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勅語(平成2年) |
アラブ首長国連邦シェイク・ザーイド殿下歓迎の宮中晩餐会のおことば(平成2年5月14日)
この度、アラブ首長国連邦シェイク・ザーイド殿下が日本を公式に御訪問になり、今夕、宴席を共にすることができますことを、大変うれしく思います。
ここに日本への御来訪に対し、歓迎の意を表したいと思います。
この度の御訪問によって、アラブ首長国連邦と我が国との友好協力関係が更に増進することを願っております。
ここに杯を挙げまして、殿下の御健康と御多幸並びにアラブ首長国連邦の繁栄を祈りたいと思います。
大韓民国盧泰愚大統領歓迎の宮中晩餐会のおことば(平成2年5月24日)
この度、盧泰愚大韓民国大統領閣下は、国務御多忙の折にもかかわらず、令夫人とともに、我が国を訪問されました。貴国のめざましい発展を導いてこられた大統領閣下を、国賓として我が国にお迎えできますことは、誠に意義深く、また、喜ばしいことであります。御一行を心から歓迎申し上げます。
朝鮮半島と我が国は、古来、最も近い隣人として、密接な交流を行なってきました。我が国が国を閉ざしていた江戸時代においても、我が国は貴国の使節を絶えることなくお迎えし、朝野を挙げて歓迎いたしました。しかしながら、このような朝鮮半島と我が国との長く豊かな交流の歴史を振り返るとき、昭和天皇が「今世紀の一時期において、両国の間に不幸な過去が存したことは誠に遺憾であり、再び繰り返されてはならない」と述べられたことを思い起こします。我が国によってもたらされたこの不幸な時期に、貴国の人々が味わわれた苦しみを思い、私は痛惜の念を禁じえません。
このような時代を経たのち、日韓友好の再生を願う両国各界各層の方々の強い熱意によって、両国関係が回復し、あらゆる分野で友好と協力の関係が見られるようになりました。関係者の方々に対して深く敬意を表します。
いまや日韓両国は、ともに、世界の平和と繁栄のため、大きな役割を果たすことを求められる国となりました。私は、今後両国民がますます相互理解を深め、両国関係の一層の成熟を図り、力を合わせて、この課題にこたえていくことを切に希望いたします。
特に、次代を担う若者たちの交流が活発化し、そこに両国を結ぶ新たな友情が生れつつあることを、私は心強く思います。この新たな友情は、今後両国が力を合わせて人類の将来に対して大きな貢献をしていくための礎となりましょう。
今回の大統領閣下の御訪日は、二十一世紀に通ずるこのような新しい日韓関係の礎となるものと信じます。
大統領閣下は関西地方にも赴かれると聞いております。幸いに新緑の爽やかな季節でもあります。御滞在が快適で、有意義なものとなりますよう心から願ってやみません。
それでは、ここに杯を挙げて、大統領閣下御夫妻の御健康と御多幸、並びに、大韓民国国民の皆様の一層の御繁栄を祈念いたしたいと存じます。(参考) 大韓民国盧泰愚大統領の答辞
天皇陛下ご夫妻、
天皇ご一家のみなさま、
海部総理大臣ご夫妻、そしてご参席の貴賓のみなさま、
私ども夫妻と一行を歓迎し、このように暖かく盛大な晩餐会を催して下さったことに感謝いたします。
同時に、わが国と国民に対して友誼に満ちたお言葉を賜りましたことに謝意を表するものであります。
日本は陛下のご即位によって、平成の新しい時代を迎えました。本日、陛下と歴史的な交歓をもち、天皇ご即位の祝賀の挨拶を直接お伝えできますことを意義深く考えます。
また、日本が戦後の廃虚から立ち上がり、全世界が羨む平和で繁栄する国家を築いたことに、讃辞を送ります。
私は平成時代が日本ばかりではなく、私どもが生きる東アジアと世界の平和と繁栄、友誼を増進する時代になるものと確信いたします。
遥かな古代から今日に至るまで、韓日両国は最も近い隣人として親しんで来ました。
わが両国の国民は狭い海峡を越えてお互いに往来し、相手国の文化形成に大きな影響をおよぼし合いました。
