
地獄少女・地獄少女 二籠 1クール・視聴感想・トップ地獄少女 二籠・2
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第14話 静かな湖畔 |
有能なプロデューサーと組んで仕事をしたシナリオライターなんざ、 プロデューサーのアイディアをリライトしただけとしか思われない… なんか初っ端からえらい陳腐な話と思ったら、ドラマのワンシーンだった。 柿沼はかつて一世を風靡したトレンディドラマのライターだったらしい。 その時一緒に組んでいたのが敏腕プロデューサー紅林。 2人が暮らすのはバブル期にはビバリーヒルズなどともてはやされたものの、 不況の風に煽られて今はすっかり閑散として兵どもが夢の跡。そしてNYから 戻ってきた紅林家の庭は何者かに投げ込まれたゴミでいっぱいだった… たった一度ゴミを出す日を間違えただけで始まった嫌がらせ。 紅林一家はすっかり憔悴し、心臓の弱い妻の症状も悪化するばかり。 今回はなかなか複雑な話で、誰が依頼者で誰がターゲットなのかわかりづらく、 混乱した。拓真は最初から柿沼の事を怪しいと疑ってたのかどうかもちょっと わかりづらかった。そもそも地獄通信には誰の名前を書こうと思ってたのか。 「おばんっ!」 きくりはなぜか拓真に近づき、死体を埋める絵を描いて見せたり、柿沼が作った 「紅林拓真は悪魔の子」という中傷ビラを見せたりして拓真を追い込んでいく。 「あの子なりに放っておけないのよ」 あいは「私の邪魔はしないはず」と言ってたけど、やっぱりきくりの 行動って不可解だよな。にたっと笑うところなんかめっちゃ邪悪っぽいし。 しかしまさか母親が殺されるとは思わなかったよ!ええぇぇl〜!? せいぜいケガか心臓病が悪化して入院するくらいかと思ったのになんだこれは… しかも間の悪い事に?外に置きざられたボウガンを手に取ったがゆえにそれを ピザの宅配人に見られてしまった拓真。もちろんこれも柿沼の計算なんだけど。 ここで話は急に転調し、柿沼の元に女が一人現れる。 彼女は紅林の妻を殺したのはあんたでしょうと詰め寄り、 柿沼は自分が身篭った柿沼の子を殺したのだと罵っていく。 「人殺し!地獄へ堕ちるといいわ!」 柿沼の本性を父に告げても逆に諌められるだけの拓真は、地獄通信にアクセスし ついにあいと対面する。けれど何を思ったかきくりと共に帰りかけたあいに、 そのわら人形を返してしまう…父が言ったように、誰かを恨んではいけない。 母を殺した犯人は警察が見つけてくれる…だから、返すよ… けれどこれが拓真を襲う次なる悲劇の始まりだった。 「見つかっちゃったぁ」 拓真にはそう言ったものの、思うところがあったのか紅林は柿沼を問いただし、 サーフボードの裏のボコボコに開いた穴…ボウガンの練習台に気づいてしまう。 紅林が「左遷された」ことで仕事がなくなった。認めてもらえなくなった。 けれどそれは自分から売り込みに行ったり、新しい事をやろうという努力を 怠ったただの逆恨みでしかない。けれどそもそも逆恨みをして自分の力不足を 認めないような輩に、まともな説得など通用するわけがない。 駆けつけた拓真が見たのは血溜まりの中で既に動かなくなった父の姿だった… 結局、拓真に手がかけられようとした瞬間、柿沼に階段から突き落とされて 子供を流産させられたあの女がわら人形の糸を解き、間一髪拓真は助かった… …と思いきや、自分自身が呼んだ警察によって拘束されるという最悪のオチ! なんだこれ!?三藁も最初に言ってたけど、めちゃくちゃ胸糞悪い終わりだ。 いや〜、面白い。面白かったんだけどちょっと惜しかった。何かが弱い。 この結末に持っていく転と結はいいんだけど、問題は起と承の部分だと思う。 まず、拓真が「悪魔の子」と中傷されただけで犯人扱いされるほど悪い子に 見えない。元々粗暴だとか、誤解を受けやすい子供だったとかならともかく。 それに「悪魔の子」と噂する住人たちの姿が見えないので、彼らが何を根拠に 拓真の陰口を利くのかわからないし、学校での様子もわからない。これなら 当然苛められてると思うけど、このご時世なのでその描写を自粛してしまい、 ゆえにかえって関係性がわかりづらくなってしまったような気がする。 柿沼の逆恨みが弱い。借金取りに追われるとか、落ちぶれてバカにされたとか 積もっていく恨みを表現するシーンがない。一昔も前の自分が書いたドラマを 延々と見続けるというのはそれなりに面白かったけど。こういうヤツいそう。 柿沼は体中にボウガンが突き刺ささったまま地獄に流され、拓真は「静かな 湖畔」を口ずさみながらツートンに乗せられて連行されていくのだった… 何も悪い事をしていない、誰も地獄に流していないのに、きくりの誘いに 乗らず、地獄流しを断ったがゆえに待っていたのは延々続く「生き地獄」 もちろん証拠不十分にはなるだろうけど、父も母も失って施設に入れられ、 偏見の中で心を荒ませながら生きて行く拓真の未来は容易に想像できる。 ああ、なんて後味が悪い。けれどまたしてもやられたという思いが強いよ。 △ |
第15話 この国のために |
「大泉太一郎」をいくら地獄に流そうとしてもエラーになってしまう。 この国の状況が悪いのは政治のせい…そんな政治を行う総理大臣のせい… だから地獄に流したいのに。あいつさえ流せば世の中は変わるはずなのに。 「毎日毎日、よく飽きないもんだ」「まったくだ」「おまえさんの方だよ」 輪入道がデッドエンドに入り込んでしまった若い女の子を気にしちゃうのは、 かつて彼が守りきれなかった美しい姫を思ってのことだといいなと思ったり。 大泉政権下、障害者や高齢者などの弱者は切り捨てられ、大企業ばかりを 優遇する経済政策によって回るべき財が国民一人一人の元に届かない… だから政治が変われば国は変わる。政治がよくなれば暮らしもよくなる。 そんな絵空事を妄信した菅野と娘の百合子は今日も選挙活動に忙しく、 残された母は借金取りへの対応に追われ、納期に追われ、たった一人で 工場を回しててんてこ舞いの毎日。つかれ切り、やつれた母の姿を 父も娘も見ようともせず、この国を変える事に没頭してしまっている。 彼らは見たいものだけ見て、見たくないものは見ようとしない。 政権を交代しても、それは単に腐ったケーキの上の苺を新しく取り替える 長年培われてきたオートメーションに過ぎない事にも目をつぶりながら… しかしこの菅野がいけない。立木文彦はマダオをやると可愛いのに クソ親父をやらせるとなぜにここまで憎たらしくなるのだろうか。 選挙事務所でもビールを飲んだり無知を曝け出したりで厄介者扱い。 あまつさえやや有能さを見せる実の娘の百合子にまで嫉妬する始末。 大体選挙ポスターにいたずらをしてはいけないのにあんたがしてどうする。 国のためと豪語しながら働かない父と、夜遅くまでたった一人で仕事をする母。 こんなのはおかしいと思いながらもそれを口に出せないまま、父に従っていた 百合子はある日、母が過労で倒れたことを聞いて病院へと向かう。 そしてそこで、今まで知らなかった…見ようとしなかった信実を知る。 