中野文庫 皇室財産令

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皇室財産令(明治43年皇室令第33号)

   第一章 御料

    第一節 総則

第一条 御料ハ世伝御料及普通御料トス

第二条 御料ニ関スル法律上ノ行為ニ付テハ宮内大臣ヲ以テ其ノ当事者ト看做ス但シ宮内大臣ハ所部ノ官吏ヲシテ代理セシムルコトヲ得

第三条 民法第一編乃至第三編商法及附属法令ハ皇室典範及本令其ノ他ノ皇室令ニ別段ノ定ナキトキニ限リ御料ニ関シ之ヲ準用ス

    第二節 世伝御料

第四条 皇室典範第四十六条ノ規定ニ依リ世伝御料ニ編入シタル財産ノ公告ニハ左ノ事項ヲ掲クヘシ
 一 土地ニ付テハ其ノ所在地目地番及面積
 二 建物ニ付テハ其ノ所在種類構造及建坪
 三 其ノ他ノ物件ニ付テハ其ノ品目種類及箇数

第五条 世伝御料ニ属スル財産ニ付テハ其ノ種類ニ従ヒ各台帳ヲ設ケ前条ニ掲ケタル事項ノ外土地ニ付テハ由緒建物ニ付テハ建造者年代及由緒其ノ他ノ物件ニ付テハ製作者筆者年代及由緒ヲ登録スヘシ
2 前項ニ掲ケタル事項ノ外宮内大臣ニ於テ必要ト認メタルモノハ勅裁ヲ経テ之ヲ台帳ニ登録スルコトヲ得

第六条 世伝御料ニ属スル土地ノ台帳ニハ図面及彊界簿ヲ添附シ建物ノ台帳ニハ図面ヲ添附スヘシ

第七条 世伝御料ニ属スル財産ノ台帳ハ図書寮ニ於テ尚蔵ス

第八条 世伝御料ニ属スル財産ハ重大ナル事由ヲ生シタル場合ニ限リ其ノ解除ヲ為スコトヲ得
2 前項ノ解除ハ枢密顧問ニ諮詢シ勅書ヲ以テ之ヲ定メ宮内大臣之ヲ公告ス

第九条 世伝御料ニ属スル財産ハ必要アルトキハ勅裁ヲ経テ之ニ変更ヲ加ヘ又ハ之ヲ修補改築スルコトヲ得

第十条 前二条ノ場合ニ於テハ台帳ニ事由ヲ附記シ且異動ノ登録ヲ為スヘシ登録又ハ附記ノ事項ニ異動ヲ生シタル場合亦同シ
2 前二条ノ場合ヲ除クノ外世伝御料ニ属スル財産ニ異動ヲ生シタルトキハ勅裁ヲ経テ前項ノ手続ヲ為スヘシ

第十一条 左ノ場合ニ於テハ勅裁ヲ経テ台帳ノ登録又ハ附記ヲ訂正スヘシ
 一 登録又ハ附記ノ事項若ハ文字ニ錯誤アリタルトキ
 二 土地ノ登録面積実測面積ト異ナルトキ

第十二条 第五条及前二条ノ規定ニ依リ登録附記又ハ訂正ヲ為シタルトキハ台帳ニ其ノ年月日ヲ記入シ宮内大臣主管部局ノ長官及図書頭之ニ捺印スヘシ

第十三条 世伝御料ニ関シ公告ヲ経タル事項ニ異動ヲ生シタルトキハ宮内大臣之ヲ公告ス

第十四条 世伝御料ノ果実ハ普通御料ニ属ス変更修補又ハ改築ニ因リテ生シタル材料亦同シ

第十五条 世伝御料ニ属スル土地ノ上ニ新ニ物権ヲ設定スルハ公用又ハ公益事業ノ為ニ必要ナル場合ニ限ル
2 前項ノ規定ニ依リテ物権ヲ設定スルニハ枢密顧問ニ諮詢シタル後之ヲ勅裁ス

