ガン×ソード 23-26
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ガン×ソード ・ 3

23 / 24 / 25 / 最終話・前編 / 最終話・後編 / 最終話・総括
ep.将将 みんなのうた
2005/12/5

「おまえ、バカだなっ!バカ、バカ、バーーーーーカッ!

そしてヨロイ同士、拳と拳でどつきあい。これぞまさしくスクライド!大好きだ

くっは〜、たまらんね監督!もう真夜中に大笑いのバカ2人の大喧嘩。
保志きゅんもさぞやキラよりカズマになって喚きたかろうぜそりゃ俺の役だろーが!
今回は遺跡運搬役だった白鳥サンも久々に出たので、リヴァ以来・谷口作品の
新旧主役も揃った(ちなみにプラネテスからはタナベ@雪野サンが参加中ってことで)

バトルシーン、マジで格好いいんだけど。
サウダーデの放つビームを避けるダンのフリーダムのような動き。
しかもデスティニーばりのハイスピード残像にはマジで吹いたよ。
ダンのソードとサウダーデのバイアネットでのつばぜり合いも最高。
ダンは宇宙仕様なのかというくらいあちこちについたスラスターを
バシュバシュ使って機敏に動くボコリ合いバトルマンセー!
監督!半年でもかまわんから今度ガンダムやろーぜ!!絶対やらんよなぁ、谷口は…

ヴァンがいないのでノンビリ話が続くのかと思ってたんだけど、とんでもない。
色々と謎が明かされ、人物は掘り下げられ、最終決戦に向けてテンションは
バリバリあがって行く一方で。まだまだ話数を残してるのにクライマックス
近しなので、最終話はきっと谷口監督お得意の後日談が入るんじゃなかうか。

カギ爪の言う「生誕祭(バースデー)」は、「月」を落下させる事から始まる。
けれど実はこれは月ではなく、「プラネット・プリズン・デストロイヤー」
という、どうやら惑星の監視システムのようだ。衛星軌道に秩序を守るための
武力たるオリジナルセブン、そして惑星全体の監視を行っていたのが「月」?
サウダーデが引っ張ってきたこれが惑星に近づいて流動体をうにょにょ〜んと
伸ばした姿は惑星を全部包み込みそう。これを使ってカギ爪は同化を図るのか?

前回サウダーデを捕獲した流動体は、この「月」の宇宙港とも言うべきベースの
誘導システムだったらしい。そこでミハエルが見たのは、マザーからやってきた
宇宙船の残骸と、永遠に漂い続ける死体…即ちまさしく悪夢の如きデブリの海。

しかしそれより驚いたのは、この宇宙船がカギ爪がマザーから逃げてきた時の
母船であり、漂う死体は彼と共に来た仲間たちだったということだった…
ずいぶん人が増えて文明も発達してるから、囚人惑星だった頃からはもう随分
時間が経ってるんだと思ってたけど、この惑星の歴史ってまだ全然浅いのか?

まぁアメリカだってオーストラリアだって、発展し始めれば旧世界社会体制に
追いつくのは早かったわけだけど、宇宙の知識を教育されてないくらいだから
もう何百年と経ってるのかと思ってたよ。でももしそれくらい経ってるなら
カギ爪は本当に旧世界の遺物であるわけで、それはそれで面白いかもしれない。

「みんな愛に溢れていた」
浮かぶ死体はどうやら自然死ではなく、殺しあった結果であるらしい。
閉鎖空間で生まれ行く派閥。壊れる秩序。仲間同士で向けられる銃リヴァイアス?
そんな愚かしい争いの中でカギ爪は撃たれ、右腕を失ったようだ。
血の涙を流してきた。絶望感に苛まれた。もううんざりだ。
人はどんなに進化しても本能の澱みから逃げられない…
そして誓った。こんな事はもう終わりにしようと。

「同志!」「ミハエル君!」
   妹さんを悲しませてしまった。
   いえ、いつか必ずわかりあえる日がきます。
けれどヤツは言った。
「マザーから逃げた私」と。
理不尽な弾圧を受けたからなのか、それとも実際に逃げなければならないような
事をしたからなのか…人類愛を謳い、平和を願うと言いながらエレナを殺し、
シノを殺し、ミハエルを奪い、ヴァンの生命維持装置を躊躇なく壊すカギ爪。
牙や爪を剥き出しにするヤツもイヤだが、神経毒を隠し持つヤツもイヤだなぁ。

「大丈夫ですよ、ヴァンだから…そう思いませんか?」
無事にお空に上がったダンは、第2宇宙速度で大気圏突破したのはいいけど、
勢い余ってサテライトベースに衝突&そのまま衛星軌道を離脱してて吹いた。
このままではまさしくデブリになってしまう…唯一宇宙の何たるかを知る
ジョシュアにはこの緊急事態を知る術がなく、ヴァンは当然倉庫が母星から
離れていっているなどと知る由もなく…ウーやガドヴェドが言っていたように、
知らないという事は恐怖を知らないという事でもある。素晴らしき哉、無知!えー

「とっとと俺を健康にしろ!全部だ!俺もダンも!」
ディアブロと違うヨロイを受けつけられないとシステム音声が言ってるから、
見てるこっちまでおいおい、あの苦労が報われないのかとヤキモキしたよ。
でもNEWプリズナーの音声とヨロイコードは再登録され、ダンは修復に入って
ヴァンもまた治癒が受けられるようになる。
「悪いな、ガドヴェド。ちょっと借りるわ」
回復にはどれくらいかかるのか、そもそも衛星はどこまで離れてしまうのか…

「閉ざされた心のまま、春を鬻いで…」
やはり娼館の娼婦だった事が判明したファサリナ。
彼女が金属繊維を発注したのは、再突入時にサウダーデを熱から守るためだ。
この作戦のためには、巨大システムの起動EVAを行うサウダーデは必要だった。
それを正確に行える操手たるミハエルも不可欠だったけど、ホントはカギ爪は
役割が終わればミハエルもサウダーデもお払い箱にするつもりだったんだうへぇ
兄さん、この事知らないんだろうなぁ…知ってて協力してるというクレイジーな
行動もアリかもだけど、変形する時間がないと言ってたから知らないだろうな。
「デートするなら海がいい」って、殺しかけといて余計なお世話だっつの。

つか、ダンもヤケクソみたいに宇宙に行けちゃった今、この役は実は
絶対にサウダーデでなければならないという事ではなかったのでは?

思った以上に眼がダメになってるらしく、こんなに近いヴォルケインが滲む。
レイが、あれほど復讐を止めようとしていたのになぜ自分に協力するのか
再び問い正すと、ジョシュアは兄に「生きていて欲しいから」だと答える。
復讐する事で新たな一歩が踏み出せるなら、僕は兄さんに協力します…
逆に、自分がホバーベースを守って戦う意味を、レイはまだ自覚していない。

「ヴォルケインを静かな海に沈めてやりたい。誰もこない、深い、静かな海に」
それで、やっとシノは…

ユキコが、全部終わったらどうするんですかと聞いた時、私はレイはどうせ
投げやりな事を言うとばかり思った。でもそうじゃなくて、ヴォルケインを
眠らせ、亡き妻の安息を願う事が望みだったのでちょっとビックリした。
1クールのレイなら、復讐を遂げたら俺にはもう生きる意味も目的もない、
だから今後の事など考えない、ただ進むだけだとか言いそうだもん。
なのに自分の秘めた想いをユキコに語っている事に気づき、ふと笑うレイ。
あのウェイトレスが黒髪だったように、ユキコにもシノの面影があるのかな。
ヴァン同様、レイもこの旅の中で変わって来たんだろう。
でも不思議な事にこの変化がちっともイヤじゃない。

「月は落下軌道に入っています」
ミズーギィが水浸しなのは潮の満ち引きに影響する月が位置を変えた影響か?
しかしキャサリンたちはパリカールを家の中で飼ってるのがすごい。
これまでヴァンが旅のさなかに出会った人々も世界の変化に気づく。
エヴァーグリーンの巨乳めがね嬢、ブッチ、Drデネヒーとマリー、マスカットと
ハニー・チェリー、それにプリシラの弟妹たちに電車男ジョバンニとザコタ。
カイジ、思うわけ。月、ダメ。落ちるって、ナンセンス。

世界を救うのは勇者の夢だ。正義の悲願だ。できる事をやればいい。
共に残る選択をしたユキコが最後まで見届けたい事って、レイの事なのかな?
「俺たちは幸せ者だ。最後にこんな大勝負が出来るとは」
それにしてもエルドラメンツの言葉にいちいちさよならフラグが…
うう、じーちゃんたちとプリシラは少なくともあと2話を乗り切れるか?!

「それが悪なら、悪で十分だ!」
現れたファサリナに一矢報いるべく復活したヴォルケインに乗り込むレイ。
「その執着が、個人的感情が、妄執が煩わしい…」
それはお互いさまですから!
襲い架かるダリア、そして101をジョシュアの号令で迎撃するレイ。
「あの、レイさん、まさか…」「今頃気づいたの?眼がイカれてるって」

「仲間ではない」「ではなんです?」「なんだろうな」
1人でホバーベースを守ろうとして狙われたヴォルケインを、鉄壁の防壁として
助けるエルドラソウル。「ア ミーゴ!」すげー!101が吹っ飛んでるよ!
そして緩急自在な遊撃手として加勢するブラウニー。
「だが全く、この船はバカぞろいだ!」

ジョシュア、指示はもういい。相手が単体ならなんとかいける…
レイはファサリナとの一騎討ちが出来ると判断し、セッティングを指示多分爆弾だろ
それは即ち、エルドラとブラウニーを背中を預ける仲間と認めたということだ。
ならばその愚かさを叩き潰しましょう…
「黙れ!カギ爪に仕える売女が!」
アイタタタ、それは過去を捨てたがるファサリナのブロックワードだろ。

一方空の上では月をどっこらせと背負ったサウダーデがシステムを起動。
徐々に動き出す月…しかしそこに引力に導かれた迷子のデブリがひとーつ。
「ガドヴェドさん、申し訳ありません」
その無人の「はず」のガドヴェドのサテライトベースを破壊するミハエル。
宇宙での爆破が殺風景なくらい無音なのは、プラネテスでリアル・スペースを
描いた監督のこだわりだな、きっと。映像が似てるもん。プラネそっくり。

撃たれて飛び出てじゃじゃじゃーん!BGMと共に出ました我らがダン!
「誰だか知らねーがありがとう!」
でもいきなり撃ってくるのはやめろって…死ぬトコだったろうが!
「10日以上も待ち伏せを?」
いえ、あの…勝手に漂った挙句に引っ張られ、しかも出られなかっただけです。

元気溌剌、回復し終わったダンはサウダーデに踊りかかる。
殴る、蹴る、そして吹っ飛ばされて止まらない!ヴァンはスラスターの使い方を覚えた!

