制度概説
韓国併合ニ関スル条約(明治43年条約第4号)により、李王(旧大韓帝国純宗皇帝)の現在の血族で王公族の礼遇を享けない者、および門地または勲功ある朝鮮人を貴族に列し、爵位を授けることになり、朝鮮貴族令(明治43年皇室令第14号)を定めた。これにより、公・侯・伯・子・男の五爵の朝鮮版華族制度が導入され、約60の家が生まれた。
朝鮮貴族は基本的には華族と同様の特権および礼遇を享けた。ただし、華族とは異なって東京在住が義務付けられることもなく、朝鮮に在住し、創氏改名しない者も多かった。また貴族院議員となる資格はなかった(勅選議員として朴泳孝侯爵が勅任されたほか、昭和20年に朝鮮・台湾勅選議員として2名が任命された例はある)。
朝鮮貴族の爵位と主な有爵者
- 公 爵 なし
- 侯 爵 李載完、李載覚、李海昌、李海昇、尹沢栄(朝鮮王朝第27代国王純宗=昌徳宮李王せきの継妃尹氏の父、海豊府院君)、朴泳孝(朝鮮王朝第25代国王哲宗の娘婿、朝鮮総督府中枢院副議長、貴族院・勅選議員)の6名
- 伯 爵 李址鎔(第二次日韓協約締結時の内部大臣)、李完用(協約締結時の学部大臣、韓国併合時は総理大臣、朝鮮総督府中枢院副議長、のち侯爵)ら3名
- 子 爵 権重顕(協約締結時の農商工部大臣、のち軍部大臣)、朴斉純(協約締結時の外部大臣、爵位返上)、李夏栄(協約締結時の法部大臣、協約には反対)、李根沢(協約締結時の軍部大臣)ら22名
- 男 爵 45名(うち9名返上)
(参考文献) 『増補皇室事典』(井原頼明著、冨山房、昭和13年)315頁。『事典昭和戦前期の日本』(百瀬孝著、吉川弘文館、平成2年)244頁ないし245頁。