この物語はぱんについてのあれやこれやの断章です。
ぱんについてのおはなしを、
気ままに書き紡ぎだしていきます。
読んでくださるあなたへ、
私たちはあたかもゲームを演じるように
気晴らしをしていきます。
   nakagawa shigeo 2004.4.10




パンの文化は愛情物語
光る朝のテーブルの主席にお座りになられます。
二人の愛の仲人におなりになります。
嬉しいときも哀しいときもありますが
手作りパンはおともだちです。
nakagawa shieo 2005.2.1





むくむく叢書 第二巻

写真への手紙 覚書
「 ぱ ん 物 語 」 断章
中川せんせ・著



ぱん物語・前口上

この劇はほかの部分でどんなに美しくても
最後の場面は血みどろなのだ。
この弱く死すべき人間の条件のことは
私たちがそのことをつきつめて考えてみると
もう何ものによってもなぐさめられない程に
惨めであわれなものである。

気ばらしー人間は死も惨めさも無知も癒すことができなかったので
幸福になるためにこういうことは考えずにいようと思いついたのだ。
だから人間にとってただ一つの幸福は
自分の条件を考えることから気をそらすということにつきるのだ。

何かに熱中してそんなことを考えずにすますか
目あたらしい快い情念の中にいつもおぼれているか
賭けごとをしたり猟をしたりおもしろい芝居をみたり
要するにいわゆる「気ばらし」をして気をまぎらわすことにつきるのだ。
だが人間は考える葦である。
時には考えずにはいられなくなる。
するとこうなる。
この果てしない宇宙の永遠の沈黙は私を震えあがらせる。
           (パスカル・パンセ 抄)


ぱん物語 2004.5.2〜 
-いつまでも未完の物語-





(1)

ぱんのことを思うときって気分的には穏やかな時です。
気分的に穏やかな時というのは、
基本的に食べることについての危機感を持っていないということです。
危機感を持っていないということは、
明日も明後日も10年後も食べることができるという気持があるということです。
地球規模でいう食料危機という言葉も実感として感じられないですし、
さすがに私は世代的には食料が十分でなかった時代に幼少を送っているせいか、
食べ残しというのは原則ありませんが、ここでいう危機感は感じられません。

私が稲作文化の末裔にいるのに、ぱんには子供のころから何かしら愛着があります。
その愛着が作られてきた道筋を考えようとするのがここでの目的であります。
小学校には給食がありました。そこには食パンとミルクがありました。
私が小学生だったのは1950年代です。
戦争に負けてアメリカが占領してきて、講和条約が締結されてこの国が独立した、
というように歴史書に記されている頃です。



日曜日の朝にはパンを買いにいく、これが私の家族の中での役割でした。
アンパンやジャムパンといった菓子パンが陳列棚に並べられていましたが、
チョコレートが塗られた三角形のぱんが私の大好きなぱんでした。
学校の給食で食べるぱんとは違った味、
おいしいって思う感じ方がその三角ぱんにはありました。
これが私のぱんについての最初の思い出です。
それからの年月のなかで私の主食の半分はぱんです。
小麦文化を体験しています。
どうも「ぱん」のことを考えるというのは、
この国の文化変容の歴史を語ることにつながっていきそうです。



稲作文化の流れの中にある私の生活スタイル
あるいは生活態度というものが、その文脈上に乗って作られていくるとすれば、
これは嗜好品としてのぱんに親しむ程度のことであって、
主食とするなかにぱんが混入する筋合いのものではない筈です。
にもかかわらずぱんであることは文化の変容を需要してきたそのものなのです。

理論で指し示していくことと感情を伴わせることとは別の問題であって、
たとえばぱんがこの地域固有の文化の上に
西欧文化が征服してきた結果として形成されている、と断じてみて、
そこで地域固有の文化を再度浮上させようといってみても、
どうも理論は正しい、しかし米飯文化を基礎に置き換えられるかというと、
むしろ米飯文化こそ他文化である、というような感情がおこってくるのです。




