英國戀物語エマ 第二幕 1-13 レビュー

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英國戀物語エマ 第二幕

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幕間 
2007/4/20

いや〜、OPめちゃめちゃ懐かしいわ。
丁寧な作画で英国の華たる厳格なヴィクトリア時代が蘇ったエマが帰ってきた。
正直、自分がストーリーもキャラもしっかり全部覚えてるのが意外だった。
エマをやってた頃は種デスのレビューに追われ(しかもどんどん面白くなくなっていった時期)で
しかも他にもレビューするアニメが20本を下らないという、今思ってもそりゃ
人間的な生活ができるわけねーよと思うほどアップアップだったからなぁ…

「好きなの?」「…」「…そう」
このケリーさんの「そう」の絶妙な優しさには思わず泣きそうになったよ。
冷たくもなく、さりとてお節介でもなく、ただ受け入れる「そう」だよね。
そして彼女の死を悼むエマの泣き声には、売り飛ばされて果てたかもしれない
彼女の運命を救ってくれた人への感謝と親愛がこもる。声のマジックだなぁ。

アーサーの「ヴィクトリアン豆知識」に犬や猫と一緒に頷くコリンが可愛い。
役者は揃った…狂言回しにうってつけのハキムが、再びこの戀物語の幕が
上がる事を告げ、エマにもウィリアムにも2年ぶりの新しい朝がやってくる。

しかしMXはこの「幕間」を放映しないつもりと聞いて、慌てて以前、保険にと
テレ玉の方で録画したビデオを探したら入ってたので一安心。びっくりした…


第一章 新しい家
2007/4/20

「これはナネットの分だ」
ジョーンズ家のメイドの姿を見た時も思ったけど、ケリーさんの家での
おとなしく堅実なメイドスタイルも実に丁寧に細密に描かれてていいが、
やっぱり貴族のお屋敷で何人ものメイドが忙しく働く姿もいいものだ。

最終回に偶然駅で出会ったドロテア、席が一緒になったターシャとの縁で
メルダース家のハウスメイドになったエマは、紹介状のない仮採用ながら
アデーレから旦那様の部屋を任されるほどその仕事振りは評価されている。
今は鼻白む洗濯女も、奥さまの肝いりで入ってきた上に仕事ができるエマの
陰口を叩くメイド仲間も、そのうち打ち解けていい人ばかりになるんだろう。

エマの傷は深く、それを仕事に打ち込むことで忘れようとするのは必然。
だからこそナネットを責めることも否定する事もできず、彼女が犯した罪に
気づきながら告発する事ができない。けれどそんな事情とは無関係に彼女を
助けてくれるナイトが現れる。ハンスは青い扇を取り戻し、身体検査まで
されても口を割らなかったエマは晴れて無罪放免(まぁ無罪、ともいかないんだが)

一期でも全く心配の要らなかった作画は今回も健在。シーツのしわを伸ばす
石の入ったトロッコや、洗濯女たちの湿ったところでイラつきながら働く
ささくれた雰囲気に加え、屋敷が広い分エマたちの動きもダイナミックで
かなり見ごたえがある。今回はEDだったけど、多分OPになるんじゃないかと
思えるメイドの働く姿も、全員が忙しく動いてるんだから結構大変な作画だ。

「だから、Mrs.ヴィークにも傍にいてもらうの」
この奥様はなかなかユニークな女性だね。豪胆かつ進歩的でいい感じ。
エマの進言でナネットの首は繋がり、エマは晴れて正式採用されることに。
エマははっきり言うというより、言うべき時に言う勇気を持ってるんだろうな。

恋を諦めず一歩を踏み出すエレノアや、前を向こうとするエマのようにすら
なれないウィリアムのへたれぶり。今期はちゃんといいとこ見せなさい!


第二章 月光
2007/4/27

「ダメですね…やっぱりダメです…」

相変わらず英国人の泥棒気質を露呈しまくるクリスタルパレスでは
エマとの思い出ばかりがフラッシュバックして気もそぞろのウィリアム、
そして元気に前向きに過ごそうとしているようでも、お祭り騒ぎが終わって
静けさが戻ると、途端に寂しさと哀しみがこみ上げてくるエマにホロリ…

スフィンクスよりハウルに出てくる魔女みたいなおばはんに見入るコリンや
我がままばかり言ってるくせに子供といわれるとキリキリするヴィヴィなど
弟妹の魅力が遺憾なく発揮され、せっかく勇気を出したのに挫けそうになる
エレノアや、エマを忘れられないのに追いかける事も吹っ切る事もできない
ウィリアムサイドもいいのだけれど、やっぱり断然エマサイドがいいね。

しかしメイドは必要以上に子供に触れてはいけないという暗黙のルールが
あるなんて知らなかった。確かにハイジにしろ秘密の花園にしろ洋ものの
メイドって日本のねえややばあやとは違って子供をベタベタ可愛がらないなぁと
不思議だったんだけど子供に触れ、愛情を注ぐのは母親の特権というのを
聞いてちょっと納得。

妹が楽しんでる事を兄が羨ましがった時は絶対怒られると思ったのに、
「エーリヒ、一緒に手伝っておやり」
とメルダース氏が言った時は感動してしまった。気持ちのいい紳士だなぁ。
メルダース氏はあとで息子にたとえ使用人でもお礼は言わないといけないと
諭す場面があるんだけど、イルゼも使用人がケーキを作ってくれた時にちゃんと
「ありがとう」と言ってる事から、この躾がその場限りのものではないことが
わかる。法事や結婚式でギャースカ騒ぐ子供を「静かにしなさいっ!」なーんて
金切り声で慌てて怒鳴ってももうダメ。いつもの躾がバレバレですよお母さん。

