平成14年度夏山合宿報告
広河原〜北岳山荘〜間ノ岳〜農鳥岳〜北岳〜広河原
1.期 間 平成14年8月9日(金)〜11日(水)(2泊3日)
2.山 域 白根三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)
3.参加者
   CL 檜山 隆、 中野一正、山田有希枝、 相良順一、 矢田和寛
行動の記録
今回の計画は、夏山合宿の新人2名が参加する中、限られた日数の中での効率 的な夏山合宿という要請のため、北岳山荘をベースとした白根三山アタックとなった。

○7/9(金) 県庁1:00発 県庁〜広河原 301km

県庁1:00────5:10広河原・登山口(1,540m)6:05───6:30分岐────8:45二股9:10────11:30八本歯のコル11:50─── 13:15北岳山荘BC
(檜山・山田)──── 12:15八本歯のコル────── 13:50北岳山荘BC

県庁を約1時間遅れて出発する。(この遅れはBCでのビールとなって還元された。)首都高、中央道とも順調に行く。お陰で当初予定のほぼ5時に広河原に着いた。2年ぶりの広河原であるが、相変わらずの混雑・盛況ぶり。駐車スペースを探して、登山の用意をした。

野呂川の吊り橋を渡る。(本来なら、ここから目標の北岳が見えるはずであるが、本日の天気は雲が低く掛かって山は見えなかった。)ロッジを過ぎ、少し登り、白根御池小屋への分岐を右に送って、沢沿いの道を辿る。
左岸が大きく崩壊したところで右岸に渡って大休止とした。登山者は相変わらず中高年者が圧倒的に多い。天気は、弱い雨模様。(日差しがないだけ楽であった。)

少し登って、又左岸に渡り、忠実に沢沿いの道を登って行く。行く手の沢の上部には雪渓が詰まっていて、吹き下ろす風が心地よい。二股の手前から山田が遅れ気味となった。檜山が先行している中野たちに追いついて、荷を分担しそのまま先行してもらうことにした。

二股からは、左岸の上部を辿り八本歯のコルを目指す。本来なら、ここからは圧倒的なバットレスの岩壁を右に見ながらの登りとなるが、本日は何も見えない。雪渓の上に出る。(2年前の記憶では冷たい沢が流れていたのだが、今回はなかった。雪渓そのものが小さい気がした。)

傾斜を増して登って行く。沢から離れる前に、水量は小さいが最後の水場があった。水を確保する。沢と離れて、支稜を登って行く。狭い岩稜は傾斜はきついが、しっかりと丸木で階段状の梯子がつけられていた。八本歯手前の岩峰からは大樺沢とバットレスのそれぞれの全貌が見える、好ポイントであるのだが。コルは直ぐ僅かであった。(ここに、ウスユキソウが咲いていた。)

コルからも立派な階段が続いていた。コルを過ぎて北側の岩場には白いタカネビラジが咲いていた。これを見るのも今回の楽しみのひとつである。小雨が降ってきた。ガスが掛かって、先があまり見えない。トラバース道の分岐で大休止とした。

ここからは、花を見ながらトラバース道を行く。途中の岸壁には丸木でしっかりと道が確保されていた。行く先々の斜面には、イブキトラノオ・トリカブト等を中心に高山植物の乱舞である。天気が良ければもっと鮮やかではあるが。それでも満足満足。

北岳山荘に着いたが、テン場が自由で広いため中野たちを探すのに少々時間が掛かった。ちょうどテント設営している時に合流できた。テント設営後直ぐに雨が降り出し、激しくテントを叩いた。ラッキーであった。
 持ち上げたビールで入山祝いの乾杯となった。非常に旨い。一仕事終えた安堵感で、全身の筋肉が弛緩した。やっぱり山は良いものだ。

○7/10(土) 起床:3:00  天気:晴れ時々曇り 就寝:20:10


北岳山荘BC4:45───── 6:05間ノ岳(3,189m)6:25─── 7:10農鳥小屋7:25────8:05西農鳥岳(3,051m)─── 8:40農鳥岳(3,026m)9:15──── 9:50西農鳥岳───10:30農鳥小屋10:45─── 11:45間ノ岳12:10─────13:15北岳山荘BC

 本日は農鳥岳アタックである。鳳凰、甲斐駒方面が赤々となり、やがて日輪が顔を出した。荘厳な素晴らしい日の出だ。
中白峰を過ぎ、岩稜を上下しながら辿り間ノ岳に向かう。天気は上々。目的の農鳥岳はもちろん、塩見岳、荒川三山、赤石も見えた。しかし、中央アルプス、北アルプスは雲が掛かって同定できなかったのは残念。

