中野文庫 桐花章・旭日章

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概 説

 旭日章は顕著な功績のある者に与えられる勲章で、旭日大綬章をはじめ6種ある。平成15年栄典大改革以前は、男性にのみ与えられ、勲一等旭日桐花大綬章および勲一等旭日大綬章以下勲八等白色桐葉章まで9種あった。新制度では桐花大綬章は同等の旭日大綬章・瑞宝大綬章の上位勲章となり、「桐花章」単独で別種のカテゴリーとなっている。
 桐花章および旭日章は旭日東天にいずる清楚さとその意気を象徴。昔からわが国に関係深い日章をかたどり、桐紋を配している。

 桐花章および旭日章の写真は、内閣府ホームページ内にある賞勲局のページ、もしくは造幣局ホームページ内の勲章のページをご参照のこと。新「桐花大綬章」の受章者はこちら、旧「勲一等旭日桐花大綬章」の受章者はこちら。旧「勲一等旭日大綬章」の受章者は、日本国憲法施行の日(昭和22年5月3日)を基準に、同日以前を戦前の部に、同日以後を戦後の部に分け、新「旭日大綬章」の受章者は別のページに掲載。


桐花大綬章 Grand Cordon of the Order of the Paulownia Flowers
旧「勲一等旭日桐花大綬章」 Grand Cordon of the Order of the Rising Sun, Paulownia Flowers

 制定:明治21年1月4日、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)3条
 図案:正章の金日章は径2寸5分(76ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は二重紅白色七宝、桐花は紫色七宝。鈕は金製の五七の桐、花は紫色七宝、葉は緑色七宝。綬の幅は3寸5分(106ミリ)、紅色の織地に白色の双線。副章の金日章は径3寸(91ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は二重紅白色七宝、桐花は紫色七宝。

 桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)と読む。

 平成15年栄典大改革以前においては、勲章はたいてい8等級(勲一等から勲八等まで)であるが、旭日章には特に勲一等に2種あることが他と異なっていた。旧「勲一等旭日大綬章」の上位に設けられた旧「勲一等旭日桐花大綬章(きょくじつとうかだいじゅしょう)」は、深紅と白の綬に七宝が配された大変美麗なもので、勲章の中でも随一と制作者は考える。栄典大改革以後は「桐花大綬章」と名前を変え、旭日章から独立して桐花章という別種の勲章となった。しかし、依然として菊花章以外の勲章の最上位にある。

 桐花大綬章(旧勲一等旭日桐花大綬章)は、大綬を右肩から左脇に垂れ、副章を左胸に佩用する。

 皇族の叙勲の場合、戦前は、皇族身位令(明治43年皇室令第2号)14条により、王は満15年に達したのちに勲一等に叙し旭日桐花大綬章を賜うことになっていたが、現在では皇族男子は一律に大勲位菊花大綬章を賜うことになっている。

 旧勲一等旭日桐花大綬章の最初の受章者は、明治22年2月の伊藤博文初代内閣総理大臣。平成15年の栄典大改革後、しばらく受章者がなかったが、平成17年4月に山口繁元最高裁判所長官が桐花大綬章の初の受章者となった。平成15年に桐花章が独立して性別を問わなくなった後、平成22年11月に扇千影元参議院議長(平成15年に旭日大綬章受章)が女性として初めて桐花大綬章を受章した。

【受章者の例】 桐花大綬章受章者勲一等旭日桐花大綬章受章者


旭日大綬章・旧「勲一等旭日大綬章」 Grand Cordon of the Order of the Rising Sun

 制定:旧勲章は明治8年4月10日、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)1条
 図案:正章は地金が銀で径67ミリ、旧例では2寸5分(76ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は金色と白色七宝。鈕は五七の桐、花は紫色七宝、葉は緑色七宝。鈕の裏面に「勲功旌章」の刻印。男子の綬は100ミリで、女子は幅79ミリ、旧例では綬の幅は4寸(121ミリ)、新旧ともに白色の織地に紅色の双線。副章は地金が銀で76ミリ、旧例では径3寸(91ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は金色と白色七宝ならびに銀色と白色七宝の二重。副章には鈕および綬はなし。

 国家に勲績、功労のある者を賞するため、明治8年に勲一等から勲八等まで8等級の「賞牌」を制定した。当初は今日でいう旭日章のみであったが、翌9年に「賞牌」を「勲章」と改称した。同21年に旭日桐花大綬章が制定されるまでは、旭日大綬章が旭日章で最も高位の勲章であった。

 旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)は、大綬を右肩から左脇に垂れ、副章(旭日重光章の正章と同じ)を左胸に佩用する。