第十六条 世伝御料ニ属スル土地ノ上ニ物権ヲ設定シタルトキハ宮内大臣之ヲ公告ス其ノ公告シタル事項ニ異動ヲ生タルトキ亦同シ
2 前項ノ公告ハ登記ト同一ノ効力ヲ有ス

第十七条 前条ニ規定シタルモノヲ除クノ外世伝御料ニ編入シタル不動産ニ関スル権利ハ登記ヲ為サスシテ第三者ニ対抗スルコトヲ得
2 登記シタル不動産ヲ世伝御料ニ編入シタル場合ニ於テハ宮内大臣ハ遅滞ナク其ノ登記ノ抹消ヲ登記所ニ嘱託スヘシ

    第三節 普通御料

第十八条 普通御料ニ属スル財産ニ付テハ其ノ種類ニ従ヒ必要ナル帳簿又ハ目録ヲ設ケ之ニ其ノ現況価格及異動ヲ登録シ土地ニ付テハ図面及彊界簿ヲ添附スヘシ但公用又ハ公益事業ニ供スル物件ニ付テハ其ノ現況価格ヲ登録スルコトヲ要セス

第十九条 普通御料ニ属スル財産ノ帳簿又ハ目録ハ主管部局ニ於テ保管ス

第二十条 内廷ニ属スル財産ノ管理ニ関スル規程ハ宮内大臣勅裁ヲ経テ之ヲ定ム

   第二章 皇室財産

    第一節 総則

第二十一条 第二条第三条及第十八条乃至第二十条ノ規定ハ太皇太后皇太后皇后皇太子皇太子妃皇太孫皇太孫妃未タ婚嫁セサル未成年ノ皇子及皇太子皇太孫ノ子ニシテ未タ婚嫁セサル未成年者ノ財産ニ関シ之ヲ準用ス

第二十二条 民法第一編乃至第三編商法及附属法令並公益ノ為ニスル財産ノ収用徴発又ハ制限ニ関スル法令ハ皇室典範及本令其ノ他ノ皇室令ニ別段ノ定ナキトキニ限リ皇族ニ之ヲ適用ス但シ前条ニ掲ケタル皇族ハ此ノ限ニ在ラス

第二十三条 皇族臣籍ニ在ル者ノ遺贈ニ因リテ受遺者タルトキハ民法第五編第六章及第七章ノ規定ニ依ル
2 太皇太后皇太后皇后皇太子皇太子妃皇太孫皇太孫妃ハ遺贈ヲ受クルコトナシ

    第二節 治産能力

第二十四条 未タ婚嫁セサル未成年ノ皇族財産ニ関スル法律上ノ行為ヲ為スニハ其ノ法定代理人ノ同意ヲ受クヘシ
2 前項ノ規定ニ反スル行為ハ之ヲ取消スコトヲ得

第二十五条 前条ノ規定ハ法定代理人ニ於テ処分ヲ認諾セル財産ニ関スル行為及単ニ権利ヲ得又ハ義務ヲ免ルヘキ行為ニ之ヲ適用セス

第二十六条 前二条ノ規定ハ皇室典範第五十三条ニ依ル禁治産者ニ之ヲ準用ス

第二十七条 皇族精神ノ重患アルトキハ勅旨ヲ以テ禁治産ヲ宣告スルコトアルへシ
2 前項ノ規定ニ依リ禁治産ヲ宣告セラレタル者ハ之ヲ後見ニ付ス

第二十八条 前条ノ禁治産者ノ行為ハ之ヲ取消スコトヲ得

第二十九条 皇族精神ノ耗弱ナルトキ又ハ身体ノ重患アルトキハ勅旨ヲ以テ準禁治産ヲ宣告スルコトアルへシ
2 前項ノ規定ニ依リ準禁治産ヲ宣告セラレタル者ハ之ニ保佐人ヲ附ス
3 民法第十二条第一項及第三項ノ規定ハ準禁治産者ニ之ヲ準用ス

