働きマン レビュー

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働きマン

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第1話 女の働きマン
2006/10/12

「でも、あたしは仕事したなぁって思って、死にたい」

ハナから見るつもりがなかったので放映時はスルーしていたのだけれど、
私をよく知る人物に「おまえは仕事好きな女なんだからぜひ見た方がいい」
と言われ、そこまで言うならと見てみると確かに面白いので一気に視聴。

28歳の編集者松方弘子は日々仕事に追いまくられる週刊誌の編集者。
自分がやった仕事がものになっていく事を至上の喜びとしながら、
それでも時にはこれが一体なんになるんだろうと悩んだり迷ったり。

20代後半ってのは仕事が面白い人にとっては極上の日々だからね。
仕事もうまくいく、恋人もいる、お金もある程度は貯まり始める…
身体もまだ曲がり角というほどではないから気力も体力も充実してるし、
かといって若い頃ほど情緒不安定じゃないから視野も広くなるしね。

きちんと知識をつけて自分の意見を言えるようになっていると、この頃から
そろそろ自分に自信が持てるようになる時期だしね。ってかここである程度
自信が出始めないとヤバいっしょ。これから20代後半を迎える人はいいなぁ。
その時期が充実するように、ぜひ仕事もプライベートも頑張ってください応援?

恐らくは「デキる女」だった関川からの情報リークによって暴かれた
星川のスキャンダルは、当の関川を犯人に仕立て上げてトカゲの尻尾を
切り落とす。負けまいと思って戦っていた女が、志の低いどうしようもない
男に組み敷かれるというのが面白い論だな。松方はわからんと言ってたし、
私もそんな男には関わりたくはないが、これは現実には「アリ」だと思う。

OPはユニコーンの名曲「働く男」をPUFFYがカバー。
おお、蘇るバブルエイジ!あの頃は世の中ノーテンキでよかったぜ。
松方が走ったり仕事したりブルー入ったり…ノイタミナらしいポップで
明るい絵もいいね。挿入歌がサンボマスターというのも面白い選択だなぁ。
巷で話題のチャットモンチーは初めて聞いたけど、なかなかいいね。


第2話 張り込みマン
2006/10/19

「もう仕事の事以外は口きかねぇ」

仕事のことでも感情を混じえるアホゥがいるんだから菅原のこの考え方は賛成。
とはいえ、私もやっぱ嫌いなヤツと2人っきりで仕事なんて死にそうだ。
しかもあんな狭い車の中で一晩とかマジでカンベンしてくれ。
欺くためとはいえ抱きつけとか言われたらグーで殴る。
喋りたくないどころか同じ空気吸うのもイヤだ。

わかってるヤツだって事が気に入らない…
他の誰かがやるんじゃないッスかーなんてのは、働きマンの松方が
言いそうもない台詞のような気もするけど、まぁ菅原の場合は本当に
松方が嫌いというよりは同属嫌悪というか、むしろ仕事への意気込みなどを
見て、松方そのものにイヤでも興味がある感じだけど(恋愛感情とかではなく)

あと菅原、日本には一応「軍艦」はないから…


第3話 ラーメンマン
2006/10/26

「本当に美味しい店は教えないんだそうですよ」

わかる、その気持ちわかるよこぶちゃん!
忙しい時も飲みたい時もこぶちゃんについつい甘えてしまう松方。
田中の事も別に嫌いじゃないよと受け入れ、松方に押し付けられた
ヤツの指導もちゃんとこなしてくれる人当たりのいいこぶちゃん。

甘く見てるのかな…と少し自己嫌悪に陥った松方が、田中のこぶちゃんの態度に
キレそうになり、実際にキレてた菅原が可笑しくて。人の振り見てなんとやら?

でも菅原はともかく、編集ってそんなに独立主義なのか。
協力し合わなきゃ本は出来なくて、かつ取材には人脈が絶対的に必要なのに
実は秘密主義が横行して、飲む時にも気を遣って疲れるとはなかなか大変だ。

まぁ母がまさにそれ系の仕事(しかも○談社)だったので聞いてはいるけど、
面白そうな仕事だよね。生き馬の目をもくり抜きそうで恐ろしいけど。


第4話 あやまりマン
2006/11/2

「す・み・ま・せ・ん・だ!」

思い通りに行く人がいる半面、こんなはずじゃなかった、自分の居場所は
ここじゃないと腐る人が多いのもこの年代。30歳という節目の時期に、
自分が一番いたい場所にいられるかどうか。やりたいことができているか。
できてないと思えば焦るばかり。新二もまた同じ。ことに自分から見たら
彼女は大手出版社で形になるものをバリバリ残して生き生き働いてるとなれば
なおさら…ああ、このカップルはきっと破局するんだろうなぁとピンときた。