借金の抵当に入った家と工場。繰り返されるドンマイバチカン…じゃなくて ドメスティック・ヴァイオレンス。昔、もっと苦しくて追い詰められたことも あったけど、家族全員(と言ってたけど、百合子が知らないんだから夫婦でだよね)で 力をあわせて乗り越えてきた。けれどそれももう限界。母は疲れきっていた。 地獄調査隊の松葉杖姿の一目連と魅惑のナースコスのきくりに笑った。 政治のことを勉強しなきゃと輪入道が持ち出した新聞には「ザ・ピーナツ」 いくらなんでもそれは古すぎるんじゃないのかと一目連に言われるも、 政治なんかそうそう変わるもんじゃねぇだろうと言うのは皮肉だなぁ。 「わら人形…これも持って行くのね…」 わら人形を見てもさっぱり動じない百合子には笑ってしまった。 糸を引こうとしてはためらっていた母親がこのまますんなり糸を 引くと思いきや、さらにツイストを入れるのが二籠クォリティ。 事務所に顔を出した百合子は、講演会で父が客とトラブルを起こす失態を 犯したことを知る。親子喧嘩を始めた二人を引き離し、選挙参謀の山本は 「もっと大きな事件」を起こすことでその面倒なトラブルを消そうとする。 娘を襲わせることをOKするばかりではなく、窮地を輪入道が救ったことで 失敗した犯人役にちゃんとやれとけしかけるクソ親父。もう本当に最低最悪。 百合子が地獄通信に「お父さん」と入れるのは必然。しかし思いもかけず、 大泉首相と同じく地獄に流したい「お父さん」はエラーになってしまう。 「その人には、先約があるの」 自分が大泉チルドレンのポスターにやったように、眼と鼻の穴に ガビョウを刺され、血を流しながら地獄へと流されていく菅野。 「地獄行きは首相だろうが!」 お父さん、地獄で公民から勉強しなおしなさいね…あ、ゆとらーは中学で公民やらんのかな? 今回は実の父親が母親によって地獄に流されるという悲劇的内容ながら、 途中で百合子が自分がなすべきことに気づいて修正する明るさがあって よかった。何がダメって、やっぱりドメ男はダメですよ。どんな理由が あろうとも、力弱く戦う術もない相手に対して暴力を振るうヤツはクズ。 その相手が男でも女でも子供でも動物でも同じ。だからクズは地獄へ行け。 △ |
第16話 悪女志願 |
人はなぜ、人を騙そうとするんだろう… 世話になった社長一家を夜逃げに追い込んでしまったのは、チンピラに 毛が生えたようなファンドマネジャー手島に騙された自分のせい… 今回、このぱっとせず冴えない容貌(手島談)蘭は既に地獄通信には依頼済みで、 しかも決心がつかないのか骨女とも結構長い付き合いになってるようだ。 借金の肩代わりだけでもしてくれないかと言う蘭を鼻で笑って去っていく手島。 もう自分にできる事は何もない…地獄少女に頼るしかない… ところが蘭が糸を解こうとしたその瞬間、声をかけてきた女がいた。 声をかけてきたのは手島に損をさせられたという置屋の女将上月マツ。 取られたものは取り返そうと持ちかけるマツの言うままに巻き込まれる蘭。 今回はこの蘭の優しさという名の弱さこそが最悪の悲劇を呼んでしまう… マツは蘭に化粧を施し、男受けのする服装をさせて手島を引っ掛けさせる。 しかし変身した途端に道行く男が振り向くほどになるということは、蘭は スタイルがいいって事だよね。だからさ、自分をブスと思ってる人はまず スタイルを整えるだけで7割は勝てるって。流行の服が着られるようになれば それで十分綺麗に見えるんだから。顔なんざよほど骨格的な問題がない限り、 女の手で長きに渡って培われてきた化粧技術と髪型でなんとかなるって。 (ま、きくりに「おばさん、ケバい」と言われるかもしれんけどね) 「金なら余ってんねん」 しかしチンピラまがいに怒鳴ったりジゴロ風にカッコつけたりオヤジ風に ベロベロだったりと藤原啓治のダメっぷりが面白くてたまらなかったうまいなぁ 手島の携帯から架空の口座に全額振り込ませた2人は、翌日口座を解約して まんまと現ナマを手に入れる事になる。テレビでは若手ファンドマネジャーが 詐欺の疑いで突き上げられているけれど、蘭にはもう何の興味もない。 「思惑通り、だろ?」 借金の分だけもらえればいいという蘭を敢えて相棒に選んだんだろう? マツを信用しない骨女は、残りを全部ガメてこの件は終わりとあたりをつける。 「そらあかん!」 しかしマツは断固としてそれを拒否し、戦利金をきちんと山分けにする。 山分けにした金で店を持ったマツとは対照的に、全額寄付する事に決めた蘭。 ちょうどその時赤いわら人形はあいに呼び戻され、契約は不履行を迎える。 マツがもたらした報せはターゲットの手島が自殺したというものだった… 輪入道の時は契約を結ぶ前にターゲットが死んで無効になったけど、 今回は契約続行中に死んじゃったよ。となると地獄流しは… 「あいつらは鬼!」 人を騙すのは人間じゃない、鬼なんだ… 今回は常々あいに対しての忠誠心の強さ、依頼人への情の深さが特徴で、 心優しく少し愚かな女らしい女だったと思われる骨女の過去が垣間見える。 花街の女郎だった骨女は、どうやら誰かに騙されて命を奪われたようだ。 強欲なマツがきっちり山分けしたのは蘭を共犯者として縛り付けるため。 共犯者を次々殺し、人を踏み台にしてのし上がってきたマツがわらわらと 寄ってくる地獄の亡者を足蹴にする地獄劇場はまさに凄まじい地獄絵図… 個人的にはきくりのフンドシ・ウィップに笑った妖奇士で使ったらイヤだ… 「なぁ、お嬢ちゃん、頼むわ」 これあげるから帰してぇなと狂った女は着物を差し出してあいに頼み込む。 「…恨み、聞き届けたり!」 悲しみと怒りのこもった悲痛な骨女の声がキツかった… 電源の入ったままのパソコンの前には、眼を開いたまま事切れた蘭。 がんばろう、強くなろうと前向きになりつつあった優し過ぎる彼女は、 最期の願いも「あの人が他の誰かを騙さないように」というものだった。 せめてあの人によって生き地獄に落ちる人、自ら命を絶つ人を救えるように… 自分の弱さが招いた罪の代償は重い。けれど最後の決断の強さは本物だった。 ヤンキーの時とは違い、同じように静かに消えたローソクが哀しい。 △ |
第17話 沈黙のまなざし |