間ノ岳の広い山頂に着いて大休止。気持ちの良い早朝の頂である。直ぐ下には、農鳥小屋の赤い屋根が小さく見える。ここから、二重山稜の広大な斜面を下って行く。ガスに巻かれれば、ルートを見失う危険のある斜面だ。下りながら、口々に帰りの登り返しの苦労を今から心配しているのが可笑しい。

農鳥小屋について、大休止。すくっと立っている富士山を目の前にした静かなテン場の小屋である。(ここは83年の冬山合宿の時に、池山吊尾根から西農鳥岳までのアタックした時に通ったのだが、あまり記憶にない。)(ここには、純粋種の甲斐犬が飼われていて、今年生まれた子犬をくれるという。帰りに出会った中高年登山グループは、もらいたての子犬の甲斐犬を抱いていた。)

農鳥小屋から明瞭な尾根を辿りひと登りで、西農鳥岳に着いた。83年の冬山以来の山頂である。感慨深く思った。山頂直下の斜面に色鮮やかなザックカバーが3つ。ザックを置いての行動だろうか?謎めいた行動だと感じながら、帰りにあったら、回収することにして、最終目的の山農鳥岳を向かう。

 狭い岩稜の中、ルートはうまく付けられている。上下動を繰り返しながら行く。途中、岩場に張り付いて、タカネビランジとイワギキョウが良い被写体となっていた。ようやく、農鳥岳に着いた。喜びの握手となった。(自分にとっても、ここは二百名山のうち188番目の山となった。)雲が湧いて、間ノ岳は隠れていたが、満足感で一杯だ。みんな良い顔をしている。山頂のひとときを楽しんだ。

西農鳥岳に戻ってみると、やはり眼に鮮やかなザックカバーがある。回収してみると、ザックはなく、「福島女子」の大きな文字。昨日の雨と濃霧の中で、飛ばされたのだろうと推察した。それにしてもその80gという大きさに恐れ入った。(後で連絡をすることにして回収した。これについては、部の掲示板を参照。)時折、ガスが湧いて日差しが遮られたりしたが、間ノ岳の登りも順  調に(頂上直下で昼寝もした。)こなして、予定時間にベースに戻ることが出来た。

早速、ビールを仕入れてご苦労さんの乾杯である。至福の一時である。風は少しあるが、日差しもあり、また北岳のロケーションを楽しみながらの宴会である。本日は天候に恵まれた行動日和であった。(この後は、昼寝もしてしまった。)

○7/11(日) 起床:3:30 天気:晴れ(朝のうち風強し)

北岳山荘5:30──── 6:40〜6:50北岳(3,192m)7:05────7:35肩ノ小屋7:50──── 8:15 小太郎分岐8:35─── 9:50御池小屋10:10──────11:55分岐────12:10広河原12:40── (芦安温泉)──── 甲府IC 15:55────── 21:10県庁(解散)

本日も、素晴らしい日の出を見ての行動となる。しかし、風が強い。小屋からの登りはじめが大変強かった。それでも眺望は抜群である。北岳の頂上は、たくさんの人集りである。仙丈側からガスが頻繁に上がってくる。これが幸いして、ブロッケンがはっきりと見え、感激の面持ちである。久しぶりのブロッケンであった。

肩の小屋を目指して下る。たくさんの人達が登ってくる。仙丈、甲斐駒、そして八ヶ岳連峰がその雄姿を見せてくれる。両俣小屋の分岐を過ぎると、遙か下に白根御池が見えた。

肩の小屋を過ぎ、小太郎尾根分岐に来る頃には、気温も上がり暑くなってきた。ここから一気に高度を下げて行く。大樺沢への分岐を過ぎて、白根御池が見える斜面は、高山植物が豊富であった。御池の小屋に着いたが、トイレの臭いが強いのには、閉口した。(72年9月の最初の北岳山行時に雨の中を泊まったことを懐かしく思い出した。)

広河原を目指して樹林の中を行く。直ぐに苔むした沢に出会い、お土産の水を確保した。ルートは、最初はトラバース気味であるが、それが終わると一気に高度を下げる、急傾斜のルートとなる。このルートをたくさんの人達が大汗をかきながら登ってきた。(みんな頑張れという思いで挨拶をした。)
野呂川の吊り橋を渡って、振り返ると、北岳の山頂にはガスが掛かっていた。

芦安村の温泉に入り、3日間の満ち足りた夏山山行を終えることが出来た。
    (記録 檜山)

〔今回の合宿で見た主な高山植物〕
・キンポウゲ・ウサギギク ・ウスユキソウ ・キンロバイ・タカネビランジ・ミソガワソウ ・イブキジャコウソウ・イワギキョウ・タカネツメクサ・トウヤクリンドウ・ウメバチソウ・ハクサンシャジン・クガイソウ ・ヤナギラン ・シモツケソウ ・ハクサンフウロウ・タカネグンナイフウロウ ・トリカブト ・イブキトラノオ・アザミ ・シオガマ ・ミヤマダイコンソウ