北海道の山旅と秋味紀行報告書
今回の北海道の登山は、50歳以上かつ勤続25年以上の職員に与えられる、リフレッシュ休暇を使っての登山計画であった。当然、単独とばかり思っていたら、嬉しいことに親しき先輩が二人も同行してくれるという、大変幸運に恵まれた登山計画となった。しかし、結果はご存じのとおり、秋雨前線の停滞と台風15号の襲来により天候には恵まれず、5つの登頂計画のうち3つの山にしか登ることが出来なかった。

だが、登山の結果はそうであったが、北海道の秋味紀行を楽しむことが出来たのは、やはり、二人の先輩のお陰と思っている。道内を車を飛ばして(約2,300km)の襟裳岬や納沙布岬、層雲峡の黒岳。そして、行く先々での北海道の秋味を堪能できたのは、先輩の柔軟性と先見の明である。特に、関谷さんには、山にアタックできない鬱憤を払うべく、毎晩北海道の旬を料理してもらい、舌鼓を打ちながらビールとお酒を頂くことが出来たのは、贅沢の極みである。

 本来なら、登山の報告だけに留めておくべきではあるが、今回の北海道の旅では秋味紀行が大きなウエイトを占めているので、以下のとおり全行程を報告したいと思う。




○9/6(木) 「走行距離:295km」
檜山宅13:30──────18:10仙台港(フェリー)20:00────────── 
矢吹ICから東北道に乗る。仙台南で降りて仙台港を目指すが、途中で迷い、高速に乗って仙台港へ。乗船前にスーパーで酒とビールとつまみを仕入れた。生ビールで乾杯したが、これが大変旨かった。
勇躍しての、北海道11間の山旅の始まりであった。

○9/7(金)天気:曇りのち雨  「走行距離:215km」
────────10:45苫小牧11:45──── 14:30浦河町────大樹町───── 17:00中札内ヒュッテ

どんより曇った苫小牧に着く。今日は、カムエクの前進基地である中札内ヒュッテまでの行程である。浦河のラーメン屋で遅い昼食をとる。浦河町のメイン道路は、すごく整備され電気が地中化されていた。3年前ほどに整備されたらしい。

浦河で、今晩の食料を買い出しした後、日高山脈を越えて大樹町へ。酒は、地元の中札内村で購入。上札内で道道294号線と別れ、20kmほど入る。雨の中、日高山脈山岳センターのあるピョウタンの滝を右に見て走ると、やがて大きなダムが見える。札内ダムを過ぎて少しで、今日の宿泊地「中札内ヒュッテ」に着いた。

薪が常備された、二階建ての小綺麗な小屋であった。三人とも同時にこの小屋に感動。入口間近まで、車を寄せて準備。宮ちゃんが早速慣れた所でストーブに火を起こす。(これ以後、ストーブは宮ちゃんの係りとなった。)ストーブに火が付くと、Tシャッツ一枚で十分。関谷電力(バッテリーを使ったこの電気は、小屋でもテントでもその威力を発揮し、最高であった。)も通電して、小屋は暖かく、そして明るい。

ビールで乾杯し、関谷さんの料理に満足し、明日の天気に一縷の望みを託しながら、寝ることとした。
(夜中、雨の音が凄い。いびきが消えるぐらいに。ガッカリしてまた横になった。)

○9/8(土)起床:6:00 天気:雨時々曇り  「走行距離:297km」 
中札内ヒュッテ7:55────広尾町───10:45襟裳岬11:15─── 12:30フンベの滝────12:46広尾駅(「河幸」で昼食)13:26───── 14:50中札内ヒュッテ

 起きてみると、案の定、雨がさかんに降っていた。これでは、沢登りが必要なカムエク登山は危険である。しかも単独の予定。迷うことなく中止とする。

朝飯を終えてから、カムエク登山口まで偵察をするとした。小屋の前は、車が10数台駐車できるスペースがあった。中札内川沿いの道路を走る。(この道路は、静内に抜ける日高横断道路で、途中の橋の架け替え等と併せて登山口から先が現在工事中である。)

登山口には、車が3台。本流、七ノ沢とも増水していた。(中札内ヒュッテ前の登山ポストには昨日から12名の登山パーティーが入山していると記入されていた。しかし、この雨では、八ノ沢出合で停滞ではと思う。)とりあえず、登山口を確認して、今日は満足するしかない。(今回の北海道の山の中で、このカムエクが一番登りたい山なのだ。)