一級建築士の友人は何人かいるんだけど、設計と現場の温度差や認可の手続きも
なかなか面倒みたいだ。すべてを見に行けるわけじゃないので出来上がったら
違法でしたという事態に呆然とした事もあるらしい。そういう時はどうなると
聞いたら「なぜか現場は建築士の先生が何とかしてくれると思てるねん」
ああ、そりゃ大変だねぇ…なんともならへんのやー!と怒ってました


第5話 振り向きマン
2006/11/9

「あたしの居場所は…ここじゃない!」

ああ、まぁね、確かにそれもあるんだよね。
夏目美芳の担当を外された渚は編集者というよりはただのファン。
恋愛小説では一世を風靡したものの、夏目の人気は頭打ち…
そんな彼女に松方が求めたのは読者層を狙った「オヤジの純愛」

一方張り班にまわされた渚は上の空で仕事に臨み、菅原たちに疎まれる。
私ならきっと「そこでこそ努力すべきだ!」と言うかと思った人は甘い。
イヤな場所でイヤイヤやる仕事なんか、結局効率は上がらないし周囲には
邪魔で迷惑になるだけだから、移れるならとっとと移った方がいいと思う。

松方の狙いは当たり、夏目の連載は徐々に話題を集め始める。
松方が引き出した夏目の力を目の当たりにして、振り返るべきは
過去ではなく、自分の無力さや仕事に取り組む姿勢をこそ振り返り、
省みるべきなのだと悟った渚がとてもよかった。

渚が担当を外され、お鉢が回ってきた松方にだって諦めなきゃいけない
自分の仕事があったんだと気づけたらもっとよかったかな。
身長が低いからって、物事を見る視点まで低くちゃいけないよ。

ところでこの渚って西の人間という設定なのかな?
なんか変なところでセリフが訛ったり訛らなかったりするんだけど…
どうも中途半端で聞きづらい。それとも中の人が訛ってるのか?東京人らしいけど


第6話 お姫さマン
2006/11/16

「ぶつかっちゃダメです。かわすんです」

由実みたいなタイプ、あんたは絶対嫌いでしょと相変わらず勝手なイメージで
言われる事が多いんだが、嫌いじゃない。いいじゃん、仕事ができるなら。
使える武器はなんでも使うべし。所詮はそれを使う「素地」リミッターの
位置の違いだからね。松方だってそんなもの使わなくたってデキるんだから
悩みはするけど妬みはしない。コイツのいいところはそれだ。

あと感情のままに全てをブチ撒けてからダラダラグダグダ悩む気持ちもわかる。
あんな風に出来るなら悩みなんてないだろうと思うのは間違いだ。
やってから悩むヤツもいるんだよネチネチうだうだと。

由実のちょっと表と裏の顔が違いすぎる演出が気になったけど、それは彼女も
プロの心意気を持つ働きマンだから。志村選手が「女の子だから」ではなく、
仕事をする「由実だから」信頼しているのだというコメントもよかった。

だってオヤジの集団ってホント、怖いと思うよ(逆にババァの集団に
若い男の子がたった一人で入らされる時だってやっぱり怖いと思うし)
ぶつかるよりかわす。カウンターよりいなす。確かに極意かも。


第7話 こだわりマン
2006/11/23

「放り投げてしまった気がして…」

これまでは比較的前向きな話が続いてきたけれど、ここにきてややダウン。
ちょうどある程度給料がもらえるようになって、好きなものが買えるように
なってくるこの世代、自由になるお金でブランド物を買ったり海外へ行ったり
エステに行ったり…松方の場合は緑子のマッサージが極上の癒しのようだ。

理想的な仕事が出来ないこと。それは志が高ければ高いほど難しい。
店を持てば一番いいのだけれど、店を出すには資金が必要で、その資金を
借りれば返済が必要で、返済のためには利益を上げなければならなくて…
自由経済下ではどうしたってこの利益追求の原理を追い求めないわけには
いかない。効率、時間、コストパフォーマンス…理想の仕事は遠くなる。

自分が書いた記事に真っ向から矛盾する記事を書くハメになり、悩む松方も
同じ事。感情スイッチを切れば簡単に仕事はできる。でもそれでいいのか?
答えなんかない。でも確かにモヤモヤするものなんだよねぇ、これは…

PUFFYの2人が声優参加。思ったより悪くなかった…ってか
キャストロールを見るまで素人とは気づかんかったよ…


第8話 報われマン
2006/11/30

「作者の人に…お礼を言われるなんて思ってもみなかったから…嬉しいよ」

カタルシス抜群の話。全11話の中で最も好き。
千葉の頑張りが報われた時、つい感動してもらい泣きしてしまった。

働きマンは1話1話がちゃんと独立しているのに、ちゃんと
全体も繋がっているという「Ζガンダム方式」になっている。
夏目が始めた連載は反響を読んだものの、いよいよその単行本が
発売されるとなると、仕事は編集から営業の手にわたっていく。