「消えうせろ、ジョーカー!」
宇宙の知識がないゆえに慣性の法則も重力圏内も恐れないヴァン。
システムは守らなきゃいけないわ自分の身の安全も計らなきゃならないわ、
妹を巡って口ゲンカしながらもダンを排除しようとする兄さんも忙しい。

同志はもうあと数時間で死ぬ。なぜそれで納得できない。
なぜ未来に眼を向けない!なぜ過去を捨てられない!?
この星の文明、経済、人々、全てがマザーのレプリカに過ぎない。
カオスの落とし子、罪の子たる我らは生まれ変わらねばならない。
命は覚醒しなければならない!
「うるせーっ!少しぐらい頭がいいからって自慢するな!」
やめてくれよヴァン。笑いすぎて腹いてー。

バカに説教が通じないのはカズマのバカっぷりで証明済みじゃん保志きゅん。
気持ち悪いから映像を消せと騒いだり、止まれー!と喚いたり、ヴァン最高。
人は争わなくともよい生き物なんだと、おめー「戦ってもみたいしね」とか
言ってたじゃんとツッコみたくなる奇麗事を言ってるキラきゅんミハエルに
「どの口が言いやがる!」
最初に撃って来たのはおまえだろーが!にはもうマジ爆笑。
実はヴァンって今までも先に攻撃を仕掛けたことがなかったりする。騎士道?

頭がいいと言ったあとで今度はバカ呼ばわりして蹴るヴァンやっぱりバカだ…
種では蹴りまくってたのに無様に蹴られて兄さんもキレる。
でもこのバカ、もしかしたらあんたの義理の弟になるかもよ?って、
もしそんな事になったら兄さんホントにブチギレるだろうなぁ…

「父さんと母さんが死んでから僕がどれだけ苦労したと思ってるんだ!」
「知るか、そんなの!」
そら知らんわなぁ。興奮しすぎて「私」から「僕」に戻ってるのも可笑しい。
「守ろうとして何が悪い!」
「妹離れが出来ないおにーちゃーん!」
やべー、愛すべきアホだよコイツら。もう最高。

キラにもこれくらいバカ呼ばわりして怒って殴ってくれるキャラがいたら
きっともっとまともだったろう、種。ってかぜってー狙ってるよね、谷口。
こういうスレスレに反骨的なところ、大好きだ。

やがて高度が下がり、変形する時間がない(実はもう変形は出来ないのだが)サウダーデは
バリュートシステム金属繊維シールドを展開して大気圏に再突入する。
一方ダンは落ちてきた月の流動体にそのまま飲み込まれてしまう。
もう一体なにがどうなるのやら見当もつかない。次回も最高に楽しみです。


ep.将将 夢の終わり
2005/12/12

生は死 死は無限 それは貫かれる生命の鎖 さぁ罪人たちよ 生まれながらの愚者たちよ… 祝福しよう 刮目しよう 今日は世界が終わる日だ 積み上げた罪悪を頭上に掲げよう そしてその先に新たな夢が空から届くのを待とう 我ら罪人 我ら愚か者 新たな世界の乳飲み子たちよ 今日の死の日を受け止める者
「ハッピーバースディ!おめでとう!」 世界は終わる。そして新しく生まれ変わるのだ。 「おめでとう!」「おめでとう!「おめでとう!」 おめでとうコールに吹き出す。エヴァまでパロるか谷口よ。 十字島は惑星をまるごと作り変えるテラフォーミングベースだった。 迫り来るプリズン・プラネット・デストロイヤーの流体が引力に引かれて惑星に 落ちてくる。パニックになって避難する人々、潰れる街、荒れる海、不穏な空。 今の今まで月だと信じてたものがあんな風に近づいてきたらそりゃもう大騒ぎ。 ってかこのテラフォーミングの原理、公式HPの説明読まないとわかんねーよ! 精製とか世界と記憶の再構成とか楽しげな言葉が一杯あって笑うよ白鳥@無常? なるほどね…「誰も死にません」というのはこのことか。 死は束の間、生もまた一瞬…1時間後だろうが120億年後だろうが、記憶を 持ったまま世界ごと再構成され、流体の中に残る記憶が再移植されれば 本人は気づきもしない。そしてそれに混合されるカギ爪エキス…いやぁぁ! ならば今後テラ全体を見守るベースの連中は新たな世界の神なのか? 立ちはだかったファサリナに、レイは不自由な眼で挑んでいく。 ダリアのビームを闘牛士の如く拡散マントで弾き、ランチャーポッドから 無数のミサイルを撃ち込むヴォルケイン。後ろでは大挙して押し寄せる101を ブラウニーがウィップを振り回して散らし、ヒップバルカンで撹乱してるし、 エルドラソウルは超電磁ヨーヨーエルドラブロックシュートとハイパワーの ブースト・アックス・ボンバーみたいな弾丸ボンバディーロでなぎ倒す。 ダンはソードでの剣戟、エルドラはガタイとパワーを生かしたボコりあい、 そしてヴォルケインは近距離から遠距離銃撃、素早さで遊撃するブラウニー… モビルスーツヨロイの特性をちゃんと生かして、それぞれに最もふさわしい 闘いをさせるなんてやるなぁ。メカバトルというものをわかってるねスタッフ。 さすがどこぞのたった一機がくるくる廻って撃ちまくるだけのスーパーバトルとは違うね! 「レイ、正面の守りはおまえだ」 じーさんがあまりに普通にレイの名を呼んだのでズキンときたよ。 裏も表もない彼らにとって、レイはもう完全に仲間なんだなぁ。 「ならば早く敵を排除する事だな」 信じて後ろを任せるくせに、レイの言葉もらし過ぎる。 「プリシラ、ここをしのいだらヴァンを婿にくれてやる」 ビックリして照れるプリシラ。そんな、勝手に…ホント、勝手にねぇ… おまえならヴァンの嫁にふさわしい。だから、死ぬなよ。 あ〜ヤバイヤバいヤバい…決戦前に「終わったら」の話、禁止ー! 「正義の結婚式を挙げてやる」 えぇ?なんだそれは。むしろ「悪の結婚式」ってどんなんだ。 カギ爪に呼び戻されたファサリナは「バースディ」の起動に立ち会う。 それは死せる男の棺。武装はないがオリジナルをも凌駕する最強のヨロイ。 ヴァンのパズルにも似た祝福の鐘のスロットドラムが全て揃った時、 このブサイクな顔棺に搭載されたブレインスタイルによって、カギ爪の脳波で プリズン・プラネット・デストロイヤーを完全に制御できるようになるらしい。 「ならば他の者の夢はどうなってもいいというのか」 ただ協力しないと言っただけで、俺の夢は潰された。ゴミ屑のように。 シノと2人で、静かに穏やかに暮らしたい、そんなささやかな夢を… さぁ、続きをいたしましょうか…防衛ラインに戻ったファサリナとの死闘再開。 なぜそんな普通のヨロイでオリジナルセブンに対抗できるのです? カギ爪がシノの技術を欲しがっただけの事はある。オリジナルの追加装備の 光学兵器は、全てヴォルケインを基本にしているのだそうだシノさんすごいな! レイが撃ったランチャーを避けるファサリナ。 「当たらなければ意味はありませんわ」 26年の月日を経ると赤い彗星もいろっぺーねーちゃんに変わるものです。 「どうかな」 距離を詰め、拡散マントで自らのそれを弾いてダリアにダメージを与えるレイ。 「倒せなくて残念でしたね」 けれどそれは致命傷ではない。ビーム連射でヴォルケインのバルカンが壊れる。 ダリアのジョイントが外れる。煙幕を張って超クロスレンジからのガトリング。 ダリアの多節棍が装甲を貫く。互いの腕が、足が、胴が被弾し、破損していく。 まさしく一歩も引けないお互いに身を削りあう近距離戦に固唾を呑んだ。 私怨で戦うあなた方とは違い、私たちは同志の夢を守るために戦う。 守るべきものがある者は、強いのですとファサリナ。 「まるで正義の味方みたいな言い草だな」 他人の夢を土足で踏みにじっておきながら、とレイ。 「夢は、より多くの者のために」 傲慢と欺瞞に満ちた夢など、独善的で嘘臭く、何よりも醜いだけだ。 「戻れといったのに…バカなヤツだ」 コクピットを握られようとした時、ジョシュアのホバーベースが現れる。 ファサリナ得意の顔射攻撃も童貞ではない(はずの)レイには通用しない。 レイの怒りはダリアを撃ち抜く。男は一生一穴主義!いやそれはちょっとつまらんだろ〜 「おまえはシノを好きだったのか」 死にに行くんじゃありません。兄さんと未来を生きるために行くんです。 ユキコとそう約束をしたジョシュアは1人でレイと合流する。 自分の質問をはぐらかそうとするジョシュアをレイは許さない。 好きでした…シノさんとシノさんのヨロイを手に入れた兄さんが羨ましかった。 ヨロイの工廠に出入りしたり、シノの技術を学んだり、兄とは違う方法で 義姉の気を引きたかった一方で、ジョシュアにとってはシノといる時の 大好きな兄の幸せそうな姿も、きっと至福の光景だったに違いない。 「俺は逃げたんだ、哀しみから」 哀しみを受け止めたおまえと違って、俺は逃げた。今も逃げ続けている。 臆病なのは俺だ。そうでなければ、俺はシノを失った悲しみに耐えられない。 けれど、全てが終わったら俺は昔の俺に戻る。 そしてシノと、もう一度向きあってみる。 「おまえもお前の夢を見つけろ」 誰にも邪魔されない、自分だけの夢を。 誰の夢も侵さない、ささやかでも正しい夢を。 ミハエルがウェンディを突き放す時に言った言葉を言うレイにはっとする。 兄さんが正しい事をしているのかどうか見極めてきます…兄さんを助けたい。 ウェンディは自分の目的と全く同じ、ジョシュアの言葉にはっとする。 この話は天涯孤独のヴァンを真ん中に、「きょうだい」を左右に配置しながら、 その根本は同じなのに、全く別の方向を向く両者を段階を追って見せてくれた。 妹離れが出来ないミハエル、弟を見捨てられないレイ。 最初こそ捨てられたように見えた弟妹コンビのジョシュアとウェンディの方が、 その実1人でもよっぽど力強く、たくましく成長して生きているのも皮肉だ。 レイは過去を捨てる愚かさに気づき、やっと立ち止まって弟を見る。 「僕の夢は、この先もずっと兄さんと一緒に…」 けれど、レイはその先を言わせてはくれなかった。 「許せ、ヴォルケイン」 運命の刻に向かっていくカギ爪、そこに特攻して行くホバーベース。 このまま真っ直ぐ行けばやっとレイの願いが叶う。 ここまできたら叶えさせてやりたいと入れ込むその時、現れたのはサウダーデ。 ぐはっ、悔しいくらいいや過ぎる演出だ! いや〜〜〜〜〜、この時のサウダーデほど恐ろしいものはなかった。 カギ爪視点なら、このサウダーデはピンチに現れたヒーローだ。 でも今のレイにこれほどイヤな敵はいないんだよ! こんなにもうへぇという思いをさせる演出にはもう脱帽するしかない。 けれどレイも今回は慎重だった。 ホバーベースから飛び降りながら踵の仕込み銃を撃つと(また踵にそんな機能を仕込んで あったのか!)とヴォルケインは自爆。シノの思い出と共に海に沈めてやりたいと 言っていたけれど、サウダーデを巻き込んで愛と炎のヨロイ、散る。 「夢を奪われた者はどうなるか知っているか」 こんなに近いのにレイの銃弾はカギ爪には当たらない。 憎い男の姿がレイにはもう見えない。 しかし、近いおかげで瓦礫の中から立ち上がったサウダーデも手が出せない。 レイはよろめきながら階段を上っていく。祝福の鐘のドラムは廻り続ける。 カギ爪は棺の前で微笑んで振り返る。せっかく気分よく鼻歌を歌ってたのに、 邪魔しないでくださいよ。もうすぐ夢がかなうんです。カギ爪の体も限界だ。 「選べ!!命を取るか、夢を取るか!」 夢を失った者は、どうにもならない。それは「生きている」とはいえない。 奪われた苦しみ、失った悲しみ、焼き尽くすような怒りに、いつ果てるともなく 身を苛まれ、心を蝕まれ、ただいたずらに辛い日々を消費していくだけだ。 おまえはどちらがいい?命か、夢か。世界か、自分か。エゴか、エスか。 カギ爪は超至近距離で放たれたレイの銃弾を弾く。 夢が私を殺させはしない。あなたの夢は矮小だ。だから私を殺せない。 初めてレイがカギ爪と対峙した時の言葉が脳裏をよぎる。 「残念でしたね」 本当にレイは絶対にカギ爪を殺せないのか… 「いや、これでいい」 きょとんとするカギ爪。 黄金のカギ爪には見事銃弾を弾いた擦過跡が残る。 そして病で死にかけてる自分はこうしてまだ生きている。 ドラムの間には弾かれた銃弾が挟まっている…ってえぇ〜〜〜〜〜!?ソンナバカナ 眼を見張るカギ爪が初めて必死な表情を見せ、うめき声をあげる。 ドラムの回転は止まり、祝福の鐘はならず、棺はまさしく動かぬ棺桶になる。 「おまえの夢は、終わった」 取り澄ました顔しかしたことのなかったカギ爪の驚愕に満ちた顔。 そこに浮かぶのは絶望、消沈、阻喪、呆然。 落ちていくレイは笑う。 「やった!!」 レイはカギ爪ではなく、カギ爪の夢を殺したのだ。 夢を失う苦しみを、死よりも辛い哀しみを思う存分味わうがいい。 まさかレイの復讐がこの方法で果たされるなんて全く予想もしなかった。 この世には、死ぬよりも怖い事、死ぬよりも苦しい事が確かにある。 1人の男を2人が狙う。1人多いな…そう言って拳を交えた男の1人、 レイの復讐は見事に果たされ、そして今ここで終わったのだ。 やられた。本当にやられた。そしてもっと憎たらしいのは、 ヴァンにも復讐の機会が残されてるってことだ。 サウダーデはいるし、カギ爪の棺は武装はないけど最強のヨロイだし。 「ありがとう、ジョッシュ…」 逝かないで、逝かないでください!待っていてください、今行きます。 ジョシュアは走る。間に合うわけがない。逝ってしまう…兄さん! 一斉に銃撃され、その身に無数の弾丸を受けて落ちていくレイ。 レイが礼を言ったよとついついツッコミながらも泣き笑い。 「おかえり、レイ」 レイは死ぬ覚悟で挑んだんじゃないと思いたい。 決死ではあったけれど「全てを捨てて、死ぬ覚悟で挑んだ」のではなく、 「もし生きていられたなら、未来を生きよう」と思ってたんだと思いたい。 ミハエルが言うように、未来のためだからと言って自分の一部である過去を 切り捨ててしまうのは、ヴァンもレイも正しいとは思っていないはずだから。 ヴァンにとってのエレナ、レイにとってのシノはもう己の一部なんだから。 これはただの結果だ。死が彼を迎えにきた。ただそれだけのことだ。 レイにとっては、現実こそが延々と続く悪夢だったに違いない。 幸せの絶頂で摘み取られたささやかな夢が、再び彼を迎えただけの事。 一人にして、すまなかった…レイは妻を抱き締める。流れるEDはCALLING YOU。 これでレイは再び穏やかな、幸せな夢を見ることができる。 それはもう二度と覚めない、そして誰にも邪魔されない、安らかな夢。 なんで「レイ」さんは皆死んでしまうんだ運命もエウレカもガンソまでも… でもこれでよかった。多分よかったんだよね、レイ… 岩の下敷きになったブラウニーの中のプリシラは倒れ伏してる。 101のランスで貫かれたエルドラのコクピットも全員動かない。 女の子3人は特攻中。サウダーデはほぼ無傷。そして我らがバカは…どこ? ちなみにカギ爪の「夢」が達成されると、記憶に残された死者を蘇らせる事も 可能になるそうです。となるとエレナを蘇らせてあげましょう…なんて取引も あるのか、ないのか…「もう、ヴァンは何やってんのよっ!」全くです。
ep.将将 バカがヨロイでやってくる
2005/12/19