両先輩の提案で、北海道秋味紀行に転進する。すなわち、二人の懐かしい「襟裳岬」に行くこととなった。(自分は初めてである。)広尾から黄金道路を走る。時々波が道路まで跳ね上がってくる。所々で道路拡幅工事をやっていた。昔はもっと波打ち際で、もっと狭かったらしい。(そう言う二人の顔が懐かしいそうに輝く。)

 いつの間にか雨はあがり、少し日差しも見えてきた。風の強い中、襟裳岬に着いた。観光客に混じって、襟裳の展望台に立ち、陸地が岩礁となって海に消えて行く様に感慨 を持って眺めた。1円もここには落とさずに移動となった。(上客ではないのだ。)

 また来た道、黄金道路を戻る。フンベの滝に寄り、水タンクを満タンにした。広尾で、買い出しと昼食を摂った。(広尾には、十勝港があり、新鮮な水産物が水揚げされ、しかも安い。イカが1箱24杯も入って、たったの千円である。しかし、買ったのは、新鮮なホッキ貝。今晩のメインリッシュである。)

 雨の中、中札内ヒュッテに戻る。早速、関谷さんが腕を振るって、ホッキ貝の生の貝柱と鉄板焼きで旨いビールに満足。(忘れてきたしゃもじを関谷さんが薪から作ったしまった。)話も弾み、一升瓶も横になった頃、二人の若い登山者が入ってきた。(彼らは二階に陣取り、ラーメンなどを啜っているようだ。)
 明日の天気に期待して、早めに横になった。(就寝19時)

○9/9(日)起床:6:00 天気:大雨のち曇り 「走行距離:213km」
中札内ヒュッテ7:35────帯広────8:15道の駅「音更」(買い出し)──── 11:45幌加温泉──── 12:16糠平温泉12:55──── 14:00ニペソツ登山口(テント)

 夜中にもの凄い屋根を叩く音がしていた。昨日よりも増してひどい雨であった。当然カムエクは中止とした。(もの凄くガッカリしてしまった。)コイカクを登る予定の二人も当然中止となり、朝飯も食べずに退却して行った。カムエクは非常に残念ながら、今回は延期として次の山「ニペソツ山」に転進することにした。

雨の中の帯広を過ぎ、音更の道の駅でスーパーが開くのを待つことにした。待っている間に食べたトウモロコシが大変旨かった。大きなスーパーが何軒があったが、それぞれ偵察をして、「テキサス」というディスカウトストアーで、買い出しをする。毛ガニの交渉は全面的にシェフ関谷任せ。良い物を値切って半額程度の5つで5千円となった。

買い出し後、無料の幌加温泉に向かった。ライダーが一人おり、ぬるいうえ汚ないと教えてくれた。なるほどそのとおり。仕方なく、少し戻って有名な「糠平温泉」で気持ちをリフレッシュすることにした。(一人500円)

 体も暖まって、ニペソツ登山口に向かった。登山口は、国道273号から約8kmほど入ったどんずまりの杉沢出合である。今日の登山者の車が4台駐車されていた。大きな看板が設置された、程良い幕営地である。夕方を待ちきれずに、ビールを開けて、早速二匹の毛ガニをご相伴することとなった。(しかし、三人とも、ビールには気が行かず、声もなくひたすらカニにしゃぶりついていた。)

登山者が三組ほど降りてきた。聞けば、頂上はガスの中、途中で小雨にも会ったらしい。殆ど、雨具が泥だらけであった。

 人心地付いて、テント設営をしていると、札幌からの11人組が到着し、月曜日なので我ら三人だけと思ったら、賑やかなことになった。嬉しいことに、天気は回復気味で日差しも出てきた。ようやく、北海道での初めての待望の日差しである。
夕食もカニを肴にビールを傾けたら、羨ましそうに「贅沢なものですね。」等と言われてしまった。明日はカニパワーで頂上アタックである。

○9/10(月)起床:3:00 天気:曇り 「走行距離:21km」

ニペソツ登山口(1,025m)4:35────6:12小天狗の岩場────6:26天狗のコル (1,590m)6:35─── 7:32前天狗(1,880m)─── 8:20最低鞍部(1,735m)──────9:12ニペソツ山(2,013m)9:45─── 10:13最低鞍部────11:01前天狗────11:50天狗のコル────12:56〜13:25登山口