(2)

 ◎毎朝たべるぱんを作っています。

    このぱんのことを「自然酵母健康ぱんちゃん」って言ってます。

    -その1-



    これは出来上がりの様子です。丸いパンをつくりました。
    食べ方にはいろいろありますが、主にはこれを上下半分にスライスして
    チーズをのせてトーストで焼く、この食べ方がナチュラルでいいですね^o^

    おいしいかどうかは、ふふん、それはそれは美味しいですよ(笑)


-その2-



    酵母くんを培養しています。
    ドライレーズンを温水のなかで、
    そうですね35度で48時間ぐらい閉じ込めておくと出来上がり。
    これを自然酵母って言ってます。


-その3-



    ぱんの材料です。
    こだわりの素材を使っていますね、やっぱりね、
    こだわってあげることで「健康ぱん」になれるんやね。
    オーガニックな素材を集めています。
    国内産の強力粉と全粒粉(※1)、
    スキムミルク、天然塩、てんさい糖と黒砂糖(※2)
    オーガニックレーズン、クルミ、自家製ピールなどを入れてます。


-その4-



    材料を全部いれて、こねこねしてできあがり。
    もう愛の結晶ってとこですね。
    こうして4時間おいておくと2倍ぐらいに膨れあがって、
    それから成型してあげて、
    またまた1時間ほど気持よさそうに眠らせてあげて、
    180度のオーヴンで20分焼いてできあがりです^o^

    ※ぱんには愛情をもってあげます。
     だってね、なによりも私のからだをつくってくれる基ですもんね^o^


(※1)ぱん材料について

小麦粉・強力粉:
競馬みたいな話だけど(笑)
国内産強力粉では一昨年まで北海道産「はるゆたか」っていう
品種を主に使ってたんですが、
最近は品種改良されて「はるゆたか」の出番がないみたいですね?
んでこっちとしても手にはりゃねっすから、
ブレンド強力粉(1kg310円)で我慢してます
(豪州産グルテンが添加されてる)
それでオーガニック国内産を使いたいのですが
1kg1000円ほどするのでちょっと手が出せないです、
ごくたまに使います、程度です。

小麦粉・全粒粉:
熊本産無農薬全粒粉(1kg500円ほど)を使っています。

ライ麦粉:国内産が無いようなので使っていません。

米国産&カナダ産の小麦粉(5kg1000円ほど)を
初期の頃使ってたことがあります。
白くて見た目に綺麗でエレガンスな感じで、
出来上がりもやわらかくてふっくら仕上がりでしたけれど、
今は全く使っていません。

元種起しにを2回にそれぞれ強力粉100gずつ、
こねる時に強力粉150gと全粒粉50gをいれるので、
小麦粉全量400gが一回の量としています。

これで2人で6日として1日35g程度を摂取しています、ことになります。

(※2)
スキムミルク:
よつば乳業製スキムミルク(200g273円)を30g入れてます。

天然塩:
伊豆大島産自然海塩「海の精」を小匙1/4程度入れてます。
これは彼女の血圧を配慮して少なくしています。

てんさい糖と黒砂糖:
お砂糖はふつう白砂糖を使うのですよね?ここでは健康を考慮して、
てんさい糖は北海道産、黒砂糖(粉末)は沖縄産のものを使っています。
てんさい糖小匙2杯、黒砂糖小匙2杯、出来上がりぱんは甘めです。

健康を思って混ぜる素材:
カリフォルニア産有機栽培ドライレーズン40g、
カリフォルニア産有機栽培くるみ20g、
自家製ピールは40g
文旦、晩柑、柚子、ザボンなど、
時折々の旬に湯がいて晒して砂糖で炊いて乾かして冷凍保存しておいて、
そのつど使っています。

このようにしてパンの材料を選択しています。

(3)

