![]() 戦国の世、この峠(坂)の頂上である武士が首を刎ねられた場所と言い伝え、刎ねられた首が峠の北に転がったため、その地を「篠首(死の首)」と呼ぶようになったと言う。 それゆえか、深夜ここを通ると突然目の前に巨大な人間の首が上から落ちてくるという話があると聞き、現地を訪ねてみる事にした。一部の若者らの間ではここは所謂“心霊スポット”として知られているらしく、焼身自殺の跡が残っているという話などもあった。
小さな集落と集落を結ぶ一本道は車一台分ほどの狭い山道で、山間を縫うように曲がりくねって続jく。暫く走ると小さな峠に出て、車がすれ違えるように広くなっていた。切り通しのようになった峠の山の上には地蔵尊が祀られている。恐らくは村に疫病などが入って来ないようにとの願いから峠などの村の境に建てられたものであろう。
突然頭上から巨大な人間の首が落ちてくるという話を聞いて、私は妖怪「釣瓶落とし」(つるべおとし)の事が思い出された。水木しげる氏の著書などでご存知の方も多いのではないだろうか。
山間部の集落にある小さな峠に立つと車の轟音さえ遠くに聞こえ、周囲は静寂に満たされている。 鍋子坂:兵庫県揖保郡(現 たつの市)新宮町福栖
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