「悪いが、俺はおまえたちを仲間とは思っちゃいない」 今回は待望の一目連の過去話。 あいとの出会いシーンまでしっかりあるとはさすが優遇されてるなぁ。 「一目連って付喪神でしょぉ!」 ってかきくり!おまえはハゲだの年増だの輪入道や骨女にはさんざんな 呼び方をするくせに、一目連はちゃんと一目連って呼ぶのか!許せん! なべ?かま?蝶番〜? ふざけるきくりにとぼけようとしたものの、彼女は自分の正体を知っていた。 「早まるな!生きてくれ…生きてくれ…!」 戦火の中で息絶える人間たち。信義や愛に殉じていく男や女たち。 戦いだけじゃない。追い剥ぎ、惨殺、決闘、試し斬り… かつて多くの人を斬り、多くのものを見た一目連は日本刀だった。 今回の依頼は、11年前に日々暴力と虐待を続ける夫を地獄に流した穂波を、 皮肉な事に同じく暴力を受けていた娘・寧々が流そうとするものだった。 その事に気づいた一目連がこの親子を気にかけるのはまぁいいとして、 トイレの中まで見張る始末…ちょっと見過ぎですよ 穂波は夫を流した後で服飾デザイナーとして仕事も順調のようだけど、 まぁ過去が過去だけにどうもこの娘を甘やかしすぎてるみたいだなぁ。 寧々は母がドメ父の事を話してくれない事を不満に思っていたらしく、 11年前に親子が夫の暴力に追い詰められるのを見て見ぬフリをしていた 祖母と会って、ある事ない事吹き込まれてすっかりそれを信じている模様。 「お父さんの仇を討つ!」 いや〜、久々に出てきたとんだバカガキぶりにイライラした。 夫を地獄流しにするくらい覚悟を決めてシングルマザーになったのに、 結局こんなアホ娘しか育てられないんだから穂波がどうしようもない ドメ男に引っかかったのもわかる気がする。まぁ今後はあの下品そうな 祖母と暮らす事になるだろうから、それもまた前途多難だと思うけどね。 一目連は一発芸のわら人形変化を見せたりとターゲットに警告を送って イエローカード。あいは担当をはずしたところで根本的な解決にはならないと 言ってたけど、単に人手不足だよね。わら人形除くと2人しかいないんだもん。 寧々が真実を知ったのは、祖母を訪ねてきた母との会話を聞いた時。 妻子に虐待を続けていた父、行方不明になった息子を嫁が殺したと 信じている姑、父の事をまだ幼い娘には語る事ができなかった母… 混乱した寧々は飛び出し、穂波はそれを追いかけ、一目連も2人を追う。 ちなみに輪入道は息切れ中じーさん無理するな 歩道橋の上でなぜか母を地獄に流すためにわら人形の糸を解こうとする アホ娘には呆れた。なんでそこで母親を流すのか全くワケがわからん。 祖母からの嘘を信じて流そうとしてたのは、まぁ穂波も話してなかったので 知らなかったからと100歩譲ってもいいけど、祖母の口からも真実が語られた 今は、母親を流す必要はないだろう。今度は父親を殺したのかと思ったなら ともかく、それを問いただしたわけでもないし… 穂波は自分を地獄に流す必要はないのだと糸を解こうとする寧々を止める。 なぜなら自分も地獄少女に会ったから…夫を流した証である胸に刻まれた 地獄紋を見せ、寧々まで地獄に行く必要はないと言って抱きしめる穂波。 次の瞬間、穂波は歩道橋から身を躍らせる。 だけど自分でも次に何をするかわからない… 何も手を出しちゃいけないと止める輪入道にそう言っていた一目連が もしかして間に合っちゃうのか、だったらぬるいなと思ってたんだけど、 そこはさすが二籠!期待を裏切りはしない! 駆け寄った一目連は、気にかけていた穂波に救いの手を伸ばすのではなく、 自ら死を選んだ母の最期を見せないように寧々をかばったのだった。 それは自らが多くの哀しく、理不尽で無惨な死をただ「見続けてきた」からか… 最近の蘭ちゃんやヤンキーなど、地獄紋を持っている人間がラストで 死んでいく話はあったけど、流されていくシーンは二期では初めて。 (一期の第13話「煉獄少女」では友達を地獄に流した福本が流されていった) あいは立ち漕ぎではなく、舟の後ろに乗って流される人間と静かに進む。 「あの人だったのね…」 いつでも優しく見守ってくれていた視線は… 娘の事も見守ってやって欲しい。そして時々でいいから、様子を聞かせて 欲しいという願いを、あいが「伝えとく」と答えたのもちょっと意外。 でもここはそう答えてもらえなかったらさすがにやりきれなかったよね。 あなたが何かを探しているのなら、一緒に来れば見つかるかもしれない… 岩に刺さったままだった哀しそうな日本刀に、一緒に来ないかと誘うあい。 輪入道は既に入道姿であいといるので、一目連は二番目の側仕えなんだな。 それにしても骨女ってあの姿だし、言動なんかからも姉御肌に見えるのに、 元が人間で格が低い上に、仲間に加わったのも最後だったりするので どうも3人の中では一番の妹分なんだな。今更だけどちょっと意外かも。 人間の怒りや悲しみや強欲さや誇り高さを見続けてきた優しい妖怪には、 今はその気持ちを分け合える仲間がいるから昔ほどは胸は痛まない。 けれど一目連はおまえたちは仲間なんかじゃないと否定する。 仲間じゃないならなんなのさと不満げに聞く骨女に、「さぁな」とでも 誤魔化して何も答えずに行くかなと思ったけど、ふと笑った一目連は 2人に聞こえないように一言残し、先に歩き出す… 「家族…かな」 やるせない悲しい話だったけど、確かにいつもほど胸は痛まない…かな。 △ |
第18話 あのひとの記憶 |
「許してくれないか」 人の言葉を信じてはいけない。 そこには気づいて欲しい気持ちがある。わかって欲しい気持ちがある。 男は女の言葉を信じてはいけない。女は男の人格を信じてはいけない。 男はそう言ったじゃないかと女を責めても通用しない。 わかりやすい事だけを自分に都合よく解釈してはいけない。 女はそんな事をするはずがないと男を試してはいけない。 勝手に期待して勝手に絶望して態度を豹変させてはいけない。 事故にあって寝たきりになった母を引き取った父は、甲斐甲斐しく献身的に 介護をするが、感謝の気持ちも見せず厳しいことばかり言う母の言いなり。 結婚が間近だった里奈は憔悴していく父を見かねて結局は介護を行うように なるものの、母のわがままに振り回されてついつい地獄通信に頼もうか、 などと口走り、父に彼女を連れて出て行けと言ってしまっては落ち込む日々… 幼い頃の母は笑顔を見せず、ただただ冷たく、暗い顔をしていただけ。 男の元へ去ったのが本当かどうかはわからないけど、捨てたはずの夫と娘の 介護を受けながら、美千代は右手にある物を握ったまま、暗く長い夜を1人で 過ごしていた。近づいてきたきくりにそれをちょうだいとねだられながら。 やがて、結婚が決まっていた恋人から結婚式の延期を提案された里奈は 自分の幸せが壊れていく原因である母を地獄流しすることに決める。 でも35歳にもなってまだ親から精神的に自立できないようなバカボンとは 結婚しない方がいいかもしれないよ。大体親ももういい年こいた本人たちの 問題なのに余計な口出しをするなんてみっともない。あくまでも当人同士に 任せて、助言を求められたら初めてアドバイスしてやればいいだろうに。 父が里奈に語った真実は、里奈は母の本当の子ではないということ。 石女だった母はそれでも子供を切望し、血の繋がらない養子ではなく、 父の血を受け継いだ子を望んだため、父は迷いながら別の女性と関係して 里奈をもうけたのだった…それが妻の本当に心からの望みだと信じるなんて、 なんてバカなことをしたんだろう。元来優しい男である父は、血よりも縁の 大切さを説くべきだったし、履き違えた愛情ではなくまず妻への思いやりを 見せるべきだったのに。一度掛け違えたボタンはもう二度とはまらない。 今回はまるで柴田親子が出張ってた頃と同じくらい三藁の影が薄かったなぁ。 わら人形を隠す里奈を後ろから父が見てたので、それを隠しちゃうのかと 思ったんだけど、まさか二籠では依頼主の途中変更までできるようになるとは… 許して欲しいと願う夫。許せるわけがないと答える妻。 父は娘のために、娘が受け取ったわら人形の糸を解いて妻を地獄に流す。 