映画感想 2010 旧作
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 2010  4

ディープ・ブルー9/25(土)

実験動物として要塞のような研究施設で飼育されている巨大な
「マコシャーク」が、人間に復讐しつつ大洋への自由を求めて
研究者を襲っていく「ジョーズ」リスペクトの海洋ホラー。

ゲームをしながらの「ながら見番組」に選んでつけておいたのだが、
研究用のサメから脳細胞を抽出して実験成功を喜んだのもつかの間、
サメが研究者の腕をかじり取るあたりで「おお」と思い、その後
サメが担架に乗せられた彼をガラスにぶち当てて窓を破ったり、
追い詰められたコックがまさかのオーブン焼きになりかけたり。

そして!そして何よりも!!
うぉい!そこでか!!!とツッコミまくって大爆笑。

人間の英知を信じ、仲間の結束性と協調性を訥々と訴えていた社長が
いきなりバクンとサメに食われた時の笑撃にはもうもうビックリだよ。

1人また1人とサメの餌食になっていくんだけど、水の中で海洋生物に
かなうわけなんかないので、動きがとろくて怖いよりイライラしたわ〜
サメをここまで巨大にさせたのは遺伝子操作を施したからなんだけど、
脳が巨大化した副作用としてサメに知能までついてしまったのだとか。
禁忌に手を出した博士は、「脳の病気に苦しむ人を救いたい」という
志としては高いけどマッド過ぎるという女性研究者で、こいつ、一回
サメを逃がしちゃうんだよね。でもその後電気びりびりで仕留めたのも
こいつ。でもそれで贖罪は出来んぞと思ったら最後は本当の餌になった。

ペットのオウムを食われ、オーブンに逃げ込んだコックはなんと、
そのオーブンのガスを利用し、ジッポを投げたらサメ大爆発。
この時点で「少なくともこのコックはサバイバーになる」と確信した。
だから最後の最後、海上に逃げた瞬間にサメと曲芸を始めた時は「うそ〜」
と思ったけど、案の定生き残った。しかも最後の3匹目も見事爆破成功。

一番主人公っぽかったサメライダーが死んでたら
最後の最後にビックリだったかも。ってかあの爆発に
巻き込まれた時は「あ、死んだ」と思ったけどな〜

サメは、バクンバクンと餌(人間だけど)をちぎって食ったり、
全身が出る時は結構ロボロボしてたのが気になったかも。

まぁそれ以上にやっぱ見事な食われっぷりがウリかな〜、この映画は。

(2010/9/24放映)
レミーのおいしいレストラン8/7(土)

原題は「ネズミのタトゥー」にかけた、南仏料理「ラタトゥイユ」なので、
海外で探す時は苦労する。上映された2007年以外にも、何度かTVで見たので
観たいなーと思っていたところ、運良く機内で上映していた。本当はドリーム
ワークスの「ヒックとドラゴン」を先行で観たかったのだが、こちらには
日本語バージョンがなかったので英語版で見るだけに留めた。(昨年も
確か「モンスターVSエイリアン」がそうだった…)英語版のアニメは、普通の
映画よりはまだ何となくわかるけど、細かいところは…やはり語学の壁が…

鼻も舌も利くネズミのレミーは、残飯よりも料理そのものを、毒見ではなく
自身が料理を作って皆に振舞ってみたいというささやかながらとてつもない
夢を持ったドブネズミ。そんな彼が家族と別れ、ある日リングイネという
パリの有名レストランに勤めながらも料理の才能などひとかけらもない
不器用な青年と出会ったことから、運命が大きく動き始める…

ピクサーはディズニーよりは大人に向け、複雑だったり残酷な展開も多いけど、
レミーを励ますグストーの話とか、グストーの店いる連中は個性派揃いだとか、
そういうちょっとしたところはニヤリとできて楽しかった。機内上映版は
日本語吹き替えだったので主役は岸尾だいすけ&佐藤隆太だったんだけど、
どちらもちょっと距離を置きながら(というかリングイネにはレミーの
言葉はわからないから当たり前だが)遠慮がちに絆を深めていく様子が
ほのぼのして可愛い。結局言葉が通じないからわかりあえずに衝突したりね。
ちょうど言葉の通じない外国人同士のつき合いみたいな感じかな?

