離婚

離婚の種類には、協議離婚・調停離婚・審判離婚・裁判離婚とありますが、最も多いのが協議離
婚です。
実際調停離婚や審判離婚や裁判離婚は手続きが面倒で時間がかかる為、協議離婚が多いわ
けですが、反面慎重に物事を進めないと一方が不利な離婚条件になる事もしばしばあります。
離婚する場合に必要な取り決め事項としましては、
1.親権者の取り決め
 未成年の子供がいる場合は、どちらかが子供の親権者にならなければ離婚できません。
親権には、区分すると以下の様になります。
身上監護権…子供の身の回りの世話やしつけ、教育の権限です。
財産管理権…子供の財産を管理したり、売買したりする権限です。
 場合によっては、身上監護権と財産管理権とを分ける場合もあります。
2.財産分与の取り決め
 これは、婚姻中夫婦が協力して得た財産は共有財産とみなし寄与度に応じ分配するものです。
さらに区分すると、次の様なものがあります。
清算的財産分与…婚姻中夫婦が協力して貯えた財産の分割清算です。
扶養的財産分与…離婚により女性が生活費を稼ぐ事が出来るまでの夫の生活扶養です。
慰謝料的財産分与…離婚による慰謝料です。
過去の婚姻費の清算…別居期間中の生活費未払いの清算です。(婚姻費用の分担請求)
 但し、二年で時効になります。
3.慰謝料の取り決め
 これは、離婚の原因を作った方が相手方に支払う金銭的賠償です。
 但し、三年で時効が成立します。
4.子供がいる場合には、養育費の取り決め
  子供を養育しない方の親が、養育している親に支払う費用です。
  支払い期間は、子供が成人するまでとか22才までとか18才までとか状況に応じて決めます。
  最近の高学歴化より期間を子供が社会に出るまでとする取り決め方法もあるでしょう。
  支払い額は固定であったり、物価・生活状況の変化により増減できるとする決め方もあります。
  将来、特別の出費があった場合の取り決めもしていた方が良いでしょう。
Q養育費の相場はいくら位か?
大雑把に言うと、子供一人あたり月2万円から6万円の間です。もう少し範囲を狭めると子供一人
あたり月3万円から5万円です。最も多いのが、子供一人あたり月3万円位だと思われます。
Q養育費に時効はあるのか?
養育費に時効はありません。
養育費は、親が貰うものではなくて子供が受けるものだからです。
従って、過去の未払いの養育費を請求する事ができます。
Q子供が大学に進学した場合に、養育費支払い義務は存続するのか?
親に支払い能力があり子供が勉学したいのであれば引き続き養育費支払い義務は存続します。
Q子供を養育している親が再婚すれば、養育費の支払い義務はなくなるのか?
再婚したからと言って、養育費の支払い義務はなくなりません。
但し、状況によって養育費減額や免除の可能性はあります。
離婚協議書に、「養育費の有無、増減について協議の上見直しできるものとする」との一文を
入れておくのが有効です。
Q離婚時には養育費は支払わないとの旨で合意したが、後から養育費の請求はできるか?
生活状況の変化を理由に、養育費請求は可能だろうと思われます。
何故ならば、養育費自体が子供の権利であり尚且つ親の義務なので、夫婦間でいくら取り決めし
ても子供の権利を放棄することはできないからです。
5.年金分割
厚生(共済)年金分割にあたり、社会保険庁に分割改定請求をする場合の按分割合の取り決め
これは、単なる離婚協議書ではなく、公正証書による事が必要です。
6..子供との面談交渉権
  子供と一緒に暮らしていない方の親が、定期的に子供に会う権利です。
  よく一方が子供に会わせるのを拒む場合がありますが、これは認められないものです。
  但し、子供に会わせる事が子供に不利益になる場合には認められる場合もあります。
  概して、子供と定期的に会わせる事が養育費支払いがスムーズにいく場合が多い様です。
Q養育費を支払わないで良い代わりに、子供に会わせないとの合意は有効か?