ニペソツ登山口13:35===== 糠平温泉========15:30石狩岳登山口(テント)

予定どおり3時に起床する。満天の星が見えた。11人組は予定どおり4時前に出発して行った。我々も朝飯を腹に入れて予定時間より30分早く出発した。十六沢に架かる板を渡りスタートとなった。直ぐに急斜面を登って尾根に取り付く。尾根は広い針葉樹林になっていて、斜度もそんなにきつくはない。登り始めてまもなく夜が明けて周りが明るくなった。

 登るにつれて、樹林の中も明るくなり、余裕も出てきた。11人組の露払いがあっても、ズポンの裾はビッショリとなった。それにしても、関谷さんが良いペースで登っていた。天気は曇り空となってきた。森林限界近くになって、右手が開けてきたが、濃いガスの中であった。

斜度がきつくなりエゾマツとクマザサが多くなった頃、元気な声が 聞こえた。11人組が大休止していたので、先に行かせてもらった。急斜面を登って着いたところが小天狗の岩場であった。トラバースして前天狗とのコルを目指して下って行く。

テント場にもなる天狗のコルである。残雪のあるうちは水はとれるが、今の時期は残雪はない。大休止する。周辺の紅葉が綺麗であった。リンドウの紫が目立つ。

ここからルートは、ダケカンバなどの樹林の中を大まかに登って行く。やがてハイマツと岩礫の斜面となった。(コース解説では、やがて3つに道が別れるとなっているが、下りでも確認したが、3つの道というのが判らなかった。)岩礫の斜面には、ウラシマツツジが真っ赤に色づき、本当に綺麗である。ガスの中なのが残念。

岩の間から、鳴き声が聞こえる。静かにしていると、そう、それは鳴きウサギであった。ちょっと近づくと、直ぐに気配を感じて岩の間に潜ってしまった。前天狗の斜面をトラバース気味に登って行く。前天狗岳の頂上近くからは絶好の撮影ポイントと読んだが、今日はなにも見えない。

 今度は前天狗からの斜面を下り、沢になっているところの大きな岩を過ぎると天狗岳への登りとなった。登り切る手前で大休止する。直ぐ上で幌加温泉との分岐に出たが、直ぐに急な斜面となった。天狗岳は、頂上を登らずにトラバース気味に下って行く。(ここからは常に大きく前方にニペソツ山が見えるわけだが。)最低鞍部までは細い稜線で結構な下りであった。

 コルからは登り一丁の急登である。灌木帯の中を登ると、やがて左側(東側)が切れ落ちた崖となっていた。斜度が落ちてきて、トラバース気味の登りとなり、やがて西側の明瞭な稜線に出た。風が冷たい。

 稜線を忠実に辿って登って行くと、僅かで頂上に着いた。しっかりと三角点を踏み、三人で笑顔の中の握手となった。ようやく目的の山の一つに登ることが出来てホッとした。惜しむらくは天気であるが、致し方ない。早速ビールで乾杯し、写真などに収めた。

後ろ髪を引かれるが、頂上を去る時間となった。頂上を登った安堵感からか、下山はゆったりとした気分で下った。頂上から20分ほど下ったところで11人組(このとき2人が下っていたので、9人組ではあるが)に出会った。励ましの声をかけて別れた。

途中の紅葉に感心しながら、写真に収めて下った。天狗のコルからは思い思いのペースで下ることになったが、小天狗からの下りは、登りの印象と違って結構急に感じられた。テントを片づけた頃二人が着いた。雨が落ちてきた。

満ち足りた気分を糠平温泉に浸すべく、向かった。昨日と宿を変えて温泉に入った。足りないものを補給して次なる山、石狩岳登山口を目指して、また、国道275号から林道に入る。ニペソツ山への分岐を分けて行く。音更山経由の登山口を過ぎて、林道終点近くまで走る。広い河原の登山口(シュナイダーコース)に着いた。

雨の中、早速テントを設営する。(さすがは関谷さんで、大きなビニールをテントの上に設営すべくち ゃんと雨対策の用意をしていたのだ。お陰で快適なテント場となった。)
  最後のカニを肴に、ビール・酒を傾けて、今日の成果に満足し、至福の時を刻んだ。













