中野文庫 女子挺身勤労令

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女子挺身勤労令(昭和19年勅令第519号)

第一条 勤労常時要員トシテノ女子(学徒勤労令ノ適用ヲ受クベキ者ヲ除ク)ノ隊組織(以下女子挺身隊ト称ス)ニ依ル勤労協力ニ関スル命令ニシテ国家総動員法第五条ノ規定ニ基クモノ並ニ当該命令ニ依ル勤労協力ヲ為スベキ者及女子挺身隊ニ依ル従業ヲ為ス者ノ雇入、使用、就職、従業又ハ給与其ノ他ノ従業条件ニ関スル命令ニシテ同法第六条ノ規定ニ基クモノニ関シテハ本令ノ定ムル所ニ依ル

第ニ条 国家総動員法第五条ノ規定ニ依ル命令ニ依リ女子ガ女子挺身隊ニ依リ為ス勤労協力(以下挺身勤労ト称ス)ハ国、地方公共団体又ハ厚生大臣若ハ地方長官(東京都ニ在リテハ警視総監以下同ジ)ノ指定スル者ノ行フ命令ヲ以テ定ムル総動員業務ニ付之ヲ為サシムルモノトス

第三条 挺身勤労ヲ為スベキ者(以下隊員ト称ス)ハ国民職業能力申告令ニ依ル国民登録者タル女子トス
2 前項該当者以外ノ女子ハ志願ヲ為シタル場合ニ限リ隊員ト為スコトヲ得ルモノトス

第四条 引続キ挺身勤労ヲ為サシムル期間ハ特別ノ事情アル場合ヲ除クノ外概ネ一年トス
2 隊員ヲシテ引続キ一年ヲ超エ挺身勤労ヲ為サシムル場合ニ於テハ隊員ノ同意アルコトヲ要ス

第五条 挺身勤労ヲ受ケントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ニ之ヲ請求又ハ申請スベシ

第六条 地方長官前条ノ規定ニ依ル請求又ハ申請アリタル場合ニ於テ女子挺身隊ヲ出動セシムル必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ市町村長(市町村長ニ準ズベキモノヲ含ミ東京都ノ区ノ存スル区域並ニ京都市、大阪市、名古屋市、横浜市及神戸市ニ在リテハ区長トス以下同ジ)其ノ他ノ団体ノ長又ハ学校長ニ対シ隊員ト為ルベキ者ヲ選抜スベキコトヲ命ズルモノトス

第七条 前条ノ命令ヲ受ケタル者ハ本人ノ年齢、身体ノ状態、家庭ノ状況等ヲ斟酌シ隊員ト為ルベキ者ヲ選抜シ之ヲ地方長官ニ報告スベシ

第八条 地方長官ハ前条ノ規定ニ依ル報告アリタル者ノ中ヨリ隊員ヲ決定シ本人ニ其ノ旨ヲ挺身勤労令書ニ依リ通知シ挺身勤労ニ関シ必要ナル事項ヲ指示スルモノトス

第九条 前条ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタル者ハ同条ノ規定ニ依ル指示ニ従ヒ挺身勤労ヲ為スベシ

第十条 挺身勤労ヲ為ス場合ノ女子挺身隊ノ組織及運営並ニ其ノ隊員ノ規律ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム

第十一条 地方長官ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特別ノ事情アル場合ニ於テハ挺身勤労ノ全部又ハ一部ノ停止ニ関シ必要ナル措置ヲ為スコトヲ得

第十二条 挺身勤労ニ要スル経費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ特別ノ事情アル場合ヲ除クノ外其ノ挺身勤労ヲ受クル者之ヲ負担スルモノトス

第十三条 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤労管理及給与ニ関スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ国家総動員法第六条ノ規定ニ基キ挺身勤労ヲ受クル事業主ニ対シ隊員ノ使用又ハ給与其ノ他ノ従業条件ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
2 隊員ガ業務上負傷シ、疾病ニ罹リ又ハ死亡シタル場合ニ於ケル本人又ハ其ノ遣族ノ扶助ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム

第十四条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ隊員ト為サザルモノトス但シ隊員ニシテ第一号又ハ第二号ニ該当スルニ至リタルモノハ此ノ限ニ在ラズ
 一 陸海軍軍属
 二 陸軍大臣若ハ海軍大臣ノ所管ニ属スル官衙(部隊及学校ヲ含ム)又ハ厚生大臣ノ指定スル工場、事業場其ノ他ノ場所ニ於テ軍事上必要ナル総動員業務ニ従事スル者
 三 法令ニ依リ拘禁中ノ者

第十五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ志願ニ依ル場合ヲ除クノ外隊員ト為サザルモノトス
 一 厚生大臣ノ指定スル総動員業務ニ従事スル者
 二 家庭生活ノ根軸タル者
 三 其ノ他厚生大臣ノ指定スル者

第十六条 厚生大臣又ハ地方長官ハ命令ノ定ムル所ニ依リ挺身勤労ニ関シ市町村長其ノ他ノ団体ノ長若ハ学校長又ハ隊員若ハ挺身勤労ヲ受クル事業主ヲ監督ス

第十七条 地方長官必要アリト認ムル場合ニ於テハ国家総動員法第六条ノ規定ニ基キ挺身勤労ヲ為サザル者ニ対シ第五条ノ規定ニ依ル請求又ハ申請ニ係ル工場、事業場其ノ他ノ場所ニ就職スルコトヲ命ズルコトヲ得
2 前項ノ工場、事業場其ノ他ノ場所ノ事業主ハ国家総動員法第六条ノ規定ニ基キ同項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者ヨリ就職申出ヲ受ケタルトキハ之ヲ雇入ルルコトヲ要ス
3 厚生大臣(軍需省所管企業ニ於ケル勤労管理及給与ニ関スル事項ニ付テハ軍需大臣)又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ国家総動員法第六条ノ規定ニ基キ第一項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者又ハ前項ノ事業主ニ対シ第一項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者ノ使用、従業又ハ給与其ノ他ノ従業条件ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
4 第十三条第二項ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者又ハ其ノ遺族ノ扶助ニ之ヲ準用ス

第十八条 第十三条ノ規定ハ地方長官又ハ国民勤労動員署長ノ為ス指導又ハ勧奨ニ基キ女子ガ女子挺身隊ニ依リ第二条ノ規定ニ依ル総動員業務ニ付工場、事業場其ノ他ノ場所ニ於テ従業スル場合ニ之ヲ準用ス

第十九条 地方長官必要アリト認ムルトキハ本令ニ依ル其ノ事務ノ一部ヲ国民勤労動員署長ヲシテ分掌セシムルコトヲ得

第二十条 第十三条(第十七条第四項及第十八条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第十六条並ニ第十七条第二項及第三項ノ規定ハ事業主タル国及都道府県ニ之ヲ適用セズ

第二十一条 本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督トシ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、台湾ニ在リテハ州知事又ハ庁長トシ市町村長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹(京城府ニ在リテハ区長)又ハ邑面長、台湾ニ在リテハ市長又ハ郡守(澎湖庁ニ在リテハ庁長)トシ国民勤労動員署長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹、郡守又ハ島司、台湾ニ在リテハ市長又ハ郡守(澎湖庁ニ在リテハ庁長)トシ都道府県トアルハ朝鮮ニ在リテハ道、台湾ニ在リテハ州又ハ庁トス

第二十二条 挺身勤労ニハ国民勤労報国協力令ハ之ヲ適用セズ

第二十三条 本令ニ規定スルモノノ外挺身勤労ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム

  附 則

本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス


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