出発する前は「とにかく寒いから防寒対策をしっかり」ということでかなりみんな神経質になっていた。俺は-20℃の世界がどのようなものかは知っていたから、そんなに慌てて装備を買い込むようなことはしなかったが、ダウンのオーバー(約12,000円相当)くらいは購入した。

 旅行会社を通じて一応、防寒対策セットを申し込んでいた。セット内容はオーバージャケット、オーバーパンツ及びスノーシューズの3点セット。

 個人的には先ほど記述したモンベルのダウンオーバーの他、以下のものを準備した。

 ・登山用ソックス 1組                  
 ・顔面レスラーのようなもの 1枚
 ・毛糸の帽子 1個
 ・ズボン 1枚                       
 ・登山用 グローブ、オーバーグローブ 1組づつ
 ・ダウンズボン 1枚                   
 ・登山用 ゴアテックスオーバージャケット上下 1組
 ・登山用(冬山用)タイツ 上下 1組           
 ・折りたたみコンパクト椅子 1個
 ・首巻き 1枚

 これらは殆ど冬山で使用するアイテムであり既に持参しているものばかりだった。この荷物だけでスーツケースの半分くらいを占めてしまった。不安があるとすれば足元だけだった。「冷えは足元から来る」といわれていたのにも関わらず、レンタルのシューズだけで大丈夫か不安だったのだ。

 ツアーで観測に出かける場合、22時くらいに出発して23時頃に現地に到着し、室内(ロッジ)などで暖を取りながらオーロラの出るのを待った。

 フェアバンクスに限って言うならば、ツアーで行ったスキーランド及びその周辺の高原よりもフェアバックス市内の方が10℃くらいも寒いということだった。これはフェアバンクスが山に囲まれており、冷気は上昇せず、低い場所に溜まるという理由である。従って夜中のフェアバンクスが-30℃の時、観測場所の気温は-20℃前後ということだった。

 俺は上に書いた装備のうち、殆どを自前のもので済ませて、靴だけはスノーシューズを履いた。使用したものはソックス、タイツ上下、、ダウンズボン、首巻、帽子、グローブ、ゴアテックスオーバージャケット及び折りたたみ椅子だった。

 実際に夜中に外で観測してみて次のことが言える。

 ・格言どおり?足元が一番冷たくなってくる。俺は厚手の靴下+登山用の厚手靴下の2枚を履いていたが、それでも数時間も 外で待っているとつま先が冷えてきた。もう少し足元、特につま先の防寒対策を考えないといけないと感じた。
 ・他の部位は、結構頑丈に防寒対策をしたせいか、殆ど寒さを感じることは無かった。
 ・折りたたみ椅子は是非持参すべきもの。立って観測するのは非常に辛いと思う
 ・手に関してはグローブをしているだけで特に冷たくなって感覚が麻痺するようなことはなかった。

 ちなみに2,3日目は殆ど外に出ずっぱりで、ずっとと折りたたみ椅子に座りながらデジカメのシャッターを押しながらオーロラを観測した。風が吹かなかったのも幸いだったのかもしれない。また俺が寒さに強い体質だったので、-20℃くらいではなんとも無かったということもあるかもしれない。

 冬=スキーということで、スキーで使用するジャケットなどを持っていく人もいるようだが、スキーのジャケットは運動して内側から熱を放射することを前提に作られているもので、オーロラ観測ではスキーのような激しい運動はないから、スキー用品の流用は避けたほうが良い。

 バイク用品は、防寒、防風にも優れたものであるため、バイク用品を流用するのはいいと思う。