一瞬、鉄橋の足に見えなくなった母の姿は、もう二度と永遠に戻らない。 わめく事も、口を利くこともせずに静かに流されていく母。 母の車椅子には、幼い日に里奈が手渡したおはじきが光っていた。 自分で提案しておきながら、拒んで欲しかった願い。 その自分の願いを聞き届けた夫より、何の罪もない娘より、 何よりも自分のことが許せなかったのかもしれない。 一目連が言ったように、わがままを言いながらも一度は捨てた夫や娘の介護を 受けることは母にとってもどうしようもない生き地獄だったのかもしれない。 勝手に願って勝手に憎しみを募らせて勝手に荒んで勝手に枯れ果てた彼女を 許せるかと言われれば、やはりいくらなんでも自分勝手すぎるし病的だけど、 幼い里奈を虐待しなかったこと、介護を受けるようになってなお、里奈に真実を 語らなかったことは、おはじき一個分の後悔と改悛があったのかもしれない。 さて、ところで今回は一つ大きな間違いがあったので訂正。 介護保険は第二号被保険者の場合、確かに特定疾患でなければサービスを 受けられないけれど、美千代の場合は当然身体障害者手帳が取得できると 思われるため、昨年小泉が鳴り物入りで成立させた自立支援法のサービスを 一割負担で受けることは可能。所得制限を越えない限り全額自己負担になるとか 自損事故だからサービスを受けられないなどという事は我が国ではありえない。 次回はあいと輪入道の出会い編?楽しみだいや温泉がじゃないですよ? △ |
第19話 湯けむり地獄、旅の宿 |
「ならば足になりなさい」 主たる可憐な姫を守って走り抜けなかった馬車の車輪。 悔恨と怒りと情けなさが積もり積もって、地獄で朽ち果てるその日まで 車輪は峠を走り続け、想いを燃やし続ける。その業の深さは人にも似て… 今回は時を越えた場所で時折400年前のあいと輪入道の出会いと 現在起きている出来事をリンクさせて進んでいくストーリー構成。 クォリティが既に一期とは比べ物にならないほど高い二籠は、 曽根アンナにしろ今回にしろ時間軸を巧みに使った演出がうまい。 舗装された道路、人々の服装、400年前にこの地に温泉が湧いた時にできた 嘉平庵も姿形を変えてしまったのに、道端の朽ちかけた地蔵は変わらない。 その地に湧いた温泉は、夫婦になるはずだった一組の恋人たちを引き裂いた。 子供を宿したまま放逐された女はその家の主人を恨み、地獄流しを決意する。 現在はネット、確か「煉獄少女」では新聞広告と手紙だった地獄通信も その昔は奉納される「地獄絵馬」だった。それにしてもそれが届くのが あいの胸元ってどういうこと?あいを地獄少女にした蜘蛛野郎の仕業か? 混浴の露天風呂で輪入道が出会った女子高生・伊知子は、なぜか嘉平庵の 女将にひどく高飛車で、輪入道にこの旅館にはタダで泊まれると自慢する。 最初は義理の母と娘なのかと思ったんだけど、どうも縁者でもないみたい。 風呂に入った女将に裸で部屋まで帰れと言ったかと思うと、女将も女将で ホントにタオルすらまとわずに部屋まで帰ってるしと、さらに不可解な2人。 「一体人間に何の恨みがあるんだか」 400年前というと生き埋めになったあいがその恨みと怒りで蘇り、 仙太郎が留守だったあの夜に村を焼き滅ぼして地獄少女になった頃。 輪入道の目から初めて見るあいの仕事がちょっと新鮮だった。 長襦袢を出すおばあちゃんと禊をするあいはこの頃から同じだけど、 徒歩で仕事に向かっていたらしい。それを見て妖怪に変化する輪入道。 確かに調査→地獄劇場→地獄流しまで全部1人でやるのは大変だったろう。 峠を走りぬける燃える輪の妖怪の噂を聞いたあいは彼を迎えに行く。 もう最初から「来なさい」だもんな。完全に主従関係できてるもんな。 ホントに早急に助手が欲しかったんだね… 嘉平庵を恨むたみは即座にわら人形の糸を解いてたけど、 もしかしてあの黒いわら人形って輪入道じゃないのかな? さらに湧いてきた温泉は溶岩の如く熱い熱湯で、嘉平はそれに 飲み込まれ、全身ただれて大火傷を負った無残な死体で発見された。 ってか今は行方不明なのにこの頃は死体がちゃんと残ってたのか! まぁ警察の捜査が必ず入っちゃう今は死体を消してしまう方がいいからか? 伊知子の祖先はたみ、女将の祖先は花江。 伊知子の言い知れぬ怒りは本人も知らない積年の恨みであり、女将は それと知らずに言われなき恨みを一身に受け、伊知子を地獄へ流す。 伊知子が絵馬を見ていたので、古い方法(絵馬)で伊知子が女将を、 女将が地獄通信で伊知子を両者同時に流しあうという変則パターンを 期待したけど、それはなかったのでちょっと残念だったかな。 「いらっしゃい」 同じ血筋のせいか嘉平と同じく噴き出した温泉に流される伊知子。 3藁のいる今、骨女と輪入道に脇を支えられた伊知子が入れるわけないと 言う煮えたぎるマグマ温泉にはあいが入っている愉快な地獄劇場が展開。 やっぱりこのファミリーで演じるのが一番ですな。 伊知子が流された後、嘉平庵は入浴剤を入れていた偽装がばれて閉鎖となる。 女将はとうに枯れてしまった温泉に入浴剤を入れているところを伊知子に 見られてしまって脅され、ゆすられていた…でもそれも今日で終わり。 伊知子は自分の身に何かあったらマスコミに情報が漏れるようにしてあった。 嘉平庵の最後の客となったのが、400年前、この宿が開いた時の 最初の客だったあいと輪入道だったという締めは見事過ぎて唸ったね。 2人が過去を振り返りながら立ち寄った思い出の宿はこうして滅ぶ。 人の業、人の怨念はついに時を超え、その恨みを晴らしたのだ… 「業は、果てしない」 紅葉燃える山を背景に、あの時と同じように2人で歩く余韻も素晴らしい。 年初からやけに「映画化」のコメントを残してるキャストのコラム、 もしかして本当に映画化の話が進んでるのかもとすら思うクォリティ。 それにしても温泉話だけあって実際に裸だらけだったのに、 ちっとも女性を不快にさせるエロじゃなかったのは見事。 湯当たりしたきくりのフンドシを引き上げて逆さづりにする 輪入道に笑ったけど、フンドシつけたまま風呂に入るな! △ |
第20話 乙女のアルバム |