 最初に受章されたのは、明治8年12月31日の有栖川宮熾仁親王ほか7名の皇族方。臣下では、明治9年2月の西郷従道元帥海軍大将である。

【受章者の例】 旭日大綬章受章者勲一等旭日大綬章受章者(戦前の部)勲一等旭日大綬章受章者(戦後の部)


旭日重光章・旧「勲二等旭日重光章」 The Order of the Rising Sun, Gold and Silver Star

 制定:旧勲章は明治8年4月10日、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)1条
 図案:正章は地金が銀で76ミリ、旧例では径3寸(91ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は金色と白色七宝ならびに銀色と白色七宝の二重。正章の裏面に「勲功旌章」の刻印。鈕および綬はなし。副章は地金が銀で径1寸8分(55ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は金色と白色七宝。鈕は五七の桐、花は紫色七宝、葉は緑色七宝。鈕の裏面に「勲功旌章」の刻印。綬の幅は36ミリ、旧例では1寸(30ミリ)、新旧ともに白色の織地に紅色の双線。

 旭日章はわが国で最初に制定されたためか、平成15年の栄典大改革以前においても、全ての等級に名称がついており、旧瑞宝章が単に「勲二等瑞宝章」と称するのと異なり、勲二等は「勲二等旭日重光章(きょくじつじゅうこうしょう)」という名が付されていた。大改革以後は等級の代わりに瑞宝章にも同様の名が付けられた。

 栄典大改革以前は、旧勲二等旭日重光章にのみ、大勲位や旧勲一等の各勲章と同じく副章があった。これも現行では瑞宝重光章にも副章を付けている。

【受章者の例】 国会議員、特命全権大使、省庁事務次官、警察庁長官、省庁局長、宮内庁次長、統幕議長、高裁長官、検事長、国公立大・私立大学長、国公立大・私立大教授、国立センター総長、電鉄会社社長


旭日中綬章・旧「勲三等旭日中綬章」 The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Neck Ribbon

 制定:旧勲章は明治8年4月10日、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)1条
 図案:章は地金が銀で径1寸8分(55ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は金色と白色七宝。鈕は五七の桐、花は紫色七宝、葉は緑色七宝。鈕の裏面に「勲功旌章」の刻印。綬の幅は36ミリ、旧例では1寸(30ミリ)、新旧ともに白色の織地に紅色の双線。

 旭日中綬章(きょくじつちゅうじゅしょう)と読む。中綬章は首からネックレスのようにさげて佩用する。

 平成14年秋に亡くなった故石井紘基衆議院議員は死去に際し勲三等に叙せられ、旭日中綬章が授けられた。また同時に従四位に叙せられた。当時の叙勲基準の「国会議員の初叙は勲四等瑞宝章とし、(中略)衆参両院常任委員長、同特別委員長に就いた者の初叙は勲三等瑞宝章とする。」との規定により、衆議院災害対策特別委員長であった石井代議士は勲三等となり、氏の業績と死亡に際しての状況等を勘案して瑞宝章から一段階進めて旭日章の授与となったものと思われる。平成18年6月に50歳で亡くなった西田猛衆議院議員(財務大臣政務官)には正五位に叙せられ、旭日中綬章が授けられた。凶弾に倒れた伊藤一長長崎市長は、平成19年4月18日付で旭日中綬章とともに従四位に叙せられた。

【受章者の例】 国会議員、特命全権大使、宮内庁宮務主管、省庁局長、省庁審議官、省庁外局次長、省庁外局部長、陸自方面総監、管区警察局長、地方法務局長、高裁判事、地裁所長、地裁判事、家裁判事、高検検事、地検部長、国公立・私立大学長、国公立・私立大教授、国立美術館長、国立病院長、国立研究所長、知事、副知事、出納長、都道府県議会議員、市長


旭日小綬章・旧「勲四等旭日小綬章」 The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Rosette

 制定:旧勲章は明治8年4月10日、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)1条
 図案:章は地金が銀で径1寸5分(46ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は金色と白色七宝。章の裏面は金色とし、「勲功旌章」の刻印。鈕は五七の桐、花は紫色七宝、葉は緑色七宝。綬の幅は36ミリ、旧例では1寸(30ミリ)、新旧ともに白色の織地に紅色の双線。これに彩花を付加する。

 旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)と読む。

 平成17年5月末に亡くなった故二子山親方(花田満氏)は、そのスポーツ界における顕著な功績により、従五位に叙せられ、旭日小綬章が授けられた。

【受章者の例】 地方法務局長、宮内庁正倉院事務所長、省庁技官、陸自方面総務部長、陸自航空学校部長、空自教育団副司令、地裁事務局長、家裁首席調査官、地検区副検事、国税不服審判所長、公立大学教授、国立病院事務部長、都道府県議会議員、都道府県局長、市町村長、市区町村議会議員、公立高等学校長


