貧乏料理

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17 師匠 18 ゴマ 19  New    
13 食品汚染について 14 もやし  15 煮物 16 鍋 
09 青空市(夏編) 10 ナス 11 まぐろのカマ 12 こんにゃく
05 お米 06 青空市の野菜 07 おからハンバーグ 08 鶏肉料理
01 仕出し弁当 02 牛スジ 03 手作りパン 04 大豆料理

 

貧乏その19 〜筍

 かなり短い時期限定ではあるが、筍が異常なほど出回る時期がある。これを書いている4月第3週あたりからゴールデンウィークあたりまでだ。筍、というとどこか料亭の高級料理のような趣がある。しかし。ここはそういう主旨のコーナーではない。立派な、京都の錦市場で店頭に並ぶような筍を紹介したいわけではない。

 先日筍狩りに行ったが、筍がニョキニョキ生えているものだ、ということを知った。ちょっと油断するとすぐに伸びて「竹」になってしまう。恐るべき地下茎ネットワークだ。各地の竹林で一斉にこういう状態になるのだから、一時的に供給過多になるのは必至。そこを狙う。青空市だ。その6でもちょっと紹介したが、袋に5個ほど適度な大きさのものが入って200円などで出回る。

 料理だが、やはり筍ご飯、これは外せない。我が家はこの安価でゲットした筍をかなり大量に入れる。ご飯が倍増され、米の減りが遅くなる。 また、刻んで薄味の出汁で煮たもの、これも基本的な食べ方である。とにかく大量に仕入れてあるので、飽きるまでこれをつまむ。しかし腹一杯食べたとしてもカロリー的にはほとんどゼロ。薄味にする理由はここにある。 他の栄養素を補うためにも根菜類や鶏ムネ肉などと煮る。これも薄味で味付けし、たくさん食べる。こういう低カロリー、低コストな日々が一週間ほど続く。わずか200円の材料費とちょっとした下ごしらえの手間さえ払えば。

 今年は20人ほどで筍狩りに行き、その場で人海戦術で皮をむき、大鍋でぐつぐつ煮たため、下ごしらえまで終えたものを10本ほど持って帰ってくることができた。このありがたい食材、水を毎日替えさえすればしばらく持たせることができる。今年は10本もあるので低カロリーな筍料理の日々を2週間は続けられそうだ。ゴールデンウィークあたりにはスリムになった我々の姿があるだろう(多分)。

 

貧乏その18 〜ゴマ

 今回は調味料を紹介する。調味料というと、ドレッシング、たれなどが多種売られているが、どれもそれなりに高価である。貧乏性の私はこれらをドバドバとかけることが出来ない。かといって、醤油だけではもの足りない。もう一風味欲しい。そこで「いりごま」が登場する。一袋100円程度で惜しみなく使える。ごま油と醤油を混ぜた(場合によって酢を少々加える)だけのドレッシングにゴマを擦り加えると、恐ろしく濃厚なドレッシングになる。しかも擦ることで香りも立ちサラダなどにもよくからむ。冬のみずみずしい大根を千切りに切り刻み、この「すりごま入りゴマドレッシング」をかけるともう、いくらでも食べられる。キャベツの千切りにもOK。いりゴマ、恐るべし。安い素材だが料理に料亭のような高級感を付加させる力があるのだ。

 用具も安い。100円SHOPでごますり器すり鉢が入手できる。それぞれについて「調理用品」のコーナーを参照して頂きたい。

 このゴマをこれまた惜しみなくパン生地に加える。焼き上がりの香ばしさといったら・・。

 ここまで書いて気づいたが、これらは全て「白ゴマ」の話。黒ゴマは更に濃厚な風味を持っているのでまた別の用途がありそうだ。ちょっと検討してみるか。「金ゴマ」?ここは貧乏料理のページ。「金」の名は似合わない。

 

貧乏その17 〜師匠

 この貧乏料理のコーナーを語るに多大な影響を受けた人物がいる。今回はその人物を紹介する。その人物の名は「魚柄仁之助」。徹底した自炊派で、学生時代から常に無駄のない食材、光熱費の使用法を考え、さらに味もよい、という料理スタイルを確立した人物だ。名著「台所リストラ術」は私にとってバイブルである。

 いくつか感銘を受けた料理を挙げる。まずは「豚コマキャベツ」。キャベツを刻んでフライパンに敷き、その上に安い小間切れの豚肉を敷く。味つけは日本酒と醤油。これを蒸し焼きにすると、美味なるおかずが一品できあがる。しかも肉のエキスが浸みたキャベツが旨く、キャベツが肉より先に無くなるという。キャベツと豚小間切れなので原価は知れている。我が家の定番おかずになっている。