「とても深い憎しみ…愛しすぎたから」 キャラクターの描き分けができていないのか今回は女の子がやけに 見分けづらいなぁと思ったら、親友同士「ソックリ」という設定だった。 高校に入学して出会った2人は自分たちがよく似ていることから友達になり、 お揃いの物を持ったり髪型を同じにしたり、何をするにもいつも一緒。 私はそもそもべったりした友人関係を持った覚えがないので、こういう 女の子の心理は全くわからんのだが、大好きな相手とは同一化したいと 思うんだろうか。おそろいの物を持つ事で連帯感を高めるんだろうか。 だけど今はその蜜月は終わり、松葉杖で足が不自由な樹里は登下校時には 真理にカバンを持たせ、他の友達と遊ぶ事を禁じ、好きなものも規制する。 その異常なまでの束縛に真理が甘んじて従うのは、樹里の手にわら人形が 握られているからだった…ってかわら人形が脅しになるってのもなんかすごいね 今回、この不可解な2人に興味を持ったのは一目連。 女子高生といえば結構骨女が介入する事が多い気がするので珍しいかも。 樹里を家まで送った後、恨みをこめて編んだというニット小物を前に 一冊のアルバムを渡された真理は、結局両親との食事も楽しめず、 挙句にそのアルバムを置き忘れてしまうという大ポカをしでかす。 ホント、こういうバカな事に巻き込まれるヤツは何やらせても トロいんだよなぁ…そんなんだから相手につけこまれるんだよ。 2人の思い出の写真が詰まったアルバムを見ながら話を聞く一目連。 しかしこんな時間に知らない若い男と2人っきりで夜の公園にいるなんて 無防備すぎるよお嬢さん。男性の中の獣を無駄に刺激する行為は慎まねば。 アルバムの中にはとびきりの笑顔で幸せそうな2人。 けれど時と共に次第に真理の表情は曇り、樹里の表情は険しくなった写真が 多くなっていく。昨年の夏、テニス部の合宿中に<「裏切り」が起きてから… その「裏切り」とは、真理が先輩からダブルスを組もうと誘われたこと。 躊躇する真理の姿を見た樹里は、踵を返した途端側溝を踏み抜き、 足を怪我してしまった…って、 ア ホ か ! なんだそりゃ!自分の不注意でケガしただけじゃないか! それにダブルスを組むか組まないかは実力に応じてに決まってるじゃないか。 大体真理もなんでそこでごめんねと謝るかな。全然真理のせいじゃないじゃん。 だけどここが複雑怪奇な乙女心。樹里はケガを真理のせいにして自分を 一生背負い続けろと言い、真理もそれを甘んじて受ける事になる。 一体この話の帰結はどこになるんだろうと思いつつ見ていた。 樹里の足は既に治ってる事は明白で、真理を繋ぎ止める偽装だろうし、 となると真理が樹里の仕打ちに耐えかねて地獄通信にアクセスし、 自分も樹里を地獄に流すわら人形を手に入れるのかなとか… でも実際にはそうじゃなかった。 そして皮肉な事に、彼女たちを心配し、骨女からは「深入りし過ぎるんじゃ ないよ」と釘を刺されていた一目連が2人の関係に引導を渡す結果になった。 樹里は真理を地獄に流すと脅しながらも、二度と裏切らないで欲しいと願い、 真理は樹里に虐げられながらも、いつの日か2人が元に戻れたらと願っていた。 もう一度樹里と仲直りしたいと願う真理は、再会した一目連に励まされると 思わずその胸で泣き崩れてしまう。それを見た樹里は裏切られたと絶望し、 走り出す。足の怪我はやはり偽装。けれど追いかけてきた真理が、ずっと 樹里と友達でいたいという気持ちを吐露したその時、樹里は車に撥ねられる… ビ、ビックリした〜! 今週はRED GARDENの刑事さんといい、「えっ!?」と言う間に 意外な事が起きて即座に片がついちゃって心臓に悪いってば… 樹里は即死ではなく、担ぎこまれた病院で真理が見守る中、危篤状態に陥る。 樹里が弱々しく指し示した小袋の中には真理を流すためのわら人形と、 2人で撮った満面の笑みの写真が入っていた…樹里はその写真が一番 好きだと言い、やがて迎える死を受け入れて1人で旅立とうとする。 真理は黒いわら人形を樹里に持たせ、その手を取って糸を引く。 驚く樹里に、これで地獄でも一緒だと言い残して真理の姿は消える… 私にはこのベッタリした友情の意義も価値も全く理解はできないけれど、 地獄に流されていく真理はとても穏やかで、後を追うようにやってきた 樹里も、最後にようやく独りよがりの渇きから癒されたんだろうと思う。 今期はロウソクが灯ると同時に消えてしまう救いのないラストが多いな。 一期の「ともだち」や「夕闇の彼方から」など、学校もので友情を扱うと どうも私の理解の範疇を超えるんだけど、それでも二籠の方がマシかなぁ。 あいとお揃いに喜ぶきくりが、最後に飽きて全部脱いでしまったように、 熱病のような時期は必ず過ぎる。人との出会いはただ互いの人生を混ぜる だけでなく、ゆっくりと醸していけるかどうかがカギになる気がするね。 「羨ましい?おばちゃん」 お揃い自慢されても別に羨ましくなんかないよね〜、骨女。 ただ惜しむらくは、結局自分が関わったせいでこの結果を招いてしまった 一目連が少し悔恨を残すような状況にしてくれたらもっとよかった。 △ |
第21話 紙風船ふわり |
「一緒に来なさい」 夜な夜な柳の下ですすり泣く美女は、顔半分が骨になった化け物だった… 今回は時の流れと共に紙風船がぽんと上がる叙情的なアイキャッチが入る。 薬屋に奉公に来ていたつゆは、紙風船を折るのが得意な別嬪。 そんなつゆに手を出したのは、この店の若旦那。大店の若旦那といえば ぼんくらというのはお約束…というわけで、このクズは嘘八百を並べて つゆを騙し、あろうことか借金のカタに女郎屋に売り飛ばしてしまった。 時は現代と交差する。骨女が過去を思い出したのは、今回の依頼人である 洋子が男に騙されてなお、未練を捨てきれず過去にしがみついているから。 大体金を騙し取っただの暴力を振るうだのという男に未練を残す女がほざく 「でも前は優しかった」だの「本当は優しい」だのって言葉にはヘドが出る。 本当に優しい人っていうのはそもそもそんな芝居がかった大仰な優しさなんか 絶対に見せないし、性格的にも不安定さがなくて、いつでも優しく柔らかい。 人の先を読んで言葉を継ぎ、言葉を上手に選んでくれたり、必要な物を黙って 立って取ってくれたりする「腰の軽さ」や微笑みにいたわりのこもる人など、 そんな目立たないけど美しく謙虚な優しさを持つ人こそが本当に優しいんだよ。 言葉での優しさなんか6割引きだねちなみに私のは8割引きの出血サービスだ安いな! 時は移り、女郎としてそこそこ客がつくようになったつゆは、同業に入った 後輩のきよの面倒を何くれとなく見てやっていた。紙風船作りもヘタクソな 不器用なきよは、世話好きのつゆから見たらほうっておけなかったんだろう。 ホント、男女問わず若い子の相談に乗ってやる先生役がやたらとハマってると 思ってたけど、昔から面倒見がよくて姐御肌だったんだね… 女郎の世界は生き馬の目を抜く非情な世界。 つゆはきよを足抜けさせたいがため、自分の客である鉄に協力を依頼して 逃げる算段を整える。けれどきよは聞き入れない。このままがいいと言う。 つゆ姐さんはいつも何でも勝手に決めてしまう…あたしの気持ちを無視して… クズ男の誠の事なんか忘れて再出発しなよとアドバイスし、説得しようとする 友人の言葉は洋子には届かない。洋子にとって誠は初めて自分を見てくれた男。 大事にしてくれた、優しくしてくれた…それにお腹の子の父親でもある。 自分を見たのは性欲のはけ口として。大事にしたのはいい金ヅルとして。 優しくしたのは利用するため。相手と対等なら避妊について話せるはず。 いくらだって理論的に論破はできるのだけど、こういう状態の女が欲しいのは こんな言葉じゃないんだよね。だから言っても無駄。その耳は何も聞いてない。 それにしてもきくり役の酒井の魔演技が凄い事になってきた。 何言ってるのか全然わからんのにきくりだよ。確かにきくりだよ。 ぶるぶる振ったフランクが吹っ飛んだ時はシリアスな話なのに吹いた。 