「バカ兄貴!何で勝手に生きてるんだっ!」
「おまえに兄と呼ばれる筋合いはない!」

「じゃあただのバカでいいな!バーーーーーカッ!!「真夜中に 1人で すごい 大爆笑」
お隣さんから苦情が来たらどうしてくれんだっつの!
部屋は寒いわセリフは笑えるわ話は面白いわで忙しいことこの上ないよ。
ホンマに谷口さんのアニメは最後の最後まで気が抜けませんで。

1人の優しい男が死んだ。最後は安らかに、笑って死んだ…
OPのレイさんは変わらず、シルエットになってなかったのでホッ。

「最後の47分…長ぁい」
レイが命懸けで止めたシステムの再稼動が、嬉しそうな白鳥声で告げられる。
世界は再び破滅に向かう。もちろんそれはカギ爪にとっては新たな創生の夢。

きゅ…きゅ…きゅ…きゅ…
カギ爪はひっきりなしにカギ爪を動かし続ける。
穏やかで「別に何も気にしてませんよ」と言いたげな表情と口調とは裏腹に、
半径数メートル以内にいる人間全てを今にも引き裂きそうなイライラ感。
そしてはらわたをぶち撒け、その血を浴びてニタニタ笑いそうな残虐性。
再稼動が可能だと聞いた時の腹立たしいほどのはしゃぎっぷりと現金さ。

カギ爪の元に駆けつけたミハエルの、義手のカギ爪を追う眼の動きは、
コイツに殺されるはずだった事も知らず、心から信じているはず…
なのに、なんとも漠然とした不安感を表していてすごくよかった。
喜ぶカギ爪を見てほっとする顔なんか親にぶたれずにすんだ被虐待児みたいだ。

「この時間を兄さんが命懸けで稼がなければ、世界は終わってたんだ!」
変更ナシってなんだ!これじゃ…兄さんは無駄死にじゃないか!
優しくてナイスガイで、たった一人の大好きな兄が死んでしまっても、
まだぬくもりの残る体にすがりつく事も恐らくできはしなかっただろう。
今までにない怒りの表情を浮かべてカギ爪を睨んだジョシュアは、
捕えられ、悔し涙を浮かべながら怒りのままに荒れ狂う。

計画を阻止しなければ…この世界を守らなきゃ。兄さんが守ったこの世界を。
ジョシュアは助けに来(て、逆に助けられ)たユキコに1人で逃げるよう言う。
仇とか、そういうんじゃありません。兄さんは満足していたんだと思います。
兄さんの死を汚したくない。それが弟としての僕の努め。ただそれだけです。

レイはかつて弟を「ジョッシュ」と呼んでいたけれど、復讐の旅に出てからは
そう呼ばなくなった。でも咄嗟の時にはこの愛称が口から出てしまうようで、
「その絆に用がある」で再会した時や「夢の途中」で弟を撃っちゃった時には
「ジョッシュ」と呼んでいる。ちなみに、あんなにも遠くにいたレイの声が
ジョシュアの耳に届いていたのかどうかなんて事は全く問題ではない。

温厚で冷静、かつ天然なキャラだとばかり思っていたジョシュアの熱さに涙。
もともと真っ直ぐでいい子ではあったけど、間違いなく一回り成長したよ。
「お世話になりました。僕の事は忘れてください」と、伝えてください…
忘れられると思うの?過去を忘れる事が、お兄さんの望みだったの?
ユキコはその手には不似合いな銃を取って、私があなたを守るからと言う。

ユキコはジョシュアの救出からサポートに廻り、カルメンは基地中枢の
爆破のため、爆弾セットを続行中。ウェンディは私も行くと憤慨したけど、
カルメンは彼女をぎゅっと抱き締める。あんたを贔屓にしてるわけじゃない。
自分の役割を果たして、こんなバカ騒ぎはさっさと終わらせて、帰りましょう。

ユキコだって戦闘要員じゃないけど、ウェンディを子供と侮ったわけじゃない。
でもやっぱりカルメンはウェンディを危険の真っ只中には連れていけないんだ。
「あ、ゴメン」
敵であるファサリナと戦いながら、女の命とも言われる髪を切り落として
思わず謝っちゃうような、優しくて強い、本当はすごく「素直な」女には。

ムカつく花だわ…故郷を穢し、ハエッタを狂わせ、おじさんを死なせた花。
「暴れないでくださいね」
立ちはだかるのは、ダリアを失ったものの相変わらず飄々としたファサリナ。
ハエッタの作ったこの花が、流体の中に人々の記憶を蓄える触媒になる。
そしてこれを使って作りかえられた世界は、嫌われ者のカルメンを温かく
優しく迎えた故郷の街のように、気味の悪い似非の平和を手にいれるのだ。

あなたは色々と想うものを持っている…故郷も、友達も、仲間も…
生まれた時から一人ぼっちだった私には、何の愛着も執着もありません。
「私の方こそ、あなたを憎むべきだと思います」
なのになぜ、何も持たない私がこんなに憎まれるのです?

