<キャンプ場探しに戸惑う>


 三朝を出発したのは15:20分。これなら17時くらいまでに今日の目的地である関金温泉のキャンプ場に余裕
で到着でき、今夜は温泉と酒三昧・・・と勝手にイメージしていた。その前に倉吉の白壁土蔵群を見学する。
 バイクを適当に止めてしばらく散策。昔の建物がそのまま商店として活用されていたり、住宅になっていて、
域の生活に普通に溶け込んでいるのが印象的
。小川で遊ぶ子供たちや、洗濯しているヤンママなど・・・。もっと
ゆっくりと散策したい街並みだった。時間がなくなってきたので先を急ぐことにする。


 今日は関金温泉近くの「関金青少年旅行村」が目的地。「ロマンチック街道」と呼ばれている国道313号を15
分も走れば関金温泉だった。マップを頼りにキャンプ場を探すもなかなか見つからず、街中を右往左往してしま
う。
 どこかの観光ホテルの前で途方にくれていたら、宅急便の兄ちゃんがやってきたので、きっと情報通だろうと踏
んで、いい場所を聞いてみることに。さすがにあちこち走り回っているだけに、極上の場所を教えてくれた(極上と
は当然後でわかったことだけど)。
 なんでもここから10分くらい走った場所に、農業用のため池があり、そのほとりにキャンプ場があるのだという。
マップを見せて場所を聞いたら「大山池」というところに確かにキャンプ場のマークもある。地元の若者も週末に
なると使うらしい。
 大山池キャンプ場は西に大山を仰ぐ、畑ばかりの景色に囲まれた場所にあった。先客がライダー2名だけ。サ
イトは土と芝の混合で、東屋とトイレと水道のみのシンプルなキャンプ場。直火もOKらしい。いいキャンプ場を教
えてもらって感謝。テントを張って近くのコープに買出し。コンビニが近場になかった(関金の街中にはない)ので、
朝飯もここで済ませるべく一緒に買出し。


 満月の夜になり、酒も進んで疲れて21時頃に寝てしまった。


 今日の走行距離・・・629km 

 <露天の温泉に浸かる>


 智頭から国道53号と合流し、川沿いの快走路を北上する。用瀬から国道482号に入り、人形峠を目指す。
渓流沿いの2車線道路が殆どで快適な道だ。ただ天候が不安定で晴れたと思ったら曇ってきたりして落ち着
かない。まぁ雨の心配はなさそうだが・・・。


 辰巳峠を越えると急に寒くなってきたと同時に高原風景が広がっていて、マップを見ると「恩原高原」の文字
が。確かにいい場所ではありそうだが、今日はさすがにこの寒さの中、キャンプをする人はいないだろう。
 「人形峠」とは変わった名前であるがこれはかつて旅人に悪さをしていた化け物を退治するために人形をお
とりとして使ったのが由来だとか・・・。かつてはウランで有名だったが、それも昔の話で、今は研究所が置か
れているだけ・・・せっかく来たのでサクッと中に入ってお勉強タイム。
 人形峠は国道の方はトンネルだが、昔は旧道が国道だったのだろう、道幅も広くてちょっとしたスペシャル
だった。


 人形峠を経て、国道179号にぶつかり三朝を目指す。ここには無料の混浴露天風呂がある。別に若い女性
などは露ほども期待していないが、温泉、と聞くだけでやはり入りたくなってしまうのである。
三朝の温泉街は、他の温泉街同様、路地が狭くて駐車場も見つけるのに苦労してしまい、バイクだからいいや、
と割り切って、混浴風呂の入り口付近の橋のたもとに路駐。他にライダーが3人くらいいて、少し意外な感じが
した(ここに来るまで、殆どライダーに会っていないから)。
 温泉は足湯と湯船の2つあって、足湯には女性が2,3人いたが、湯船には勿論野郎のみ。お湯は少し熱め
で相当我慢して入った。足湯も熱くていきなり足を入れるとやけどしそうな感じだった。でも少しだけ冷ややか
な風にあたりながらの温泉もなかなか良かった。