第三十条 禁治産又ハ準禁治産ノ原因止ミタルトキハ勅旨ヲ以テ之ヲ解除ス

第三十一条 禁治産又ハ準禁治産ノ宣告及解除ハ皇族会議ニ諮詢シタル後之ヲ勅裁ス

第三十二条 禁治産又ハ準禁治産ノ宣告及解除ハ宮内大臣之ヲ公告ス

第三十三条 保佐人ハ勅選ニ由ル

第三十四条 未成年者及女子ハ保佐人タルコトヲ得ス

第三十五条 保佐人ハ正当ノ事由アルトキハ勅許ヲ経テ辞任ヲ為スコトヲ得

第三十六条 保佐人ノ解任ハ勅旨ニ由ル

第三十七条 民法第十九条及第二十条ノ規定ハ未タ婚嫁セサル未成年者禁治産者及準禁治産者ノ行為ニ之ヲ準用ス

第三十八条 本節ノ規定ハ太皇太后皇太后皇后皇太子皇太子妃皇太孫皇太孫妃未タ婚嫁セサル未成年ノ皇子及皇太子皇太孫ノ子ニシテ未タ婚嫁セサル未成年者ニ之ヲ適用セス

    第三節 遺留財産

第三十九条 皇族男子ハ遺留財産ヲ設定シ又ハ之ヲ増加スルコトヲ得

第四十条 遺留財産ヲ設定又ハ増加セムト欲スル者ハ遺言ヲ以テ其ノ意思ヲ表示スルコトヲ得

第四十一条 未タ婚嫁セサル未成年者禁治産者及準禁治産者ハ遺留財産ヲ設定シ又ハ増加スルコトヲ得ス

第四十二条 遺留財産ヲ設定又ハ増加セムト欲スル者ハ其ノ財産ノ目録ヲ添ヘ其ノ旨ヲ宮内大臣ニ申述スヘシ
2 第四十条ノ場合ニ於テハ遺言ノ効力ヲ生シタル後相続人又ハ其ノ法定代理人ニ於テ遅滞ナク前項ノ手続ヲ為スヘシ

第四十三条 前条ノ申述アリタルトキハ宮内大臣ハ財産ノ目録ヲ審査シ支障ナシト認メタルトキハ其ノ財産ニ付キ之ヲ遺留財産ト為サムトスル申述アリタル旨ヲ勅裁ヲ経テ一週間公告スヘシ
2 前項ノ公告ニハ土地ニ付テハ其ノ所在地目及地番建物ニ付テハ其ノ所在及種類其ノ他ノ物件ニ付テハ其ノ品目種類箇数其ノ他必要ナル事項ヲ掲クヘシ

第四十四条 前条ノ規定ニ依リ公告シタル財産ニ関シ権利ヲ主張セムト欲スル者ハ前条第一項ノ公告期間満了ノ後三十日内ニ故障ヲ宮内大臣ニ申出ツルコトヲ要ス
2 前項ノ期間内ニ故障ノ申出ナキトキハ登記ナキ権利ハ之ヲ主張スルコトヲ得ス登録国債ニ付キ登録ナキ権利亦同シ

第四十五条 宮内大臣ハ故障ノ申出ナキ財産ニ限リ之ヲ遺留財産ト為スコトニ付キ勅許ヲ受クヘシ

第四十六条 遺留財産ノ設定又ハ増加ノ勅許アリタルトキハ宮内大臣ハ其ノ旨及第四十三条第二項ニ掲ケタル事項ヲ公告スヘシ

第四十七条 遺留財産ニ付テハ台帳ヲ設ケ之ニ左ノ事項ヲ登録スへシ
 一 遺留財産設定増加ノ申述者又ハ遺言者
 二 勅許ノ年月日
 三 土地ニ付テハ其ノ所在地目地番及面積建物ニ付テハ其ノ所在種類構造及建坪其ノ他ノ物件ニ付テハ其ノ品目種類箇数其ノ他必要ナル事項

第四十八条 遺留財産中有価証券アルトキハ之ニ遺留財産タル旨ヲ記入シ登録国債アルトキハ国債登録簿ニ遺留財産タル旨ノ登録ヲ経ヘシ

第四十九条 遺留財産ノ相続ハ其ノ所有者タル皇族ノ薨去ニ因リテ開始ス

第五十条 遺留財産ハ設定者ヨリ出テタル男系ノ皇族男子皇位継承ノ順序ニ依リ之ヲ相続ス

第五十一条 遺留財産ノ相続ハ之ヲ抛棄スルコトヲ得ス

第五十二条 遺留財産ノ相続アリタルトキハ宮内大臣ハ其ノ旨ヲ公告シ且之ヲ台帳ニ附記スヘシ

第五十三条 遺留財産ハ勅許ヲ経テ其ノ管理ヲ宮内大臣ニ委託スルコトヲ得

第五十四条 相続開始前ノ申述ニ係ル遺留財産ノ設定又ハ増加ニ付キ相続開始ノ後勅許アリタルトキハ其ノ設定又ハ増加ハ相続開始ノ時ニ遡リテ其ノ効力ヲ生ス遺言ニ基ツク遺留財産ノ設定又ハ増加ノ勅許アリタルトキ亦同シ

