中野文庫 南洋庁官制

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南洋庁官制(大正11年勅令第107号)

第一条 南洋群島ニ南洋庁ヲ置ク

第二条 南洋庁ニ左ノ職員ヲ置ク

長官    勅任
部長  三人  奏任
事務官  専任八人  奏任
警視  専任一人  奏任
技師  専任四人  奏任
 専任五十六人  判任
警部  専任八人  判任
技手  専任十六人  判任
警部補  専任十人  判任

第三条 長官ハ内閣総理大臣ノ指揮監督ヲ承ケ部内ノ政務ヲ管理ス但シ郵便及電信ニ関スル事務ニ付テハ逓信大臣、貨幣銀行及関税ニ関スル事務ニ付テハ大蔵大臣、度量衡及計量ニ関スル事務ニ付テハ農商務大臣ノ監督ヲ承ク

第四条 長官ハ其ノ職権又ハ特別ノ委任ニ依リ庁令ヲ発シ之ニ一年以下ノ懲役若ハ禁錮、拘留、二百円以下ノ罰金若ハ科料ノ罰則ヲ附スルコトヲ得

第五条 長官ハ安寧秩序ヲ保持スル為臨時緊急ヲ要スル場合ニ於テ前条ノ制限ヲ超ユル罰則ヲ附シタル命令ヲ発スルコトヲ得
2 前項ノ規定ニ依リテ発シタル命令ハ公布後直ニ
内閣総理大臣ヲ経テ勅裁ヲ請フヘシ勅裁ヲ得サルトキハ長官ハ直ニ其ノ命令ノ将来ニ向テ効力ナキコトヲ公布スヘシ

第六条 長官ハ其ノ管轄区域内ノ安寧秩序ヲ保持スル為必要アリト認ムルトキハ鎮守府司令長官又ハ附近ノ海軍主席指揮官ニ兵力ノ使用ヲ請求スルコトヲ得

第七条 長官ハ所部ノ職員ヲ指揮監督シ高等官ノ功遇ハ内閣総理大臣ニ具状シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ行フ

第八条 長官ハ所轄官庁ノ命令又ハ処分ニシテ成規ニ違ヒ、公益ヲ害シ又ハ権限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ命令又ハ処分ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得

第九条 長官ハ其ノ職権ニ属スル事務ノ一部ヲ所轄官庁ニ委任スルコトヲ得

第十条 南洋庁ニ長官官房及左ノ三部ヲ置ク
  内務部
  財務部
  拓殖部
2 長官官房及各部ノ事務分掌ハ内閣総理大臣ノ認可ヲ経テ長官之ヲ定ム

第十一条 南洋庁管内須要ノ地ニ南洋庁支庁ヲ置ク其ノ名称、位置及管轄区域ハ内閣総理大臣ノ認可ヲ経テ長官之ヲ定ム

第十二条 長官ハ支庁ノ事務ヲ分掌セシムル為支庁出張所ヲ置クコトヲ得其ノ名称、位置及管轄区域ハ長官之ヲ定ム

第十三条 部長ハ長官ノ命ヲ承ケ部務ヲ掌理シ部下ノ職員ヲ指揮監督ス

第十四条 事務官ハ支庁長タル者ヲ除クノ外上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ分掌ス

第十五条 支庁長ハ事務官ヲ以テ之ニ充ツ長官ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部内ノ行政事務ヲ掌理シ部下ノ職員ヲ指揮監督ス

第十六条 支庁長ハ部内ノ行政事務ニ付其ノ職権又ハ特別ノ委任ニ依リ支庁令ヲ発スルコトヲ得

第十七条 支庁出張所長ハ属又ハ警部ヲ以テ之ニ充ツ上官指揮監督ヲ承ケ所務ヲ掌理ス

第十八条 警視ハ上官ノ命ヲ承ケ警察、衛生及監獄ノ事務ヲ掌リ其ノ執行ニ関シ警部、警部補及巡査ヲ指揮監督ス

第十九条 技師上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル

第二十条 属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス

第二十一条 警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察、衛生及監獄ノ事務ニ従事シ部下ノ警部補及巡査ヲ指揮監督ス

第二十二条 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス

第二十三条 警部補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察、衛生及監獄ノ事務ニ従事シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス

第二十四条 気象ニ関スル事務ヲ掌ラシムル為南洋庁ニ観測所ヲ置ク其ノ名称及位置ハ長官之ヲ定ム
2 観測所長ハ技手ヲ以テ之ニ充ツ長官ノ指揮監督ヲ承ケ所務ヲ掌理ス

第二十五条 南洋庁ニ巡査ヲ置ク判任官ノ待遇トス
2 巡査ノ定員ハ長官之ヲ定ム

  附 則

1 本令ハ大正十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
2 大正七年勅令第二百六十七号ハ之ヲ廃止ス
3 本令施行ノ際現ニ臨時南洋群島防備隊ニ在勤スル者別ニ辞令書ヲ交付セラレサルトキハ海軍書記生ハ南洋庁属ニ、海軍警部ハ南洋庁警部ニ、海軍技官補ハ南洋庁技手ニ、海軍警部補ハ南洋庁警部補ニ、海軍巡査ハ南洋庁巡査ニ同俸給ヲ以テ任セラレタルモノトス


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