 あとは滋味溢れる魚汁。3枚におろした中骨やアラなどを沸騰した湯に入れた後、煮立てずに再沸騰直前まで持っていき、そこで火を止めあとは鍋ごと布にくるみ保温調理をする。澄んだ、臭みのない、魚の旨みたっぷりの汁ができあがるという。材料代、光熱費とも抑えた例だ。

 師匠の尊敬できるところは、収入もある今は決してケチ根性からではなく、食材に対する礼儀や味のよさなどから無駄なく料理をし、買うべきものは惜しまず買う姿勢だ。それでいながら食費が年に10万程度で済むという。我々はケチ根性たっぷりで、それでいて食費は月に15.000円ほどにもなってしまう。まだまだ師匠は越えられない。

 

貧乏その16 〜鍋

 冬は鍋。

 ・野菜類:まず白菜が安い。ゴボウも安い。にんじんもどうせ煮込むのだから、形の悪い安いもので充分だ。

 ・タンパク質:まず鶏肉が安い。豆腐も安い。しかも見切り品で充分だ。

 ・他:場合によってシイタケ(安い)、えのき、しめじ(安い安い)、こんにゃく(安い安い安い)を入れる。

 ・水:水道代は無視できるほどの量だ。

 ・光熱費:我々夫婦で食べるのだから、ぐつぐつ煮込みながらつつき合う必要もない。圧力鍋で一気に大量の完成品を作る。それを椀に好きなだけ盛って食べる。だから圧力鍋を沸騰させ、ちょっと圧力を持続させる程度のガス代のみだ。

 ・味:鶏ベースなのでおいしい。ちょっと醤油で味付けして煮物風に仕上げれば、別買いしなければならないポン酢なども不要だ。買うとしたら「キムチ鍋の素」。これをちょっと使うだけでキムチ鍋らしい辛さになる。ちょっとつかうだけなので、一瓶買ってもかなり持つ。この辛さで身体も温まる。暖房費も安くなる。

 鍋って、実は「貧乏料理」の王様ではなかろうか?

 後日談。滅多に買わない冷凍食品だが、先日、冷凍さといもが78円で売られていた。青空市で買うよりもやすいのではないか? まあ新鮮さは犠牲にするとして、剥く手間が省けるのは大きい。これを鍋にドカドカと入れ、ホクホクのサトイモを味わった。

 

貧乏その15 〜煮物

 秋も深まってくると煮物が食卓に現れる率が高くなる。

 理由1:寒い外から帰ってくると、温かい煮物が無性においしい。

 理由2:休日に作りだめしておくと、その週の平日は日に日に味が浸みていき、しかも温め直すだけなので楽。

 理由3:このコーナーで紹介するからこれが大前提となるが、材料費が安い。ニンジン、大根はシーズンになると相当安くなり、しかも頂くことも多い。ゴボウも2本50円くらいのものを近所のデフレスーパーでゲットできる。No.12のこんにゃくのところで紹介したようにこんにゃくも安い。鶏も、ちょっとこってりさせたかったらモモ肉(100g70円ほど)、淡泊なものがよければムネ肉(100g30円台のことがある)、スープにしっかり出汁の味を出したかったら手羽元(100gこれも30円台。ただし骨込み)、とどれを使っても安く旨い。光熱費の面から考えても、圧力鍋で短時間調理できるのでそれほど長時間ぐつぐつ煮込む必要がなく正にローコスト料理である。

 理由4:我が家では普段玄米を食する。これにみりん、醤油で薄く味付けした鶏ベースの煮物が非常に合うのだ。

 理由5:よほど変なものでなければ何を入れても良い。以前に買って中途半端に余っている高野豆腐、大豆、その他乾物(干ししいたけなどはむしろ入れた方が旨い)、昆布(これもむしろ入れるべき)などなど。乾物一掃料理なのだ。

 作り方は極めて簡単。根菜類などは適当な大きさに刻む。鶏、乾物も同様。これらを、みりん、醤油を薄めに加えた水に入れ、圧力鍋のフタをして火にかけるだけ。ただしこんにゃくは別に茹でて置いたものを、圧力が下がってから加えた方がよい。この圧力鍋をタオルなどでゆっくり冷ましてやると、味が浸みてより良い。室温下で自然に冷ましてももちろんかまわない。手軽だ。一度冷やすと鶏の脂が湖の氷のように固体となって表面を覆うのでこれを削り取ればよりさっぱりとする。

