中野文庫 菊花章

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概 説

 菊花章はわが国最高の勲章で、国家に偉功ある男女に与えられ、皇族方を除くと主に外国の君主や大統領、国内では特に功績のあった大臣や軍人に与えられている。平成15年の栄典大改革でも変更はなく、大勲位菊花章頸飾および大勲位菊花大綬章の2種がある。

 菊花章の写真は、内閣府ホームページ内にある賞勲局のページ、もしくは造幣局ホームページ内の勲章のページをご参照のこと。大勲位菊花章頸飾及び大勲位菊花大綬章の受章者一覧は別のページに掲載。


大勲位菊花章頸飾 Collar of the Supreme Order of the Chrysanthemum

 制定:旧勲章は明治21年1月4日、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)6条
 図案:中央は円形径1寸3分(39ミリ)の菊。花は金、葉は緑色七宝。連環の楕円直径は9分(28ミリ)。制定された明治にちなんで「明」と「治」の文字を古篆文で飾り、連環の菊花は金、葉は緑色七宝。

 菊花章頸飾(きっかしょうけいしょく)は、わが国の勲章全5種類28階級の頂点にある最高勲章である。大勲位菊花大綬章を授与された者に、さらに特賜されるものとして明治21年に制定された。ただし、外国元首は例外的に単独で授与されうる。

 頸飾は文字どおり首にかける。頸飾拝受者は菊花大綬章を既に受章しているが、これをともに佩用することはない。大綬章(旧例では勲一等旭日桐花大綬章もしくは勲一等の他の勲章)の大綬を右肩から左脇に垂れ、副章を左肋に佩用する。

 皇族で受章された最初の方は、有栖川宮熾仁親王。近くは閑院宮載仁親王(元帥陸軍大将・参謀総長)、伏見宮博恭王(元帥海軍大将・軍令部総長)、梨本宮守正王(元帥陸軍大将)ほかである。皇族以外の受章者は、東郷平八郎元帥海軍大将、吉田茂元内閣総理大臣、佐藤栄作元内閣総理大臣ほか全13名であり、現存者はいない。


大勲位菊花大綬章 Grand Cordon of the Supreme Order of the Chrysanthemum

 制定:旧勲章は明治9年11月15日(明治9年太政官達第97号)、新勲章は平成15年11月3日
 根拠法令:各種勲章及び大勲位菊花章頸飾の制式及び形状を定める内閣府令(平成15年内閣府令第54号)4条
 図案:正章は地金が銀で径2寸5分(76ミリ)、日は赤色七宝、光線は金色と白色七宝、菊花は黄色七宝、葉は緑色七宝。鈕は金菊花、黄色七宝。鈕は菊花で黄色七宝。鈕の裏面に「大勲旌章」の刻印。男子の綬は100ミリで、女子は幅79ミリ、旧例では綬は幅3寸8分(115ミリ)で、新旧ともに紅紫織地。副章は地金が銀で径3寸(91ミリ)、日は赤色七宝、光線は金色と白色七宝ならびに銀色と白色七宝の二重、菊花は黄色七宝、葉は緑色七宝。副章の裏面に「大勲旌章」の刻印。鈕および綬はなし。

 菊花大綬章(きっかだいじゅしょう)は、頸飾に次ぐものであり、明治9年に副章(大勲位菊花大綬章と菊花章頸飾の副章のみ特に大勲位菊花章という名がつき、法規上は別個扱いとされた)とともに制定された。

 皇族の叙勲の場合、戦前は、皇族身位令(明治43年皇室令第2号)9条により、皇太子・皇太孫は満7年に達したのち、親王は満15年に達したのち(同11条)、大勲位に叙し菊花大綬章を賜った。現在は、王も含め皇族男子はすべて大勲位菊花大綬章を賜ることになっている。

 菊花大綬章は、大綬を右肩から左脇に垂れ、副章(大勲位菊花章)を左肋に佩用する。

 皇族で受章された方は、東久邇宮稔彦王(陸軍大将・元内閣総理大臣)、常陸宮正仁親王、秋篠宮文仁親王ほかである。皇族以外の受章者は、平成12年6月に小渕恵三内閣総理大臣が死去に際して正二位とともに、最近では平成18年7月に橋本龍太郎元内閣総理大臣が同様に贈られた例がある。


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