第五十五条 遺留財産ノ果実ハ遺留財産ニ属セス変更修補又ハ改築ニ因リテ生シタル材料亦同シ

第五十六条 遺留財産ハ之ヲ処分スルコトヲ得ス
2 遺留財産ニ付キ地上権永小作権又ハ地役権ヲ設定セムトスルトキハ勅許ヲ受クへシ

第五十七条 遺留財産ハ之ヲ執行行為ノ目的ト為スコトヲ得ス

第五十八条 遺留財産所有者ハ勅許ヲ経テ遺留財産ノ全部又ハ一部ヲ廃止スルコトヲ得

第五十九条 第四十条乃至第四十二条及第五十四条ノ規定ハ遺留財産ノ廃止ニ之ヲ準用ス

第六十条 遺留財産ノ相続人ナキトキハ之ヲ廃止シタルモノト看做ス

第六十一条 遺留財産ノ廃止其ノ他ノ異動ヲ生シタル場合ニ於テハ宮内大臣ハ其ノ旨ヲ公告シ且台帳ニ事由ヲ附記シテ異動ノ登録ヲ為スヘシ
2 前項ノ公告ニハ第四十三条第二項ノ規定ヲ準用ス

第六十二条 本節ノ規定ハ皇太子皇太孫ニ之ヲ適用セス

    第四節 遺産相続

第六十三条 遺産相続ハ皇族ノ薨去ニ因リテ開始ス

第六十四条 遺産相続ハ左ノ順位ニ依ル
  第一 直系卑属
  第二 配偶者
  第三 直系尊属
  第四 兄弟姉妹
2 前項ノ規定ニ依リ直系卑属又ハ直系尊属ノ間ニ於テ遺産相続ヲ為スハ親等ノ異ナリタルル者ノ間ニ在リテハ其ノ近キ者ヲ先ニシ親等ノ同キ者ハ同順位ニ於テス

第六十五条 前条ノ規定ニ依リ遺産相続ヲ為スヘキ直系卑属相続開始前ニ薨去又ハ死亡シタル場合ニ於テ其ノ者ニ直系卑属アルトキハ其ノ直系卑属ハ其ノ者ノ順位ニ於テ遺産相続ヲ為ス

第六十六条 遺産相続人相続ノ抛棄ヲ為サムト欲スルトキハ自己ノ為ニ相続ノ開始アリタルルコトヲ知リタル時ヨリ三箇月内ニ其ノ旨ヲ宮内大臣ニ申述スヘシ
2 遺産相続人前項ノ期間内ニ抛棄ノ申述ヲ為ササリシトキハ相続ノ承認ヲ為シタルモノト看做ス

第六十七条 遺産相続人ハ相続ノ承認前ニ於テ相続財産ヲ処分スルコトヲ得ス共同相続人ノ承認又ハ抛棄前亦同シ

第六十八条 相続財産ハ相続ノ承認アルマテ宮内大臣之ヲ管理ス共同相続人ノ承認又ハ抛棄前亦同シ
2 前項ノ規定ハ遺言執行者アル場合ニ之ヲ適用セス

第六十九条 同順位ノ遺産相続人数人アルトキハ其ノ各自ノ相続分ハ相均キモノトス但シ直系卑属数人アルトキハ庶子ノ相続分ハ嫡出子ノ相続分ノ二分ノ一トス

第七十条 第六十五条ノ規定ニ依リテ遺産相続人タル直系卑属ノ相続分ハ其ノ直系尊属ノ受クへカリシモノニ同シ但シ直系卑属数人アルトキハ其ノ各自ノ直系尊属ノ受クヘカリシ部分ニ付キ前条ノ規定ニ従ヒテ其ノ相続分ヲ定ム