パンの自然酵母 


 
朝にはふたりでパンを食べます
このパンを作るのに酵母起しから始まって元種作って出来上がりまで丸三日かけてます

有機栽培のドライレーズン100gに水を300cc
これを密閉瓶に入れて丸一日以上置いときます
するとぶくぶく泡が立ってきてパン酵母の液種が出来上がります
気の長い話ですが、自然派を自認するむきには必要な時間です

冬場は外気温が低いのでなかなか発酵してくれません
そこで家の中の温度が高い場所へ置いときます
お湯ポットの側です

朝にパンを食べる習慣になってしまった世代です
地産地消をゆうなら米飯が本筋かもしれませんね
でもスローフードなんていえば手作りパンでもいいか〜

自然のものを自然に使って自然のままに食べる
自然派のこころがまえはこのことにどこまで徹するかだと思っています
食べることもセクスすることも自然のままにできればいいことなんです

2005.1.30 nakagawa shigeo


2004/06/25〜2004/07/09

自家製自然酵母ぱん

レーズン酵母の作り方

自分で酵母クンを育ててあげてぱんを作ることのレッスンです。
昨日は出来上がりを紹介したので今日はズバリ酵母クン。

ドライレーズン(干葡萄)を密閉瓶に入れてお水を入れて
今時なら(常温30度位)で置くておくこと2日ほど
すると泡がぶくぶく出てきて蓋をあけるとポンと音がする
これが酵母クンがいっぱい住んでる液種です。

ドライレーズンはコーティング処理してないもので有機栽培のレーズンを買いましょう。
というのはこれからのお話は、有機無農薬栽培を中心にしたお話が多いからです。

ズバリ、発酵した液種の瓶の写真です。



自然酵母パンの材料

今日は自然酵母ぱんをつくる材料を紹介します。


○どうしても必要な材料
(1)自然酵母で培養した元種
(2)国産強力粉
(3)国産全粒粉
(4)塩、砂糖

○必要に応じて加える材料
(1)レーズン、くるみ、オレンジピール
(2)スキムミルク、バター、チーズ

こんな材料を使って自然酵母ぱんをつくります。
このぱんのことを「自然酵母の健康ぱんちゃん」って呼んでます。

※小麦粉はアメリカやカナダ産のものが多く市販されています。
ここで国産小麦粉といってるのは健康にこだわろうとしてるからです。

自然酵母ぱんの材料の写真です


  


自然酵母パンの元種

レーズンで培養した酵母で液種をつくりましたが、
次はこの液種を小麦粉と混ぜて-元種-をつくります。

強力粉100gに液種80cc。
これを混ぜ合わせ、よくこねてあげて約12時間寝かせておきます。
(今時なら常温30度前後)

それから、もう一度同じことをくりかえします。
つまり12時間寝かせておいたのを第一次元種っていいます。
この第一次元種に、強力粉100gと液種80ccを加えて、
よくこねてあげて約12時間寝かせます。

こうして出来上がった元種を第二次元種とわたしはいっています。
つまり24時間かかってるんですね。最初の液種つくりからだとここまでで、
3日〜4日かかっているんですね。
悠長な話でしょ!

この時間帯って現代生活レベルでいえば、なんと言いましょうか?
でもね、この悠長さがこころの健康をよみがえらせること
につながらないかな〜とも思っているんです。

こんなお話は追々していきたいと思っています。

写真は第二次元種の出来上がりのものです。


自然酵母パンを捏ねる
昨日作った自然酵母パンの元種というのは、
お店で売っている「イースト(菌)・ドライイースト」とおなじ役割をします。
ぱんを膨らませる役割をしているんですね。
この菌=酵母(こうぼ)を自分で作っちゃお〜っていうのが、
ここでのお話なんです。

さて、この元種の総量っていうと
強力粉200gと水160cc、ということになりますね。

つぎにこの強力粉と同量の小麦粉を加えてます。
つまり追加200gです。

あとの応用でこの小麦粉200gの中味を強力粉だけにするとか、
薄力粉を少し混ぜるとかします。

ここでは「自然酵母健康パン」という名目ですから、
全粒粉っていうのを混ぜます。
(ライ麦粉というのをを混ぜてもいいです)