 

貧乏その14 〜もやし

 出ました。究極の安値野菜。最近お気に入りの、我々が名付けた「デフレスーパー」では常に1袋19円で売られている。そして、先日、ついに見てしまった。新たなデフレスーパーの「本日の特売」で、何と9円! 一時期もやしは48円程の価格だったため、緑豆を買ってきて家で水を取り替えながら覆いをして育てていた。しかし、水の交換を忘れて腐らせたり、育つまで1週間ほどかかることから、いつしかやらなくなってしまった。そして値段もここまで下がると、わざわざ自家製を復活させようという気にもならない。

 このもやし、炒めるのが常套手段だが、韓国ブームの中にある我が家ではちょっと違う調理法を施す。

 鍋に水を張り、もやしを茹でる。臭くならない程度のゆで具合(ちょっと固めくらいがよさそう)になったらザルで漉す。この漉したお湯はボールか別の鍋へ受ける。そして乾燥ワカメを掴んでパラパラと入れ、醤油で味を整え、白ゴマをふる。いんちきワカメスープの完成。もやしの風味がなかなかよい。

 そして本体のもやしは、あらかじめゴマ油、醤油、唐辛子粉末(またはラー油)を入れておいたボールへ入れ、全体をよくこのタレに浸し、白ゴマをふる。もやしのいんちきナムル完成。

 ここまで安いと、惜しげなく使えて惜しげなく食べられる。栄養的にはさすがに緑色野菜の代替とはなり得ないが、それでも発芽種子特有の貴重な栄養分を含む。もやしは保存すると匂いがきつくなる気がするのでその日に調理してしまう。しかしそう毎日は買い物へ行かない。毎日食べると良いのだが・・・。

 10円でおつりが来ることもある野菜。いや、19円という値段も充分に偉大だ。なぜなら消費税がつかない。消費税は20円につき1円、という計算なので、19円だと切り捨てられるのだ。しかし、買い物かごにもやし19円だけを入れてレジに並ぶ、という度胸は今のところちょっとない。

 

貧乏その13 〜低価格と食品汚染

 ブランド、国産にこだわらない我々は、少しでも安い食材を選んで購入する。たとえば牛乳148円、たまご100円、キャベツ100円が我々の上限価格である。安い=大量生産=人工飼料、薬品、汚染etc...という連想が成り立ちがちなので、ちょっと趣向を変えて汚染を我々がどう考えているか書いてみた。

 今、狂牛病感染牛や、その骨粉を飼料とした牛の肉が問題となっている。例えばこういった疑惑の食材が安売りしていたら買うか、と言われると、やはり避ける。しかし昔からずっと抗生物質投与を言われているブロイラーの鶏肉はどうか、これは日常的に購入している。この節操のなさは何か、と問われても科学的根拠はない。昨年牛乳が汚染された時期にも毎日のように牛乳を飲んでいた。

 そう、汚染物質、原因が特定されているものについてはそれを破壊するような方法、蓄積しない部分を食べるという方法で逃げてきたのだ。

 牛乳ならば熱をかけて殺菌する。抗生物質については脂溶性も水溶性も除去するために肉を細かくして水で料理したり、浮いてきた油を除去したりする。これは魚介類についても同様。しかし狂牛病原因物質のプリオンは物質こそ同定されているが、その経口摂取後の侵入経路、蓄積状態はまだそれほど分かっていない。図書館などで調べればわかるのだが、それよりは様子を見る、という学術的でない回避策を取っている。

 要は興味のある食材が汚染されるかどうかで調べたり放っておいたりするだけなのだ。食事は、「これは薬漬けだから」「これは危ないから」というリスクを感じながら食べるより、おいしく楽しく食べたい。人間の消化器のバリア機構、胃酸、肝臓の威力を甘く見てはいけない。汚染魚類の肝臓を大量に摂取したりしない限りは、感染は限りなく0に近いと思っている。 

 でも食中毒は別。買ってきた食材は衛生管理をしっかりしているつもりだ。

 