旭日双光章・旧「勲五等双光旭日章」 The Order of the Rising Sun, Gold and Silver Rays

 制定:旧勲章は明治8年4月10日、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)1条
 図案:章は地金が銀で径1寸5分(46ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は金色と白色七宝ならびに銀色と白色七宝。章の裏面に「勲功旌章」の刻印。鈕は五三の桐、花は紫色七宝、葉は緑色七宝。綬の幅は36ミリ、旧例では1寸(30ミリ)、新旧ともに白色の織地に紅色の双線。

 旭日双光章(きょくじつそうこうしょう)と読む。旧勲章は名称の順序が逆である。

 平成19年2月6日に東武東上線ときわ台駅附近の線路内に立ち入った女性を救助し、自身は電車にはねられ意識不明の重体であった宮本邦彦巡査部長(板橋警察署常盤台交番勤務)が同12日に死亡した。宮本警部(二階級特進)の殉職に際し、同12日付で緊急叙勲として正七位に叙し、あわせて旭日双光章が贈られた。同年5月17日に愛知県長久手町で発生した立てこもり事件で銃弾を受け、翌日死亡した林一歩警部(二階級特進)へも、7月9日に行われた警察葬において遺族へ旭日双光章が伝達され、内閣総理大臣顕彰や警察表彰規則(昭和29年国家公安委員会規則第14号)2条2項の警察勲功章(最高位)もあわせて授与された。

【受章者の例】 二等陸海空佐、三等陸海空佐、警視長(県警本部長)、警視正(警察署長)、警視(警察署長)、会計検査院事務官、裁判所書記官、労基署長、都道府県議会議員、都道府県地労委委員、副出納長、都道府県局長、都道府県人事委事務局長、都道府県部長、都道府県事務吏員、市町村長、助役、収入役、市町村会議員、消防正監(方面本部長)、公立中学校長、公立学校長、郵便局長


旭日単光章・旧「勲六等単光旭日章」 The Order of the Rising Sun, Silver Rays

 制定:旧勲章は明治8年4月10日、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)1条
 図案:章は地金が銀で径39ミリ、旧例では1寸5分(45ミリ)、日の部分は赤色七宝、光線は銀色と白色七宝。章の裏面に「勲功旌章」の刻印。鈕は五三の桐、花は紫色七宝、葉は緑色七宝。綬の幅は36ミリ、旧例では1寸(30ミリ)、新旧ともに白色の織地に紅色の双線。

 旭日単光章(きょくじつたんこうしょう)と読む。旧勲章は名称の順序が逆である。

【受章者の例】 三等陸海空佐、警視(警察署長)、警部、看守長、法務教官、国立大附属病院技師長、消防司令長(消防署長)、消防司令、郵政事務官、特定郵便局長、土地改良区理事長、民生委員、児童委員


旧「勲七等青色桐葉章」 The Order of the Rising Sun, Green Paulownia Medal

 制定:明治8年4月10日
 図案:銀製の五三の桐章、径1寸(30ミリ)、花は紫色七宝、葉は緑色七宝。綬の幅は1寸(30ミリ)、紅白の織地。

 青色桐葉章(せいしょくどうようしょう)と読む。

【受章者の例】 省庁技官、裁判所技官、警部、警部補、巡査部長、消防団副団長、郵便局主任


旧「勲八等白色桐葉章」 The Order of the Rising Sun, White Paulownia Medal

 制定:明治8年4月10日
 図案:銀製の五三の桐章、径1寸(30ミリ)、花は銀、葉は銀。環は銀円形。綬の幅は1寸(30ミリ)、紅白の織地。

 白色桐葉章(はくしょくどうようしょう)と読む。


桐花章・旭日章の略綬

 桐花章の略綬:径7ミリ。地と縁は紅色。線は白色。翼を付する。
 旭日章の略綬:径7ミリ。地は白色。線と縁は紅色。旭日大綬章(旧勲一等)ないし旭日中綬章(旧勲三等)には翼を付する。

 略綬は、勲章の代わりに場所や服装に応じて佩用する。円形で絹で作られており、本章と同様の配色パターンになっている。円の中の放射状の線の本数などで各章を区別している。中綬章(旧三等勲章)以上の略綬は、長方形の台にあたる「翼(よく)」の上に円形の略綬が載っている。

 複数の勲章を授与されている場合、各個分の綬を1つにまとめた略綬にすることもできる。制服を着用する自衛官や警察官の略綬は長方形のものを用いることができる。


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