「つまらん意地を張るな」「大丈夫です」
リスを追いかけて木に登るとはしとやかだと思ったエマも結構なお転婆。
ハンスとのぎこちない距離感が、彼女の不意の涙で緩むシーンはドキリと
してしまった。ドイツではクラスの差はイギリスほどはないのだろうか…
ポロリと出た本音は、この頃のイギリスの身分制度の厳しさを身をもって
知っているわけでもないのにこちらの胸を締め付ける。

同じ月を見ながら、お互いを想って涙をこぼすウィリアムとエマ。
う〜ん、これまた不思議な「続編マジック」にかかったように、
一期以上に2人の想いが心に沁みる。

何よりエマの魅力が格段に増してると思う。
以前はケリーという庇護者がいたので、エマは安全で暖かい殻の中で
ぬくぬくとしていれば必要以上に傷つきもせず満足もできたのだけれど、
(その分無理も無茶もせず、従って物事はむしろ必然的に停滞してしまった)
今はそこから飛び出さざるを得なくなって成長を余儀なくされたせいかも。
やっぱり人間も動物のように子離れ親離れできて一人前なのかもしれないね。


第三章 涼雨
2007/5/4

あなたといると、心が緩む…けれどそれは寂しさを紛らわす拠り所として…

ドロテアがエマを連れて会いに行ったのはMrs.トロロープ…
彼女は実はウィリアムの母だった…って、え?あれ?ちょっと待て?

オーレリアって死んだんじゃなかったの?

だってさー、ジョーンズ家の階段にあんなでかい肖像画を飾ってるし、
あの絵自体が若いし、皆母親のことなんか口に出さないじゃん…
そうか、結核か何かで療養してるんだなと思ったら「元気だけが取り得」と
言ってるからこれも違うし…ロンドンが性に合わないというのはともかく、
だってコリンっていくつだよ。あんな小さい子を残して出てきたわけ?
ってか大体「トロロープ」って何だ。離縁後に別の人と再婚してるのか?

でもドロテアがあの方好きなのよと言うだけあって、確かにちょっと不思議な
雰囲気のあるご婦人だった。クリスタルパレスだけは好きだったという彼女の
話を聞いて、水晶宮で過ごしたあの夜の事を思い出したエマは、ウィリアムが
話してくれた母の思い出とMrs.トロロープの迷子の話を結び付けられたのか…

仕事にも身が入らず、父にも弟にも感情を隠せないウィリアムは何の打開も
できずに傷を膿ませているだけで相変わらずなんだけど、今回は一転して
このウィリアムサイドがよかったなぁ。とにかくエレノアがせつない。
「エマ」がウィリアムとエマの物語なのは明白なので、今までそれほど彼女に
思い入れて見ていたわけではないのだけど、今回のエレノアの一途さや勇気や
情熱、それでも一歩退く奥ゆかしさや恥じらいが彼女の魅力をあますところなく
描き出していて驚いた。なんだか哀しくなるくらい素晴らしかった。

もうしばらくここにいたいというエレノアの言葉の裏に隠された意味を、
以前の鈍感なウィリアムなら多分気づかず、本気で彼女がそう思ってるんだと
勘違いしたはずなんだけど、失恋の痛みを癒せずにセンシティヴになってる
彼にはその意味がもうわかってるんだよね。だからその場を無理に離れる。
そして貴婦人であるエレノアが雨の中追いかけてきている事に気づいても
敢えて無視する。紳士として最もあるまじき行為とわかっていながら無視。
このシーンは美しくもシビアな恋愛を描かせたら仏映画以上ではと思う
英国映画でも見ているような気分だったしかも意外とハッピーエンドに終わるんだよね

エレノアの心に打たれて、自分も一歩踏み出そうと決意するウィリアム。
気丈に振舞いながら、心を通わせたあの日の事を思い出すエマ。
新しい出会いが運ぶ苦しみって、一体どんな苦しみなんだよぅ先が気になる


第四章 求婚
2007/5/11

「僕と結婚していただけませんか…ミス・キャンベル」

腕を組んで散歩をしたり、静かにお茶を飲んだり乗馬をしたり…
明るい太陽の下、お金も余裕もあるふたりのゆったりとしたデート。
エマたちがロンドンへ行きたいの行きたくないのと大騒ぎしている間に
ウィリアムはエレノアとの距離を少しずつ縮め、やがて彼女と共に
生きて行こうと決心するに至る。なんつーか、エレノアの恋心が誠実で
せつないだけに、普通の恋物語ならこれでハッピーになるのにと複雑だよ。

夏のある日には男は抜きで、とてもじゃないけど水着とは思えない可愛い
ワンピース+ドロワーズ姿で海水浴?昔は海水浴も男女別だったらしいね。
ヴィヴィはお転婆に泳ぎ回り、グレースはゆっくりとウォーキング?
エレノアが髪を娘らしく垂らしてるのも可愛らしいですなぁ。

生意気なヴィヴィもエレノアにはすっかりなついてるようで、このまま彼女が
家族になってもきっと仲良く、波風立たずにやっていくであろう事を示唆する。
そんなところに現れたエレノアをベタ可愛がる姉のモニカが、どっちつかずで
未だ心を決めかねるウィリアムの存在を知って心穏やかでいるはずもない。
嬉しそうに恋をしている事を語るエレノアを見つめながら、モニカ姉さまは
妹をたぶらかす憎き男に報いてやろうと虎視眈々…当然波乱は必至だろう。