「あんた、可愛いじゃない」
カルメンの意外な言葉にユリかファサリナ以上に「はぁ?」とビックリした。
可愛いっちゅか色っぽいっちゅかエロいっちゅかなんちゅーかほんちゅーか…
あんたは自分に正直に生きている。好きな男にも好きって言えて、
夢に対しても真っ直ぐに向かっていってる。残酷だけど、素直だわ。

「あんたみたいに素直になれる人間ばかりじゃないのよ!」
「なればいいじゃないですか」
「死んでも無理!」
やれやれ、これはまた困ったワガママさんですね。

カルメンがウェンディに旅の目的を尋ねられてもずっとはぐらかし続けたのは
やっぱりヴァンのためなんだろうか?カルメンはヴァンがエレナを殺されて、
今よりずっと生々しい傷に苦しんでる頃の姿も知ってるわけだしね。
いやいや、「死んでも無理」って事は、秘密をカミングアウトできないという
意味かもしれない…好きなのは実はウェンディとか元は男だったとかえー???
ウェンディがタンダーのダッシュボードで見つけた、皆で撮った最後の
写真(つい3話くらい前なのに懐かしい)はまだ何か生きてくるんだろうか?

それはただの嫉妬です…確かにそう言われても言われた方は困るしね。
それにカルメンはファサリナの過去を知らないはずいや私も知らんけどさ
女郎として身を売っていた頃のファサリナには絶望しかなかっただろう。
いや、もしかしたら花の檻の中で暮らしている限り、希望というものが
ある事すら知らなければ、絶望する事さえ出来なかったのかもしれない。
「新世界で会いましょう」
そう言ってミハエルとは別れてきた。今度は穢れのない無垢な体で会える…

皆がそれぞれ自分の闘いをしている頃、バースデーは再稼動を始める。
嬉しそうにファラオの如く腕を胸にクロスさせてアークに収まるカギ爪は
「ごきげんよう…あっは♪
と笑う。しかしこの怪演にぞわぞわぞわ〜っとしないでいられる人は偉い。
役者や声優が凄まじい悪役を演じきる事は、明らかに芸を広げると思う次第。

しかしやっぱりそこに現れるべきは主人公。
一筋の光が落ちてくる。アイキャッチに被ったウェンディの嬉しそうな声。
「多分、帰ってきたんですよ、あの人が」という、ヴァンが死ぬ事なんか
何一つ疑っていなかったジョシュアの声。ミハエルの驚き、カギ爪の微笑み。

またまたOP背負って地に降り立つダンのカッコいいこと!
ただの剣戟銃撃ボコリ合いの復讐活劇物だろうと思ってたので、第1話で
月をバックに現れたダンには心底仰天したけど、今はこんなに心が躍る。

「俺がわかるか」
「ええ。もちろんですよ、ヴァンくん」
エレナ以外の女性の名前を覚えられなかったヴァンの心に、この旅を通じて
ウェンディたちの名前が刻まれたように、誰にも興味のなかったカギ爪にも
ヴァンの名前が刻まれた。その事がむしろ不気味で不安を煽る。

そしてカギ爪を狙うバカあれば守るバカあり!
迎撃に出たフリーダムサウダーデが翼を広げて立ちはだかるこの間のお返しに蹴られたし

「ちょっとぐらい非・童貞頭がいいからって自慢すんなーっ!」

デブリも無音も重力も気にせずに第2回戦・レディーーーーーゴーーーッ!!
何度も何度も…同志の邪魔はさせないと言ってるだろうとキレるミハエルに
「おまえこそいい加減覚えろ!俺はアイツを殺すんだ!」
いや、覚えろと言われましても…
「同志はまもなく死ぬ!」
本人の前ですごい死刑宣告だ兄さん。
「抱きつくなっ、気持ち悪い!」
吹いた。ホモじゃない限りはお互いさまでしょうよそれ。

同志の想いを知ろうともしない愚か者!
おまえこそウェンディの気持ちを踏みにじってるだろうが!

「私は自分のやるべき事をするだけだ!」
「俺だってそうだ!」

「引っ込め、バカ!」

引き分けー!バカ合戦、引き分けーーー!
文字通り大人の階段を駆け上り、背伸びして自分を大きく見せよう、
大人になろうと焦ってるミハエルが、大人のクセにいつまでたっても
ガキみたいなヴァンの前ではまるっきり素で怒り狂い、ただガキ臭く
ガオガオ吠えてるだけってのがもうおかしくておかしくて。
そして弾き飛ばしたダンのソードを持って襲い掛かるサウダーデ。

「自らの刃で果てろ!」
「俺のだー!返せーーーっ!」

だからクソ寒い真夜中に腹をよじらせるのはカンベンしてくれって。

剣の姿に変形し、そのままサウダーデに高速でアタックするダン。
才能と執念のぶつかり合いは、感情に勝るヴァンとダンを完全に一つにする。
「欠番のっ…くせにっ!」
戸惑い、驚愕するミハエルを乗せて堕ちていくサウダーデを天空より追い、
急降下したダンは突き出されたサウダーデのバイアネットを粉々に砕く。
「バカな、旧式がなぜっ!?」
そして得意のV字斬りでその装甲を切り裂き、フィニッシュ。Winner、ヴァン!

必殺・V字斬り!ダンも剣型なら飛行可能だったのね〜

ミハエルは今回ホバーベースにウェンディが乗っているかもしれないのに
迷いなく攻撃したし、ヴァンに対しても全力をかけて挑みかかってました。
とりあえずこれだけのバトルをして負けたことについて

「あの時はウェンディもいたし、妨害者と戦っていいのか僕も迷ってたから」

なんて絶対に言わないね、谷口キャラは!意地があるんだよ、男の子にはなぁ!

見たかフリーダムサウダーデ!見たかキラ・ヤマトバカ兄貴!
あ〜素晴らしき カ・タ・ル・シ・ス・♪

一方倒れたエルドラのコクピットではウェイクアップ・カルロス!
「それは勇者の言葉じゃないな」
諦めかけ、暗転していく勇者たちの姿…そこに流れる秘密兵器の声。
一体どんな奇跡を…って、復旧用のエンジンあるじゃねぇか!
だからマニュアル読めって言っただろう?だって読む前になくしちゃったんですこの人たち…
「俺たちの武器は、勇気、正義、闘志!」
今こそ世界を救うのだ!行こう、エルドラソウルと共に!
エルドラ・ファイト・GO ア・ミーゴ!勇者カッコいいよ勇者!

同じ頃、ユキコの歌をBGMにプリシラも目覚めるブラウニー、結構丈夫やな…
ママが強かった理由は、あたしたちを守りたかったからなんだね。
好きな人が出来たよ。仲間も増えたよ。この世界が好き。だから守るの。
「デートはやっぱり遊園地!それか海!」

もうバカが一杯だ。可愛くて素敵なバカばっかりだ。
ヴァンの事だけじゃなかったんだなぁ、ヨロイに乗ってきたバカって。
よく考えたらバカじゃないヤツはそもそもヨロイに乗ってないよ。
エルドラもプリシラもミハエルもカギ爪も、皆みんなバカなんだ。
あっちもこっちも愛すべきバカだらけ!笑えるのに泣けてくるよ。

サウダーデの反応が消えたと聞いてもカギ爪は「あら、そうですか」と一言。
念のためガーディアンカーテンを降ろすと言われれば「はい、よしなに」

お前に聞きたい事がある、とヴァンが言った時はちょい驚いた。
「レイの野郎はどうした」
立派でしたよ…彼がいなければ世界は生まれ変わっていましたと心にもない事を
ほざくカギ爪。ホントは自分勝手で矮小な夢に殉じましたと言いたいんだろう。
「そうか…ならおまえは運が悪い」
ここでまたしても意外なヴァンの言葉。
「俺はヤツほど善人じゃねぇ!バラバラにしてやる!」
かつてレイに「俺に無駄な優しさを振りかざすな」と罵られたのはヴァン。
今ここでヴァンの口から出たのははからずもレイを認める言葉と、レイが
カギ爪と初めて会った時、おまえを八つ裂きにする事だと言った彼の夢だ。

カギ爪は流体を操ってヴァンを攻撃する。
そして相変わらず薄ら笑いを浮かべ、ヴァンが苦しむ様を見ている。
「もう少し、お話しましょう」
ここでボコりあわなかったので、私もレイのように「やった」と思った。
「殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやるっ!」
挑みかかるヴァンへのカギ爪の話が続くなら、やがて魔法の言葉を言うはずだ。
「今はダメ」
ぐっ、この野郎…怒り狂い、血反吐を吐きそうなほどテンパるヴァン。
「プレゼントをあげましょう」
よし、言うぞ、言うぞ、絶対言うぞ…

「あなたの婚約者を蘇らせてあげます」

言ったー!

24話でディアブロのベース以下、全て排除済ヴァンは生存できるのか?

一方、道と主義と夢を分かった兄と妹は再び対峙する。
「やらねばならない事がある!」
チキ…残されたたった一発をこめた銃をウェンディは兄に向ける。
「あたしもよ」
けどあの、ウェンディ?タンダー壊れちゃったよ?
ねぇ、カルメンのタンダー壊れちゃったけど、いいの?

過去を捨て去り、全てをリセットして、新たな未来を生きる事。
過去を乗り越え、全てを受け止めて、繋がる未来を生きる事。

果たして勝つのはどちらの夢か。
いよいよ次回、痛快娯楽復讐劇、決着!
ああ、もう最後は全員タキシードにウェディングドレスだったらどうしよう!

なお言うまでもない事だと思うけど、「バカッ!」という爆発音の激しさだけで、ただ単に
「きつい」と一括りに判断しないで欲しい。確かにきつい罵倒である反面、東京では普通に
そこはかとない愛を含む言葉でもある。西の人にはイマイチのニュアンスかもしれないけど
バカを連発しても、私にはこの作品への愛が溢れている事をなにとぞご理解くださいませ。


The final タキシードは明日に舞う【前編】
2005/12/26

「そうか、わかりました!きみはつまり…バカなんだ!」

半年に渡って、呆れたり笑ったり泣いたり感動しながら見守ってきた
バカの旅もいよいよ今夜で見納め。これがホントの最終最後の大決戦。
ヴァンは最強のヨロイに守られるカギ爪の命を見事に奪う事ができるのか!?

「あなたの婚約者を蘇らせてあげましょう」
カギ爪は、この近辺の時系列を圧縮し、歴史をやり直すという。
人々の記憶をサルベージし、記憶に残る人間を蘇らせる事もできる。
私は死に、あなたの花嫁は蘇る。
「素晴らしくご都合のよろしい世界になります!!!」
嬉々として夢を語るカギ爪。そこはボンクラたちの理想郷ではなく、
誰も死なず、誰も傷つかず、平和で安らかなシャングリラ。

私はあなたを救いたい…最後にあなたの友達に…
伸ばされたバースデーの手を振り払うヴァン。
「あら?」
ヴァンは怒りに震える。

面白いアニメってのはなぁ、作ろうと思えば作れるんだ!