県道32号はちょっとしたスペシャルステージ。瀬戸内の景色が気持ちよいシーサイドライン。
教えてもらった大山池キャンプ場。西に大山、南に蒜山を見るロケーション。
倉吉の白壁土蔵群。こういう街並み大好き。
三朝の混浴露天風呂。熱いのに慣れちゃえばなかなかいいお湯です。
人形峠の「アトムサイエンス館」
武蔵に「カンチョー」!お通も泣いている!?

 <プロローグ>


 毎年GWはかみさんとのツーリングが我が家の恒例行事となっていた。2007年3月に長男が生まれ、さすが
に夫婦ツーリングは無理な状況、どころか、俺だけでのソロツーリングも危ぶまれていた。しかし!心優しい?か
みさんは
「どうせなら5日まで行ってくれば?」と嬉しい一言。一瞬、「じゃぁ行ってくるよ」と喉まで
出掛かるも、
さすがに心苦しいのもあり、4日まで走ってくることを伝えた。
 でも少しでも多く走っていたい俺は、ある妙案を思いついた。「出発を真夜中にすれば、1泊分稼げる!」
 早速実行。5月1日はフツーに日常の仕事をこなし、その日の、かみさんが寝静まった頃合を見計らって、いそ
いそと支度を始め、23:30分頃に準備完了。さっきまで降っていた雨もやみ、23:50分、自宅を出発したのだ
った。


<徹夜で走る>


 普段ならとっくにフトンに入っている時間に、バイクに乗っているという、普段とは違う異次元の世界が俺は
たまらなく好きである。日常の全てから解放されているという感覚が、眠気も忘れさせてくれるのだ。
 浜松西ICから東名に乗る。昼間は少々暑くてもまだ5月上旬、夜中は肌寒く、とりあえずは皮ジャンにして正
解。一服入れて0:35分出発。
 徐々に寒くなるのを肌身で感じながら1:30分伊勢湾岸道の長島PA着。霧雨も降ってきて寒くなってきた
ので、合羽を着込む。上半身は皮ジャン、下半身はメッシュと少々アンバランスな格好。首に防寒のタオルを
巻きつけて出発。
 雨も徐々に強さを増し、亀山PAで合羽着用休憩。腹が減り夜食を、と思ったが、飲食店は閉まっている。 

車も通れない板井原集落の風景。タイムスリップした感じ。
智頭で見つけた古い商家。こんな家がゴロゴロしている。

 <引き続き古い街並みへ>


 鳥取県に入り最初の町が智頭町である。県の南部に位置する林業が盛んな町であり、かつては宿場町
としても繁栄したようである。その名残が上坂町に残されている古い街並みである。
 ここはさっきの大原と違って観光客でごった返していた。役場も協力して「街並みギャラリー」として保存
活動に積極的なようである。
 その中の最たるものが「石谷家住宅」であった。土間の玄関だけでざっと20坪以上もある大豪邸で、山林
経営と土地の貸しで財を成してきたという家であり、門構えもそれは立派なものだった。中に入って見上げる
と、太さ50cm以上もあろうかという梁が何本もあって、重厚な作りが凄かった。


 しばらく町を散策した後に、ボランティアで観光案内をしていた役場のネエチャンにこのあたりのお薦めの
観光地を聞くと「板井原集落がいい」と教えてくれた。行き方を教わって、教えられたとおりに走るが、これが
ひどい山奥で本当にこんな山奥に集落があるのか?と半信半疑で向かう。向かう道もうっそうとした森の中
の狭路で、たまにすれ違う車にびびりながら走ること15分くらい、ようやく萱葺き屋根の集落に到着。 
ここも「伝統的建造群保存地区」に指定されているとのことであり、確かに昔の日本の原風景を彷彿させる
のどかな風景が残されていた。建物を改造して喫茶店があったりしたが、住人は殆どいないような感じ。
14:40分、人形峠を経て三朝温泉へ向かうべく、板井原集落を出発する。