養育費と面談交渉権とは全く別の問題です。
従って、その内容で合意したとしても家庭裁判所に申し立てをすれば、面談交渉権の申し立てを
認めることになるでしょう。
上記の様な取り決め事項には、「離婚協議書」の作成が必要です。
特に、男性の場合は離婚後に又再婚するケースが多い為、財産分与や慰謝料や養育費につい
ては、実際短期間で支払いが滞るケースがひじょうに多く(支払い期間は1〜3年位)、その防止の
為キチンとした協議書や公正証書で権利・義務関係をはっきりしておく必要があるのです。
又、私も仕事柄当人間での念書形式の離婚契約書なるものをよく見ますが、概して大雑把です。
従って、細部に亘っての取り決めがされていませんので、事情が変化した場合よくもめています。
行政書士が作成した離婚協議書
強制執行は出来ないので、公正証書ほど有力ではありませんが以下の効力が考えられます。
作成代理人行政書士の職印を入れておきますので相手に心理的なプレッシャーを与えます。
履行義務を履行しない場合、相手方も次の手段が事前にわかる為、無視がしにくくなります。
調停・裁判時の有力な証拠になります。
離婚公正証書のメリット
離婚協議書を公正証書で作成し、内容に「強制執行認諾約款」を記載しておけば、裁判所を
通す事なく強制的に相手の財産を差し押さえる事ができます。
公正証書にしておくことにより、給料差し押さえは最大で2分の1まで差し押さえる事が出来ます。
年金分割の取り決めがある場合は、離婚公正証書或いは家庭裁判所の調書他でないと「改定請
求書」が提出できませんので注意が必要です。
離婚成立後、社会保険庁に「改定請求書」を提出して戴く事になります。
以上の様に、離婚公正証書は極めて有力な手段で貴方と子供の将来を強く守ることになります。
離婚公正証書作成への弊害
しかしながら、離婚公正証書は基本的に夫と妻双方が公証人役場まで赴かねばならず、概して
片方が公証人役場まで行くのを嫌がり、結果的に公正証書作成が実現できない事もあります。
その場合は仕方ありませんが、最低でも離婚協議書だけは作成しておきましょう。
離婚公正証書に必要な書類
戸籍謄本(離婚前なら夫か妻の片方のみ、離婚後の公正証書作成は双方の戸籍謄本)
運転免許証又は身分証明書
印鑑(認印で可)
年金分割の必要がある場合は、年金手帳
土地建物他の財産分与がある場合、登記簿謄本や固定資産評価証明書
代理人が行く場合は、委任状
公証人役場の手数料
養育費は10年間の支払金総額で計算します。
年金分割の契約がある場合は、11,000円加算です。
あと慰謝料や財産分与などの金額合計が手数料総額となります。
離婚協議書は、一旦締結してしまうと相手方の同意が得られなければ撤回が困難になります。
当事務所では、案件毎にお客様の状況に合わせた綿密な離婚協議書を作成致します。
Q.どんな場合でも、離婚協議書は公正証書で作成した方が良いのだろうか?
確かに、離婚協議書を公正証書にすれば内容を反故にした場合、裁判所を通す事なく強制的に
相手の財産を差し押さえる事ができます。しかしながら、それは相手の財産や収入がそれなりに
ある場合です。つまり、いくら強制執行をかけても相手の金銭や財産・収入があまり無い場合に
は有効打にはなりません。借金があれば尚更です。元来所持していない者は、結局強いのです。
面談をしてその様な場合には、当事務所で離婚協議書を作成している場合が比較的多いです。
(参考)ローン付き不動産の財産分与の方法
既に支払ったローン返済金額を、夫婦共同の財産と考えます。
以下、財産分与の方法にはいくつか考えられます。
住宅を売却処分する。(住宅ローン残高を引いた額が財産分与の対象額となります)
不動産は夫名義で、住宅ローンも夫が支払い、妻には金銭を支払って財産分与をする。
不動産は夫名義で、住宅ローンも夫が支払うが、妻がその住宅に居住する。(契約書が必要)
不動産・住宅ローン共夫名義で妻がその不動産に居住するが、ローン代金は妻が支払う。
不動産名義は妻に変更するが、住宅ローンは夫が支払う。(慰謝料・養育費を減額調整する)
不動産・ローン共妻名義に変更する。(現実的には困難)