○9/11(火)起床:5:00 天気:大雨  「走行距離:686km」 
石狩岳登山口5:19── 5:40国道273号───6:16「国道29号線大雨で通行止め」────糠平温泉─── 帯広────浦幌────9:30釧路・和商市場10:24───根室───12:55納沙布岬13:30─ 13:50根室駅14:15── 16:10釧路(スーパー「フクハラ」)───── 浦幌───────19:15中札内ダムのトンネル(テント)

夜中から、強い雨がテントを叩いていた。やはり台風15号のの影響だろう。その強い雨が気になって仕方なかった。(林道からテン場に入る前に大きな水溜まりがあった。) 起きて直ぐに、テントをたたんで脱出する事にした。無事成功する。

層雲峡に向かおうとしたら、雨で通行止め。山は諦めて、花咲ガニを始め、海産物の豊富な釧路と納沙布岬に行くことになった。またまた、帯広を通る。

釧路の和商市場は、地下に駐車場を備えた一大市場である。ここで、遅い朝食を摂った。ごはんにそれぞれ好きな物を乗せる。イクラ、ウニなどを価格、量を適当に勘案して注文する形式だ。ここで、それぞれの土産として、毛ガニを宅配した。(確かに安いと思う。)

納沙布岬に向かう。良い調子で運転し、譲り合い路線でその趣旨に添って(?)スピードを上げたら、御用になってしまった。(しかし、行政処分を免れたことにホッとしてしまった。関谷さんの忠言で直ぐに、国家に納付した。)

雨と強風の中、目的の納沙布岬に到着。残念ながら、北方四島は見えない。(山に登れないから当然当たり前なのだが。)記念写真と関谷さん目当ての昆布の土産を仕入れて、根室の駅へ。(関谷さんの懐古と花咲ガニを仕入れるためである。)いつものように交渉を始め、5千円でカニ5匹をゲット。長居は無用と雨の中先を急ぐ。

 途中、釧路で今日のための買い出しを終え、今日の宿をどこにするか。謀議の結果、かって知ったる「札内ヒュッテ」へ。問題は、この大雨で、通行止めになっていないか どうか。かって知ったる札内ヒュッテへの林道に入って、通行止めの電光表示があった。

「札内ダム」で通行止めの表示。ガッカリしたが、直ぐに機転を働かした。この大雨を凌ぐには、ゲートになっているトンネルが絶好のテント場であった。ガッカリした気持ちが反転し、快適なテント場に満足し、これだけでも話が弾んでしまった。(キタキツネがやって来た。)今晩もまた、花咲ガニを肴にいつもの量をこなして、ぐっすりと寝入ってしまった。









○9/12(水)起床:6:30 天気:雨のち曇り  「走行距離:235km」 
中札内ダムトンネル8:00────9:25帯広─── 10:27狩勝峠10:40────12:45上富良野町(給油・昼食)──── 13:57吹上温泉14:37────上富良野(買い出し)──── 16:10日の出公園キャンプ場

朝になると、少し小降りとなった。工事会社の人たちが、次々に来て、ゲートを一時開けていく。天気は、徐々に回復気味。今日の行動は、上富良野の温泉へ。(途中で、ラジオで盛んにテロ発生のニュースを言っている。良く詳細が判らなかったが、途中で新聞を買い、情報収集の結果、事件の概要が判明した。

大変な事件の最中に北海道味紀行は是か非か、冗談交じりに飛び出した。また、阿部ちゃんの車で良かった。当初予定 した宮ちゃんの車はラジオがない、つまり故障しているのだから。)

 交通情報を確かめて、狩勝峠を越える。ここで食べたじゃがバターは一品であった。上富良野町から十勝温泉に向かい、途中から左に入って、無料の露天温泉である「吹上温泉」へ。樹林の中にあり、地元の老年者が多かったが、結構熱い露天であった。

 上富良野に下り、今晩の買い出しをする。きれいな日の出公園でのキャンプとなった。 雨を避ける用意をして、いつもの晩餐会が始まった。今晩のメインリッシュは、花咲ガニとサンマ焼きである。(関谷製の大根スリ器を缶詰の蓋で作成するから凄い。)毎晩、新鮮な気持ちで酒が飲めるのが楽しい。