書店を巡り、世間の反応や情報を集め、初版の発行部数を決めるのは
営業の腕の見せ所。けれど千葉には入れ込んで結果を出したものの、
その作者からは感謝の言葉すらなく、うちのめされたという苦い記憶が。
だから仕事に恋愛なんか持ち込むなよと言いたいんだよなぁ。

昨今では多い方だった2万部だけど、スマッシュヒットを飛ばした作家には
やや物足りない…松方は作品にもっと入れ込んで欲しいとコピーを渡し、
千葉の心を動かす。そうなんだよ!私もよく同僚のおじさんに、まず何より
我々自身が「こうして欲しい」というヴィジョンを持ってプレゼンしないと
相手に「よし、ではこれをなんとか通す方向で考えてやろう」という
気持ちが生まれないんだと何度も説明するんだが、わかっちゃいねー。
「それが正しければ通るでしょ、普通」じゃねーよ!実際通らねぇだろ!

千葉の熱意(熱弁3時間はちょっと…)はついに発行部数を倍に。
さらに実際の発売日には売り切れ状態。その後も入れ食いで
増刷が続き、「54」はあっという間にベストセラーを記録する。

「54」にちなんだ「54万部」突破記念パーティの席で、夏目は千葉に礼を言う。
売って下さってありがとう…千葉の努力、そして松方が夏目に本を売ってくれた
千葉の存在を話していたから。作家も編集も営業も1人での作業が多いけど、
3つの力が揃った結果がこれなら、苦しくても辛くても報われるよね。


第9話 一人前の働きマン
2006/12/7

「お疲れ」

せっかく侍企画が好調で責任編集を任されたのに、記者がダウン、
ついでにとんずら、自分も風邪、取材相手の1人は急死…
悪い時には悪い事が重なるもの。

確かに、仕事が立て込んでる時は体も張り切ってるのか風邪を寄せつけない事も
あるけど、逆に一番ノリにノッてる時に限って倒れたりもするからなぁ…
松方の場合は自己管理が悪かった。酒飲んでうたた寝するなんてもう
「ウィルスさん私を犯して冒してちょんまげ」状態じゃないか。

珍しく甘ったれた松方の電話に、なぜか非常にクールに返す新二。
あー、もうなんかヤバいね。これは実にヤバい傾向ですよ。

ってかあのエロ友が医者だった事の方が驚きだよ!
乳ガンの自己チェックは必要ですまぁ乳がんって彼氏やダンナが発見する事も多いらしいけどねうへへ♥


第10話 働かないマン
2006/12/14

「松方…仕事、頑張った事が損なんて事、ないからね」

今回のメインは「仕事をしない」事が暗黙の了解で認められてしまう梶。
田中はいつメインになるんだろうと思ってたらどうやらまだ秘密兵器として
温存するつもりらしい。田中ほどある意味おいしいキャラはないもんね。

この話も7話同様ややダウナー系。梶が茂木やら怪しいパンイチ画家やらと
色々と関係を持っている事はわかったけど、何のためにやってるのかは不明。

ただこの画家先生の言葉はなかなか厳しかったなぁ。
実は私は作品を創造するためには、インスピレーションこそ大切だと
思ってたんだけど、天才にはそんなものは必要ないのだとか。

なにそれ、庵野?庵野のこと?

天才は才能の枯渇を悟ると皆自殺しちゃうのはその絶望からなのかな。
創作意欲を沸き立たせる女が少なくて取り合いになるというのはウケる。
松崎しげるの中古元妻をB'zの稲葉が引き取ったりするのもそれか?えー

似たような武器を使ってるのに由実が梶を結構目の仇にしてるのは面白い。
松方が急にボーっとしたりするのはなぜかと思ったら、それは次回のお楽しみ。
松方が死んじゃったかもしれない茂木の「実はファン」だったのにはウケた。
ってか女のプロって何!?フツーの女はもしかして皆アマチュアなのか?


