中野文庫 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律

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旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和61年法律第88号)

 (会社の目的及び事業)
第一条 北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社(以下「旅客会社」という。)は、旅客鉄道事業及びこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社とする。
2 日本貨物鉄道株式会社(以下「貨物会社」という。)は、貨物鉄道事業及びこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社とする。
3 旅客会社及び貨物会社(以下「会社」という。)は、それぞれ第一項又は前項の事業を営むほか、国土交通大臣の認可を受けて、自動車運送事業その他の事業を営むことができる。この場合において、国土交通大臣は、会社が当該事業を営むことにより第一項又は前項の事業の適切かつ健全な運営に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、認可をしなければならない。

 (商号の使用制限)
第二条 会社でない者は、その商号中に、北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社又は日本貨物鉄道株式会社という文字を使用してはならない。

第三条 削除

 (一般担保)
第四条 会社の社債権者は、当該会社の財産について他の債権者に先立つて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。

 (新株、社債及び借入金)
第五条 会社は、新株を発行し、社債を募集し、又は弁済期限が一年を超える資金を借り入れようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
2 前項の規定は、会社が、債券を失つた者に交付するために政令で定めるところにより債券を発行し、当該債券の発行により新たに債務を負担することとなる場合には、適用しない。

 (代表取締役等の選定等の決議)
第六条 会社の代表取締役の選定及び解職並びに監査役の選任及び解任の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (事業計画)
第七条 会社は、毎営業年度の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、その営業年度の事業計画を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (重要な財産の譲渡等)
第八条 会社は、国土交通省令で定める重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。

 (定款の変更等)
第九条 会社の定款の変更、利益の処分又は損失の処理、合併及び解散の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (中小企業者への配慮)
第十条 会社は、その営む事業が地域における経済活動に与える影響にかんがみ、その地域において当該会社が営む事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、又はその利益を不当に侵害することのないよう特に配慮しなければならない。

 (財務諸表)
第十一条 会社は、毎営業年度終了後三月以内に、その営業年度の貸借対照表、損益計算書及び営業報告書を国土交通大臣に提出しなければならない。

 (北海道旅客会社等の経営安定基金)
第十二条 北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社(以下「北海道旅客会社等」という。)は、それぞれ、附則第七条第一項の規定により取得した債権の額に相当する金額を経営安定基金(以下「基金」という。)として管理し、その運用により生ずる収益をその事業の運営に必要な費用に充てるものとする。
2 北海道旅客会社等は、基金に係る経理については、国土交通省令で定めるところにより、その他の経理と区分して整理しなければならない。
3 基金は、取り崩してはならない。ただし、当該会社の純資産額が資本、準備金及び基金の総額に満たなくなつた場合においてあらかじめ国土交通大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
4 前項ただし書の規定により基金を取り崩した後において当該会社の純資産額が資本、準備金及び基金の総額を超えることとなつたときは、その超える部分の額に相当する金額を、基金の金額が第一項の金額に達するまで、基金に組み入れなければならない。
5 北海道旅客会社等は、確実かつ有利な方法により基金を運用しなければならない。
6 前各項に定めるもののほか、基金の管理に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

 (監督)
第十三条 会社は、国土交通大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
2 国土交通大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (報告及び検査)
第十四条 国土交通大臣は、この法律を施行するため特に必要があると認めるときは、会社からその業務に関し報告をさせ、又はその職員に、会社の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (財務大臣との協議)
第十五条 国土交通大臣は、第五条第一項(新株の発行に係るものを除く。)、第七条、第八条若しくは第九条(定款の変更の決議に係るものを除く。)の認可又は第十二条第三項ただし書の承認をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。

 (罰則)
第十六条 会社の取締役、監査役又は職員が、その職務に関して、わいろを収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。これによつて不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたときは、五年以下の懲役に処する。
2 前項の場合において、犯人が収受したわいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第十七条 前条第一項のわいろを供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

第十八条 第十六条第一項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の例に従う。

第十九条 第十四条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の取締役、監査役又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

第二十条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役又は監査役は、百万円以下の過料に処する。
 一 第一条第三項の規定に違反して、事業を営んだとき。
 二 第五条第一項の規定に違反して、新株を発行し、社債を募集し、又は資金を借り入れたとき。
 三 第七条の規定に違反して、事業計画の認可を受けなかつたとき。
 四 第八条の規定に違反して、財産を譲渡し、又は担保に供したとき。
 五 第十一条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書若しくは営業報告書を提出せず、又は不実の記載をしたこれらの書類を提出したとき。
 六 第十二条第三項の規定に違反して、基金を取り崩したとき。
 七 第十三条第二項の規定による命令に違反したとき。

第二十一条 第二条の規定に違反した者は、五万円以下の過料に処する。

  附 則

 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (設立委員)
第二条 運輸大臣は、それぞれの会社ごとに設立委員を命じ、当該会社の設立に関して発起人の職務を行わせる。
2 設立委員は、前項及び日本国有鉄道改革法(昭和六十一年法律第八十七号。以下「改革法」という。)第二十三条に定めるもののほか、当該会社がその成立の時において事業を円滑に開始するために必要な業務を行うことができる。