料理はおいしそうだったよ。特に初めにレミー自らがスープの味を調える
シーンの動きはとても滑らかで見ていて気持ちいい。その後は帽子の中に
隠れたレミーがリングイネを馬のように操るんだけど、コレットに好意を
抱き始めたリングイネが逆らったり、実はグストーの息子だった彼に店が
渡ると態度がデカくなって2人の仲に亀裂が走ったり…と困難が続く。

言葉を喋るレミーは結構饒舌で陽気なところも見えるんだけど、
言葉が喋れなくなる=リングイネの前に出ると、途端に気の弱そうな
ただのちっちゃな頼りないネズミに見えてしまうのが可愛かったな。

美食家であり多くの料理人を恐怖と失望に叩き込んできた批評家イーゴの
存在感がすごかった。彼が、批評家というものは「産みの痛みも育ての
苦しみも味わうことなく、好き勝手な事を言えばいい気楽で無責任な稼業」
と自嘲気味に言うんだけど、自分もレビュー屋を名乗っていただけに耳が痛い。

でも彼がレミーの料理(ラタトゥイユ)で少年時代の懐かしい味、そして
料理を愛する心を取り戻したシーンを見て、そうそう、レビューも批評も
やっぱ愛がなくっちゃ!バカだのアホだの言っても愛があれば温かい…と
しみじみ感じ入ったよ。リングイネとコレットが、客が全員帰った後、
彼に真実を告げる静かなシーンもすごくよかったなぁ。何も言わずに
ただひたすら彼らの話に耳を傾け、真実を目の当たりにしたイーゴの、
翌朝の記事もまた素晴らしかった。ならば我々は多くの人が受け入れない
それを守る側に回らねばならない、という言葉にはジーンと感動すらしたよ。

ストーリー性が非常に高くて、アニメというよりフツーの映画みたいだった。
公開時、見に行きたかったんだけど、2007年って最後のレビューをやってて
電王とかもあって忙しくて見にいけなかったんだよね。でも確かに面白かった。

まぁねー、そうはいってもネズミだからねー、料理を作るの。
汚いというより、ネズミの寿命って何年だよとそっちが心配になったよ。

EDはこれまた可愛い2D。ピクサーお得意のNG集でもよかったのに。

(機内上映)
ボルト7/31(土)

自分が「スーパーパワーを持つスーパードッグ」であると信じている
白い犬ボルトが、ひょんな事からハリウッドを遠く離れニューヨークヘ!
そんな彼が共演者であるペニーの元に帰りつくまでを描いたロードムービー。

巻き込まれて旅の道連れにされてしまう現実派の野良猫ミトンズや、
ボルトがドラマの出演者であると知りながら憧れるハムスターのライノと
苦労しながらの旅になるのだけど、箱入りワンコだったボルトは徐々に
自分が犬であり、スーパーパワーなど何にもないことに気づいていく。

けれど、友達を思う気持ちやペニーに会いたいという気持ちを確認し
やがてハリウッドにたどり着く。そんな時、撮影所では火事があって…
彼の真の「スーパーバーク」が炸裂する!という愛らしアニメ。

2009年公開のディズニームービーらしい、まさしく毒にも薬にもならない
お墨付き。ボルトが子犬っぽく見えるわりに結構でかい。頭もでかい。
おかげでEDの昔懐かしい2Dアニメーションのボルトたちが一番可愛かった。

(機内上映)
深紅4/24(土)

映画だけなら見ようとも思わないタイプの作品なのだが、
以前野沢尚の小説を読んでいたので視聴。80年代初めに
練馬区で起きた一家惨殺事件を元にしたと思われる物語で、
被害者一家の生き残りの少女と加害者の娘の邂逅を描いている。

事件発生当初、新聞を飾ったこの大事件は、「競売」や「居座り」「転売」
などが発端となっており、不動産が今以上に莫大な価値を持っていた時代の
悲劇の一つ。知れば知るほど被害者の悪意(法律的な意味の「悪」であり、
「害」的な意味ではない)があり、加害者の追い詰められた状況を思うと、
防ぎようもあったのに…とやりきれない。反面、関係ない子供たちまで
惨殺する必要があったのかと加害者の残虐性もやはり許せるものではない。

