〜〜〜13:20親不知
親不知ホテル==(タクシー)===蓮華温泉===(往路を戻り)=======  0:30県立中央病院解散

テント場からは白鳥山まではアップダウンの繰り返しである。特に白鳥山最後の展望のないヤブの登りは特にキツイ。やっとの思いで白鳥山頂にたどり着くと最高の展望が待っていた。目的地親不知の海岸も遠く望まれる。また、後には剣岳も遠く見えている。白鳥小屋前で今回の縦走を記念し、恒例の万歳三唱を行い握手を交わした。

頂上から急な下りが始まり、やがてこのコース最後の水場「シキ割」である。ここで顔を洗い喉を潤し、少し登ると金時坂と呼ばれる急な下りを降りていくと坂田峠である。白鳥山は別名「山姥岳」と呼ばれる。謡曲「上路の山姥」は、この山の中腹にある上路集落に伝わる伝説に基づいている。白鳥山から「山姥の洞」を通って上路集落に下るコースは昔から有り、今は林道が通じ白鳥山への最短コースとなっている。また、山姥に坂田金時という息子がおり坂田峠や金時坂の名前の由来はここから来ていると言われている。

  坂田峠から最後の山,尻高山(677m)への登りがあり、樹林の間から青い日本海 が見え隠れしている。二本松峠を過ぎ、まだか、まだかとイヤになる程下っていくと懐かしい栂海新道の看板をくぐり国道に降り立った。何とかたどり着いたという喜びにあふれ、全員で喜びの握手をして記念写真を撮った。

  ドライブインに荷物を置き親不知海岸へ降り、日本海の海水に足を付け長かった山旅の疲れを癒した。その後、タクシーを呼び車の置いてある蓮華温泉に向い、温泉で汗を流し帰途についた。(タクシー代16,000円程度)

6 反 省
 ・ 今回の食糧は内容及び量とも十分満足できる内容であった。特に、朝食の「ほうとう」、夕食の「ちらし寿司」、は美味かった。また、夏山の冷たい水が流れる水場での「ソーメン」は間食には最高であった。
 ・ 予定通りの行動が出来なかった事は体力的な課題を残したが、反面、地図のコースタイムはかなり辛目に設定されているようである。このことは、途中出会った他の登山者も同じ事を言っていた。次回訪れるときは、余裕を持った計画を立てるべきであろう。

 白鳥小屋                      親不知海岸