貧乏その12 〜業務用こんにゃく

 ちょっと前に開店した安価のスーパー(我々は「デフレスーパー」と呼んでいる。ちなみに最近、「新デフレスーパー」なるライバル店が登場した)には業務用食品も少し置いている。業務用食品専門店もあるがちょっと遠いため、大学近くのこの「デフレスーパー」でまとまった量の食品を買うことが多い。例えば豚薄切り肉など常に1kg680円のものがあり、鶏肉などはもも2kg500円、胸2kg300円などだ。ただしこれらは冷凍で、しかも変形してがちがちに詰められているため、解凍しないと1枚ずつに分かれず割と使いにくい(買うが・・)。

 今回紹介するのは「業務用パックのこんにゃく」だ。普通売られている15cm×8cm程度の板こんにゃくが6枚入っていて198円。しかし値段の割に歯ごたえなどしっかりしていてハズレではない。意外と真面目に作られているようだ。安いと、デンプンの固まりを食べているような気にさせられる製品もあるのだが。

 猛暑だった夏が終わり、秋の風が涼しく感じるようになってくると煮物の季節は近い。上記鶏をぶつ切りにし、そこに里芋(これもシーズンに入ると青空市で58円くらいで出回る)、ニンジン(これもシーズンになるとやはり1袋58円の世界に仲間入りを果たす)を適当に切って、後は昆布(もらいもの。ありがたいことに我が家には大量にある)をはさみで切ったものを加え、醤油、みりんを加え圧力鍋でさっと火を通す。そこへ下ゆでしておいたこんにゃくを入れ、保温調理鍋内に放置。こんにゃくは業務用パックを買っているので惜しげもなく3枚分を一度に入れたりする(惜しげなく、といっても99円分だが・・)。

 これだけで立派な一品料理。加賀の治部煮もおどろく上質の煮物が出来る。しかも、3枚のこんにゃくが入っているので3日は持つ(日持ちの意味ではなく、消費速度の意味。それだけしか持たないのか・・)。

 アレンジとして、大豆(青空市。貧乏その4参照)を入れたり、鶏も骨から旨みとコラーゲンがたっぷり抽出される(しかも安い)手羽元を使用したりする。

 今のところこんにゃくの他の使用法としては「おでん」くらいしか思いつかないが。これの場合は入れすぎるとおでんなのかこんにゃく煮なのかわからなくなるのでほどほどに。 また、味噌田楽のような濃い味の料理は私はちょっと苦手である。

 

貧乏その11 〜まぐろのカマ

 ちょっとした規模のスーパーに行くと、マグロのカマが安値で売られていることが多い。マグロのブロック、短冊などでは500円超のパックが当たり前だが、このカマだけはg当たりの値段を考えても、同じマグロとは思えないほど安い。しかも人気薄商品のためか売り切れにくく、入手が容易である。

 カマなんて、どうせ食べるとこ無いし、おいしくもないんじゃないの?と思うかも知れない。ところが、である。新鮮なカマを仕入れてスプーンで肉を皿の上にほじくり出していく。気がつくと「マグロの中落ち」が大量に皿の上にあるではないか。これにネギ(安価な万能ネギ、やっこネギでよい)をたっぷり加え、混ぜ、叩けば立派な「ネギトロ」の完成である。これをご飯にのせてわさび醤油など回しかけたりするともう最高のぜいたく気分である。

 ネギトロもよいが、やはりカマ焼きに限る。焼くちょっと前でいいから塩をまんべんなく振っておく。そしてコンロの中央の魚焼き器などで充分に焼く。これだけの手間しかかからない「カマ焼き」が何とうまいことか! 居酒屋で頼むと平気で500円以上とられ、余計な醤油分などが降りかかっていたりするが、これがわずか280円程度+ちょっとのガス代でできてしまう。味もシンプルでうまい。このカマ焼きはマグロに限らない。ブリのカマもよく売られている。しかもマグロのそれよりまた一ランク安い。これのカマ焼きもよい。そして濃い目の味になるがみりん醤油につけ込み、照り焼きにするのもなかなかである。

 カマに限らず、鯛のアラなども見かける。このような解体の副産物的な商品がでている、ということはその店で魚を仕入れ、解体しているということだ。外から解体された切り身を仕入れているのではなく。つまり、それだけ魚を売る気があるということだ。それだけで判断してはいけないとは思うが、そういう店の魚は信用していいと思う。

 食べるときの注意。奥の方の身をほじくろうと目を近づけてあらゆる方向にひっくり返しているうちに巨大な目玉と目が合って思わず「!!!」と驚くことがある。

 

貧乏その10 〜夏場のナス

 青空市に限らず、スーパーなどでもこの時期(8月)ナスが非常に安い。3,4本入って58円などは当たり前の世界だ。この時期だからこそ、ナスを惜しげもなく料理できる。焼きナスなど豪勢に1人2本食べたりできる。それでも2人で58円!豪勢??