○9/13(木)起床:5:00 天気:曇りのち晴れ  「走行距離:230km」 
キャンプ場6:00────── 8:00層雲峡ロープウェー駅8:20──── 七合目8:50-------9:35〜10:00 黒岳10:40--------11:10七合目------- 11:45〜12::05五合目 12:10──── ロープウェー駅12:30─── 13:10愛別町(昼食・買い出し)─── 14:15協和温泉14:50──── 15:15林道分岐────15:34天塩岳ヒュッテ

  昨夜の決定どおり、層雲峡・黒岳登山を目指す。旭川・愛別町を経由して層雲峡へ。その途中で、ニセカウシュペ山への林道を確認したかったが、良くわからなかった。

 層雲峡に着く前には、天気は回復基調で、青空さえ見えてきた。層雲峡ロープウェーを使って、黒岳へ。ニセカウシュペ山が大きく見えた。たくさんの観光客が乗っていた。 紅葉にはまだ早かった。五合目からはリフトを使った。

 七合目から本来の登りである。ここには登山指導センターがあり、観光客も含めて、全ての登山客に名簿を記入させていた。思い思いのペースで黒岳を目指した。紅葉は、七合目からは始まっていた。登りながら、昨年の11月一人で黒岳を登ったことを思い出す。あのときも快晴の下、良い気持ちで雪の頂に立ち、誰もいない雪原を通って北鎮岳まで登ったけ。

頂上まで、45分ほどで登った。雲は懸かっているが、北海岳から北鎮岳まで、そしてその山並の後に旭岳も頭を出していた。しかし、雲が流れていた。関谷さん、宮本ちゃんの順に頂上を立った。三人揃ったところでビールで乾杯となった。それぞれの思いでこの気持ちの良い至福の時に感動した。下山は、リフトを使わずに五合目まで下った。余り歩いていないのか、苔生していた。

  黒岳に登って、本来の登行意欲が湧いてきた。天塩岳を目指して転進した。愛別町で昼食と買い出しをした。また、天気も回復基調であり、当然、15日予定していた小樽の国際ホテルはキャンセルした。昨年寄った協和温泉で、黒岳の汗を流し、今回も気持ちの良い思いをした。

国道から林道に入る。手塩ヒュッテまでは17kmの行程であった。手塩ヒュッテの立派さと大きさ(朝日町営の二階建て)、その薪ストーブに感激した。キャンプ用の炊事場やトイレも完備されていた。早速、宮ちゃんはストーブに取りかかり、阿部ちゃんはメインリッシュの手配へ。残る檜山は、何にもせず。(?)濡れたテントなどを干す。
夜の帳が落ちると関谷電力が通電し、ストーブを囲んで宴会が始まった。








○9/14(金)起床:3:00 天気:晴れ時々曇り  「走行距離:140km」 
ヒュッテ(770m)4:50───5:13連絡道分岐(860m)── 5:27沢コース分岐(920m) ───6:51トラバース分岐(1,400m)7:00─── 7:17前天塩岳(1,540m)7:25─────8:15天塩岳(1,557m)8:45────9:08避難小屋(1,365m)────10:05連絡道分岐(1,090m)───10:28新道分岐────10:50天塩岳ヒュッテ

ヒュッテ11:10 ────11:55協和温泉12:35─────13:00旭川───3:40妹背牛 (昼食・買い出し)14:35────雨竜町────15:50南暑寒荘(テント)

ヒュッテに阿部ちゃんを残して、いざ天塩岳へ。雲は流れているが、天気は上天 気。沢沿いの道を歩き何度か沢を渡渉する。前日の大雨で良く橋が流されなかったものだと感心した。新道への連絡道を過ぎ、沢コースの分岐も過ぎて、やがて道にジグサグを切り、樹林の中を登っていた。対岸には、立派な稜線が見え、避難小屋らしきものや天塩岳と思われる頂を見えた。

ダケカンバの急登を頑張って登ると、ハイマツ帯が出てきた。風が気持ち良い。ハイマツが山火事で焼けた跡に出て、トラバース道との分岐となり、大休止とした。天塩岳が流れるガスで見え隠れしていた。

ここから前天塩岳までは、緩やかな斜面を登って着いた。思いの外早かった。眼前に頂上を雲に隠した天塩岳が見えた。天塩岳へのコルを目指して急降下し、途中でトラバース道と合流した。紅葉は既に始まって、ダケカンバやナナカマドが色づいていた。(しかし、ニペソツ山には及ぶべくもなかった。)最低鞍部からは、ハイマツ帯の稜線を忠実に辿る。