足抜けのその日、迎えに来た鉄とつゆの前に遅れて現れたきよは、女将と 用心棒を連れていた。つゆよりもいいべべを貰い、男の嘘に騙されたきよは つゆを裏切り、鉄は殺され、つゆもまた殺される。まぁ骨女の行動も確かに ちょっと独り善がりだったからきよに反発されるのも無理はないけどねぇ。 第16話 悪女志願で見た流されていく骨女はこの時の映像か。 流された遺体の恨みは、同じように騙されて捨てられた死霊たちを呼び寄せて 骨の妖怪を形作った。つゆは蘇り、長い間怒りと恨みと哀しみで迷い続けた… やがて意を決した洋子は誠の新居を訪ね、もう一度復縁を迫る。 おまえマジキモい、こんなんまるでストーカーじゃね?二度と顔見せんな… 思ったとおりの反応に加え、子供の事など屁とも思ってない誠の態度に、 洋子はついに糸を引く…いや、でもこれもホントっぽくてまた怖いよね… あそこまで執着していながら、女って突然豹変してバサッと斬る事がある。 そして今回の地獄劇場は「地獄の羊水ラーメン」 黄色いスープのラーメンの具は胎児。その胎児が箸の先を摘むのでビビった誠は 丸い金魚鉢にドボン。溺れそうになる誠に、ビキニの一目連とフンドシ仲間の 輪入道ときくりがからみつき、ここが胎児が浮かぶ羊水プールだとわかって… 「いっぺん、死んでみる?」久々ー 誠はぼてった腹を食いやぶって何かが生まれてくるというエイリアンの刑に 処されながら地獄へ流されていく。いてぇと喚いてるのが哀れだ同情はしないけど 恨みは晴らされたのに、洋子は誠がいなくなった絶望で身を投げようとする。 「おやめっ、産女(うぶめ)」 最初に見た時からずっと洋子に取り憑いていたのは、妊婦のまま死んだ女が 恨みを抱いてなるとされる妖怪産女…そしてそれはきよそのものだった。 「バカだよ、ホントに…」 つゆを騙して死なせた後、子供ができたきよもまた、それを疎ましく思った 用心棒に殺されてしまった。河に身を投げたきよは、薄幸な女に取り憑いては 身投げさせることを繰り返し、満たされない心を慰め続けている。 勝ちたかった…でも、結局いつまでたっても姐さんにはかなわないね… 再び河に身を躍らせたきよの手を掴めなかった骨女は泣き崩れる。 これからも永劫の恨みと悲しみの中をさ迷い続けるきよを想って… 「帰ろうか」 あの時、一人ぼっちで迷っていた自分に差し出してくれた手を取る骨女。 いつか、気が向いた時でいいから、きよを拾ってやってくれないか? 骨女は遠慮がちにあいに頼む。あたしはもう…十分救われたから… あいは何も答えない。了解なのか拒否なのか、それは誰にもわからない。 そしてなんと、次回は第14話「静かな湖畔」の拓真が再登場!!! 柴田親子以外はキャラクターの再登場というのもなかった事なので驚き。 あの話も後味の悪さではトップクラスなので拓真がどうなったか気になる。 △ |
第22話 憧憬 |
「さようなら!」「さよ…なら…」 母を殺され、父を殺されかけた拓真は、その犯人の柿沼が眼の前で 地獄に流されてしまったせいで犯人と疑われ、しかも元々柿沼が ばらまいた根も葉もない中傷のせいで近所から疎まれ、孤立する毎日。 ああ…既になんて憂鬱な始まりなんだ… お父さんが死ななかったのは幸いとはいえ、昏睡状態で目覚めないなんて むしろ悪いかもしれない。寝たきりのままだと足は尖足化し、筋肉は衰え、 関節は拘縮し、目覚めても結局は体が不自由になる事が多い…なんてこと、 意外と知られてないよね…転院を迫られたら家族はどうすればいいんだ。 拓真に対するフランダースの犬もかくやというくらいの不幸な子供への 風当たりが強すぎる。噂は噂を呼び、尾ひれがついて「悪魔の子」拓真は 陰口を叩かれ、スーパーの店員にまで意地悪される始末。皆ひどいよ。 でもこのご時世では、あれは荒れ狂う外道の子と言われたら警戒するのも 無理はないか?でも拓真の姿を見ればわかりそうなものだがあとあんなチビが 1人で生活してるんだから、児童相談所はなんとかしなきゃいかんよ。 そんな拓真の前に現れたのは、くだらない噂など気にもせず、ズカズカと 拓真の中に入り込み、元気づけようとしてくれたせりという少女だった。 昔このラブリーヒルズができるせいで家を追われたせりは、子供の頃の 大切な記憶とは裏腹に、今のこの街には自分の居場所がないと感じている。 だから同じく理不尽に阻害されている拓真に親近感を覚えたのかもしれない。 「悪い事すると、必ず自分に返ってくるって、お父さん言ってた」 拓真の正義は相変わらず揺らがない。恨まない、傷つけない、ひねくれない。 でも誰も味方になってくれないこんな異常な状況が、幼い少年にとって 寂しくないわけがない。「ナンパされて」拓真の家にやってきたせりは、 汚れた家を掃除し、温かい夕飯を作ってくれる。庭が投げ込まれたゴミで 荒れ放題なのは相変わらずなのが忍びないなぁ… 「骨になってよ、骨女!」 もし拓真がせりにだまされでもしたら救われないなぁと思いつつ、ちらりと姿を 見せ始めた輪入道と骨女に嫌な予感…骨女もやっぱりあのカッコは寒いんだ? でもホントにドキッとしたのはきくりの登場だな窓が開いたら立ってたってのは怖いよ 胸元を引っ張るきくりのセクハラに抗う骨女との攻防が面白かった。 ってか人の家で裸でいるって、きくりは風呂でも入ってたのか? そろそろあいといる事に厭き始めたらしいけど、一体何者なのか 最終回までにわかるんだろうか?普通に座敷わらしなんだろうか? 地獄少女が現れたということは、誰かがまた地獄通信にアクセスした… 今度はこれだけ近所から疎まれている自分が地獄に流される番かもしれないと 怯える拓真を、シャワーを浴びていたせりが裸のままバックから抱きしめる。 おいおい、それじゃパジャマがビチョビチョになって大変だよ… せりは蓮江というこのラブリーヒルズの建設に携わった建築会社の社員に 援交を迫り、事実を捏造して恐喝していた。拓真を騙すわけじゃないのは よかったけどさ、どちらにせよ恨まれているのはせりという事になれば、 拓真が哀しい想いをする事に変わりはないのでまたしても憂鬱な気分に… 街を出ていくせりは拓真を誘うものの、父がいるのに行けるはずがない。 あんたは一人ぼっちじゃないよ…そう言い残し、最後のハグをしてせりは 去っていく。ただ1人、何の偏見を持たずに優しくしてくれたせり。 けれどきくりは薄気味悪く笑う。地獄少女、来たでしょ…拓真じゃないよ。 恐喝した札束を手にしたせりを見届け、蓮江の妻はわら人形の糸を解く。 主を失ったバイクは転倒し、拓真はせりが地獄に流されたことを知る。 子供時代がいい事ばかりだったわけじゃないけど、カエルの鳴く風景が 大好きだったと言っていたせり。カエルの声が聞こえる田舎でもう一度 やり直したいと言っていたせり。拓真の手にはカエルのストラップだけが 残され、赤いライトの下の壊れたバイクの前で、拓真はただ力なく跪く。 悪いことをすれば、必ずその身に返って来る… だけど、せりは誰も手を差し伸べてくれなかった自分に、優しさと、 温かさと、励ましをくれた。そして何も言わずに傍にいてくれたのに… 舞い散る札束に擬装された新聞紙が実にやるせない雰囲気を醸しだし、 拓真にばっかりなんでこんなひどい結末が待ってるんだとガックリ… したのも束の間。なんでまだ拓真の話!?もういいじゃん。 これ以上拓真を苦しめるのは勘弁したれよ!可哀想だよ! 一期以上にバリエーションが豊富でかつ憂鬱な結末が多い二籠には、 中でも特にハイレベル?な憂鬱ラストだった作品があるけれど、 拓真が出てきた第14話「静かな湖畔」もその中に入る憂鬱具合だった。 何しろこの作品に出演するゲストは、アフレコが終わると皆笑顔がなく 「これは…」と唸りながら帰っていくそうなので、レギュラーでもないのに 呼ばれた拓真役の藤村歩さんも仕事とは別の意味でさぞや憂鬱だった事だろう。 恐るべし二籠。いつまでもどこまでも予想の斜め上を行く気らしい。 △ |