 我々お気に入りのおいしく簡単な食べ方を紹介する。中華風というか、韓国風というかその中間のような料理だ。ナスを縦に切り圧力鍋で30秒ほど蒸す。これで充分柔らかくなる。それをごま油、醤油、粉唐辛子、すりごまを混ぜたたれに熱いうちにつけ込む。それを冷蔵庫で冷やして食べる。

 または蒸したナスはそのまま冷やしておく。タレとして上記材料+レモン汁(酢やすだちで代用可)、好みですりおろしショウガ、すりおろしにんにくを加えたものを用意。大皿に貝割れ大根(一パック28円)を敷き詰め、その上にナスを上品に並べ、食べる直前に上記タレをかける。こうすれば外で5〜600円を支払って出てくる一品料理のような外観となる。

 ちょっと手間をかけるのなら、最小限の油で炒めるように揚げ、だしを加えた醤油系のタレにつけ込む「揚げ浸し」も最高である。もちろん辛みを入れた麻婆ナスなども食欲を増進させる。

 ナスには体を冷やす作用があるという。夏場だからこそ積極的に食べたい食材だ。わざわざ寒い冬にハウスものを高価で仕入れて食べるのは馬鹿馬鹿しく思えてくる。

 そしてまた曲がったナス、不細工なナスが10本ほど詰まって78円、などというお買い得パックを入手して幸せな気分にひたるのだ。

 

貧乏その9 〜青空市にて 夏編

 貧乏その6で書いた青空市について、夏の青果を紹介する。つい先日、7月22日に行ってきたのだが、今回のヒットは西瓜。あのフルサイズの、ビーチボールのような大きさのものでも500円台。しかし、我々が目を付けたのは大きめのメロン程度の大きさの小玉西瓜。これが何と一玉100円。直径が普通サイズのスイカの半分とすると、球の体積は径の3乗の式であらわされるため、体積は普通サイズの1/8ということになる。つまり普通サイズでは800円に相当する。そう考えると格安ではないが、手頃な値段、冷蔵庫内でも場所をとらないなどの利点を考慮し半信半疑で買って帰った。

 そして適度に冷えた頃に切ってみる。中身はまさに西瓜のミニチュアだった。皮も薄く、赤い実が表皮から5mm程度のところまでぎっしりと詰まっていた。皮:実の比率も通常スイカの比率と同等であった。皮の厚みばかり通常サイズで実が少なかったらどうしよう、と心配していたのだが、そんな心配は無用であった。

 味。これも通常サイズのスイカの甘みを1/8に濃縮したのでは?と思えるほどの甘さ。これも期待を大きく上回った。水分も充分。唯一の難点は小さい分、種が多く感じられることだけだ。

 結論。体積的には割高(でもスーパー売りに比べれば充分安いが)だが、味、扱いやすい大きさを考えると大当たりである。

 これだから青空市は止められない。その他、大量のシソ葉(花束のような状態で茎についている)58円、曲がったキュウリ38円などヒット商品多し。ガソリン代をかけても行く価値はあった。

 

貧乏その8 〜鶏のレシピ 編

 我々は鶏好きである。それは安いから、ではなく、本当にあの味が好きなのだ。鶏独特の臭みがダメで鶏が食べられない、という人もいると思う。確かに気になる人は気になるだろうなあ、と思いつつ、我々は何も嫌悪感なくがつがつ食べてしまう。このコーナーで紹介するのは、スーパーで激安(100gあたり38円、といったような)で売られている日に買いだめて冷凍保存して置いたような、いわゆる「鶏わさなどのような半生で食べるのはちょっと・・」というような肉のおいしい料理法を紹介する。

1)棒々鶏

 材料:鶏もも肉1枚・生食できる程度に新鮮な野菜適量(例としてキュウリ、キャベツなど胡麻だれに合うものが良い)・ねぎ・ショウガ・好みでにんにく・ごま適量・鷹の爪1本orラー油・醤油・日本酒・酢を適量

 まずは鶏を蒸す。我が家では圧力鍋を使用。スープが欲しいか否かで次の2通りの蒸し方のどちらかを採用。

 方法1:圧力となる蒸気用の極少量の水、日本酒少々を加えて鶏を蒸す。鶏の旨みを全て食することができる。

 方法2:多めの水(日本酒少々添加)にねぎのぶつ切り、ショウガのスライスと共に鶏を入れて圧力をかける。水の方はそのまま中華スープになる。鶏も旨みがスープに逃げたといっても充分旨いものとなる。