第七十一条 被相続人ハ前二条ノ規定ニ拘ラス遺言ヲ以テ共同相続人ノ相続分ヲ定ムルコトヲ得
2 被相続人ニ於テ共同相続人中ノ一人又ハ数人ノ相続分ノミヲ定メタルトキハ他ノ共同相続人ノ相続分ハ前二条ノ規定ニ依リテ之ヲ定ム

第七十二条 被相続人ハ遺言ヲ以テ相続財産分割ノ方法ヲ定ムルコトヲ得

第七十三条 相続財産ノ分割ニ付キ協議調ハサルトキハ宮内大臣勅裁ヲ経テ之ヲ為ス

第七十四条 民法第九百六十八条第千一条乃至第千三条第千九条第千十一条乃至第千十六条第千十八条第千十九条第千二十二条及第千三十九条ノ規定ハ皇族ノ遺産相続ニ之ヲ準用ス

第七十五条 遺産相続人ナキトキハ宮内大臣遺産ノ清算ヲ為ス此ノ場合ニ於テハ宮内大臣ヲ以テ遺産ニ関スル法律上ノ行為ノ当事者ト看做ス但シ宮内大臣ハ所部ノ官吏ヲシテ代理セシムルコトヲ得
2 宮内大臣ハ遅滞ナク一切ノ相続債権者及受遺者ニ対シ二箇月内ニ其ノ請求ノ申出ヲ為スヘキ旨ヲ公告スヘシ

第七十六条 前条第二項ノ期間満了ノ後宮内大臣ハ相続債権者及受遺者ニ弁済ヲ為シ仍残余財産アルトキハ其ノ財産ハ普通御料ニ帰属ス
2 民法第千三十一条乃至第千三十三条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス但シ条件附債権又ハ存続期間ノ不確定ナル債権ハ宮内大臣ノ命シタル評価人ヲシテ之ヲ評価セシム

第七十七条 前条第一項ノ規定ニ依リ残余財産普通御料ニ帰属シタルトキハ相続債権者及受遺者ハ其ノ権利ヲ失フ

第七十八条 皇族臣籍ニ在ル者ノ遺産相続人タルトキハ民法第五編第二章乃至第四章及第七章ノ規定ニ依ル

第七十九条 本節ノ規定ハ太皇太后皇太后皇后皇太子皇太子妃皇太孫皇太孫妃ニ之ヲ適用セス但シ其ノ遺産ハ普通御料ニ帰属ス

   第三章 帝室経済会議

第八十条 帝室ノ経済ニ関スル事項ヲ諮詢スル為帝室経済会議ヲ置ク

第八十一条 帝室経済会議ニ諮詢スヘキ事項ノ概目左ノ如シ
 一 皇室経費ノ予算ニ関スル事項
 二 第二予備金ノ支出其ノ他予算外ノ支出ニ関スル事項
 三 世伝御料ノ編入及解除ニ関スル事項
 四 世伝御料ニ属スル土地ノ上ニ設定スル物権ニ関スル事項
 五 重要ナル財産権ノ得喪ニ関スル事項

第八十二条 帝室経済会議ハ内大臣宮内大臣及勅命セラレタル帝室経済顧問七人以内ヲ以テ之ヲ組織ス

第八十三条 宮内次官内蔵頭帝室林野管理局長官及帝室会計審査局長官ハ帝室経済会議ニ列シテ意見ヲ述フルコトヲ得

第八十四条 帝室経済会議ニ関シ必要ナル規程ハ其ノ会議ニ於テ之ヲ議定シ勅裁ヲ受クヘシ

第八十五条 帝室経済会議ニ関スル庶務ハ宮内高等官ヲシテ之ヲ管掌セシム

  附 則

第八十六条 本令ハ明治四十五年一月一日ヨリ之ヲ施行ス

第八十七条 国有林野法第四条乃至第六条ノ規定ハ御料ニ属スル林野ニ之ヲ準用ス
2 前項ノ規定ニ依リテ為シタル彊界査定ニ不服アル隣接地所有者彊界査定ノ通告ヲ受ケタル日ヨリ三箇月内ニ通常裁判所ニ訴訟ヲ提起セサルトキハ其ノ彊界査定ハ確定シタルモノト看做ス


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