第23話 不信 |
「君が依頼を受けなきゃいい事じゃないか!」 まぁね。そうなんだけどね。それだと一期に戻ってしまうわけですよ。 「それは私が決める事じゃないわ…」 ほらね。じゃあ誰が決めるのという一期の疑問が再燃するわけですよ。 「ラブリーヒルズの唄」なんてものまであるのにちっともラブリーじゃなく むしろ陰惨で金はあるけどアホばっかが住んでいるラブリーヒルズ。 今日も今日とて音痴とホントのことを言われた男が言った男を地獄に流す… 「あたしのこと嫌いー?憎いー?流したいー?」 それにしても自分の罪を「悪魔の子」になすりつけるババっちさ。 地獄流しが行われた時間、拓真は橋の上から夕陽を見ていた。 刑事は拓真のアリバイを証明しようとするけれど、偏見という名の 色眼鏡は真実を見る眼を曇らせる。誰もが疑心暗鬼に陥っている… 地獄通信にアクセスした内藤は、率先して拓真を見張る自警団に入る。 犯人は必ず現場に戻る…戻らないまでも、自分の情報が出ないかどうか 必ずその場に留まって確かめようとするもの。むしろそういうことに 全く関心を払わないタイプの方が犯罪者としてはヤバいのかもね。 たとえば前の事はあっさり忘れてもう次の獲物を狙っているとか… 勝手に監視されるのも腹が立つけど、まぁまだ見張るくらいならね。 あれだけの大人が拓真1人しかいない家にいやがらせや破壊行為を 仕掛けたりそれこそ何らかの暴力的行動に出たら怖いもんなぁ… 警察に言えばいい?はっ!ナニカオッシャイマシタカー? 1人の子供をよってたかって苛め抜いているそんな重苦しいこの街に現れたのは 柿沼を地獄に流した吉川という女だった。彼女は柿沼が行方不明であることと 拓真は何の関係もないと告げにきたものの、まさか「私が地獄に流したから」 とも言えず、地獄通信のことを問い詰められると逃げるように去って行く。 自分の街へ…ではなく地獄の三丁目になんだけどね。ところで地獄行きの 渡し舟を予約してる人間は死んでも地獄紋って消えないんだっけ? 刑事の妹である蛍は拓真の家を訪れ、真相を聞きだそうとする。 年齢の近い彼女だったからか、せりのように自分から近づいてきたからか それともああ見えてもただ女の子が大好きなお年頃だからか、拓真は蛍の 話を聞く事に。柿沼を地獄に流したのは拓真じゃない…ここまでは珍しく 話をわかってくれるヤツが現れたのかと思いきや、蛍は単に地獄通信を 否定していただけだった…話を聞きながらガックリと頭を垂れる一目連。 なんか手を出せずにこうして話を聞いてる三藁たちの構図って去年の今頃も よく見たなぁ。まぁ藁人形が誰かの手にあれば常に輪入道が出張してたのに 今回は骨女がいないという風に若干変わってはいるけどね。 「すればいいさ!それで皆の気が済むのなら!」 この街の人々は安易に地獄流しを行い、それを全て拓真のせいにする… もはや拓真の問題だけではない…とはいえ、拓真にはどうしようもない。 「1名さま、ご案内!」 拓真を信じなかったことが失敗とは思わず、取り残されて 困惑する蛍はきくりのフンドシに巻かれて連れ去られてしまう。 それにしてもこの事にあいは全く気づいていないのか? 忽然と姿を消した蛍の行方を追ってきた刑事の兄は、玄関にはブーツが あるのに家の中に姿のない妹を探し、動揺した拓真を内藤が締め上げる。 「私が地獄に流しましたってなぁ!」 地獄通信なんてものがあるのかと言いながらそれが「地獄に流す」ものだと 知っていた内藤の矛盾に刑事が気づいた時、内藤の姿は突如消えてしまう… もー、ブーツがあるのにいませんなんて拓真は迂闊だなぁ、刑事も早くこの バイオレンス・オヤジを止めろよと思って見てたのでちょっとビックリ。 「心当たりがあるんじゃないかい」 それは自分が流した男の妻。人を呪わば穴二つ… けれどくだらないささいな理由で人を地獄に流した者に、重い罪の 意識や良心の呵責などなさそうなのは内藤を見ていればわかること。 目の前で人が消えるという怪現象を目の当たりにした刑事は、 ようやく本気で地獄通信の存在を意識し始める。 けれど惨劇はもう始まってしまった。 今回一挙に3人の人間が流されたせいかロウソクは立たず。 街は恨みと憎しみで一杯になる。一体何がこれを浄化するのか… 拓真の命でなんていうのはやめよう?な? △ |
第24話 連鎖 |
ラブリーヒルズでは静かに、確実に住民同士の殺し合いが続いている。 銃も使わない。ナイフや包丁も使わない。バットやゴルフクラブも使わない。 何も使わず、人が目の前で消えていく。消えた人は二度と帰ってこない。 なぜならこれはすべて悪魔の子がやっている事だから… 三藁も大忙し。あっちで恨みを聞き届けたと思ったら、こっちで新たな 恨みを受ける…もうその恨みの調査もへったくれもあったもんじゃない。 しかしこれって1人が流せるのは1人…だよね、当然。代償は自分の命だし、 命は一個しかないんだし…手当たりしだい流しては全部拓真のせいにする。 帰り道にあの子と眼が合ったから…あの子に噂話を聞かれたから… あの子が買おうとした卵を割ってしまったから…酷い噂は蔓延する。 むしろ「紅林拓真」が地獄に流されない事が不思議なくらいだけど、 悪魔の子と恐れられてる方が拓真自身の安全はまだ保たれるのかな。 もう達観したように、自分を見張る大人をパンをかじりながら見る拓真。 飯合は目の前人が消えるさまを目の当たりにし、妹の蛍を探すうち、ある一冊の 本に辿り着く。その本には地獄通信や地獄少女の事が事細かに書かれていた。 地獄少女の家は、永遠に夕闇が続くような野原に一軒だけある… そこに辿り着いた蛍は、なんとおばあちゃんの姿を見てしまった!? え〜?おばあちゃんの正体は一体なんなの?定番としては誰もいないとか? 蛍は逢魔ヶ刻が続く草原を彷徨い続け、結局元の家に戻ってきてしまう… でも今回はきくりが待っていた。きくりはおばあちゃんの部屋に蛍を 引っ張り込み、あいがパソコンで依頼を受ける姿を見せる。 それとシンクロするようにうえだゆうじが説明していく… いや〜、しかしここでまさかの柴田親子再登場とは思わなかった! いや、正確には「登場」とはいえないかも…どこまでもやってくれるよ二籠。 