エレナは死んだ!おまえが殺したっ!おまえは…おまえは…

「俺からエレナの死まで奪う気か!!」

なんという凄まじいインパクトのフレーズ!
これは、自分を傷つけ、エレナを殺した男がニヤニヤと笑いながら語る夢。
もちろんヴァンが普通にそれを受け入れるはずなんかない。

正直、震えたね。
もはや彼の一部となった愛するエレナを、こう表現するとは思わず。
ヴァンのヤツ、この旅を通じて「エレナの死」を本当の意味で受け入れたんだと
じーんとした。妻の死を受け入れられなかったレイもまた、もう一度哀しみと
向き合うとジョシュアと約束して死んでいったように、ガン×ソードは
皆がこの旅で何かを掴み、成長してる。彼らを見守って一緒になって
一喜一憂してきた視聴者にとってそれがどんなに嬉しい事か。

今日はOPのない変則のアバンから。流れるのはいつもの力強い太鼓ではなく、
いつか聞いた教会の優しいチャペル。若い2人の幸せを祝福する鐘の音。
ウェディングドレスの花嫁を伴ったタキシードの新郎は、切り裂かれる瞬間、
肩に置かれた金のカギ爪のついた義手に怪訝そうに眼を落としたヴァン。

このあと、2人を血の惨劇が襲う

愛する者を殺されたこと。理不尽に奪われた幸せ。
引き裂かれるような怒り。絶え間なく燻り続ける憎しみ。
それを蘇らせるだと!?同じだからいいだろうという事か?!

「死んだヤツは絶対に生き返らないんだ!」

生命にはリセットもコンティニューもない。
どれほど反省しようが奪った命は戻らない。

吹き飛ばされたから別のお花を植えればいいでしょじゃない。
その花を育てる間、丹精こめた思い、苦労や喜びは何ものにも換えられない!
花が咲く日を心待ちにしていた人に「また植えればいいじゃない」とは何事か!
そもそもおまえが吹き飛ばすなー!とダンのV字斬りをお見舞いするぞ!

同じものだと言われてもそれは決して決して同じではない。
だからこそ尊いのだ。一度限りの大切な輝きだからこそ、レイもヴァンも
それを奪われた苦しみに、いつまでもその身と心を苛まれ続けているのだ。

ああ、なんと高尚で深いんだガン×ソード…

「私の話を聞いてましたか?」
「俺の話を聞けーーーーっ!」

…大爆笑。

ダメだこりゃ。やっぱりこれこそガン×ソード。
限りなくシリアスでカッコいいのに限りなくバカで泥臭い。
やっぱり我らがヴァンはつきぬけるバカヒーローだ。

「そうか、これがバカというものなのか!」
目の前にいるのが筋金入りのバカであると気づいて大喜びのカギ爪は、
まるで宝物でも見つけたように、嬉しそうにバカ賛歌を歌う。

「バカよ バカよ 愛しきバカよ〜〜♪」

そのまんまじゃねぇか!
カギ爪の不幸(幸福?)は、自分も同じバカなんだと思ってもいない事だよな。

知性を売りにする薄っぺら人間がよほどお嫌いらしい監督

一方ウェンディはミハエルの前で進路を塞ぐ。兄の銃を構えながら。
兄に銃を向ける…兄さんの優しい愛にくるまれて、大切にされて
育ってきたウェンディにとって、これほど辛い事はないはずだ。
大好きな兄なのだ。兄を取り戻すために危険を侵して旅に出たのだ。

でも、兄さんは間違ってるわ!声を震わせながらウェンディは言う。
幸せしかない世界なんておかしい。しかも押しつけられて、
誰かの考えを植えつけられて…そんなの

「心の暴力だわ!」

止められるものか!妹を侮って先へ進むミハエルの背後で鳴り響く銃声。

撃った…

ウェンディはミハエルの右腕を撃ち抜き、ミハエルは信じられないという顔で
妹を見る。ただ一発。ずっと共に旅して来た兄の銃の最終弾丸。

正直ビックリした。撃たないと思ってた。ウェンディが普通の生活に戻った後、
あの銃と残された銃弾は彼女のお守りのようになるんだろうと勝手に思ってた。
だからミハエルの驚きがよくわかる。まさかおまえが…その動揺がわかる。
「ウェンディ…」

ミハエルが撃たれたのはカギ爪が失った方の腕と同じ右の腕。
もう銃弾はない。それでも尚、痛みをこらえて進もうとする
ミハエルを、ウェンディは後ろからしがみついて止める。
「行っちゃダメよ!」「離せッ!」
ミハエルは本気でふりほどき、軽く華奢なウェンディは吹き飛ばされる。
こっちも息を呑んだけど、めげずにむしゃぶりつくウェンディにさらに驚いた。
この子、こんなに強い子だったっけ?違う、ウェンディは強くなったのだ。

「撃つわよっ、キラ!」「止められるものか、フレイ!」

誰もそんなの望んじゃいないわ!皆この世界が好きなのよ!
狭い視野で物を語るんじゃない!同志の広く深くお考えこそ理想的なのだ!
だって、あたしは自分の足で歩いて自分の眼でこの世界を見てきたのよ!

確かに、ウェンディはヴァンと一緒に見てきた。
多くの人に出会い、色々な経験をし、傷つき、立ち直り、考えてここまできた。
だから皆が不満を口にし、半ば諦め、半ば呆れながらも、そしてなんだかんだ
言いつつも、結局今の世界が好きだと知ってる。周りの人を好きだと知ってる。
「どうしてあの人しか見ないのよ!」
兄さんは信じたいだけなんだわ。あの人の言う事を。あの人が夢だの世界だのと
奇麗事ばかり言うその言葉を。あの人は誰の事も見ていない。あんな…あんな…

「ニセモノを!」

カギ爪は人の名前を覚えない。自分の名前を明かさない。
誰にも興味がないから、自分がどう思われてもかまわない。
我々がサル山のサルをすぐには識別できないように。
そして我々がサルたちから無視されても別に気にもしないように。

同志を否定するなっ!同志を否定する事は僕を否定することだ!
のしかかり、ウェンディの細い首を締め上げるミハエル。
まさか狂信者の狂気による凶行をこの2人にやらせるとはね…
相変わらず容赦ないなぁ。こういうハードさが好きなんだけどね。
殺意と怒りに駆られたミハエルの指を、すっ飛ばされたカメオが噛む。

反対するヤツは皆殺しにしていいってラクスも言ってた!

「普通の暮らしの中にだって、生き方はあるわ」
ううん、むしろそういう方が多いと思うの。
システムへの侵入を試みるジョシュアは、援護にあたるユキコに話しかける。
僕はずっと兄さんを追いかけてきました。憧れでした。追いつきたかった。
でももう兄さんはいない…僕は、これから何を追いかけたらいいんでしょう…

切羽詰ってるのに人生相談なんかするなアホとツッコみたいくらいだけど、
こういうところはジョシュアらしくてやっぱりいい。そして泣かせるのが、
こんな時でも(いや、むしろこんな時だからこそなのかな)脱出できるかどうかも
わからないのに、ジョシュアはちゃっかり「これから」の事を考えてることだ。

ジョシュアにとってレイが憧れだったように、レイにとってはこの
弟の天真爛漫な元気さと明るさ、生きていこう、前に進もうという
生まれついて持つ前向きなエネルギーがどれほど眩しく見えていたか。
だからレイは、おまえはこっちの世界に来てはいけないと言ったんだ。
おまえだけはあの懐かしい、日の光が一杯だった暖かい世界で暮らせと。

ジョシュアは兄弟ゆえにレイの心には気づいていない
でもきっとユキコは気づいてくれてると思う。
だからこそ、大丈夫よ、新しい道は見つかるわと励ましてくれるのだ。
弟属性に姉属性。まさかこのカップリングとは全く思いもせず。
ほえ〜!兄さんとユキコは、むしろこのための布石だったのか。
ジョシュアがこれから夢を見つけるためのパートナーになるように、
まるでレイがユキコを改めてジョシュアに引き合わせてくれたみたい。

「バカがこれほど興味深いとは!」
大喜びのカギ爪はネコがネズミを弄ぶようにダンをビシバシ引っ叩いたり
潰したり。後でゆっくり話し合いましょう…心の中で…うぅ、マジでキモい…
再稼動したシステムが再びスロットドラムをあわせ、カウントダウンが始まる。
世界はこれで本当に終わる。新しい再生の瞬間まで、夢の実現まであと少し。
蓄積したダメージのせいか、傷が大きく疼きオーバーヒートして倒れるヴァン。

ヴァンを救うべく秘密兵器カルロスは、エルドラの正義の鉄拳でも歯が立たない
バリアの解析を急ぐ。身軽な体でバリアを飛び越えようとしたブラウニーが
スピアで貫かれた時はうわっ、プリシラ〜!とマジ真っ青になっただろっ!!

槍で突かれたー!死んだと思ったー!

「おい、ヴァン!寝るな!」
起きろ!世界を救うのはお前しかいないんだ!
朦朧とするヴァンの意識の中で走馬灯のように思い出がかけ巡る。

あれ…あれ…?ちょっと待てよ…コレ、ヤバい…ヤバいだろ…

遡っていく旅の思い出。出会った人たち、出来事、戦い、
プリシラ、ジョシュア、エルドラ、レイ、カルメン…
やがて想い出はある女の子の前で止まる。

あれ…これって…あいつ…覚えてるかな…お嫁さんになる時は…
幸せで、幸せで、幸せの絶頂に…お嫁さん…およめさんのシルエット…

「エレナァーッッ!!!!」

震えるような興奮と共にオープニング。
蘇るヴァン。立ち上がるダン。
このうねるような大波の見せ場をよく知ってるよ谷口。
よーし、お楽しみはこれからだと言わんばかりにヴァンは立つ。

このシーンを見て燃えないヤツがいるのか!?

もう動けないはずのヨロイがオーバーフロウを起こし、まさしくオリジナルの
力を発揮し始める。ヴァンには改造など施さなくてもオリジナルを使いこなす
能力があった。つまり、マザーの技術はこの星の住人には使いこなせない、
その思い込みが眼を曇らせていただけで、ヴァンもミハエルやウーたちと
同じで、オリジナルを動かせるのは特別な存在ではないって事なんだろう。

暴れまくるヴァンにやめなさいヴァンくん、どうしてあなたはこんな事を…
どうして?と、まるでヴァンがおかしいように言うおかしいカギ爪。

「おまえがっ!俺を!怒らせたからだぁーーーーーーーーーっ!」

正解!!!もういけるとこまでいっちゃってください!