 これらのいずれかの方法で蒸したもも肉はしばらく放冷しておく。冷えてからでないと切りづらい。

 タレ。ねりごまを使うのが楽だが、我が家では時間があるときは白ゴマをすりばち(100円SHOPで売られているもので充分)で摺る。ティースプーン2杯分も摺れば充分だ。これを酢:醤油=3:1程度に合わせたものを好みの粘度になるまで加えていきながら溶く。そこへ鷹の爪、ニンニクを細かく刻んだものを入れる。鷹の爪1本は相当辛い。鷹の爪でなくラー油で辛さを加えてもこれがまたおいしい。よく混ぜたら食べるまで置いておく。

 食べる直前に生野菜を細かく千切りにして台をつくり、その上に適当な厚さにスライスしたもも肉を広げ並べる。そこへタレを上品にかければ、立派な中華名店の一皿となる。冷たい方がおいしいと思うので、食べる直前まで蒸したもも肉は冷蔵庫へ入れておくのが良い。

簡単に書いたつもりだがかなりスペースを使ってしまった。次に行く。

2)くず打ち

 材料:鶏ムネ肉orささみ肉(ムネの方が安くてよいが、その場合皮は適さないので取っておく。皮はベーコンのようにかりかりに焼いて刻み、サラダなどに散りばめると良い)・片栗粉・わさび・醤油

 ムネ肉を一口サイズに切る。それに片栗粉をまぶし、沸騰した湯で軽く茹でる。それをよく冷やしわさび醤油で頂く。うーん、簡単だ。当然吉野葛などは使うわけもないのだが、食感は何ともつるりんとして良い。

 凝った器に千切り大根、シソの葉などを敷いて肉を上品に盛りつければ立派な料亭の一品だ。

3)サラダ

 ムネ肉を蒸して(上記方法と同様の考え方でよい)、手で繊維に沿って裂く。それをサラダに散らし、ドレッシング(胡麻油+醤油+酢を適量ずつ混ぜたシンプルな和風ドレッシングの相性が良い)をかけ、よく混ぜて頂く。

 以上3つ、夏に適した低コストの鶏料理を紹介した。これらの淡泊な旨みが病みつきになると、油たっぷりの霜降り牛などはしつこくて食べる気がしなくなる(単に買う気が起こらなくなるだけだったりして・・)。

 

貧乏その7 〜おからハンバーグ 編

 おから、いわゆる豆腐の絞りカスは、最近では健康補助食品的な位置付けで、綺麗にパックされたものが100円を越えるような値段で売られている。一昔前までは、おからなど豆腐店へ行けばタダでバケツ一杯くらい分けてくれたりしたそうだ。今では豆腐店も珍しくなり、豆腐生産も工場で行われるようになってきた。しかし、どこかでおからは発生しているはずである。 先日、近所のあるスーパーで、おからを「カス」の位置づけで売っているのを発見した。無造作にビニール袋に詰め、40円くらいで売られていた。私が狙うのは仕入れた翌日の商品だ。これには「半額」シールが張られる。つまり、20円で1kgほどのおからが入手できるのだ。いくら私でも、「タダで」というつもりはない。この20円、という価格が適正な気がする。

 このおから、どうするか。大豆のカスなので主成分はタンパク質。そして不定形、とくれば、「ひき肉代用品」として活用するのが正しいと考えた。ひき肉の代表料理、まずはハンバーグだ。おから100%でハンバーグを作ってみた。完成品を箸でつかんだ瞬間、ぼろぼろと崩れていった。つかめばつかむほど崩れ、最後は粉末状となった。おからはお互いくっつき合う性質のタンパク質ではない。繊維化した食材なのでまとめて圧縮してもすぐにポロポロ崩れていく、よってつなぎにどうしてもひき肉が必要となる。何通りか試した結果、半分はひき肉にしないと崩れは防止できないようだ(他のつなぎを入れれば可能かもしれないが)。つまり、おからは「ひき肉代用品」ではなく、「ひき肉補助食品」と考えた方が良い。

 このハンバーグの特徴は、味わいだ。ひき肉100%の「肉汁ジュワッ」のハンバーグもいいが、おからハンバーグのなつかしい味はまた別の良さがある。豆乳成分を取られたとはいっても豆腐の面影は残しているため、どこか「焼き豆腐」風な風味がある。かけるのもソースよりはむしろしょうゆの方が合う。私のお気に入りは中華風。タマネギ、人参などを中華スープで煮て、最後に水溶き片栗粉でまとめた「あんかけ」だ。