評判を聞いて二期しか見てないよ〜と言う人にはちときついかもしれないけど、 柴田親子はあいが地獄少女になった事件に深く関わった「仙太郎」の子孫で、 娘のつぐみはなぜかあいと精神をシンクロさせることができた不思議少女。 柴田一(はじめ)は恨みを晴らす事では何の解決にもならないと依頼者を 何度も止めようとしたけれど止められず、一度だけ止めることが出来た時は それゆえにさらなる不幸を呼び込んでしまう。そして実はこの一自身も 過ちを犯した妻を許すことが出来ず、絶望した彼女は彼と別れた直後に 交通事故(あるいは自殺だったのかもしれない)で死んでしまった… もはや地獄は大繁盛。飯合の上司や同僚も流され、どうせ地獄に行くなら あいつも道連れに…なんてアホな動機で次々と流されていく住民たち。 けれどあいが地獄少女になったのはあまりにも深い恨みで殺された後に 怨念となって復活し、留守だった仙太郎以外の村人を皆殺しにした罪を 償うためなので、地獄流しの依頼を受け、恨みを地獄に流すたびに罪が消える。 けれどこの状況、本当にお嬢の開放に繋がるのかい? そんなこと、俺に聞くなと三藁たちも当惑気味。 きくりに水瓶の中に落とされた蛍は、底に並ぶたくさんのローソクを 一つ一つ見て歩く。それは地獄への片道切符を約束された地獄流しを 行った者たちの寿命の炎。けれどいくら探しても拓真の名前はない… そして柴田の本を読み進む飯合も、地獄流しをした者には、胸元に 地獄紋の刻印が入る事を知る。自動車事故で死んだ吉川の胸元にも これと同じマークが入っていた…飯合は柴田の事を調べ始める。 出版社に当たっても、柴田は今どこにいるのかわからないと言う。 自腹を切ってでもこの本を出したかったという柴田。一体なぜ… 知ってもらいたかったから…地獄少女のことを… そこに現れたのは、お下げをおろし、少し大人っぽくなったつぐみ。 もしかして柴田は既に誰かに地獄に流されちゃったんだろうか? 追おうとした飯合が車に遮られ、その途端につぐみも姿を消したので、 もしやつぐみも…と思ったけど、つぐみを呼び出したのはきくりだった。 飯合はとりあえず拓真の家に向かい、拓真の胸元に地獄紋がない事を確認する。 拓真は地獄通信に依頼などしていない…悪魔の子というのは悪質な噂だった。 けれど罪を全て拓真に押し付ける事で好き勝手やっていた者にそれは都合が 悪い。飯合は監視者たちに嬲られ、拓真は恐怖で扉を閉ざすしかなかった… 一方水瓶から引っ張り出された蛍の目の前にいたのはあい。 地獄流しの依頼をやめてよ…拓真と同じ事を言う蛍に、 それは私が決めることじゃないとあいはつれなく答える。 うう、相変わらず胸糞悪くなる展開だ… 飯合が打開してくれると思ったのに、まさか死んだなんて事はないよね? 死なないにしても今回の話からはもうリタイアしちゃうよね… でも最悪のタイミングで戻ってきた事になった蛍。飯合の安否は? 拓真は?柴田は?つぐみは?そしてきくりってやっぱり何者なんだ? 残すところあと2回。いい感じで憂鬱クライマックス! △ |
第25話 彷徨 |
「ごめんね、拓真くん」 地獄へと流されてしまった兄のパソコンを開き、 蛍が書き入れた名前は「紅林拓真」だった… あいの家がある不思議次元からようやく戻った蛍は、拓真の家に 向かったものの勝手に家に入って拓真を探し回る大人たちに驚く。 拓真にとってあの家でさえ安全地帯じゃなくなっちゃったのか… そんな蛍に、きくりは拓真が隠れている居場所を教える。 今度は蛍の家に逃げてきたものの、散々殴られて小屋に監禁されている 飯合の携帯は当然繋がらない。しかし飯合がピクリとも動かないので もしかしてホントにあのまま死んじゃっったのでは…と思ったよ。 刑事さんは、皆に連れて行かれちゃった… 街はもう狂気のように誰でも彼でも気に食わない人間を地獄に流す。 蛍の友達もちょっと注意しただけのパートのおばさんを地獄に流し、 「お互い地獄流しをした仲間」という妙な連帯感まで生まれる始末。 執拗に拓真を追う大人たちの追跡を逃れて逃げ込んだのは、 蛍が小さい頃、かくれんぼの隠れ場所にしていたお社。 身を寄せ合って暖を取りながら、蛍は兄が調べていたらしい 柴田が書いた本を読む。孤独だった地獄少女の不遇の人生… なるほど、狂気に陥った街の人々の根拠なき迫害から逃げる拓真は かつて村人に生贄にされて死んでいったあいと同じ境遇なわけだ。 となると蛍は仙太郎…仙太郎があいを裏切ったと知ったあの時、 あいの怒りと恨みは頂点に達し、その魂を甦らせて復讐させた。 「ちょっと…疲れただけ」 しかしまるであいに見せつけるような、彼女の過去とよく似たこの状況。 三藁はまるで一期の頃のように心配そうにあいを見守るだけしかできない。 でも二期は彼らの出会いが少し描かれたせいか一期ほどの唐突感はないね。 あいは何も言わない。けれどきくりの行動は見張っているようだ。 「どうしてこんなことするの」 あいが来た道をなぞるような拓真ルート。 それを操っているのはきくり…なんだろうなぁ、やっぱり。 きくりが神社に隠れている二人をチクったため、2人はついに捕まってしまう。 「きくり、悪くないもん!」 いや明らかに悪いだろうが! もうね、あのハンマーで頭かち割る気かと思ってドキドキした。 でも本当に始末したいなら、あちこち探し回るよりも誰かが 拓真の名前を地獄通信に書き込めばよかったと思うんだけど… ハンマーはボートの底に傷をつけ、湖の真ん中で沈めさせるためのもの。 ナントカサスペンス劇場とかで使われそうな不確定過ぎる方法で笑った。 こんな殺し方より、雪が降るくらいの季節なんだから真夜中に 湖の真ん中でポイすれば簡単に死ぬんじゃないかと思うんだけど。 「おにーちゃん、おにーちゃん、助けて!!」 蛍がパニクってジタバタするもんだから浸水はますます進み、 ボートは湖の真ん中で半分くらい沈んだ状態になっている。 万事休す…しかしその時、そこにやってきたのは飯合だった。 向かってくる連中に威嚇射撃をして追い払った飯合は、ボートを出して 2人を救出する。監禁されてた飯合を逃がしたのもやっぱりきくりかな… なんというか、正直助かってよかったとはとても思えず、2人がようやく 安心感に包まれれば包まれるほどヤバいよ、これは絶対ヤバいよと ハラハラする。もしかして飯合、このまま誰かに流されるんじゃないか? そう思った途端、飯合の姿は運転席からかき消える。ああ…やっぱり… この時の蛍の恐怖と怒りに満ちた狂ったような声はすごかったなぁ。 ボートではそうでもなかったけど、車の中でのパニックぶりはよかった。 運転手を失った車は崖下に転落し、2人は気絶してしまう。 |
最終話 あいぞめ |
「あんたたち…あいがありがとうって言ってたよ…」 400年間、自らが抱いた深く苦しい恨みの代償として晴らし続けた恨み。 理不尽な恨みも晴らしてきた。つまらない理由の恨みも晴らしてきた。 心を殺し、それが自分への罰なのだと信じて地獄少女を演じ続けたあい。 柴田親子を目にして暴走した時以外、どんな辛く哀しい恨みでも曲げることなく 流し続けてきたあいは、ついに地獄への舟を戻し、流されかけた拓真を救った。 その途端「地獄少女」としての任を解かれ、 |