中野文庫 (平成時代)

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昭和天皇斂葬の儀・葬場殿の儀の御誄(平成元年2月24日)

 「御名」謹んで
 御父昭和天皇の御霊に申し上げます。
 崩御あそばされてより、哀痛は尽きることなく、温容はまのあたりに在ってひとときも忘れることができません。
 *殿に、また殯宮におまつり申し上げ、霊前にぬかずいて涙すること四十余日、無常の時は流れて、はや斂葬の日を迎え、轜車にしたがって、今ここにまいりました。
 顧みれば、さきに御病気あつくなられるや、御平癒を祈るあまたの人々の真心が国の内外から寄せられました。今また葬儀にあたり、国内各界の代表はもとより、世界各国、国際機関を代表する人々が集い、御わかれのかなしみを共にいたしております。
 皇位に在られること六十有余年、ひたすら国民の幸福と世界の平和を祈念され、未曾有の昭和激動の時代を、国民と苦楽を共にしつつ歩まれた御姿は、永く人々の胸に生き続けることと存じます。
 こよなく慈しまれた山川に、草木に、春の色はようやくかえろうとするこのとき、空しく幽明を隔てて、今を思い、昔をしのび、追慕の情はいよいよ切なるものがあります。
 誠にかなしみの極みであります。

*:「きへん」に「親」。しんでん。


殯宮移御後一日祭の儀の御誄(平成12年6月29日)

 「御名」謹んで
 御母皇太后の御霊に申し上げます。
 在りし日のお姿や明るいお声は今もよみがえって日夜心を離れず、思い出は尽きることがありません。
 哀慕の情はいよいよ胸にせまるものがあります。
 ここに、霊柩を殯宮にお遷しして、心からお祭り申し上げます。


香淳皇后斂葬の儀・葬場殿の儀の御誄(平成12年7月25日)

 「御名」謹んで
 御母香淳皇后の御霊に申し上げます。
 昭和天皇の崩御あそばされてより十一年、吹上大宮御所にお過ごしの日々が穏やかにして一日も長からんことを願い、お側近く過ごしてまいりましたが、この夏の始め、むなしく幽明界を異にするにいたりました。
 在りしの日のお姿を偲びつつ、*殿に、また殯宮におまつり申し上げること四十日、ここに斂葬の日を迎え、葬列をととのえ、昭和天皇のお側にお送り申し上げます。
 お慈しみの下にあった去りし日々を思い、寂寥は深く、追慕の念は止まるところを知りません。誠に悲しみの極みであります。

*:「きへん」に「親」。しんでん。


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