稜線を登り切って、天塩岳に立った。笑顔の宮ちゃんと固い握手。ようやくこれで2つ目の山であり、少し安心した。三角点を踏み、ビールで乾杯した。頂上に立ったら天気も青空が拡がり、やがて周囲も完全に見え、満足感が胸一杯に拡がった。頂上からは、これから下るハイマツの中のルートがくっきりと見え、その先には避難小屋、そしてたおやかな円山が見えた。

円山に向かって下る。岩礫を過ぎると、笹原の気持ちの良い尾根道となった。やがて立派な避難小屋に着いた。中も綺麗で、10人ほどは十分可能である。小休止した後、円山を目指す。傾斜の緩いハイマツの登って円山に着いた。円山からも傾斜の緩い広い尾根の下りとなった。

 樹林の中を下って行き、やがて新道と別れて連絡道に入る。急斜面を下って沢の音がだんだん大きくなり、今朝の新道ルートに出た。ここまで来たらさすがに余裕も出てきて、気分良くヒュッテを目指した。

  ヒュッテには、阿部ちゃんが意外に早い到着にちょっと驚き顔で、迎えてくれた。(残った阿部ちゃんは、朝食の後かたづけはもちろんテント等の濡れ物や車の整理をきれいに終えていた。改めて大感謝する。)

居心地の良かった天塩岳ヒュッテから暑寒別山の登山基地、南暑寒荘を目指した。天塩岳の汗を協和温泉で流し、旭川・深川を通って、雨竜町へ。途中の妹背牛(いもせうし)町で、昼食(ここでカツ丼を注文したが、出てきた物は、カレーライス用の深い皿に、ご飯の上に薄い衣揚げの肉と少量の野菜炒め風のものがのっている物であった。しかもソースをかけて食べるらしい。)と買い出しをする。

  南暑寒荘は、良く整備された登山基地で、雨竜湿原の最盛期である夏山シーズンには、相当の登山者が来るらしい。管理人も常駐している。初めは、山荘の一室を借りた(500円プラス環境美化整備協力金200円)が、炊事は外なので、テント泊まり(200円プラス 200円)とした。気持ちの良い芝生の上で、今晩も旨い酒を傾けた。









○9/15(土)起床:3:00 天気:晴れ時々曇り  「走行距離:221km」 

南暑寒荘(560m)5:05────6:00雨竜湿原入口(900m)─── 6:35湿原展望台 (965m)6:40──── 7:38南暑寒別岳(1,296m)7:50────9:24暑寒別岳(1,491m)10:00───11:20南暑寒別岳11:30─────12:25湿原展望台12:20──── 12:50湿原入口───13:45南暑寒荘(560m)

南暑寒荘14:45 ──── 15:45奈井江温泉16:20─── 奈井江IC────6:30 砂川オアシス16:55───── 18:10苫小牧(買い出し)───19:30フェリーターミナル23:45────────────

今日は、雨竜湿原探索の宮本・関谷組と暑寒別岳までの檜山とに別れて登った。出発は同じに出た。檜山は先を急いだ。雨竜湿原入口までは、結構な登りで標高差は250mもあった。約1時間で雨竜湿原に出た。湿原には朝靄がまとわりついていた。整備された木道を展望台目指して辿る。木道は一方通行となっていた。

今は花はほとんどなく、リンドウの紫が目立つくらいであった。湿原の奥の左側に南暑寒別岳が、大きくコルを隔ててその右には目指す暑寒別岳が見えた。

 30分ほどで湿原を抜け、展望台に立って雨竜湿原を一望する。まだ朝靄が立ちこめていたが、拡がりや種の豊富さは尾瀬ほどではないとしても、これだけの拡がりの湿原は貴重である。

ここからはササの間の緩やかな道を辿った。標高を余り稼げない道であった。しかも、登山道の周りのササやハイマツが朝露に濡れており、南暑寒別岳に着いた頃には、ズボンの下半分はビッショリと重かった。ガスの流れの向こうに暑寒別岳が大きく見えた。

ここから道は、コルに向かってガレ場と灌木の間を急に高度を下げていった。そして、時に、朝露に濡れた背丈ほどのササの密生する中を掻き分けて行く。コルからもその道は続いていた。下半身ビッショリ。特に靴の中はグショグショ。途中には、きれいな沢が流れていた。水が旨い。