修学旅行中、担任に呼び出された奏子は「家族が事故に遭った」と言われて
急遽東京に戻ることになる。そこには冷たくなった家族の遺体が並んでいた…
犯人は幼い弟たちも含め、家族を撲殺し、家を破壊しようと電動ノコギリで
柱や壁を傷つけた。実際にはもう1人の妹を含めて撲殺し、処理をしようと
遺体を切断していたところを捕まったのだが…どちらにせよかなり凄惨だ。
(現在の大泉学園は土地も売却されて新しい宅地となり、閑静な住宅街に
戻っている。新しい移住者は事件そのものを知らない者も多いという。)

叔母夫婦に引き取られた奏子は、恋人もいる普通の女子大生に成長した。
しかしある日彼女は、死刑判決を待つばかりの犯人に、自分と同い年の
娘がいることを知ってしまう…未歩という名のその娘はバーテンダーを
しており、暴力的な夫に殴られて日々を送る荒んだ人生を歩んでいた。

この小説、そもそも一体何を描きたかったのかがよくわからず、
最後まで読んでも「…で、一体何をどうしたかったの?」という
疑問ばかりが残ったのだが、映画もやっぱりわけがわからなかった。

それどころか犯人の動機が練馬の事件も小説も「土地売買」絡みだったのに
こちらは両者が初めから関係を持つ「投資」絡みとなっているので「それは
騙されたキミが悪い」と言いたくなってしまう(競売→転売の場合は法的に
立ち退かせる事ができるけど…しかし時間がかかるからねー、これは)

事件のショックが大きかったせいか、奏子には年に数回、スイッチオフに
なってしまう時がある。意識を保ったまま全く動けなくなってしまう…
それが起きたのは夫の暴力で流産した未歩が、夫を殺す計画を実行する時。

結果的に夫を殺しきれなかった未歩、「殺人犯の娘」に近づき、その人生の
荒み具合を目の当たりにし、いつしか未歩に友情のようなものを感じ始め、
それを止めようとしていた奏子…という姿を描きたかったならともかく…

う〜ん、どうもそういうわけでもないみたいなんだよね。
なんつーか、もっとクールな感じで、だからこそ主人公が
一体何をどうしたいのかよくわからないという…
あと最後の女同士のキスとかマジでキモ過ぎる。

ちょっと皮肉だったのは、宇都宮に向かう未歩が、奏子がそうしたように、
携帯の番号から奏子の名を消した時。そこには奏子が教えた偽名ではなく、
「秋葉奏子」という、父が殺した一家の生き残りの娘の名前が載っていた…
というどんでん返し、よかったのはそこくらいかなぁ、この作品って。

なんかヘンな映画だった。小説もね。

(2010/3/22 放映)
アビエイター 4/10(土)

ヒキコモリのディカプリオが全裸の上に尻を見せて悶絶しまくる映画。

何の映画なのか前情報を全く集めずに見たのだが、冒頭30分見たところで
「ああ、この映画は多分つまらないな…」と思ったとおり、最後まで全く
面白い要素がない映画だった。スコセッシ作品は私が今まで見たものだと
大概オール・オア・ナッシングだ。そしてこれは多分ナッシングの方だ。

実在した富豪ハワード・ヒューズの半生を描いた映画なのだが、まぁ当人も
大分変わった人だったようなので致し方ないとはいえ、無駄金を自分の夢の
映画のために浪費しまくり、さらに飛行機の開発につぎ込み、やがては航空
業界に乗り出そうとする。その間にもキャサリン・ヘプバーンやエヴァ・
ガードナーなどの女優と浮名を流し、さらには子供時代に刷り込まれた
清潔志向によって強迫神経症を患い、神経を病んでいく姿が描かれる。

2時間50分近くもある長い映画なので、見るのに非常に疲れる。
かといって冗長というわけでもないのだが…同時に面白いわけでもない。
う〜ん、なんだろう…当時のセレブリティ・ワールドの様子を再現してるし、
俳優陣も豪勢、戦前から戦時中、戦後のアメリカの民間航空業の裏側なども
軽く見られるのだが…う〜ん…面白くないんだよなぁ、どれもこれも…