で本題に戻って、強力粉150gと全粒粉50gで200gとします。
(ここから算数していきます)

小麦粉の合計は400gです。
水はこのままでは160ccです。
ぱんを作るのには、粉100に対して水60%程度が適量です。
とすると、400g×60%=240cc
答えは、水240cc ということになります。
240cc−160cc=80cc 。。。。☆水を80cc用意します。
(水のかわりに牛乳でもいいですよ)

こうして混ぜ合わせて捏ねこねするまえの固まりが今日の写真です。

写真は小麦粉と水を混ぜて丸めたところです。



自然酵母パンの捏ねあがり
自然酵母ぱんのこねあがり、これから第一次発酵させます。
第一次発酵には約4時間かかります。
(今なら常温30度前後ですね)
その後、成形して第二次発酵に約1時間をかけます。

昨日はこねる前の写真でしたが、今日はこねた後の写真です。
こねるコツは、身体ごと腕に力を入れて伸ばして折っての繰り返しです。
こねるのに専用台を使ってもいいんですが、
わたしの場合はキッチンのスペースで、そのままこねています。
ちょうど高さが料理しやすい高さで疲れないですからね。

ここでは約10分こねます。

写真はこねあがった固まりをボールにいれてラップしたところです。

    

自然酵母パンに入れた材料
まえに書いた「自然酵母ぱんの材料」にもありますが、
材料は、酵母、小麦粉、塩、砂糖を必須としています。
健康のことを考えて、ということで自然酵母ぱんの中に、
レーズン、クルミ、オレンジピールを入れています。
(このほかにも好みに応じていろいろ試して入れてみればいいですね!)
分量は好みによりますが、ここでは
レーズン40g
クルミ20g
オレンジピール40g です。

小麦粉総量は400gだったから、1/10〜1/20の分量ですね(目安)

前にもいいましたけど、ここでは有機栽培無添加の材料を使っています。
オレンジピールは自家製ですが、もとのオレンジも無農薬栽培のものです。

この3つの材料は、こねあがり直前に混ぜ合わせます。

写真はレーズン、クルミ、オレンジピールです。


    


自然酵母パンを焼く前
火曜日に液種を培養し
水曜日に元種をつくり
木曜日の今日は朝から仕込んで型に入れ
オーブンで焼く寸前の姿です。

午前9時半から準備行動開始
午前10時から捏ね捏ねを10分して第一次発酵へ
今日は室温30度 湿度80% 室温で発酵させる
第一次発酵の目安は4時間でしたが午後2時半に終え
第二次発酵にはいりました
この第二次発酵させるとき型にいれてしまうんです

この写真の状態は午後4時前です。
第二次発酵に1時間少々かかりましたね

写真はオーブンに入れる寸前のぱん


自然酵母パンの焼きあがり
昨日はオーブンに入れて焼く前の写真を掲載しましたが
今日は焼きあがったぱんの写真です。

オーブンで焼くときは温度200度で時間20分を目安にしています

オーブンは最初に5〜10分温めておきます
温度が200度まで上がったら発酵を終えたぱんを入れます
あとは時間がくるまで待っているだけですね。

写真は焼きあがったぱん


    


自然酵母パンを焼く
発酵を終えたぱん生地をオーブンで焼きます。
焼く温度と時間は、200度20分が目安です。

ここまでで自然酵母をつくるところから焼き上がりまでを、
ざっとやってきましたね。
次回からはもう少し細部をみていきます。

この日刊むくむく通信の目的は、生活の中の自分を見つけ出す、
ということを主眼にしています。
たまたま、ぱん作りが続いていますが、
今後は野菜つくりや芸術生活など、
生活密着型の内容をシリーズで作っていきたいと考えています。

今日の写真は焼きあがったぱんです。




むくむく通信社 むくむく叢書

掲載日2004.5.1 最新更新日 2014.12.29



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