 (定款の作成)
第三条 設立委員は、定款を作成して、運輸大臣の認可を受けなければならない。

 (会社の設立に際して発行する株式)
第四条 会社の設立に際して発行する株式に関する商法(明治三十二年法律第四十八号)第百六十八条ノ二各号に掲げる事項は、定款で定めなければならない。
2 会社の設立に際して発行する株式については、商法第二百八十四条ノ二第二項本文の規定にかかわらず、その発行価額の二分の一を超える額を資本に組み入れないことができる。この場合において、同条第一項中「本法」とあるのは、「本法又ハ旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律」とする。

 (株式の引受け)
第五条 会社の設立に際して発行する株式の総数は、日本国有鉄道が引き受けるものとし、設立委員は、これを日本国有鉄道に割り当てるものとする。

 (財産の出資)
第六条 日本国有鉄道は、会社の設立に際し、会社に対し、改革法第二十一条に規定する承継計画(以下「承継計画」という。)において定めるところにより、その財産を出資するものとする。

 (北海道旅客会社等の設立に際しての特別措置)
第七条 日本国有鉄道は、改革法附則第二項の規定の施行の時において、北海道旅客会社等に対し、基金に充てるために必要なものとして運輸大臣が定める金額に相当する額の債務を負担する。
2 日本国有鉄道は、前項に定めるもののほか、改革法附則第二項の規定の施行の時において、本州と北海道を連絡する航路に係る連絡船事業を日本国有鉄道から引き継ぐものとして改革法第九条の規定により運輸大臣が指定する旅客会社に対し、昭和六十二年度における当該連絡船事業の運営に充てるために必要なものとして運輸大臣が定める金額に相当する額の債務を負担する。
3 前二項の規定により負担する債務の償還、当該債務に係る利子の支払その他のこれらの規定による債務の負担に関し必要な事項は、政令で定める。
4 運輸大臣は、第一項又は第二項の規定により金額を定めようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。

 (創立総会の招集時期)
第八条 会社の設立に係る商法第百八十条第一項の規定の適用については、同項中「第百七十七条ノ規定ニ依ル払込及現物出資ノ給付」とあるのは、「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律附則第五条ノ規定ニ依ル株式ノ割当」とする。

 (会社の成立)
第九条 附則第六条の規定により日本国有鉄道が行う出資に係る給付は、改革法附則第二項の規定の施行の時に行われるものとし、会社は、商法第五十七条の規定にかかわらず、その時に成立する。

 (設立の登記)
第十条 会社は、商法第百八十八条第一項の規定にかかわらず、会社の成立後遅滞なく、その設立の登記をしなければならない。

 (商法の適用除外)
第十一条 商法第百六十七条、第百六十八条第二項、第百八十一条及び第百八十五条の規定は、会社の設立については、適用しない。

 (事業に関する経過措置)
第十二条 改革法附則第二項の規定の施行の際現に日本国有鉄道が行つている事業(承継計画において旅客会社に引き継ぐものとされた事業に限る。)であつて、第一条第一項の事業に該当しないものは、旅客会社がその成立の時において同条第三項の認可を受けた事業とみなす。
2 前項の規定は、貨物会社について準用する。この場合において、同項中「第一条第一項」とあるのは、「第一条第二項」と読み替えるものとする。

 (商号に関する経過措置)
第十三条 第二条の規定は、この法律の施行の際現にその商号中に、北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄養株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社又は日本貨物鉄道株式会社という文字を使用している者については、この法律の施行後六月間は、適用しない。

 第十四条 削除

 (事業計画に関する経過措置)
第十五条 会社の成立する日の属する営業年度の事業計画については、第七条中「毎営業年度の開始前に」とあるのは、「会社の成立後遅滞なく」とする。

 (社債に係る債務保証に関する暫定措置)
第十六条 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、会社(北海道旅客会社等を除く。以下この条及び次条において同じ。)の成立後五年間を限り、国会の議決を経た金額の範囲内において、会社の発行する社債に係る債務について、保証契約をすることができる。
2 前項の規定により政府が会社の発行する社債に係る債務について保証契約をする場合には、各年度においてする保証契約に係る社債の額は、改革法第二十二条の規定により当該会社が承継する鉄道債券に係る債務であつて政府が保証契約をしているものの当該年度における償還額に相当する額を超えることができない。
3 第一項の規定により政府がする保証契約の期間は、十年を超えることができない。

 (資金運用部資金等による社債の引受けに関する暫定措置)
第十七条 会社の発行する社債であつて前条第一項の規定により政府が当該社債に係る会社の債務について保証契約をしたもの(以下「政府保証債」という。)については、資金運用部資金法(昭和二十六年法律第百号。以下「資金法」という。)第七条第一項の規定にかかわらず、同項第七号に規定する債券に該当するものとして資金運用部資金(資金法第六条第一項に規定する資金運用部資金をいう。以下同じ。)をもつて引受けを行うことができる。
2 政府保証債については、簡易生命保険の積立金の運用に関する法律(昭和二十七年法律第二百十号)第三条第一項の規定にかかわらず、同項第九号に規定する債券に該当するものとして簡易生命保険特別会計の積立金(以下「積立金」という。)をもつて引受けを行うことができる。
3 第一項の規定により政府保証債に運用される資金運用部資金又は前項の規定により政府保証債に運用される積立金に係る資金運用部資金及び簡易生命保険の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律(昭和四十八年法律第七号)の規定の適用については、当該政府保証債に係る会社を資金法第七条第一項第七号に規定する法人とみなす。

 (政令への委任)
第十八条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、会社の設立に関し必要な事項は、政令で定める。


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