ハワード・ヒューズという人物にあまり縁がないせいかもしれないけど、
巨大輸送機、偵察機、そしてついにはジェット機の構想まで抱く天才は、
一歩間違えばすぐにあっちの世界に足を踏み入れる危うさを秘めている。
手を洗い始めれば爪で手を傷つけるほどだし、タオルには触れないし、
トイレのノブにも触れない。症状が悪化すると普通の部屋のドアノブも
触れず、他人が指でつまんだ食べ物を見ただけで食欲が減退する始末。

自分が操縦する試作機がビバリーヒルズの住宅街に突っ込み、彼は瀕死の
重症を負うのだけど、むしろ事故で怪我をした人や被害を受けた人の事が
気になっちゃうのはなぜだろう。空の覇権を争う公聴会や議員と企業の
癒着を見ていると、つい最近でもヴァージン・アトランティックのように
既存の航空会社から妨害行為を受ける事象も多いのだから、当時はなおさら。

ああ、そういう背景を楽しむ見方ができれば絶対ダメというわけでもないか…

「タスマニア産だ!」と大喧嘩していたジュード・ロウのエロール・フリンや
ヒューズのライバル、パンナム社社長が「アンタ誰?」というくらい膨らんだ
アレック・ボールドウィンだったりして楽しい。ケイト・ベッキンセールは
凛として美しく、怪女優ケイト・ブランシェットも背が高くてサバサバした
キャサリン・ヘプバーンを好演。そういう意味では豪華なんだがなぁ…

(2010/3/17 放映)
ブレス・ザ・チャイルド 4/9(金)

不思議な力を持つ少女を巡る、伯母とカルト教団との戦い。(含むFBI。)

なんかねー、色々惜しい。
前半、不思議な行動を繰り返す少女の正体がわからず、各地で6歳の少年が
さらわれては殺されるという猟奇的な事件が繰り返されたりするんだけど、
このへんは悪くなかったんだよ。何やら不気味なな物音にビクッとしたり、
マギーが恋人といちゃついてると、「自閉症」と診断されているコーディが
突然壁に頭を打ち付けていて驚いたりと非常にミステリーっぽいんだよね。

ところが途中から…エリックという悪魔教の教祖が出てきてからねー、
なんかねー、イマイチねー、ベタベタのグダグダになっちゃったねー

わかり易すぎなんだよなー、目的が。
悪魔教かどうかは最後まで隠してさ、なんだか怪しげな謎の男として出て、
あのままちょっと謎っぽく、大ピンチの時はなぜか不思議な助け手が現れて
彼女やコーディを救ってくれるという(この助け手たちが意外といい味を
出してるんだよなー、さりげなくて格好いい)まま進めばよかったのに。

あとFBI。
神学校出の異色の捜査官だから何か特別な役割があるのかと思ったけど、別に
何もなかった。つかこの人、カルトなガキどもにボコられてて、主人公たちの
ピンチに全く間に合ってねぇ。クライマックスに完全に遅れてきたと思ったら
神の奇跡を目の当たりにして呆然としてたエリックを撃ち殺しただけだもん。

いきなり現れたシスターは誰なのか謎だったけど、一応コーディの学校の
シスター(鳩を生き返らせる奇跡を一緒に見た人)だったのかしらん?

ラストはエリックに撃たれたマギーをコーディが生き返らせ、3つの光が
彼女たちを守ってめでたしめでたし。最後に悪魔教に毒されたガキが1人
コーディを殺しに来たけど、清らかな彼女の視線に浄化されておしまい。

悪魔からコーディを守ってくれた助け手はもっと出てもよかったな。
バスの中で六芒星の登場を語った人、百合を蘇らせた掃除人、地下鉄を
止めてくれた人、橋から落ちる彼女を助けてくれた人以外にも、多分あの
ベビーシッターや車を発進させる時間を稼いでくれた車もそうじゃないかな。

「神の加護があると信じるならそこから飛び降りろ!飛べないなら(悪魔を
信じる)俺の方を信じたことになる!」というムチャクチャな理論をかざす
エリックに対抗するにはどうすればいいかと考えた私の結論は、「なら逆に
悪魔の加護があって死なないだろうからあんたが先に飛んでよ」だったが、
コーディの答えも「お先にどうぞ」だったのでちょっとニヤリとした。

首を切り落とされちゃったシェリーはクリスティーナ・リッチに似てると
思ったら本人だった。母親役の人は役柄的にもいる意味がなかったなー

(2010/3/23 放映)
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