両国間には歓迎すべきことも数多くありました。
しかしわが国民は近世に入り、苦痛を受ける一時期を経験しなければなりませんでした。
両国間の長い善隣友好の歴史から見るとき、暗い時代は相対的に短い期間でした。
歴史の真実は消されたり忘れられたりすることはありませんが、韓国国民はいつまでも過去に束縛されていることはできません。
われわれ両国は真正な歴史認識に基づいて過去の過ちを洗い流し、友好協力の新たな時代を開かねばなりません。
日本の歴史と新しい日本を象徴する陛下がこの問題に深い関心を示されましたことは、きわめて意味深いことです。
今やわれわれ両国が近くて近い隣人、信頼する友邦として、両国関係を発展させるのに障害となってきた過去の歴史の陰を消し、残滓を取り除くためにわれわれすべてが努力しなければなりません。
そうすることによって、わが両国間の望ましい関係をわれわれの子孫に受け継がせなければなりません。
陛下、
われわれはいま世紀的激変の中で二十一世紀を迎えようとしています。
自由と繁栄を志向する人間の熱望は冷戦体制を崩壊させ、世界の版図さえ変えつつあります。
韓日両国が共に追求してきた自由と民主主義は、この世界の普遍的価値になろうとしています。
二十一世紀はアジア・太平洋時代になるものと予見されてきました。
今日の世界において、韓日関係はたんにわが両国間においてのみ重要なのではありません。
東と西の文化が調和をもたらすアジア・太平洋地域が、人類の新しい文明を牽引し、平和と繁栄を増進するのに主導的役割を果たさなければならないのです。
さらに、わが両国はより良き世界と人類の繁栄のために、大きく貢献しなければなりません。
それはまさに、人類と歴史に対する私どもの責務であります。
二百七十年前、朝鮮との外交にたずさわった雨森芳洲は、<誠意と信義の交際>を信条としたと伝えられます。
かれの相手役であった朝鮮の玄徳潤は、東莱に誠信堂を建てて日本の使節をもてなしました。
今後のわれわれ両国関係もこのような相互尊重と理解の上に、共同の理想と価値を目指して発展するでありましょう。
世界のなかの韓日関係を志向する巨視的視点に立ち、誠意と信頼に基づいて共に努力すれば、韓日関係の未来は限りなく明るくなるにちがいありません。
「君子の交わりは水のごとく淡し」(君子之交淡如水)という諺がございます。
われわれ両国の友好関係も、そうあらねばなりません。
貴賓のみなさま、
天皇陛下ならびに皇后陛下のご健勝と、平成時代を迎えた日本国の無窮の繁栄を祈願しつつ、ともに祝杯をあげたいと思います。
ありがとうございました。
本日、裁判所制度百周年記念式典に臨み、皆さんと一堂に会することは、私の深く喜びとするところであります。
我が国に近代的な裁判所制度が確立されて以来、裁判所が、幾多の困難を乗り越え、法の支配の担い手として、国民の権利の擁護と法秩序の維持に力を尽くしてきたことは、深く多とするところであります。
近年、内外の諸情勢の著しい変化に伴い、社会に生じる紛争は複雑多岐にわたり、裁判所の果たす役割は、ますます重要なものになっていると思います。
ここに、裁判所制度が、百周年という節目の年を迎え、更に新たな一歩を踏み出そうとするとき、関係者一同が、先人の努力をしのび、決意を新たにして、裁判所の使命達成のため一層力を尽くすよう切に希望します。
さきに、日本国憲法及び皇室典範の定めるところによって皇位を継承しましたが、ここに「即位礼正殿の儀」を行い、即位を内外に宣明いたします。
このときに当たり、改めて、御父昭和天皇六十余年にわたる御在位の間、いかなるときも、国民と苦楽を共にされた御心を心として、常に国民の幸福を願いつつ、日本国憲法を遵守し、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓い、国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。