怒ってます。これ以上ないくらい怒ってます

憤怒をエネルギーに変えたヴァンはバースデーにも捉えきれない
超高速で飛び周る。これぞマザーの力。オリジナルの力。
コピーにはない、いつまでもオリジナルを追い続けるしか出来ない
模造者、偽造者、捏造者たちには作り出せない真のオリジナルの力。

今ここにいる新たなるエンドレスイリュージョンのオリジナルが、
滅びた母星マザーのオリジナルたるヨロイの力を存分に引き出し、
マザーの技術と新たな可能性は融合する。これがオーバーフロウ。
ヴァンはダンとの完全融合を果たし、ソードは赤く長く姿を変える。

このタイミングに、ジョシュアが起こしたメインシステムへの
クラックで、バースデーの稼動カウントダウンが再び停止する。
「早く隔壁を降ろして〜!」
慣れない銃を撃ちながら泣きそうなユキコが可愛い。

そして怒りに燃えたヴァンがバースデーの制御装置を破壊し、メイン
システムによる制御を失ったプリズン・プラネット・デストロイヤーは
ついにカギ爪のバースデーには操られることなく、惑星を離脱していく。
あれも再び平穏なただの月に戻るって事かな。

レイの復讐はヴァンとジョシュアの手によってついに完遂された。
「人類幸せ皆兄弟計画」は、今ここに阻止されたのだ。

ウェンディは崩れ落ちたコンクリートから庇ってくれた兄の姿を見る。
妹を自らの手にかけようとしたショックから立ち直れないミハエルは、
おまえの言ってる事は正しいかもしれない…でも、僕の選んだ道も
正しいと思うんだ、と静かに言う。だから…ウェンディを頼むよ、カメオ。
「僕は、僕の道を進みたい」

どこへ行くのかと思ったら女のとこだったのでウケました兄さん

ウェンディはその言葉が聞きたかっただけなのに。
誰かに盲目的に追従するんじゃなく、ミハエルがミハエルとして追える、
兄さんが一番大切なの為に生きてほしかった。もう大丈夫だね…

「さよなら、にいさん」


The final タキシードは明日に舞う【後編】
2005/12/26
「やり直しです!!!」

いやいや、レビューがあまりにも長くなってしまったので分割です。
いい加減にしろと思うのだけど止まらない。

今まさに我々の計画はこのヴァンくんの活躍で頓挫しました。
ユーモラスな言葉とは裏腹に義手は相変わらずイライラと動かされ、赤い
流体でダンを攻撃しまくるバースデー。ああ、私は嬉しい…また皆さんと
共に歩めるのです。計画は再び実行され、夢は叶えられるのです。

「それまで私は何があっても僕は死にません!「死ねえぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜!」

ナイスツッコミだ!
ありがとうヴァン。でも爆笑し過ぎてもう腹イテー。

ヴァンくん、生まれ変わった気分です、ありがとう!
私は新たな計画の最初のお友達にここにいるヴァンくんを加えたい。
前計画に欠けていたファクター、バカ代表として!
ありがとうありがとうありがとう!礼を言われながら投げ飛ばされるダン。
「このヤロォ!このヤロォ、このヤロォーッ!!」
「ありがとう、お友達!」
「このヤロォーーーッ!」
もう何を言っとるんだコイツら。

とはいえ、さっきは簡単に潰されたバースデーの掌をソードで支え、
徐々にバースデーの圧倒的パワーを凌駕し始めるダン。

先ほどはこんな姿に…カエルかキミは

ますます強くなったダンがここで1人勝ちかと思いきや、そうはいかない。
まずはカルロスの計算どおり、ブラウニーのライトニングでバリア消失。
途端に投げ出されたダンをエルドラがしっかりと支える。
「はじめましてカルロスです!」
名乗っとる場合かー!とツッコんで大笑いしながら、
エルドラのカッコよさになんだかもう泣きそうだ。
「やっと合流できたな」「エネルギーは残っているか?」
1人で戦い続けたヴァンを気遣う仲間たち。
「おかえり、ヴァン」
そして殺人的愛らしさのプリシラ。
カルメンが言ったように、誰もが自分の成すべき事をする…
チームプレーでありながらスタンドプレー。
このトリッキーさこそがヴァンチームのチームワーク。

いや違う。私が感動したのはそれだけじゃない。
口先だけの「友達」を連発する化け物と孤独に戦っていたヴァン。
そのヴァンに、何よりも頼もしい仲間たちがいたのだ。
ヴァンは何も言わない。
冷たいとも思える眼でただチラリと彼らを見るだけだ。
でもそれだけで十分だ。

めっちゃ可愛いプリシラ

「決着をつけて来い!」
エルドラはダンをぶん投げる。
「ああ、すごい!新しいお友達がいっぱいです」
ヴァンはもう何も語らない。ヤツの世迷いごとに耳は貸さない。

「ヴァーーーン!」
かつて兄と会った時、ヴァンはウェンディになぜ教えなかったと怒り、
カギ爪と「デート」した時の事もどうして黙っていたと怒った。
けれどウェンディが歩んでいた道は正しかった。自分で確かめ、判断する。
泣きべそをかき、泥だらけになっても、ウェンディは考える事を諦めなかった。
今、ウェンディは力強く頷く。
この人は、間違ってる。だから、あなたはあなたの信じる道をいけばいい。

多分、ヴァンの心にあったのはこんなこと…

自分は決して1人じゃない。それだけでまた戦える。

ダンのとどめは兜割り。

「死ねぇーーーーーーーーーーーーっ!」

エレナの仇ーッ一刀両断!

それでもヴァンは世界の平和でも人々の為でも正義の為でもなく、最後まで
自分の感情のまま私怨を晴らす為だけに戦ったのがバカバカしくて格好いい。
世界を救うのは結果でいい。むしろそんな大義こそが、多くの人を傷つける。

棺に向かって一歩一歩歩み寄るヴァン。
その姿を見るヴァンの表情は見えない。
カギ爪はかつてヴァンを引き裂き、エレナの命をえぐったカギ爪を延ばす。

「ヴァンくん…私はあなたを愛しています」

一瞬の、風を切る音。
どんな時もヴァンの頭から離れなかった帽子が床に落ちる。
それを持ち上げると、向こう側にあるのは金色のカギ爪。
その帽子についた、果たされなかった結婚の指輪がチリーンと鳴る。

もしかしてヴァンは最後の最後、カギ爪の命までは奪わなかったのか…?

すまん、甘かった。
そんな甘さはここにはない。背を向けたヴァンが去っていくにつれ、
ズ…ズズ…と滑っていく棺。それはやがて鮮やか過ぎる切り口に沿って
ゆっくりと上下に分かたれ、落ちて行く。ヴァンの復讐は今果たされた。

帽子の向こうには切り落とされたカギ爪が…

同志が…崩御なされた…

地下の爆発から抜け出したカルメンはファサリナを連れている。
殺してください…もう生きていても何も…絶望のあまりカルメンの手を
振りほどき、床に崩れ落ちるファサリナ。助けてやったのにいけすかない。
武器を構えたカルメンに、バイアネットを向けるフラフラのミハエル。

「ファサリナさんから離れろ!」
「ミハエルくん!」

生きる目的がない?理由がないですって?
好きな男が助けに来てくれた。それを見てあんたは立ち上がって駆け出した。
「あなたが生きる理由なんてそれで十分でしょ!」
男が絡むとスーパーパワーを出す女って、いるわよねぇ、ホント。
去ろうとしたカルメンの背後の轟音は、2人のいた場所を、コンクリの
塊が潰した音。ったく、憎らしいほど素直で、どこまでもムカつく女!

やり逃げなんて許さないわよ、ミハエルくん!

なんであたしがアイツを愛しい男と心中させなきゃいけないの!
ううん、ちゃっかり脱出して幸せに生きてたりするのよ、あのタイプは。
どちらとも取れる二人の退場が憎い。死で締めくくるもよし、
脱出したミハエルとファサリナが、どこかで静かに生きていくもよし。

母犬を残し、脱出する人々。あの母犬は滅び去ったマザー。
そして逃げ出す子犬たちは未来へ向かうエンドレス・イリュージョン。
生物は進化するものだ。可能性は無限。だから生命を託して消えていく。

最後まで本当に格好よかったエルドラはジョシュアとユキコを救い出し、
ダンとブラウニーを背負って海に向かう。エルドラがいなかったらこの話、
絶対成り立ってないね。すげーよエルドラは。バトルからレスキューまで、
まさしく万能勇者だよ。壊れたタンダーでカルメンとウェンディも合流。
けれど落下するベースは高波を呼んでとても逃げられない…
「ダメですよ、やっぱり海は」
いやホント、どうすんの?と思ったその瞬間!

「海、サイッコー!」

カイジ、思うわけ。面白いものはやっぱ面白いって

ウソだろー!?

「レディース・エンド・ジェントルメン、アーンド おじいちゃん」

サンキュー海グレイト号と共にキャプテンカイジ参上!って、マジでか!?
ついでにキャサリンとマンソンもお出迎え。
「こっちだって勝手に変な考え植えつけられたらたまんないからね」
「カイジとしても、ナンセンス」

ホントにもうやられましたわ。大爆笑。降参です。

脱出後は乾杯!

世界を救った勇者ご一行にかんぱーい!

疲れきったヴァンと子供のウェンディは2階で眠り、兄を失った
ジョシュアは、1人になるためにヨロイの応急修理をしに外へ。
目覚めたヴァンは起き上がろうとして、タキシードの裾を、まるで
"行かないで"とでもいうように小さな手で掴むウェンディに気づく。
この時のウェンディのタンクの脇から見える微かなふくらみに
ドギマギしてしまいまして…こらヴァン、見るな!童貞には眼の毒だ!

