中野文庫 位 階

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 このページは、位階について解説し、贈位功臣の一部をご紹介しています。


総 説

 位階(いかい)とは官人の序列をいい、古くは推古天皇の御代にいわゆる聖徳太子の冠位十二階があった。その後、大宝律令で親王四階(一品ないし四品)、諸王十四階(正一位ないし従五位下)および諸臣三十階(正一位ないし小初位下)の四十八階と定められた。このときより、冠のかわりに位記を賜ることになった。冠位十二階から現在まで1400年にもわたるわが国最古の制度の一つである。

 位階令(大正15年勅令第325号)によれば、正一位から従八位までの十六階がある。戦前の場合、勲章と同様に一位は親授式を行った。二位から四位は勅授(宮内大臣から伝達)、五位以下は奏授(宮内大臣が天皇陛下に伺ったのち叙位される)である。戦後においては、「天皇の国事行為」として行われ、国家・公共に対して功績があった者に位(くらい)を授けるというものである。

 位階は臣民に与えられるもので、皇族や王公族(旧朝鮮王族)は対象でない。戦前は国家に勲功がある者、有爵者(華族は相応の位階を与えられる特権がある)、襲爵予定者(爵位を継ぐ予定の華族)、官吏などに与えられた。官吏の場合、勲章と同じく、最初は低いものから年をおうごとに高いものを与えられていた。

位 階 叙位 有爵者
(しょういちい)正一位 親授 (故人)
(じゅいちい)従一位 公爵
(しょうにい)正二位 勅授 侯爵
(じゅにい)従二位 伯爵
(しょうさんみ)正三位 子爵
(じゅざんみ)従三位
(しょうしい)正四位 男爵
(じゅしい)従四位
(しょうごい)正五位 奏授  
(じゅごい)従五位  
(しょうろくい)正六位  
(じゅろくい)従六位  
(しょうしちい)正七位  
(じゅしちい)従七位  
(しょうはちい)正八位  
(じゅはちい)従八位  
 位階令制定前の叙位条例(明治20年勅令第10号)5条には、爵位(華族・朝鮮貴族)に相当する位が示されていた。上述のことを総合して図にすると左のとおりとなる。

 正一位は、偉功卓抜な故人に贈られることになっており、楠木正成、新田義貞、織田信長、豊臣秀吉、岩倉具視といった歴史上きわめて高名かつ朝廷に貢献した英雄に与えられ、その徳を顕彰している。

 戦後は、他の栄典と同様に特権はなく、故人にのみ与えられている(戦没者の叙位及び叙勲について)。例えば、平成12年5月に死去した故小渕恵三総理(大勲位)は「正二位」、平成16年11月に死去した故原健三郎衆院議長(勲一等旭日桐花大綬章)は「従二位」、同1月に死去した故池田行彦外相(旭日大綬章=旧勲一等に相当)は「正三位」に叙せられている。平成21年12月に死去した日本画家の故平山郁夫氏(文化勲章受章者)は「従三位」に叙せられた。

 (参考) 平成11年以降の国会議員に対する叙位の例(全て故人。日付は省略した。同年の場合は日付順でなく五十音順。)

 

【正二位】
  • 小渕恵三(内閣総理大臣) 平成12年
  • 竹下登(内閣総理大臣) 平成12年
  • 鈴木善幸(内閣総理大臣) 平成16年
  • 橋本龍太郎(内閣総理大臣) 平成18年

【従二位】

  • 二階堂進(国務大臣、自民党副総裁) 平成12年
  • 伊藤宗一郎(衆議院議長) 平成13年
  • 桜内義雄(衆議院議長) 平成15年
  • 坂田道太(衆議院議長) 平成16年
  • 原健三郎(衆議院議長) 平成16年
  • 井上裕(参議院議長) 平成20年
  • 土屋義彦(参議院議長) 平成20年
  • 西岡武夫(参議院議長) 平成23年
  • 田村元(衆議院議長) 平成26年
  • 町村信孝(衆議院議長) 平成27年

【従三位】

  • 高田富之(衆議院決算委員長) 平成11年
  • 久保等(参議院社会労働委員長) 平成14年
  • 日野一朗(郵政大臣) 平成15年
  • 林大幹(国務大臣・環境庁長官) 平成16年
  • 柿沢弘治(外務大臣) 平成21年
  • 田辺誠(社会党委員長) 平成27年
  • 小坂憲次(文部科学大臣) 平成28年

【従四位】

  • 石井紘基(衆議院災害対策特別委員長) 平成14年

【正五位】

  • 西田猛(財務大臣政務官) 平成18年
【正三位】
  • 宇都宮徳馬(衆議院議員) 平成12年
  • 越智伊平(農林水産大臣) 平成12年
  • 梶山静六(国務大臣・内閣官房長官) 平成12年
  • 佐々木良作(民社党委員長) 平成12年
  • 大出俊(郵政大臣) 平成13年
  • 木部佳昭(建設大臣) 平成13年
  • 河本敏夫(国務大臣) 平成13年
  • 小坂善太郎(外務大臣) 平成13年
  • 小平忠(衆議院懲罰委員長) 平成13年
  • 武藤山治(衆議院商工委員長) 平成13年
  • 田沢吉郎(農林水産大臣) 平成14年
  • 大石武一(農林水産大臣) 平成15年
  • 三ツ林弥太郎(国務大臣・科学技術庁長官) 平成15年
  • 村田敬次郎(自治大臣) 平成15年
  • 池田行彦(外務大臣) 平成16年
  • 岩崎純三(国務大臣・総務庁長官) 平成16年
  • 三塚博(大蔵大臣) 平成16年
  • 山中貞則(通商産業大臣) 平成16年
  • 原田昇左右(建設大臣) 平成18年
  • 藤尾正行(文部大臣) 平成18年
  • 江藤隆美(国務大臣・総務庁長官) 平成19年
  • 中川昭一(財務大臣) 平成21年
  • 武藤嘉文(外務大臣) 平成21年
  • 近藤鉄雄(労働大臣) 平成22年
  • 堀之内久男(農林水産大臣) 平成22年
  • 村山達雄(大蔵大臣) 平成22年
  • 粕谷茂(国務大臣・沖縄開発庁長官) 平成23年
  • 谷洋一(農林水産大臣) 平成23年
  • 瓦力(国務大臣・防衛庁長官) 平成25年
  • 宮下創平(厚生大臣) 平成25年
  • 山口鶴男(社会党書記長) 平成27年
  • 奥野誠亮(法務大臣) 平成28年
  • 小里貞利(国務大臣・総務庁長官) 平成28年
  • 加藤紘一(自民党幹事長) 平成28年
  • 鳩山邦夫(総務大臣) 平成28年


 以下に、明治以降に位階を贈られた功臣の例を挙げる。(位はもっとも高いものを贈られた年月日順で、同日の場合は五十音順である。)

贈正一位


贈従一位


贈正二位


贈従二位


贈正三位


贈従三位


贈正四位


贈従四位


贈正五位


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