アニーが言うように、恋するエレノアは確かに柔らかい雰囲気になり、
一方で恋を忘れようとするエマはますます肩肘張るもんだから身持ちの固い
未亡人のようになっちゃって、ポリーに「苦手よ」なんて言われる始末…

メルダース夫妻のお供をする事を打診されたエマは、行き先が想い出の多い
ロンドンである事から拒否。ハンスが自分と一緒だからイヤなのか、なんて
やけに背負ってる事を言うものの、もちろんもっと深刻な悩みがあるエマは
「関係ありません」と一蹴。関係ない…無骨で冷静沈着、甘い言葉を並べた
広告にだまされかけたポリーにウソを見破ってみせたハンスの表情が可笑しい。

結局壷を壊したポリーの自白とエマの志願でロンドン行きはエマに決定。
一方、土砂降りの中、馬を駆ってウィリアムの元に乗り込んだモニカは
ウィリアムの妹への不実さを断罪することに。しかも飛び込んだ部屋は
ハキムの部屋、そのハキムにまでキンキンと命令を下す勇ましさ

「エレノアさんのことを、心から愛おしいと思っています」
諦めきれない恋心の埋め合わせとしてではなく、新しい愛として…
誰よりもウィリアムの心とエマの心を知るハキムの前でのプロポーズは、
再びロンドンの街に集ったキャラたちの運命をどう変えていくんだろう。


第五章 抱擁
2007/5/18

「ごめんなさい…」「…いいよ」

ロンドンのハロッズでMrs.トロロープに再会したドロテアとエマ。
ロンドン嫌いの彼女がこんなところにいる理由は、上の息子が婚約したので
そのパーティに出席するためだった。けれどばあやの心配は、彼女に侍女が
いないことなのだとか。へ〜、侍女はあのばあやじゃダメなのか…なんで?

エマを侍女として連れて行くことになる過程はお約束展開だったのでともかく、
ドレスを着せ替えて遊んでるうちに「お友達」のレディとして連れて行こうと
いうのはイカサマ無理やりすぎたような気がしなくもないんだよなぁ…
劇的な再会のためにはなんたって婚約者に引けを取らない美しさでなければ
ならなかったのはわかるんだけど、侍女として側付きをしてるエマと何度も
ニアミスをしながら会えず、最後についに再会というパターンも見たかった。

白い花嫁衣裳を選ぶエレノアが初々しくて美しい。
あなたがいいと思うならいいって言い方は絶対しちゃダメだよなー、殿方は。
ドレスより「ドレスを着た自分」を褒めて欲しいという気持ちを理解しよう。

ハンスたちとロンドン見物ではなく、1人ケリーの墓参りに行ったエマ。
アルは彼女の墓に手向けられた花を見て誰が来たのかといぶかしむ。
母をパーティーに呼んだのはグレースだった。エレノアのために歓迎の品を
考えながら仲良く和気藹々とするジョーンズ家とは裏腹に、成り上がりものと
ご馳走も出ない貧乏貴族との結婚と陰口を利かれ、しかも相手はメイドとの
恋仲を噂される男…不愉快さを隠せない子爵はリチャードと握手した手袋を
投げ捨てる。この婚約が壊れるとしたらこの子爵の癇癪に頼るしかないな。
または妹を祝福できない姉と、納得できない恋を応援できない友の共謀とか…

はっきりしない視界に入ってきたのは、懐かしいはにかんだような
笑顔ではなく驚きを隠せず、けれど少し困ったような苦しそうな顔。
しかも彼が婚約した相手は、贋物の貴婦人の自分とは違って美しく、
由緒正しい貴族の娘。エマは予期せぬ事実に驚き、昏倒してしまう。

友人たちが酔いつぶれた後、駆け出すウィリアム。
拒絶したものの、会ってしまえば涙が止まらないエマ。
2人は互いを想いあった月光の下で再会し、抱き合い、ただ静かに泣く。
どれくらい抱き合っていたのか、顔を上げて交わしたキスがせつない。

思ったより早かった事実の露呈と再会には少し驚いたけど、一体この恋愛の
ゴールはどこになるのかますます混沌としてわからなくなってきたよ…
Mrs.トロロープやエレノアがたおやか過ぎるのか、この時代の貴族の女性は
こんなものだったのか、エマは結構しっかりした骨格と肉付きなのが際立った。
まぁ冒頭のドロテアの肉感的な全裸もセクスィ・ダイナマイツだったけどね。


第六章 成功と喪失
2007/5/25

パブリックスクールも出ていない成り上がり者…
貴婦人にはダンスを断られ、あることないこと囁かれ、好奇の眼に晒されても
助けてくれる人はいない…それでも意思を強くもち、真っ直ぐ顔を上げていた
リチャードの前に現れたのは、噂も偏見も気にしない、おっとりとした美しい
貴婦人、オーレリアだった。

厳しいばかりの父と思われたリチャードにも多くの苦労を重ねた若い頃があり、
オーレリアへの気遣いなどを見るに本当はとても心の優しい人なのだと改めて
再認識。エマを追って母の元に現れたウィリアムにオーレリアが語った自らの
苦い過去は、リチャードがウィリアムの事、家の事だけを考えて反対している
わけじゃないと匂わせる。相手は海千山千の社交界。人の心を惑わし、壊す…