赤穂浪士で有名な赤穂城。小柄ながらなかなか立派な城。
 <古い街並みめぐりへ>


 赤穂城前の博物館に到着、そのまま中に入って少し
お勉強をして、城内を散策する。
 さっきの龍野城とは違ってこちらは平城で、至る所で
復元工事の真っ最中で、門や塀など復元されている。
小ぶりではあるが、天守台の石垣もあった。またかみ
さんとゆっくり来たい町だ。
 そういえば、赤穂市街に入る手前にも、なんか古い
街並みがあったな。素通りしてしまったけど・・・。


 赤穂から千種川沿いの県道を北上する。5月の晴
れ間の川沿いの道路は気持ちがよく
ついついハイペ
ースになってしまう。佐用で昼食を済ませ、、宮本武
蔵の故郷とされる、大原へ。
 智頭急行のその名も「宮本武蔵駅」に到着。宮本
武蔵の生誕地といわれている場所から最も近い駅。
格段彼に興味があるわけではないので、資料館等
には寄らず、駅前にあるモニュメントで記念撮影。
その後はかつて因州池田候も使ったという本陣前
で記念撮影。なかなか立派な本陣跡なのに、観光
客は俺だけ。人も殆どいなくて寂しい町だった。観
光客用の駐車場が無いのが致命的かもしれない。


 国道373号をひたすら北上する。山々が段々せ
まってきて平地が少なくなってきた。きっともうすぐ
峠だな、と思ったらトンネルに入り、トンネルを抜け
ると鳥取県に入っていた。
龍野はしょうゆの町でもあり、こんな蔵が立ち並ぶ

  龍野ICで降り、そのまま龍野城跡へ向かう。城下町らしく、道路は不規則に交差点があったり、曲がって
いたり。龍野城跡は公園になっていて自由に出入りができるようだ。ブラブラしていると地元のおっちゃんに話
しかけられる。「雑誌で載っていたから来てみた」と伝えると嬉しそうな表情。
 そのまましばらく城下町を歩き、バイクで散策すると、しょうゆ工場の一角にこんなものが・・・!買う人いるの
かなぁ・・・なんて素朴な疑問。


 次は赤穂へ。実はまだ行ったことがない街だったりするのでとても楽しみだった。有名な”赤穂浪士”はこの
町の浪士たちのお話です。
 国道250号から少し寄り道して、海沿いの県道へ。トンネルを抜けると「土・日・祝日 二輪車通行禁止」の
看板が・・・。これはよっぽどスペシャルな道に違いない!と勝手に解釈し、平日だったことを感謝しながら走る。
 うーん別に特にスペシャルでもなかったが、海をチラチラ見ながら走れる快走路。途中の公園で一休み。
の前に瀬戸内に浮かぶ小島や、遠くに小豆島や四国も見えて
、なんだかいい気分。

朝もやの中国道・名塩SA
 ここから、名阪国道を行くか、国道1号を行くかだが、
こんな雨の日の夜は迷わず国道1号に。名阪国道を
こんな悪条件の下で走るほど、俺は度胸はない。
 3:20分、野洲の国道1号沿いのコンビニ到着。隣に
ヨシギュウがあったので、迷わず入る。雨で濡れた体に
は暖かい牛丼は身に染みてうまい。


 第二京滋BPから名神、中国道と走って、名塩SAに
4:45分到着。ここまで来るのに、早かったのか、遅か
ったのかはわからんが、意識がようやくもうろうとしてき
た。1時間ほど、中の休憩ベンチでウトウト・・・7時すぎ
朝飯も済ませて出発する。
 給油をするも、燃費が格段に落ちていることに気がつ
く。もぅご老体のバイクだからか、俺の手入れが悪いの
か、わからないけど・・・。