中野文庫 統監府及理事庁官制

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統監府及理事庁官制(明治38年勅令第267号)

第一条 韓国京城ニ統監府ヲ置ク

第二条 統監府ニ統監ヲ置ク
2 統監ハ親任トス
3 統監ハ天皇ニ直隷シ外交ニ関シテハ外務大臣ニ由リ内閣総理大臣ヲ経其ノ他ノ事務ニ関シテハ内閣総理大臣ヲ経テ上奏ヲ為シ及制可ヲ受ク

第三条 統監ハ韓国ニ於テ帝国政府ヲ代表シ帝国駐箚外国代表者ヲ経由スルモノヲ除クノ外韓国ニ於ケル外国領事館及外国人ニ関スル事務ヲ統轄シ併セテ韓国ノ施政事務ニシテ外国人ニ関係アルモノヲ監督ス
2 統監ハ条約ニ基キ韓国ニ於テ帝国官憲及公署ノ施行スヘキ諸般ノ政務ヲ監督シ其ノ他従来帝国官憲ニ属シタル一切ノ監督事務ヲ施行ス

第四条 統監ハ韓国ノ安寧秩序ヲ保持スル為必要ト認ムルトキハ韓国守備軍ノ司令官ニ対シ兵力ノ使用ヲ命スルコトヲ得

第五条 韓国ノ施政事務ニシテ条約ニ基ク義務ノ履行ノ為必要ナルモノハ統監ニ於テ韓国政府ニ移牒シテ其ノ執行ヲ求ムヘシ但シ急施ヲ要スル場合ニ於テハ直ニ韓国当該地方官憲ニ移牒シ之ヲ執行セシメ後之ヲ韓国政府ニ通報スヘシ

第六条 統監ハ帝国官吏其ノ他ノ者ニシテ韓国政府ノ傭聘ニ係ルモノヲ監督ス

第七条 統監ハ統監府令ヲ発シ之ニ禁錮一年以下又ハ罰金二百円以内ノ罰則ヲ附スルコトヲ得

第八条 統監ハ所轄官庁ノ命令又ハ処分ニシテ条約若ハ法令ニ違ヒ公益ヲ害シ又ハ権限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ其ノ命令又ハ処分ヲ停止シ又ハ取消スコトヲ得

第九条 統監ハ所部ノ官吏ヲ統督シ奏任官ノ進退ハ内閣総理大臣ヲ経テ之ヲ上奏シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ専行ス

第十条 統監ハ内閣総理大臣ヲ経テ所部官吏ノ叙位叙勲ヲ上奏ス

第十一条 統監ノ外統監府ニ左ノ職員ヲ置ク

総務長官  一人  勅任
農商工務総長  一人  勅任又ハ奏任
警務総長  一人  勅任又ハ奏任
秘書官  専任一人  奏任
書記官  専任七人  奏任
警視  専任二人  奏任
技師  専任五人  
通訳官  専任十人  奏任
 専任四十五人  判任
警部
技手
通訳生

2 統監府又ハ其ノ所轄官庁ノ事務ヲ嘱託セラレタル韓国人ハ高等官又ハ判任官ノ待遇ト為スコトヲ得

第十二条 総務長官ハ統監ヲ佐ケ府務ヲ総理ス

第十三条 統監事故アルトキハ統監ノ定ムル所ニ依リ韓国守備軍ノ司令官又ハ総務長官臨時統監ノ職務ヲ代理ス

第十四条 農商工務総長ハ上官ノ命ヲ承ケ農商工其ノ他産業ニ関スル事務ヲ管掌ス

第十五条 警務総長ハ上官ノ命ヲ承ケ警察事務ヲ管掌ス

第十六条 秘書官ハ上官ノ命ヲ承ケ機密ニ関スル事務ヲ掌ル

第十七条 書記官ハ上官ノ命ヲ承ケ府務ヲ掌ル

第十八条 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル

第十九条 通訳官ハ上官ノ命ヲ承ケ通訳ヲ掌ル

第二十条 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス

第二十一条 統監ハ統監府技師、通訳官及技手ヲシテ理事庁ニ在勤セシムルコトヲ得
2 前項ノ職員ハ其ノ職務ノ執行ニ付当該理事官ノ指揮監督ヲ承クルモノトス

第二十二条 韓国内須要ノ地ニ理事庁ヲ置ク
2 理事庁ノ位置及管轄区域ハ統監之ヲ定ム

第二十三条 各理事庁ニ左ノ職員ヲ置ク

理事官  奏任
副理事官  奏任
 判任
警部  判任
通訳生  判任

2 前項職員ノ外統監ニ於テ必要ト認ムル理事庁ニ警視ヲ置ク奏任トス
3 副理事官二人以上ヲ置ク理事庁ニ於テハ其ノ一人ハ主トシテ法律事務ヲ掌ルモノトス
4 理事庁職員ノ定員ハ別ニ之ヲ定ム

第二十四条 理事官ハ統監ノ指揮監督ヲ承ケ従来韓国在勤領事ニ属シタル事務並条約及法令ニ基キ理事官ノ執行スヘキ事務ヲ管掌ス

第二十五条 理事官ハ安寧秩序ヲ保持スル為緊急ノ必要アリト認ムル場合ニ於テ統監ノ命ヲ請フノ遑ナキトキハ当該地方駐在帝国軍隊ノ司令官ニ移牒シテ出兵ヲ請フコトヲ得

第二十六条 理事官ハ韓国ノ施政事務ニシテ条約ニ基ク義務ノ履行ノ為必要アルモノニ付事緊急ヲ要シ統監ノ命ヲ請フノ遑ナシト認ムルトキハ直ニ韓国当該地方官憲ニ移牒シ之ヲ執行セシメ後之ヲ統監ニ報告スヘシ

第二十七条 理事官ハ理事庁令ヲ発シ之ニ罰金十円以内、拘留又ハ科料ノ罰則ヲ附スルコトヲ得

第二十八条 副理事官ハ理事官ノ命ヲ承ケ庁務ヲ掌リ理事官事故アルトキハ臨時其ノ職務ヲ代理ス

第二十九条 統監府及理事庁警視ハ上官ノ命ヲ承ケ警察事務ヲ掌ル

第三十条 統監府及理事庁属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス

第三十一条 統監府及理事庁警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察事務ヲ分掌シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス

第三十二条 統監府及理事庁通訳生ハ上官ノ指揮ヲ承ケ文書翻訳及通訳ニ従事ス

第三十三条 統監府及理事庁ニ巡査ヲ置ク判任官ノ待遇トス
2 巡査ノ定員ハ統監之ヲ定ム


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