確かに、一期のラストでリチャードはウィリアムに苦労するのは彼女自身と
言ってた。そしてオーレリアの肖像画を見上げてたんじゃなかったっけ…
うわぁ、今そんな事を思い出すとなんとも胸が熱くなるなぁ。
それほど時間が経っていない劇中より、見ている我々の時間の方が
まる二年経ってることがむしろいい方向に働いてる気がするよ。

リチャードの言動には当然ひとつひとつに意味があったこと、決して無下に
反対していたわけではない事が穏やかなオーレリアの言葉で明かされていく。

リチャードはウィリアムというよりは意志の強そうなアーサーにそっくり。
いや〜ホント、イギリスの厳格な階級社会において「成り上がり者」が
貴族たちと肩を並べるまでになる道のりはどれほど大変だった事だろう。

無学の自分への風当たりゆえ、子供たちに高い教育を受けさせ、厳しく
教養を身につけさせてきたこと、強気に見えながらその反面、何よりも
人との繋がりを大切にしてきたこと…だからこそ人づき合いの苦手な
ウィリアムに人とのつき合いを大切にするよう何度も諭してきたんだろう。

一方ウィリアムが目覚める前に逃げ出したエマは全てをオーレリアに語り、
姿を消した…とはいえ我々には当然そのいく先はわかっているし、
エマの性格からしてまた仕事に没頭して、苦しい過去を忘れようと
するだろう事は想像に難くなかったよ。そしてまさにその通り。

「この婚約はなかったことに…」もうダメぽ

ウィリアムの突然の豹変ぶりに振り回される周囲には同情してしまう。
エマを忘れられないなら1人でいればいいだけだったのに、それでも全てを
諦めて新しい一歩を踏み出そうとしたのは自分自身なのに、これはさすがに…
ウィリアムに冷たくされてるわけではないだろうけど、幸せの絶頂に
いるはずの自分の足元が不安定な事に気づいているエレノアが不憫。

あのままどれくらいの時間が経ったのかは不明なれど、エレノアたちが
水着で泳ぐ季節からいつしか水仕事が辛い季節になったという事で。
我々にはちと遠いドイツのクリスマスの慣習が楽しい。

エマのクリスマス・プディングの中に入っていた指輪は「恋人」
そしてエマが気になるらしいハンスのそれには「結婚」を示す鐘。

そしてこの優しく幸せな一家がロンドンに向かう事になったので、再び物語は
ロンドンへ移り、運命の歯車が回っていく。ホントにこの恋、どうなるのやら。


第七章 夕波
2007/6/1

「何言ってるんだ俺は…子供の使いじゃあるまいし…」

ウィリアムはキャンベル子爵家に正式に婚約解消を申し入れに行くと言う。
オーレリアに言われた事を早速実行に移しているのか、こんなけしからん事を
リチャードが意外にも押えつけるような叱責をしなかったのは意外だったな。
ウィリアムはそれで気が済むかもしれないけど、やっぱり女性側としてはね…
この時代じゃなくたって、女性が婚約破棄されるなんていいものじゃないよ。
しかもエレノアはウィリアムを本当に好きだからショックは2倍3倍だろうし。

「理由はなんだ…女か?」「…そんな言い方…」
事実じゃん。
あの子爵が声を荒げることなく、押し殺した怒りを見せるのがむしろ怖かった。
ウィリアムも職業に貴賎があるのではなく、それを蔑む心に問題があると思うと
主張する。まぁ確かにその考え自体は立派なんだけど、ウィリアムが実際に
やってる事ときたらそれ以上に男として、人として問題だからなぁ…

う〜ん…やっぱりこれはエレノアが可哀想だよ…
いかんせんウィリアムの行動が軽率すぎるんだよね。結局この決断の悪さが
全てを狂わせ、皆を傷つける。ヴィヴィの怒りもアーサーの呆れ顔も尤もだ。

一方ミセス・メルダースの侍女としてパーティに同行したエマは騒がしくて
賑やかな従者の控え室で品のいいメイドに会う。彼女は1人の若い貴婦人の
レディースメイドだった。そしてその女主人の哀しげな表情を見たエマは、
彼女がウィリアムの婚約者である事を知る…そりゃ衝撃を受けたのはわかるけど
相手は身分の高い貴族なんから、いくらなんでも固まりすぎ&見過ぎじゃない?

もしかして、彼女のあの表情は自分のせいではないか…
エマはおこがましいと思いつつも女の勘で真実に突き当たる。

スキャンダラスな貴賎恋愛は社交界の格好の餌食。
その噂話はエマたちメイドや従者クラスにまで知れ渡る事になる。
いたたまれずに飛び出すエマ。メイドってエマのことじゃ…それを見て
結びつけるのはちょっと早すぎる気もするけど。エマもそんな推測を可能に
させるほど落ち込みダークモードを見せてたのか。見せすぎじゃないのか。

走り出したエマを追いかけるハンスが、なんて足の速さだと舌を巻いてたけど
第一幕でもウィリアムがドレスで走っていくエマに追いつけなかったんだった。
あの時もえらい早いなと思ったけど、やっぱりエマは足が早いんだな。

止まってしまった時計を見てやりながら、静かに時計の修繕屋だった父親の
思い出話をするハンス。口下手で頑固なハンスのいつもとは違う柔らかい
口調や少し微笑んだ口元も魅力的なのに、エマはそんなもの見ちゃいない。
ただただ、哀しみと後悔に押し潰されそうな気持ちを支えるのが精一杯。

再び走り出したエマは、あの日ウィリアムと決別した駅に向かい、
汽車に乗って海へ…ってええぇ?!あまりにも早い展開にビックリした。
ハンス完全に置いてきぼりだし…いや、ちゃんと追いかけるんだよね?

