百名山(97、98,99,100座目)登頂

大台ヶ原山(日出ケ岳1,695m) 大峰山(八経ケ岳1,915m 行者還岳1,546m 山上ケ岳1,719m 大普賢岳1,780m)光岳 2,591m     大菩薩嶺 2,057m

日時  平成13年11月21日(水)から26日()

メンバー  水越 健夫 単独

11月21日(水)晴れ 水戸IC23:00=====富士宮PA27:00(3:00am)
今週は高萩市の山の中、終日陽が射さない杉林で連日1500本もの単調な毎木調査の出張が続いた。総勢9名の地下足袋軍団は昼時に車に戻りトラックの荷台でお湯を沸かし弁当を食べながらラジオのNHK昼の憩いを聞く。天気予報では帯状の高気圧が日本列島をおおい今週一杯晴天が続くと言っている。花園花貫の紅葉も見頃で週末の連休が行楽日和となるらしい。先週は北に700kmの青森で雪に見舞われ紅葉も展望も得られず十分満足できていなかった。夕食後家族に週末の予定を聞くとみんな用事があって出かけられない。というわけで、一人で紅葉見に行ってくるから日曜までには帰ってくるよと宣言。

計画書も作らず急遽奈良県まで700kmの旅に出発。首都高や東名の夜間集中工事の影響で予想外に時間がかかり富士宮PAにて就寝27:00。

11月22日(木)快晴
7:00富士宮PA7:30===亀山IC==名阪国道25号==山添IC==榛原町==川上村====13:30大台ヶ原ドライブウェイ==駐車場14:30------15:00日出ケ岳15:20------15:50駐車場16:00=====17:30行者還トンネル東口20:00就寝



目覚めると東にうっすらと雪化粧した富士山が見えた。快晴である。大台ヶ原までの川上村周辺の紅葉が午後の太陽に照らされてとてもきれいだ。12月には閉鎖となる大台ヶ原ドライブウェイ20km沿線の上部の紅葉はすでに終わり、バスも、この11月の連休までとのこと。それでも平日だというのに20人くらいの人がいた。

駐車場から山頂までは整備されたハイキング道である。小一時間で山頂に着く。途中のデッキから尾鷲湾も見えた。運が良ければ富士山も見えるという。犬をつれ散歩でもするように上がってきた人に写真を撮ってもらう。山頂から360度のパノラマ。西に大峰山の山並みが広がっていた。新緑か紅葉の頃に大杉谷に再訪しようと思いながら下山。

登山指導所で大峰山系の情報を聞く。マイカーでもここから登山口まで3時間以上かかるとのこと。スーパー林道で峠越えすれば2時間、また、よく通行止めとなる行者還トンネル経由だと1時間30分くらい、ただ東口からは一般的ではなく、ペナントもあるかどうか不明とのこと。急がば回れの言葉はあるが最短コースを選択。真っ暗になった細い九十九折りの道路を小一時間登ると、通行止めではなかったがトンネル自体の補強工事らしく東口は塞がっていた。移動する気にもなれずトンネンル手前で就寝。夜半に軽の1ボックスカーが1台上がってきて隣に駐車した。

11月23日(金)快晴 気温―1度から5度  日の出6:38 5:40起床 行者還トンネンル東口6:50-----7:40分岐7:50----8:15西口登山道分岐----9:20弥---9:25弥山神社-----9:50八経ケ岳10:50-----12:00西口分岐----13:25行者還小屋13:40---14:00行者還岳14:10----14:30行者還小屋14:40------15:30東口分岐----16:00トンネル入口====17:00入之波温泉=======19:30天の川温泉21:30====22:00登山口 就寝



日の出は6時半過ぎと遅い。道路地図でルートを検討する。西口の方が稜線までは近いようだ。標高差200から300m小一時間で合流できると判断。今回の大失敗、地図を置いてきてしまったことと夜食と行動食を買う予定のコンビニがなく、予備食のカップラーメン1つだけしかなかったこと。そのため、昨日の夕食はなし。今朝は紅茶を1杯のみ。

出かける準備をしていると、隣に止まっていたワゴン車から五十代の男性と小型犬が出てきた。あまり人のことはいえないが、ホームレスのねぐらのような車内の布団と洗濯物と靴下が何本も干してあるすさまじさに思わず後ずさり。話してみると以外と気さくな人で滋賀県から来て犬とこの周辺を登るという。2年前に来た時は、トンネルを抜けて西口から登ったという。地図を見せてもらい点線のルートを確認、先に出発。

