【中富新田の春】   2002年4月  
                      油彩画  15F 65.2×53.0cm    楽環 


所沢市中富は三富の内でも最も市街地の影響を強く受けている地区である。半ば画き進んだ頃、向うから

営農者らしき一人の若者がしっかりとした足取りでこちらに向かって進んで来て、一言二言歓談を交えた

後、ふと「この雑木林もじいさんが死んだらどうなることか判らんで。相続税を払わにゃならんで。」と、

隣の廃棄物焼却場をうらめしそうに見やりながら顔を曇らせる。晴れるとも曇るともつかない春霞の日和で

あるが、雑木林の向うには茶畑の青っぽいグリーンが深みを効かせている。木立は既に芽吹きを過ぎて若葉

を樹梢に震わせているが、林床は十分明るい。おそらく春の武蔵野の雑木林を画くのは、この年はこれが

最後となるであろう。若葉が新緑に変わった時、人は季節を初夏であると云う。


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