夕陽の中、海に向かって歩き出すエマ。
だからそういう発作的なことはやめなさいってば…

もう全12話の二幕も折り返したのに、公式やOPのダンスで思わせぶりな
ツーショットを見せているハンスとエマの関係が全く進んでないので
気になってたんだけど、これから急接近するという超展開になるのか?


第八章 居場所
2007/6/8

「どうして…ここに?」
どうしてより「どうやって」来たのかが気になるよ。
だって同じ汽車に乗ってたなら車内で止められたんじゃないかと思うし、
後続の汽車で来たならエマがどの駅で降りたのかわかるはずがないし…
一駅ずつ飛び降りて駅員に聞いたのか?手間取ったら汽車行っちゃうじゃん。

もしかして子供時代に苦労したのではないか…そう感じさせるのは、強さと
いうより仕事への気迫や姿勢が違っていたからとエマを評価していたハンス。
なのに今はこんなにも心の揺れを見せ、「らしからぬ」行動をとる。
辛いのならそもそもロンドン行きを承諾すべきではなかっただろうし、
でもそもそもグラついていたらどこにいても同じ事じゃないのか。

別に責めるわけでも厳しく説教するわけでもなく、ただ淡々と客観的な
意見を述べるだけというのが朴訥で真面目で無愛想なハンスらしいかも。

でも新しい情報が入ってくる事で新しくついちゃう傷もあるので、
場所を変えることで情報が遮断されるというのはいい事なんだよね。
「時」は長さに差こそあれ、全ての人に平等な治療を施してくれるもの。

一方でウィリアムもまた仕事に没頭する事でこの一連の事件から立ち直ろうと
しているようだ。そりゃあんたはただ忘れればいいだけかもしれないけど、
エレノアの心や彼女の女性としての立場や価値、家族の気持ちは収まりが
つくわけないじゃないか。うーむ、たとえ万事のピースがうまくはまって
見事な大団円を見せたとしても、私はちゃんと納得できるんだろうか…

「成り上がり者に反故にされおって!」
キャンベル子爵は忌々しげにエレノアに嫌味を言う。傷ついた娘に対してそれは
ないだろうと思う反面、でも彼のこの言葉を引き出したのもウィリアムだよなぁ
と思う。元々子爵はこの結婚には難色を示してたのに、婚約まではこぎつけてて
気に入らないながらも(金という打算もあるし)認めるつもりだったわけだもんな。

そんなエレノアを庇う役目のモニカさんが再登場。
サリー着てますけど。すっかりハキムと意気投合したみたいなんですけど。
またウィリアムの元に乗り込もうとするモニカを止め、エレノアはひとりで
ハキムの象に乗る。ってかロンドンの街で当たり前になってる象に笑った。

「気に入らない事があるなら直します」
あー、もうなんか哀しくなってきたよ。
だってエレノアってこれまでホントに何ひとつ悪い事してないじゃん。
なのにウィリアムの答えときたらもうビックリ仰天だ。

あなたをいとおしいと思った気持ちは本当…
でも、忘れられるはずがないとわかってもいた…

「全ては、僕のわがままです」

はぁ?わがまま?そういうのってわがままって言うの?あまりに軽すぎない?
莫大な賠償金を相手方に払うことは当然だけど、男側に非があり過ぎるよ。
社交界とか抜きにしてもなんとも…これは一体どう評価すればいいのやら。
今のウィリアムに一番ふさわしい言葉は「汝が成すべき事をせよ」だよな。

一方、はからずも一晩をハンスと過ごしたエマは、既に噂で持ちきりの
メルダース家に帰宅。ドロテアに問い質されたエマはハンスを庇い、
そのハンスはもう戻る資格がないと言うエマが自分の説得に応じ、責任を
果たすために戻ったこと、自分に免じて許してやって欲しい事を伝える。
この時ハンスがエマの名前を呼んだのって、もしかして初めて?

帰る場所などない…けれど、待っていてくれる人が、迎えてくれる人がいる。
ハンスがここを自分の帰る場所と決めているように、エマにもここは帰るべき
場所になっていた(とはいえまだまだ最終回までは揺れるんだろうけど…)

もうエマは境遇もクラスも似てるんだからハンスとくっつけばいいじゃん。


第九章 覚悟
2007/6/15

「エマさん…僕と結婚してください」

……………………………………………………え〜、マジでか?

なんつーか……………すっげータイミング悪ぅ…
エマもエレノアも頑張って立ち直ろうとしてるのに、空気読めよウィリアム…

まぁキャンベル子爵が物語のためとはいえ感情的かつ意地悪&腹黒っぽく
なってきたのでいいけどさ…これでもし彼がメルダース氏のような温厚で
紳士的な好人物だったらもうホントに立つ瀬ないもんね、ウィリアムは。

「諦めるのって、難しい…でも諦めないと先に進めないもの」
泣き疲れたエレノアはケーキをドカ食いしたり遠乗りをしたりアニーの
絵を描いてみたりと、自分を元気にさせようとして色々と試してみる。
本当に傷を癒すのは時間しかないんだけど、人に慰めてもらおうとかじゃなく、
何かに逃げるでもなく、自分なりに自分を盛り上げる努力をするのは偉いよ。