行者還トンネル東口脇の沢で2L給水、すぐ左手にある荒廃した作業道を下り、ブナ林の急登30分で古い白いビニールテープが付けられた踏み後がある尾根に出た。樹林の間から昨日行った大台ヶ原の山並みが見える。藪も少なくなり笹原にブナが点在する行者還岳方面と弥山方面への分岐に出る。落葉した木々の間から弥山と今日の目標近畿最高峰の八経ケ岳(八剣山)が見えた。丹沢のような雰囲気の稜線を30分行くと西口からの登山道と合流する。年輩の登山者10人が休んでいた。西口からだと個々まで1時間と、最短ルートとのこと。登山者が急に多くなる。

何組もの登山者をパスしながら途中から一部日陰には雪が出てくる急坂を登り切ると弥山小屋に出た。その上のトウヒの立ち枯れが白骨樹林となっている弥山山頂の神社を周り、八経ケ岳に向かう。途中、国の天然記念物オオヤマレンゲの群落をシカの食害から守るための鉄のゲート4カ所をくぐり20分程で八経ケ岳山頂に着く。

頂上には毎週登って写真を撮っている地元のカメラマンと実家は関西だが勤めは鹿島という男性2人のみ。抜けるような快晴の下に広がる東に大台ヶ原、北には山上ケ岳と3つの急峻な山容を見せる大普賢岳、南は熊野方面の山並みといった360度のパノラマを楽しむ。唯一の食料のカップラーメンを食べながらのんびりする。狭い山頂に後続が上がってくる。あの犬連れも上がってきて犬にポーズを取らせ写真を撮っている。下山し、行者還岳に向かうが、休日のためか本当に登山者が多く、50人以上に会う。

西口途の分岐を過ぎるとまた静かになる。しかし、期待していた途中の水場も枯れており、大普賢岳までのピストンはあきらめ、行者還岳の絶壁から逆光となった八経ケ岳を眺め、行者還の避難小屋に戻る。避難小屋には50歳代の男性が1人。山上ケ岳から縦走しここで1泊とのこと。大きな小屋で30人以上泊まれそうである。炉らしきものと薪もある。しかし、水場の水が枯れている。日が傾きはじめ肌寒くなる。

分岐までの稜線を戻り、下山の尾根に戻る。途中から沢におりる。山スキーなら涎が出そうなブナの疎林の急斜面を一気に降りる。途中に湧水箇所があり浴びるほど飲む。最後はトンネル脇の沢に出た。正面には夕日を浴び赤く染まる大台ヶ原があった。

山の次は、一山一湯主義の私にとって重要な山行後の温泉である。事前に調べて置いた入之波温泉(「しおのは」と読む)五色湯の外来入浴できる5時までに間に合うように車を飛ばすが、ダム工事関連の信号等のため着いたのは4時57分。タオルを持ってフロントに行くも連休の混雑からか掃除に入ってしまったので入れませんとのこと。もう一つ山鳩湯も同じであった。

2時間後、林道高原線の五番関トンネルを越え天川村の洞川温泉にたどり着くも、なんと露天風呂造成工事のため休館。人家がなくなり、またしてもコンビニもないのかと思っていたら、天の助けか、真っ暗な集落の中に小さいながらも今西スーパーという店があり2日分の食料とカンビール500ml3本を購入し、もう一つの19:30までならOKの天の川温泉(終了は20:00PM)に向かう。露天風呂もある温泉で体中の筋肉を延ばし、湯上がり後、駐車場の車の中で冷えたのを2本開けてしまった。その後、山上ケ岳登山口近くまで移動し就寝22:00。

11月24日(土)快晴 気温―4度から5度
 5:40起床==6:55登山口駐車場?大峰大橋--女人結界門7:00----8:40鐘掛岩8:50----9:00西の覗き---9:20山上ケ岳-----10:20阿弥陀ケ森東の女人結界門10:40----11:40大普賢岳12:00-----13:10小笹の宿跡避難小屋13:20----15:45駐車場16:00==国道25号経由、亀山IC===名古屋===中央道飯田IC====24:50易老渡25:30就寝

標高が1000mくらいあるせいか寒い朝だった。今日も抜けるような青空である。大峰大橋手前は真っ白に凍っていた。閉山しているためか1台1000円という有料駐車場に車は一台だけ。出発する直前、長野ナンバーの車が1台上がってきて登山道入口はどこかと尋ねられる。更埴市から来た50歳代の男性で縦走したいらしい。見せてもらった地図で説明し、先に出発する。マスコミで解禁になったとの間違った報道がなされたが、今でも全国でここだけとなった1300年も続く女人禁制の山であるとの看板がある。