そろそろホントにファーストブラが必要ですね♪

階下で賑やかにはしゃぐ仲間たち。さっきまでの死闘がウソのように、
時計の針は世界の終わりを告げるカウントダウンではなく、静かに時を刻む。

ダンは、他の衛星にセットしておきました…24話でガドヴェドのベースが
邪魔をしたから、ファサリナが他の衛星も全部排除しろと言ってたよね。
だからウーやカロメリのベースもなくなったはずと思ってたけど、そうか、
肝心の彼女の、つまりダリアのベースはまだ残ってたはずだったな。

「世話になったな」
「友達じゃないですか!」
「…おまえが言うとなんかムカつくな」
ウソばっかり。ジョシュアはカギ爪とは違うでしょ、ヴァン。
(おまえ、友達いないだろう?)(はい!でもヴァンさんがいます!)
「友達」も、この物語の一つのキーワードだったんだなと。
エルドラの掛け声が「アミーゴ(友達)」なのも今さらながら深い。

ムーニエルに行きます。
ヴィヴィアンさんとザナックさんのところにいって
いつか、ヴォルケインと兄さんを引き上げます。
これからどうすると問いかけるヴァンに答えるジョシュア。
そういえばあそこのサルベージ組合ではジョシュアが大活躍して、
すごく可愛がられてたっけ。まさかこれも伏線…だよなぁ…多分。
人と人の繋がり、小さな宇宙をとても大切にする谷口作品らしいよ。

「何百年かかるかわかんねぇだろ」
「どれだけかかってもやります!」
男の顔で言うジョシュアに、ふっと優しく眼で微笑うヴァン。
「ま、頑張れよ」
「はいっ!ヴァンさんも、お元気で!」

2人の男の別れ。すごく好きなシーン

1人で旅立ったヴァンを、黙って見送ったジョシュア。
「ガール、目的を終えた男は、新たな海に誘われるものなんだ。OK?」
怒るプリシラを諭すカイジ。やはり行ったかと予見していたエルドラ。
どうしたらいいかわからないのさ。だから新しい何かの為に歩き出したんだ。

それでいいのよ、と何人もの旅立つ男たちを見てきたユキコは言う。
「全然OKじゃない!」プリシラは答えてくれなかった事に傷つきつつも、
それでもまた会う日を夢見て、今はここでお別れだねと笑って見送るええコや〜
そしてカルメンは最後まで世話を焼き、ウェンディをお届けに。

男と女の描写にメリハリがあって実に面白い。それにしても
カイジの部下たちもちゃっかり宴会に混ざってるのが可笑しい。

「ああ、ありがとな、カルメン」
いつものようにアッサリと立ち去ろうとするカルメンに、当たり前のように
挨拶をするヴァン。ビックリしたカルメンは、思わず笑い出してしまう。
エレナ、ウェンディ、プリシラ…結構長い付き合いなのに、一度も名前を
呼ばれたことがない。それが、彼女が死んでも素直になれない理由。
「ヴァン、あたし、あんたの事、好きだったみたい」
カルメン99、99センチのバストと99の秘密を持つ彼女。
けれど今は彼女の秘密は98。頬を染めるカルメン、乙女だったなぁ。

素直になれるじゃないか!すごく可愛いじゃないか!

「おまえ、背、伸びたか?」「そうかも」
胸も大きくなったでしょ!あんた見たでしょ!
初めて会った頃はガキだったのになぁ…
これからどうするのと訪ねるウェンディに、ゆっくり考えるさと答えるヴァン。
「じゃぁな」

それがヴァンを見た最後。
ロックストーンで黒づくめの男の死体が見つかり、身元を捜しに来た刑事らしき
男にウェンディが語っていたのは、かつて世界を救ったヒーローの話だった。
ウェンディは大きくなったけど…って、髪型はそのままですかい!

カメオは1話と26話でウェンディの絶体絶命を救い、賭けレースで金を稼ぎ、
水着勝負を勝利に導く大活躍だったなぁ。そしてデッカくなったなぁ、カメオ…

って、でかっ!デカ過ぎるよ、カメオ!!

こんな巨大ガメになるとは!!番犬ならぬ番亀?

刑事(でいいよね)曰く、関係者の誰もがその死体はヴァンという人じゃないと
言うんです…というのも嬉しくなる。彼は一体誰に会いに行ったんだろう。
あの頃よりもっともっと綺麗になったプリシラからはヴァンがいかに素敵な
チェリーボーイだったか。多分今は一緒にいるジョシュアとユキコからは
ヴァンがいかに格好よくてすごい人か。エルドラメンツからはヴァンの事は
そっちのけで正義講座。ようやく捕まえた噂の情報屋カルメン99からは、
逆に情報をせしめられたか…もう想像するだけで楽しくなってしまう。

どんなに離れても、どれだけ会えなくても、いつまでも仲間

なにやら辛いだけのあやしげな料理を試食してもらって、
ヴァンのような雄叫びを上げる本編にも登場のナレーター銀河万丈に笑う。
ああ、世界は平和なんだな…ウェンディはいつかヴァンが言ったように、
故郷で静かに暮らして、穏やかに、そして健やかに大人になったんだな…

「はい、不死身のヴァンですから」
またいつか彼女がヴァンに会える日が来るといい…そう、きっといつか…








「すいません…何か食べるものと、ミルクを」

そして、タキシードは今日も舞う。

つかまえた…


The final puls これがホントの「ファイナルプラス」
2005/12/26

とにかく半年間、突き抜けた作品だった。

カッコいいタイトル

元々は4月から開始だったのが、ガオガイガーのDVD販促放映の為に
3ヶ月伸び、放映開始は7月からになった。

正直、ほんと〜〜〜〜〜〜〜に助かった。

1クールのレビューは力を入れたくてもほとんど入れられない状態で、
毎回書きたい事は山ほどあるし、キャラも物語も本当に面白いのに
レビューをしっかり書けないジレンマがあって苦しかった。

何しろ当時は運命のレビューという大きな壁があったのである。
月曜日は特にひどい状態で、録画を見るのが水曜日、ひどい時は
木曜日なんて事もあった。一番見たい番組が見られないストレスは
筆舌に尽くしがたい。泣く泣く短めにレビューを削った事もある。
カイジの回など特にひどい。時間がないレビューの最たるものである。

だからたった3ヶ月でも時期がずれてくれたのは本当に本当に嬉しかった。
この最終回付近の痛快なバカバトルを、あんな種のアホらしいラストに
時間を食われて楽しめなかったなんて事になったら、レビュー屋としては
もうもう、哀しいやら悔しいやら…悔やんでも悔やみきれなかったろう。
本当にありがとうガオガイガー!さすが勇者だ!という気分である。

谷口監督の次回作は待ってましただったが、正直キムタカと聞いて
かなりゲンナリしていた。絵柄というより、下品なまでに描きこんだ
女性の体つきの誇張に嫌悪感があった。もうエロいとか言う可愛い
レベルですらなく、その誇張が気持ち悪すぎるとさえ思っていたのだ。

ガドヴェド亡き後、ついにオリジナルセブンが全員揃うシーンが!

だからキャラが発表されてからも、カルメンが途中で変にお色気街道に
走らないかなとか、ウェンディをロリロリキャラに描かないかなとか
そっちばかり心配していた。ドキドキもので、公式の更新をこまめに
チェックしていたものである。ジョシュア、レイと追加されていっても
それほどエロ風味がないので、大丈夫かな?大丈夫かも…とちょっと
安心できるようになったのは6月に入った頃だったろうか。

初回の放映日は楽しみで楽しみで仕方なかった。
何しろ谷口は家に着くまでが遠足OPから最終タイトルまでが物語という
考え方のエンタテイナーだから、OPを必ずちょこちょこと変えてくる。
太鼓が始まった時はたまげたが、その野郎臭いカッコよさに、
どんな話なんだろうとますます期待が高まったものである。

しかしまさかロボものとは思わず、本当に第1回目にダンが現れた時は
唖然とした。あんなにビックリした事はなかった。本当に驚いた。
公式ページをくまなく何ヶ月もチェックしてたのにそんな事は匂わせても
いなかったと思うのだが…私が単に読み落としていただけだったのか?

モアイ顔のバースデーとちっこい勇者ダン

この公式ページは非常に読んでいて楽しく、会員登録をして正解である。
ブログの舞ちゃんのガン×ソードへの愛もほんわか温かくてよいし、
ネットラジオもそれぞれ楽しい。スタッフの仲のよさが伝わってくる。

痛快復讐娯楽活劇=ヨロイバトルだったわけだが、とにかく面白かった。
バトルあり、バカ話あり、不思議な啓蒙話あり、謎に近づいたり遠ざかったり、
ヴァンとウェンディがすれ違ったり、思わぬヴァンの脆さが露呈したり、
そしてカギ爪のあまりのクレージーさに真夜中に大笑いしたり…

とにかく私はこういう恋も友情も戦いも陰謀も、悲しみも喜びも怒りも
感動も、なんでもかんでもぶっこんだちゃんぽん作品が大好きなのだ。
わくわくしながら始まるのを待って、見ながらドキドキハラハラして、
そして思わずホロリとくるようなそんなぶっかけどんぶりが大好きなのだ。
ガン×ソードはまさにそれだった。

毎回オリジナルカットの提供バック。今回も可愛い〜!

好きな回は上げきれない。レイの出た回はことごとくクォリティが高いし、
ジョーの回のあの不思議な雰囲気は今でも忘れられない。
カルメンの故郷の話は切なかったし、カイジには大笑いした。

カギ爪との出会いの時のジャンクションぶりは、さすが倉田氏と唸らせる
見事な構成力で息もつかせぬほど見せてくれた。ヴァンとガドヴェドのバトル
レイとカギ爪、カルメンとファサリナ、パッセンジャーとしてのウーたち、
そしてミハエルとウエンディ。どれをとっても遜色なく素晴らしいものだった。

プリシラがようやく出てきた時のエロ可愛さは心躍ったし、マザコン・ウーとの
バトルでのヴァンは、とてもじゃないが、出てくる女性にとにかくモテモテの
ヴァンとは思えないほどの弱さ、薄っぺらさ、脆さがあってとてもよかった。
そしてそんな野良犬に優しくしてくれたのが、ヴァンの大切なエレナだったと
いう事がわかった時は、この物語が復讐劇である事を肝に銘じさせられた。

エルドラの合流がここまで素晴らしい事になるとは!
私は勇者シリーズにはさっぱり興味がないので、皆さんが大騒ぎするほど
実は思い入れを持って見ていなかった上に、こんなことを言うとブーイングを
受けそうだが、彼らが合流した時「いいよ〜、来なくて…雰囲気壊れる」とか
思ったりもしてたのだ!バカバカ、私のドバカ!全くキャラを見る眼がない!

これぞ勇者!エルドラ魂炸裂!