そんなエレノアを見てそろそろこの婚約問題にケリをつけないととため息を
つく夫人に、子爵は婚約を破棄することを宣言。まぁ当然これで賠償金を
たっぷりせしめられるし、ジョーンズ家には社交界の制裁が行われるので
キャンベル子爵としては娘の名誉が傷ついたくらいは痛手でもないのかな。

その婚約破棄の報せに、ますます苦境に立つジョーンズ家。
キャンベル子爵に気を遣う貴族からはパーティへの出席を断られ、契約は
破棄され、ウィリアムはもちろんジョーンズ家についても陰口を叩かれる。
グレイスには話しかける者はおろかダンスを申し込む者もいない…

「2人とも勝手な事ばかり言わないの!」
ヴィヴィの社交界デビューもほとぼりが冷めるまでは見送られるだろうし、
アーサーは次男だからと自覚しているからこそ別の道を模索していたのに、
ウィリアムを勘当したりすればそれらが全てパーになるとおかんむり。
アーサーの言うように確かに勝手な事を言ってるのは誰かというと…

「エマさんと結婚する」

……………あ、そ。

そりゃリチャードも眉毛ピクピクしちゃうよねぇ…

すべてがうまくいく方法なんかないだろうとハキムが言うように、ホントに
出口が見えないな。でもこのままでは自分勝手なヤツで終わってしまうって

終わってないつもりだったのか いやそりゃすげーや!

翌日、終わってない自分勝手じゃないウィリアムが向かったのは母の元。
「エマさんの居場所を教えてください」
様子を見にメルダースを尋ねた彼女は、エマが覚悟を決めたような、
すっきりした表情をしていたことに気づいた。そっとしておいた方が
彼女のためではないか…ホントその通りけれどウィリアムの眼を見て、
長い間思い描いていた息子以上のおバカさんだと感無量のご様子。

一方エマはジョーンズ家が苦境に立たされているという噂を耳にしてまたまた
ショックを受けてしまう。立ち直ろうとするとこれだ。だからこういう時は
とにかく相手からは離れてた方がいいんだよねぇ、距離的にも時間的にも。
そんなエマに、修理の終わった時計を渡したのはハンス。自分からエマ、と
呼びかけ、またいつでも見てやるなんて珍しくちゃんと話してるとは珍しい。
そしてそんなタイミングに現れてしまったウィリアム…しかもプロポーズ。
見てるこっちとしてはホントに「何言ってんのおまえ?」なんだが、果たして
エマの答えは?そして本当にあと3話で終わるのか?ってか私を納得させてくれるんだろうか?

しかしこういうもどかしい恋愛物は私のような短気で短絡的思考の人間には
合わないんだと思いつつ、どうにも腑に落ちないのは、「結ばれぬ恋」が
過去のものだと「ロマンティック」と言われるのに、今現在進行形の恋が
結果的に結ばれないと「鬱展開」なんてほざく人がいることなんだよなぁ。
過去の結ばれない恋愛を現在形で描くとなるとダメなんだよね、なぜか。

別に別れてもいいじゃんねぇ、別の人生を歩んで数十年後に再会してもさ。
人生なんて刹那という欠片を張り合わせたモザイクみたいなもんなんだから。


第十章 窓辺
2007/6/22

「結婚してくれないか」
人生にはどんな人にも一回はモテ期があるものだが、集中しないでバラけて
くれればいいのにと思うよな。よりによってなんで今!?という時は特に。

エマの場合はどうやら綺麗な憂い顔がハンスの恋心に火をつけたらしい。
まぁその人が最も輝いて見えて異性をひきつける魅力的な時期だからこそ
モテ期なんだから、色々重なるのは当然っちゃ当然で仕方がないんだが。

結局エマに拒まれたウィリアムはここでは一旦潔く撤退。
しかも誰にも余計な事を言わないのは好感が持てたけど、
よく考えたらそもそも誰にも言えないような事だった。
テレサやスティーヴンスの、甘えを許さない家族とは少し違う、けれど
知人や友人ほどは遠くない敬愛と純粋な愛情が混ざった優しさは沁みた。
これくらいの思いやりが今のウィリアムには一番ありがたいのかもね。

一方でキャンベル子爵が南米の鉄道建設への投資がらみでどうも悪役へと
シフトしていきそう…物語的にエマとウィリアムに感情移入させるためには
ヒールも必要なのはわかるけど、ここまできてやられてもあからさま過ぎる。
もし子爵が何もせずに全てを時の流れに任せるならその方が針のむしろだよ。

でもそんな事をしなくても噂が災いしてウィリアムの商談はまとまらない。
でも怒ったりイラついたりすることなく、自分への評価として甘んじて受け、
爽やかに謝罪する姿はいいね。以前はのらりくらりと商談をはぐらかし、
結局逃げられた資産家らしき紳士がそんなウィリアムの様子を窺ってるのは、
投資絡みで危機に陥りそうなジョーンズ家の救世主としての伏線なのかな?