よく手入れされた杉の植林地を抜け、シーズン中はものすごく混雑するという大峰山寺までの道も閑散としている。
30分ほどで先行した青森から来て今日中に大台ヶ原まで行くという60歳代の2人組をパス。
富士山の小屋のように次から次と休憩所となる茶屋が現れるが、戸締めしている。途中の鐘掛岩や西の覗きの展望を楽しむ。西の覗きは、日本三大荒行?のひとつ(他の2つは羽黒山の強飯行、熊野の那智大滝の寒行)で、命綱を腰に結び断崖絶壁から頭を下にぶら下がり、自らの悪行を懺悔する行らしい。シーズン中は有料で先達に案内され誰でも体験できるという。寄り道している内に2人組は頂上での記念写真を取り終えたのか、カメラを手に一目散に降りていった。

大きな宿坊が4つあるが9月23日で閉じてしまう。大峰山本堂前は大きな広場になっておりその先の小高いところが湧出岩となり三角点があり山上ケ岳山頂となる。少し下ったところに山上ケ岳お花畑という見晴らしによい広場に出る。稲村ケ岳や遠く八経ケ岳までの展望が広がる。大普賢岳までは単独行の20歳代と駐車場で会った長野の男性の2人と一緒になる。

大普賢岳直下の東の登山道から何人もの人が上がってきていた。2時間で登れるコースとのこと。昨日に引き続き快晴の下360度のパノラマを楽しみ下山。水場の多くが凍っていたり枯れている中、小笹の宿跡避難小屋周辺は稜線近くというのに水場は豊富でわさび畑のようなところである。日溜まりで大休止し、あとは一気に駐車場まで降りる。日が当たらない駐車場は相変わらず白く氷ついていた。洞川までの途中にゴロゴロ水という名水があり、車で何個も大きなポリタンで汲んでいく人たちでごった返している。まろやかで本当にうまい水であった。あの名水で作ったという豆腐が名物なので湯豆腐定食を注文、冷えた体を暖め次なる目的地に向かった。

村道が通行止めとなっており、再び林道で峠越えをして名古屋から中央道へ乗り換え、飯田ICで降り、また峠越える。途中から立派な高速道路なみのトンネルを抜けると長野県の上村につく。ここで右(南下)すればいいわけだが、トンネルが出口付近で1回転していることに気づかず、道がわからなくなってしまった。

ハザードを付け地図を見ていたら、なにか事件があったらしく警戒中の覆面パトカーの警官から職務質問を受けてしまった。易老渡までの道と教えてもらうと、先週行方不明者が出て未だに見つかっていない。熊かもしれないので決して無理はしないよう注意を受ける。光岳往復14時間ほどかかるところを日帰りする予定だと言ったためかもしれない。雪も降ったようだしいずれにしろ無理はしないつもり12時までに行けたところから引き返すこととした。

易老渡までの道は狭く時間がかかった。光岳への登山道へは吊り橋を渡るが、その先には10台くらい車が止まっていた。まだ10台以上止められそうな舗装された大きな駐車場である。吊り橋の脇にあるポストの登山カードを見ると届けは1つだけだが25日下山予定の10人くらいの団体が入っている。仮設トイレも1つあった。明日の用意をして午前1時30分就寝。

11月25日(日)快晴 気温―4度から2度
4:00起床 駐車場5:00---6:10面平6:20-----8:30易老岳8:40-----10:20光岳10:30---10:40光11:10---11:30光小屋----11:50イザルケ岳13:00-----14:00易老岳14:10-----15:20面平---16:00駐車場16:20==飯田IC=19:30諏訪PA20:30=甲府IC==23:50上日川峠24:30就寝


一週間続いた好天も今日いっぱいであるようだ。天気予報では関西では今晩から下り坂になるとのこと。今日の行動時間を考え4時に起床。登山カードに記入し、ヘッドランプを点け真っ暗な登山道を5時に登り始める。念のため口にはホイッスルをくわえ鳴らしながら登る。シカが急に飛び出して来たり、はっきり言って少しドキドキもので不安である。急登であるが、自然と歩みが早くなる。巨木の森の面平につく頃には、明るくなりライトを消す。樹幹の間から朝日に照らされた聖岳とピラミダルな上河内岳が見える。南西には幾分白くなった光岳方面が見える。