最終話 それでも働きマン
2006/12/21

「仕事に救われる…朝もある!」

前回唐突でわからなかった部屋が水浸しになった経緯、その部屋を新二と
一緒に片付けている時の会話、そして衝撃の「別れよう」というフレーズの
真相が、ほぼ11話をなぞる形で(ただし松方視点)再現されていく過去ドラマ。

あれだけのひどい漏水なら遅刻の言い訳になると思うけどなぁ。
ってか、ぞっとした。ダラダラ落ちてくる水には「これはパソコンだから
濡らしちゃダメなんだよ」とか「洋服は濡れたら大変だから」とか、
そんな事は一切通用しないもんねいやまぁ当たり前っちゃ当たり前だけどさ

新二もちゃんと片付ける手伝いをしに来てくれて優しいじゃないか。
お互いに疲れてる時に不毛な会話しちゃダメだよ。ケンカにもなるよ。
でも「状況を一から伝えるのが面倒くさい」→「だから話さない」
「たまに会うから愚痴は言いたくない」→「だから表面上の会話になる」
という悪循環はあるよね。バランスよくやるってホントに難しいんだよな。

やがて、このデンジャラスな関係に決着が…やっぱりなぁ…
ある夜、泥酔して訪ねてきた新二はなんでもできる(ように見える)松方に負い目を
感じ、いつも自分の惨めさや無能さを思い知らされると本音を爆発させる。
そんなの相手のせいじゃないのに。全部自分の責任なのに。

でもたとえ酒の力を借りてても、新二は自分でけじめつけに来た分マシだ。
フツーはこういう状態に陥った妙齢の男は格好のカモネギなので、「癒し」を
ウリにしたハンターに狙われてばっくり食われちゃうものなんだけどね。
そして食われた男はのらりくらりといいトコ取りして首を繋ぎながら、
にっちもさっちもいかなくなったら初めてどっちか選ぶ、みたいな。
所詮働きマンなど隣のみよちゃんにはかなわんのです。

仕事のせい?仕事に打ち込んだから?だから新二は離れていったんだろうか…
松方がボーっとしていたのはそのせいで、その事に気づいたのは梶さんだけ。

別れを告げられた夜も、一晩中徹夜して仕事をした松方を冷たいと見る向きも
あるかもしれないけど、私の経験上は彼女に振られたの彼氏と別れたのと
うるせーくらいギャーギャー泣き騒ぎ、この世の終わりだもう殺せと嘆いてた
ヤツほど、たかが半年くらいでちゃっかり新しい彼女とラブラブだったり
新しい彼氏と電撃結婚したりするからね。ホント、全然信用できんわ。

仕事で失ったものもある…でも、仕事で手にすることも多いしね。
仕事だけが人生じゃない。私は仕事は好きだけど、あくまでもプライベートが
あってこそ仕事をする活力が沸くタイプなので、仕事が人生の中心ではない。

でも仕事に打ち込める人は幸せだと思うし、楽しい、面白いと思えるのは
幸せな事だと思う。だって我々は一日のうちありえないほどの時間を仕事に
費やしてるんだもん。私は週休3日か一日5-6時間労働を推奨したいよ。
なんで皆当たり前みたいに8時間労働してんの?冗談じゃなくね?

私は今は自分にとても合った仕事をやらせてもらってるけど、それだって
いつ変わるかはわからない。実際、今回大規模な人事異動があったし。

でも嫌いな仕事やイヤな仕事の中にも「面白さ」はいくらでも見つけられると
思うんだよね。たとえば手紙をひたすら数百通封筒に詰めるだけの単純作業で
あっても、一番早く確実に詰められ、かつ相手が読みやすい書類の順番を
考えたり、封筒にスムースに入れられる折り方のコツを探したりとかさ。
そういうのも嫌いじゃないよ。ただしこんな事が毎日だったら逃亡するけどおい!

とにかく、思いがけず本当に面白い作品だったので楽しかった。
食わず嫌いをして申し訳ないと謝りたい。そして奨めてくれたヤツに感謝。
田中理恵がこれが初主演というのはむしろビックリしたよ。そうだったの!?
この人は大人の声を出してる方がずっといい。癇癪を起こしたシーンでは
ミーアみたいな声だったけど、トーンを落とすと男の子の声もいけるかもね。

しかしこれ、大人向けと銘打つノイタミナの中でも最も大人に向けた
作品だったのでは?ハチクロはちょっと敬遠する人もいると思うけど私だ
これはアニメなんか見ないフツーのOLが見ても結構面白いと思えると思う。
この路線なら槇村さとるや山下和美なんかの作品もイケるかもね。

私も納豆が大好きなので、1つ選ぶなら絶対納豆巻き(おにぎりなら鮭)
昼飯も納豆巻き。千代田鮨でも納豆巻き。西友の太巻きも納豆巻き。
ってかもうご飯炊くのめんどい時も納豆だけそのまま食ってるからね。
だから松方の納豆巻き好きがちょっと他人とは思えなかったよ。

スタッフ、キャストの皆さん、本当にお疲れ様でした。
とても楽しめました。1クールという長さもちょうどよかった。
つか、原作が溜まったらぜひまた見たい。そうしたら今度は本放映で見るよ!

                      (全レビュー  2007/3/21 記)
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