でもその反面、しっかりメルダース家への日参も欠かさないウィリアム。
ドロテアは面白がってるし、メイドたちは浮き足立ってヴィークは迷惑そう。
エマは決して会おうとはせず、ウィリアムからもらう手紙を封すら切らずに
机の引き出しの中へ…その手紙すらもきちんと並べられてるのがエマらしい。
誰もが事の成り行きを好奇心丸出しで気にする中、動いたのはハンスだった。

おまえは自分勝手に自分の愛情を押しつけているだけだ…
ハンスはエマがもう心変わりしたと言ったわけではなく、辛くて、周囲に
波紋を投げかけているこの恋愛そのものを諦めようと日々努力していると
言いたかったんだろう。覚悟を決め、やっと自分の生きる道を見出したのに
また愛する男が眼の前に現れればぐらつきかけもする。その苦しみこそが
ウィリアムがエマに与えようとする、自分勝手な愛情という名のエゴだ。

みっともなくても情けなくても、自分の気持ちをぶつけなければエマさんは
覚悟を決められない…人の心は変わるものとハンスに言われて、一見強気な
態度で去って行ったウィリアム。自分が強い信念のもとに起こしている行動を
見せつけようとしたのはいいけど、ホントは内心動揺しまくってたんだなぁ。

だからあとでハキムに泣き言をもらしてたのでちょっと笑っちゃった。
自分だってエマを諦めてちゃっかりエレノアと結婚しようと決心したくせに
「エマさんが心変わりするなんて考えもしなかった」とはおめでたいヤツ。
しかもハキムはウィリアムの答えなんか決まってる事をちゃんと見抜いてる。
答えが決まってる事を語るのは相談じゃない。ただの愚痴っつーんだよ。

両雄の激突は緊張感があって面白かったけど、やっぱりハンスが弱いよね。
この時点ではエマがハンスをいい人カテゴリから出してないのは明らかだし。
ナネットの「2人が似ている」という程度のフォローじゃ足りないよなぁ。
ってかなんでここで入浴中なの?!

「日曜日に市場に行かないか」
心は晴れないけれど、エマにも忘れたいという気持ちがあるから受けたはず…
唐突なプロポーズは、自分もエマの弱った心につけこもうとしているんだから、
エマも自分を利用すればいいというハンスらしい乱暴で無骨な愛情表現だった。
こういう積み重ねが二幕が開幕して結構早いうちからあったなら物語はまた
違ってたかもしれないけど、流れを変えるにはちょっと遅すぎる気がするね。

エマさんとなら全てを乗り越えられると信じている…
ロミジュリに続いてこちらもバルコニーの告白。マルチーズおばさんとの因縁は
このためだったのか。エマと共に生きていきたいのだと真摯に語るウィリアム。
困難は山積みだし、社交界は手強く、エマが苦しみ悩む事もあるだろう…でも

「僕は絶対に逃げたり諦めたりしない!」

な ん だ と ーーーーー?!

どの口がそんな事を言うんだコラーーーーーーーーーっ!!!!!
思わずコーヒー吹いて爆笑しちゃっただろ!マジで言ってんの?!
まさかエマで大爆笑する日が来るなんて思わんかったわ。ご冗談を!

答えは一週間後のクリスタルパレスで…
いや〜、しかしドロテアはともかく、エマはもちろんターシャや隣の御婦人、
ヴィークまでも嬉しそうだけど、女の人ってホントにこういうのが好きなの?
前科者にあんな事言われたってもう爆笑するしかないけどなぁ、私なら。


第十一章 光陰 
2007/6/29

「こんなに…好きなのに…」おいおいエマさん…

約束の日までのそれぞれの姿と情景。
エマは悩みながら仕事に没頭し、ウィリアムはキャンベル子爵が入れた
横槍で頓挫した南米の鉄道事業を立て直そうと金策に走りまわる事になる。

人づき合いが苦手で社交界をくだらないと馬鹿にしてた感のあるウィリアムが、
ジョーンズ家がジェントリの地位に昇れたのは何よりも人との繋がりによると
その大切さを説いていたリチャードの言葉が身に沁みたろうと思うと感慨深い。

必要な資金は400万ポンド。
ポンドは今だって比較的強いのに、この時代にどれくらいの価値があるのか
考えるのも恐ろしい。ウィリアムは政府に掛け合って国と国の信用問題に
なりかねない危険性を説き、銀行の融資を取りつける。

でも250万まで集まったならすごいよねぇ。
どんなツテがあったのか知らないけど、政府がこういう失態に対して
即座にうんと言うとは思えなかったりしてちょっとご都合主義っぽいけど。
あれだけの事をして社交界でそっぽを向かれたとなれば、いくら友人知人に
手を回しても限界があると思うし。ライオネルとかどれくらいの財力でどんな
タイプの人間なのか(顔が広いとか御婦人に人気があるとか)などもっと一緒にいて
色々話すシーンでもあれば説得力があったのに、ハキムしかいなかったじゃん。

もちろんエマとの事を煽った分、ハキムにも協力してもらわないとね。
でもさしものハキムもあとは象を売って宴を減らすなんて言ってたから、
どうやらマハラジャの息子にとってもかなり手痛い出費だったらしい。

政府も不確定要素の強いものにいつまでもかまけられないのか期限を設ける。
もしその時までに資金が集まらなかったらジョーンズ家の資産を全て売り払い、
損失を補填するしかない…リチャードが興して発展させてきた会社は失われ、
兄妹はもう今の暮らしを続ける事はできなくなる…アーサーが不器用そうに
自分にできる事をした成果を兄に渡すシーンはなかなかよかったね。

確かにウィリアムが泣き言も言わず、悪態もつかず、真摯に事態に向き合って
尽力してることはなかなか偉いと思う。それでもあまりのその辛さに1人の時、
そっと涙を流したりする姿には大変な苦労を背負ったなと応援したくもなる。
でもねぇ…どうしたって火種を撒いたのは自分だからね。しょうがないね。