 1kgあたり20円の補助ひき肉、やめられない食材だ。しかしミートソースは合わないだろう。むしろそぼろ丼など、和風のメニューに代用する方がよさそうだ。

 

貧乏その6 〜青空市の野菜達 編

 貧乏料理、のコーナーは「料理」を紹介するコーナーであり、今回のような「材料紹介」だけ、というのはあまり本意ではないが、材料費節約も貧乏料理のうち、と考え紹介することにした。

 愛用している野菜の即売場、通称青空市ではとにかく野菜が安い。しかも新鮮だ。日々の野菜はスーパーで仕入れるが、たまにこの青空市へ出かけて根菜類などの日持ちするものや一部の青野菜をどっさりと仕入れる。我が家から7,8kmのところにあるので車で往復するとガソリン2L分、この辺りの相場では210円分の輸送コストがかかるが、それを上回る量を買い込むのだ。

 例えばじゃがいも。スーパーでは商品価値の出ないような小さな小さなじゃがいもが抱えるほどどっさり入って200円だったりする。この小イモ、向くのはちょっと面倒だが、カレーやシチュー、煮込みなどには適度なサイズなのでそのままぽいっといれればよい。本来皮も食べたいのだが、市販品のように充分な洗浄がされておらずしっかりと土にまみれているため、家庭ではなかなか洗いづらい(排水パイプに泥が溜まってしまう)。

 カボチャはシーズンに入ると片手サイズのものが一玉30円で出回る。保存が効くのでこれを買い占め、夏場は冷製カボチャスープなどにして惜しみなくいただく。

 次に白菜。この冬は不作で高めだったが、昨年などは顔の4倍くらいの大きさのものが100円以下で購入できるような状態であった。2回ほどたっぷりの鍋料理に使い、ようやく見慣れた大きさの白菜となる。当然冷蔵庫には入らないため早めに使う。

 今の季節なら筍。それほど立派なものではないが、20cmほどの高さのものが5個入って200円だったり、40cmほどの立派なものがお手頃価格(前者を購入したためビッグサイズの方は値段を記憶していない)で売られていたりする。青空市では精米などもおこなっているため、米ぬかもタダで手に入る。

 これからの季節の狙い目はシソ。スーパー品は整然と束ねられ10枚ほど入ったパックが80円などで売られていたりする。しかし、青空市のそれはケタが違う。ビニール袋にこれでもか、というほど詰め込まれたものが198円などで売られる。整然と並べられているわけではないので折れたり丸まったりしているものもあるが、味に差はない。以前に一袋の枚数を数えたら200枚近くあった。夏場は弁当のご飯の上に惜しみなくちぎって散りばめ、風味と殺菌効果に大活躍。

 スーパーとの比較ばかり書いたが、決してスーパーを高い、と非難しているわけではない。綺麗に洗われ、使いやすいように揃っているという簡便さを考えれば、日常の買い物用に充分な質と値段なのだ。

 でも青空市とスーパーの両極端になってしまい、いわゆる商店街の八百屋、という店には最近ずっと行っていない。そういう店も好きなのだが・・。 

 

貧乏その5 〜我が家のご飯 編

 今回はご飯。つまりは昼食(弁当)、夕食の主食、米についてである。数年来、我が家では玄米を炊いている。よく「どうやって炊くの?」「圧力鍋で炊くの?」などと質問を受ける。しかし質問者を満足させられる解答を返すことはできない。なぜなら答えは決まって、「普通の電気釜で普通に炊いている」だからだ。電気釜で普通に炊くと、玄米の表皮がしっかり残った堅いご飯となる。しかし我々はこの「普通に炊いた玄米」をじっくり噛みしめながら食べている。白米を掻き込むような「早食い」をすると堅い表皮(ぬか)を一生懸命消化しようと消化器系に負担がかかり、しかもせっかく玄米を食しているのに表皮が充分粉砕されていないため充分な栄養素を吸収しきれなくなってしまう。気を付けなければならない。私は個人的には、つゆだくの牛丼や天つゆたっぷりの天丼のような「汁かけご飯」が大好きである。しかしこの食べ方は玄米にはふさわしくない。どうしても流し込むような「早食い」になってしまうからだ。しかし献立というものはうまく出来ていて、玄米ご飯には丼ものは似合わないのだ。丼ものはやはり白米に合う。