ササの道から灌木の道となり、尾根伝いの傾斜の強い道となってきた。最後の盛り上がりの頂上部が大きく見える頃、傾斜は更にきつくなり、左側がバッサリと崩壊していた。やがて傾斜も緩くなり、頂上も指呼の中。頂上にもうすぐ着くと言うときに、頂上から男が一人降りてきた。今日始めての登山者であった。(彼は、増毛から登ってきたという。時間があるので、南暑寒別岳まで行くという。ここまでの所要時間を聞かれた。)

一人頂上に立った。本当に嬉しかった。天気は回復し、青空が見え、雨竜湿原も一望できた。三角点をしっかりと踏んだ。頂上には鉄の方位盤があり、周囲を確かめた。ここまでの途中で、遠くに南の方角に雲の上から見えた三角錐の山は、やはり後方羊蹄山であった。満足感が胸に拡がり一人ビールで乾杯した。靴下とTシャッツを絞って、乾かした。遠くの山々が霞んで見えた。周囲にも大小様々な湿原があった。

名残は惜しいが、下山の時間が来た。南暑寒別岳を目指して下って行く。一度登ってきたからか、余裕を持って下山できる。ササも来たときほどの濡れもない。コルの手前で、男女1組の登山者に会った。

 南暑寒別岳への最後の登りはキツイ。登り切ったら、登山者が5人ほど休んでいた。頂上に着くと同時に、そのうちの男の人から、いきなりご苦労さんの声とともに、トマトを渡された。有り難く頂いた。聞くと、みんなはここまでで、暑寒別岳には行かないという。時間を聞かれたので答えたら、その時間に驚いていた。ここまで来て勿体ないですよと言っておいた。礼を言って、先を急いだ。

 展望台までの緩やかな下りで、たくさんの登山者や家族連れに出会った。たぶんみんな南暑寒別岳までなのだろう。展望台にも、たくさんの人たちが思い思いに休んでいた。写真をお願いして、直ぐに出発した。

湿原入口には、湿原の木道修理のための資材をヘリが繰り返し上げていた。その爆音の中を南暑寒荘に向けて下っていった。まだまだたくさんの人たち、家族連れが登ってきた。白竜の滝で写真を撮った。最後の吊り橋には大勢休んでおり、この湿原の人気が判った。しかも、久しぶりの天気なのだから。

両先輩が笑顔で迎えてくれ、そのうえうどんまで馳走してくれた。もうこれで今回の北海道の山は終わり。最後に天気に恵まれて目標の山に登れたことに大満足した。

苫小牧を目指して後にした。滝川・砂川を通り、途中の奈井江町の温泉で汗を流した。このとき、奈井江ICから少し戻ると、北海道の農産物や土産物がある砂川オアシスがあるという情報を聞けた。お土産の買い出しをして、高速で苫小牧まで向かった。苫小牧でスーパーを探して、今晩と明日の食料買い出しをしてフェリーに到着した。
 フェリーのレストランで、今回の北海道の山行と秋味紀行を生ビールで乾杯した。

















○9/16(日) 天気:曇り  「走行距離:50km」 
─────────────  19:00 大洗港────関谷宅───宮本宅────(舞木・今村・小和瀬の各家庭宅)───── 21:20檜山宅

日がな一日、フェリーの中である。波の穏やかであった。買い出ししたビール等を朝から開けて、旅行者の特権を駆使した。大洗まで、横になったり、テレビを見たりして過ごしたが、長い時間だった。


* 北海道9日間の山旅と秋味紀行は、両先輩のお陰で楽しく、しかも目標の山を3つも 登ることが出来ました。本当にありがとうございました。また、差し入れを頂いた三人の先輩にもお世話になりました。しかし、次回、北海道の山を計画したときには、是非誘いますので、差し入れでの参加ではなく、同行の者としてよろしくお願いします。薪付き小屋の数日間だけでも、たぶん感激すること請け合いです。

今回の会計については、薪付き山小屋3泊、テント5泊ということで、宿泊料は掛からなかった。なお、酒類は、概ね毎晩酒1升と500mLビールが6本程度である。

  区分別の会計は以下の通り。
@フェリー代 64,400円
Aガソリン及び高速・ロープウェー 44,180円
B外食代 8回 27,144円