彼らなくしてレイとヴァンの復讐は果たされなかったのだ!
これだけはいえる。絶対無理だったと思う。
彼らがトンチキな事を言いながらも背中を守ってくれて、酒ばかり飲んで
時には敵を助けちゃったりしても、それでもエルドラメンツがいなかったら
彼らは途中で行き倒れていた。ヴァンをサポートし、何の屈託もなくレイを
仲間と呼び、プリシラを戦士として認め、ただひたすら正義を貫いた4人組。
とにかくもう、愛しくてたまらないおじいちゃんたちである。

ユキコがついてきたのも最初は「なんで?」といぶかしんだが、レイとの
フラグかと見せかけて実はジョシュア、なんてひねりが加わってて笑った。
私はガン×ソードには嫌いなキャラは全くいないので、カップリングも
誰とどうなっても全然かまわない。ヴァンには世界中に妻がいる、でもよい。

ミズーギィのバカ騒ぎはもうバカバカしくて大好きだ。
渡辺久美子のオトボケぶりが最高だった。
EDが乙女たちのSOSで襲ってきた時はもうホントに笑うしかなかった。

ミハエル兄さんの話が差し挟まれたりしたのも憎いくらい厭きさせなかった。
迷うミハエルの弱さも垣間見えたクーデター話はなかなか面白かった。
カロッサとメリッサの最期は驚くほどあっけなかったが、バトルはよかった。

この間、謎を解いたりダンを宇宙に上げたり、少しずつカギ爪に迫っていく
ドラマの見せ方も楽しかった。戦いの中でもキャラたちの会話はとぼけまくり、
本当にそれぞれの性格や役割がハッキリしていて見ていて気持ちがよかった。

愛すべきおじいちゃんたち

そして何よりレイである。
レイの取った行動は今思い出しても鼻の奥がツーンとしてくる。
仏頂面で、仲間などいらないと言いながら、いつの間にか同じ目的を持つ
ヴァンに巻き込まれ、ついにはなぜか「仲間」になってしまったり。

それでも自分の成すべき事を達成した満足げな表情は忘れられない。
彼が行った事は、残念ながらそれだけでは目的を完遂できなかったのだが、
彼を心から尊敬し、愛している弟が後を引き継いで見事達成したことも、
呆れるほど素晴らしかった。今はきっと安らかにシノと共にいるだろう。

ジョシュアの成長は実に著しい。
キンキンうるさい騒がしい!と思ってたのに、最期の方は落ち着いてきて、
自分の目標とすべき夢も、兄の背中ではなく、自分自身のしたい事にできた。
ヴァンとも、口先だけじゃない、本当の本当に友達になれたしね。

男の子から大人の男へとちゃんと成長していったジョシュア

ウェンディも素晴らしく成長した。
彼女はかなりの常識人で、ヴァンのような男との旅に旅行カバンを持って
貯金を下ろしてホテルを取って…と普通を貫き通したが、その感覚のまま
兄のする事が正しいのか間違っているのかを自分で見極め、考え、答えを
見つけてみせた。時にはきちんと相手の話も聞く。それすらも恐れず、
「真実」を追い求める難しさを、それとは知らずやり遂げた。

カルメンとかプリシラとかファサリナとかミハエルとか…語り始めたら
止まらないくらいどのキャラも魅力的だったのだけど、とにかく誰も彼も
嫌いじゃなかったな。それぞれに個性的で、愛すべき部分があって、弱い。
そして強い。踏みにじられても再び立ち上がる力強さが誰にもある。

さてヴァンである。

我らがバカ代表主人公「夜明けのヴァン」

最後のカギ爪はもうほとんど死んでいたといっていいだろう。
死にませんと言っても彼の命は既にほとんど残っていなかった。
バースデーをやられた衝撃で死んでしまってもおかしくないほど。

けれどカギ爪は、ヴァンが来たとき、まだ生きていたのだ。
ヴァンに殺される為だけに。ただ復讐を遂げさせる為だけに。
そして最後まで、殺した側に良心の呵責がないほどに薄気味悪く。

ついにカギ爪を殺す!

復讐は果たされた。
それは爽快感ではない。ただ「終わった」という安堵だ。
憎しみと怒りに苛まれ続けたヴァンの心がこれで休まるのなら、
この復讐は為されねばならなかったのだろう。

シノ同様、ついに振り向かなかったエレナ

愛を抱いて復讐に燃えていたのに、そうした恋愛的ベタベタがなかったのも
よかった。エレナがシノ同様、最後まで姿が出なかったのもそれもまたいい。
笑われがちな(ごめん、私だけか!?)童貞を「純潔」と言った童貞の星でもある。
味覚オンチはどーしようもなく、ウェンディは調味料をかけなくても料理に
極端な味をつける方法を開発した様子。レイとの漫才コンビも最高だった。

目的を失ったことでヴァンが安寧に戸惑い、それに慣れる為にはもう少し
リハビリが必要だったようだ。1人歩き出したヴァン、背を向けるウェンディ。
ウェンディのやせ我慢と、立ち止まってしまったヴァンの心境が伝わり、
なかなか切ない名シーンだなと思えた。けれど、2人は振り返らない。
ウェンディが振り返った時、ダンは宇宙に向けて飛んで行った。

振り返ったウェンディの眼の前で宇宙に戻るダン

ヴァンとミハエルのバトルは本当に大爆笑だった。
どう考えてもパロってるとしか思えないセリフやシチュエーションや
バトルシーン…なのに本家本元よりずっと人間味があって爆笑しまくり。
実に楽しかった。それに格好よかった。宇宙デブリについてあれだけの作品を
作ってしまった自分をもパロるようでいながら、無音戦闘、摩擦のない宇宙の
瞬間的な速さ、地球光の美しさなど谷口カラーが満載で素晴らしかった。
これだけの仕事をするこの人のアンチが根強く根深い理由が全く理解不能だ。

ちなみに私はミハエル兄さんは右腕を失って生存してるんじゃないかと思う。
彼が目指す道とはもちろん、カギ爪プランパート2であるうそ〜ん!

カギ爪はねぇ。
もうねぇ、堀内さんです。堀内さんにすべてがかかってた。
カギ爪と言えば堀内さん。堀内さんと言えばカギ爪。
やってる間、きっとめちゃめちゃ楽しかったんだろうなぁ、堀内さん。

んぎゃ〜〜〜〜〜!怖い〜〜〜〜〜!

無常矜持が白鳥さんの怪演を引き出したように、堀内さんがスゴかった。
そういえば今回は白鳥さんもずーっと出ずっぱりだったな。
名もなき「研究員」のわりに最後はバースデーのオペレートで
結構目立って、しかもベースと運命を共にしてしまった。

カギ爪の目的は、自分を流体に溶かして全員に分け与え、そして再び時間を
再生する…そして月を動かす為の使い捨てスウィッチがサウダーデ。
この流れが読めてくるまでカギ爪の謎さったらなかった。
登場が意外と早かったのも驚いた。えっ!?こんなに早く?という
感じだったが、全体的に思い返すと、あのあたりで出ていないと
確かに後の話に裏付けられるものがなくてイマイチ締まらない。

ただでさえ言ってる事がおかしいのにさらにそれに狂気を加えるのが
堀内クォリティ。素晴らしい。いやホント、この「素晴らしい」も
堀内氏が言うとわざとらし過ぎて全然素晴らしく思えないのが素晴らしい。
とにかく大変な熱演だった事に間違いはなく、ここまでカギ爪が口先だけの
変てこりんなボスキャラになったのは、彼のおかげである。おもろすぎる。

シリーズ構成と監督のコンセンサスが為されていればこれだけ見事に
話は一本道で行くんだなぁと思えるストーリー運びだった。

私、すっかり大人になりました

終わってみればスクライド同様、誰一人ヴァンがした事なんか知らないし、
それが本当に正しかったのかどうかも評価が分かれそうな結果なんだけど、
そんなのヴァンは知った事じゃない。目的はもっと高尚に持つべきで、
そういう無頼な投げがイヤな人にはこれは肌に合わないのかもしれない。
ユキコなんか本当に最初は「街を出た事がなかったから」なんて理由で
ついてきただけだしね(ユキコが本気になったのは多分ジョシュアを守ろうとした時だ)

でもこんなゆるい中でとんでもない世界のリストラが行われようとしていて、
その提唱者は自分の目的に協力しない者は邪魔者として殺してしまう。
何に使ってるのか皆目検討のつかない税金のために、ビールではなく
発泡酒で我慢してる、ささやかなサラリーマンの楽しみを取り上げる。
公共の福祉を謳いながら個人のささやかな幸福を侵す事で、多くの幸せが
達成できるのか…そんな小難しい事はヌキに「お前は俺がぶっ殺す!」だ。

その人はある日再び突然に…「はぁ!?」

「見ていて文句なく楽しい」という作品は年にいくつもあるわけじゃない。
今回、そういう作品に出会えたのは本当に幸せだ。
半年間本当にありがとう。
谷口監督以下、この半年間を全力で駆け抜けたスタッフ及び
キャストの皆さん、本当にお疲れさまでした。楽しかったです。

作画が崩れる事もなく、バトルシーンは格好良く、セリフには笑わせられ
時には泣かされ、終わった後に残ったのは「よかった」という気持ちよさ。
相変わらずセンスのいいアーティスト選びに加え、監督にしては珍しく
ここぞのシーンにOPを使うという王道は、あの力強い曲があってこそ。
オリジナルのEDの優しさ、ストーリーに合わせて変わるEDも秀逸だったし
谷口作品の音楽性は高い。しかし何から何までよくやるよこの監督は。

それだけ作品に魂を傾けていれば見てるこちらも敬意を払うし襟も正す。
大人がアニメを楽しむ時代にごまかしは利かない。
「オリジナリティ」への挑戦、培われる本物の「友情」、他者を虐げ、
傷つけて叶える「夢」に屈しなかった者たち、「理性と感情」のどちらに
傾きすぎても歪んでしまう事…多分そんなものを内包しているんだけど、
ちっとも説教臭くなく、そんなの見てる人が感じてくれりゃいいよ、と
笑われそうだ。くそ、あまりに面白かったから悔しくて考えたくもなるよ!

会っちゃった…

はらわたが煮えくり返るような思いでエンドマークを見せられる辛さを前日に
叫んだ後に、こんなに気持ちよく終わりを迎える作品に出会えて幸せでした。
「なんでサンライズじゃないの?」とよく言われるんだよね、と谷口監督が
笑って言ってたけど、そりゃあんた、こりゃサンライズじゃできないでしょ。

だが、それがいい。本当にお見事でした。
胸糞悪い「パクリ」ではなく、ユーモア溢れる「パロディ」が満載。
これはたまたまなんだろうけど、ドラマCDの「ガン×ソード+(プラス)」の
タイトルも時期的に爆笑でした。そのうち−(マイナス)も出そうだなぁ。

OPで背中合わせに整列するオリジナルに対比するバラバラチーム

馴染みの仲間と別れるのは寂しいけれど(ホントに寂しいよ)、
ナレーションで銀河万丈氏が言ったように、旅には必ず終わりが来る。
始まりがあれば終わりがある。終わりがあるからまた始まりがある。
一つを成し遂げたら次の海を探すが如く、谷口キャプテンもまた旅に出る。

さらばガン×ソード。さらば愛すべきバカたちよ!
アディオス アミーゴ!ムチャス グラシアス!

完結!

                             (2005/12/28)

**追伸** 今さらなのだが「ガン×ソードを見る時は部屋を明るくしてテレビからはなれて見ていただけますか」にはホントに笑った
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