鉄道の資金を持ち逃げしたのはキャンベル子爵の息がかかったオードル男爵。
キャンベル子爵もビンボービンボー言われてたけど結構金があるんだな。
英国紳士が聞いて呆れる…と言いたいところだけど、何しろ英国紳士といえば
世界中を冒険し、開拓し、その国の遺跡から金品宝石しまいには壁まで切って
持ってきちゃった泥棒連中だからね。むしろ彼こそ英国紳士の鑑ですな。

エレノアは父の命で保養地に転地させられる。それを不憫に思うモニカに、
1人で考えてみたいのと笑うエレノアが健気だなぁ…彼女を幸せにさせるものが
何なのか今はわからないけど、若さを無駄に浪費せず幸せになってもらいたい。

プロポーズまでしたのにハンスとエマの絡みが全くないのが違和感…
風呂に入ってる2人のチビッコは可愛いけど、一番可愛かったのは
丁寧に洗ってもらってるリスだったりする。ちなみにお姫様と動物が出てくる
話と聞いて真っ先に思い浮かべたのは「王女とカエル」だったよなんでだろ?

ターシャやナネットに見送られてエマはケリーの墓、いつも通った大通り、
そしてケリーの家に向かう。懐かしい女主人の部屋にはケリーの気配。
どうするの…そんな問いかけに、自分だけが苦労するならかまわないけれど、
ウィリアムを苦しめる事が辛いと言うエマの心は決まってるんじゃないかちっ

家に帰ったエマの眼に映ったのは立ち上る煙に巻かれるメルダース家。
えええええ!?次回最終回なのに、一体何がどうしてどうなったんだ!?


最終章 花
2007/7/2

「愛しています、エマさん」

ウィリアムの資金集めは案の定あの人だったお助け紳士がハキムの口車に乗って
説得のおかげで125万ポンド出資して見事解決。銀行の融資は履行される。
大喜びのウィリアムが思わずハキムに抱きついたら、悔しいからこのまま
エマの元に行かせない手もあるなんて言ってウィリアムを抱きしめたので、
本命は実はウィリアムでしたなんて噂されるじゃないかされねー

一方、突然の火事に見舞われたメルダース家ではエマがウィリアムから貰った
ハンカチを取りに行こうとしてハンスに止められる。一度は戻ってきたエマに
心躍ったものの、たかがハンカチのために燃える屋敷に飛び込もうとするエマを
見て、そこまであの男が好きなのかと落胆するハンス。ハンス、あんた本気で
エマのこと好きだったのか…かくなる上はエマに幸せになって欲しいと願い、
「あんたなら大丈夫だ」と励ましたりして。ちょっと後手すぎたよねぇ…

なし崩し的なハッピーエンドにはなんだかイマイチ乗り切れず。
金を集めた事でリチャードも息子を見直したようで、それとこれとは問題が
別じゃないのかと思うようなエマの事はいつの間にか許してしまったようだ。
ヴィヴィがわずかに抵抗を見せてたけど、家を救ってくれたから許すってか?

そもそも家を危機に陥れた発端を作ったのはコイツだとあれほど…

先にクリスタルパレスに向かったウィリアムの背景に流れる出会いから別れ。
エマが乗り合い馬車を追いかけ、それが一期のラストでエマが乗った列車を
追いかけるウィリアムと重なっていく。エマの手は馬車の手すりを掴み、
けれどそこでカメラは列車を見送るしかなかったかつてのウィリアムへ移して
重ね合わせ、そしてまたエマが来ていない事を知るウィリアムに変わっていく。
このへんの不安さを畳み掛けていく演出はなかなかよかったね。

そしてクリスタルパレスでの再会。
モタモタしてるとまた一晩ここで過ごす事になるじゃないかとそればっかり
気になったけどそんなコトか、とりあえず会えたので抱き合ってキス。

南米に行くのはうまいと思ったよ。これが一番うまかったね。
メイド出身の妻と英國で新婚生活を送るよりは、ほとぼりが冷めるまでは
イギリスよりずーっと奔放で自由な南米で過ごすのはよかったんじゃないかな。

というわけで英國式戀物語もハッピーエンドで完結。
最後はカットが多くてちょっと詰め込みすぎのような気がした。
エレノアは黒髪の貴公子との新たなロマンスが待っていそうだし、ハンスには
アデーレが接近しそうな気配を残し「皆幸せになるんですよ」オーラぷんぷん。

エマはどこでだかは知らないけどウィリアムと結婚して4人の子持ちになり、
絵に描いたような穏やかで幸せな家庭を築いたようで、メイドからは奥様と
呼ばれる身分になっていて、まるで苦労なんて何もなかったような奥様ぶり。
そこには自分がかつての自分と同じ地位のメイドから奥様と呼ばれることに
何ら抵抗や葛藤はなかったのかと聞いてみたい気もするけどね。

中盤はウィリアムのあまりのクソヤローっぷりが楽しくて仕方がなかったが、
最後になっていささか鼻につくハッピーエンドぶりで一気に気持ちが萎えた。

背景やディテールは相変わらず素晴らしくて、海水浴場の着替え用の馬車や
今回の消防馬車、ハキムがどうやら象の代わりに手に入れたらしい自動車、
エマが追いかけた乗合馬車など、それぞれ時代を映していて面白かった。
作画は特に乱れはなかったと思うけれど、それほど好きな絵柄ではない上に、
一幕よりもキャラの眼が大きくなった気がして、表情がちょっと怖かった。
スタッフ、キャストの皆さま、お疲れ様でした。

しかし私は荒くれ者なので恋愛モノはどうもダメだな。ハマればハマるんだが。


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