途中でルートが切れてしまいルートを見失うが倒木等のため右に迂回しており尾根通しに進み上で合流できた。1週間前の捜索の残りか鮮やかピンクや赤のテープがうるさいほど点けてある。易老岳までの5時間の急登を3時間半で登り稜線に出ると一端下りまた登りとなる。途中から雪が残っているが5cmから10cmほど問題ない。10人以上が入っていればワカンはいらないなと車に置いてきて正解であった。途中、下山してくる光小屋に泊まった50から60歳代の10人程のパーティとテント組3人に会う。小屋には小屋番はいないが、全部開放しており水場もあり快適だったとのこと。

ずっと見晴らしがよくなかったが、県営光小屋まで上がるといきなり正面に雪を抱いた富士山がドーンといった感じで現れた。抜けるような青空と富士山。実にすばらしい。小屋からすぐの99座目の光岳へは8時間のコースタイムを5時間20分で登ってしまった。帰りはヘッドランプを使わずに済むなと思って気が緩み先の光岩やイザルケ岳で写真やビデオを撮影し昼食も入れて2時間40分ものんびりしてしまった。

センジケ原を少し下った雪が一部解けた日溜まりであの大峰山のゴロゴロ水でお湯を沸かしながら横になり、うとうとする。最高の贅沢、至福の時である。残りは最後にとって置いた大菩薩嶺のみであり実質今日が百名山の上がりという感じであった。

先ほどまで無風であったが、冷たい西風が吹き始めていた。加加森山から縦走してきて今日は小屋に泊まるという50歳代のにぎやかなおばちゃんたち4人男性2人のパーティから携帯電話が通じないので降りたらタクシーの予約をしてくれとお願いされる。また、聖岳から回ってきたこれも60前後の夫婦にも、16時に易老渡に迎えのタクシーを予約しているが、遅れそうなので必ず降りるから待っていてくれとのタクシーへの伝言も頼まれてしまった。あとは誰にも会わずただひたすら降りる。3時間で駐車場に戻る。広い駐車場にはパジェロとタクシーが1台だけとなっていた。

約束を果たし、もう一つの予約ができたのはその2時間後であった。全く、コンビニも電話もないところである。帰りに諏訪PAの温泉のストレッチで筋肉を延ばし、名物ワカサギ定食を食す。今回の予定はここまでで、帰宅する予定だったが、もう眠くて危険。寝てしまって朝帰りとするか考えながら関東甲信越の天気予報を聞くと、明日も午前中までなら天気は良さそうである。どうせ目覚めるなら富士山展望の大菩薩峠か。というわけで、月曜日の休暇を連絡し、100座目も片づけてしまおうとなってしまった。ロッジ長兵衛の先にある公衆トイレ脇のの駐車場に車を止め就寝24:30。

11月26日(月)晴れ 気温―1度から8度

7:00起床 ロッジ長兵衛の先の駐車場7:20------8:30大菩薩嶺8:40-----9:20大菩薩峠10:20----11:10駐車場11:30==12:00嵯峨塩館12:50===大月IC====水戸IC17:00


日の出を大菩薩峠で見るつもりで、目覚まし時計を5時にセットしたが、連日の疲れが出たか寝過ごしてしまった。すでに明るくなっていた。昨日までと違って、空気が暖かい。晴れてはいるが、薄い雲がかかったような青空である。大菩薩嶺まで誰にも会わなかった。昨日までは、にぎやかであったろう登山道に誰もいない。

急登を登り切ると稜線に出る。振り返ると少しかすんでしまった富士山が正面に見える。あっけなく100座目に到着。気持ちの上では昨日で終わっているのでなんか付け足しのようであまり感動がない。大台ヶ原からここまで長い長い富士を巡る500kmの縦走がやっと終わった。そんな感じである。大菩薩峠に移動し朝食を用意する。紅茶を飲みながらボーっとしていると雲が増えはじめ青空が隠れてきた。富士山は霞んで消えてしまった。下山すると、30人以上のツアー客が登るための準備をしていた。帰りに秘湯の宿の嵯峨塩館の温泉でゆっくりする。貸し切りの露天風呂で大の字になって寝てしまった。疲れが出たか爆睡である。大月インターまでの日川渓谷の紅葉は最後の輝きを見せてくれた。

参考:入之波温泉 五色湯 奈良県吉野郡川上村入之波 07465-4-0777
                          日帰り11:00から17:00    入湯料金500円
         山鳩湯 07465-4-0262
日帰り10:00から17:00    入湯料金600円
     天の川温泉センター 奈良県天川村坪内  07476-0333   火曜日定休
11:00から20:00  510円
  嵯峨塩館 山梨県東山梨郡大和局内 0553-48-2621  入湯料金500円