 では玄米ご飯は何で食べるのがよいか。我々が最も合うと思うのはごまをかける食べ方だ。いりゴマをそのままちらしても良し、またはごますり器ですりかけても良し。昼の弁当のご飯は大抵これである。ごまの風味と玄米の風味が噛みしめるうちに調和し、美味なのだ。

 さて、ここまで読むと「どこが貧乏料理?」と思うことだろう。基本的に玄米は白米より高い。それを常食していて「貧乏」ネタが成り立つのか?それが成り立つのだ。理由の一つは既に述べている。そう、噛みしめるところに答えがあるのだ。噛みしめる→早食いをしない→適当な摂取量で満腹中枢が働く→茶碗1杯でも充分満腹感を得られる。というフローだ。白米の場合、柔らかいので噛みしめなくて済む→早食いになる→満腹中枢の作用が摂取速度に追いつかない→満足感がなかなか現れない→おかわり→ようやく満腹中枢が働き始めた頃には既に2,3杯食べている。このフローにより、白米の場合玄米の2,3倍の消費量になってしまう。これはカロリー過多にもなり、1食あたりの米代も結局高いものとなる。

 もうひとつの理由。玄米は白米に比べて食べるスピードと関係なく満腹感を得られるのだ。白米では精米→こめ研ぎの操作でほぼ100%「ぬか」が除去される。残りは炭水化物あるのみ。丸元氏いわく「空のカロリー」である。玄米ではVitamin B群に代表される栄養素がしっかり残る。よって摂取量は少なくても動物的な満足感が得られる。現に我々が玄米を切らして仕方なく白米を買ってきて食べると、たくさん食べてもお腹が一杯になった気がしないのだ。このことも摂取量に差がでる一因である。

 玄米のいいところをもう一つ。先程「丼もの」には合わないと書いたが、おかずも伝統的和食が非常に合うのだ。こんぶや根菜の煮物、カボチャの煮物(砂糖は使わない)、魚、おひたしなど。無理矢理ドリアやカレーライス、リゾットにしてみるとこれはやはりミスマッチ(たまにするが・・)。日本人の食事の欧米化が問題視される中、自然と和食に嗜好が傾くのだ。

 もう一つ主食に重要なもの。それは添加物。 といっても米以外の穀物、という意味である。最近は押麦などを1割程度混ぜて炊いている。押麦の価格は1kgあたり300円以下。米よりも一段階安い。これは残念ながら精白した麦なのでこれを100%として常食するのは意味がない。味も落ちる。1割程度のブレンドがよい。

 玄米初心者には、7分、5分、3分についたものが勧められる。それぞれ7割、5割、3割ぬかを除去したものと考えればよい。間違っても、袋に小分けされて高価格で売られている「普通に炊ける玄米」などという商品を買ってはいけない。玄米は普通に炊けるのだ。

 

貧乏その4 〜大豆の使い方 編

 今回は大豆。まず仕入れについて。これは地方都市特有の「青空市」を活用する。青空市では、周辺の農家で収穫された大豆が格安で販売されている。大豆には規格があるようで、売られているのは小粒の大豆。大粒のもの、粒の揃ったものは高めの価格で取り引きされるのだろう。その残りの不揃いの大豆は400gも入っていて200円程度で売られている。スーパーで売られている袋サイズなら70円ほどで手に入る。保存がきくので、行ったときに買い占め、すぐに使わない分も空き瓶などに保存しておく。

 次に下ごしらえについて。豆類にはアク、微毒素があるため、たいていは大量の水でゆでて、何回もゆで湯を捨てるように書かれている。しかし大豆についてはそれほど神経質になる必要がないようだ。調理前日に大豆を鍋に入れ、多めに水を張っておく。すると数時間後、大豆は充分に水を吸って膨らむ。これを圧力鍋で2分ほどゆでたら、「大豆の水煮」の完成である。そこでゆで湯を捨てれば充分なアクとりになる。更に裏技として、タイマーでご飯を炊く場合、大豆を炊飯器の中に適量入れておくと、豆ご飯が炊きあがる、という使い方もできる。早炊きモードなどではやや吸水が不足して固めになるかもしれない。そしてこの全く吹きこぼさない方法で煮ても少なくとも我々の体には何も影響はない。

 料理法。我が家では和、洋各パターンの料理に仕上げることが多い。

 まず和の方だが、鍋に水を張り、昆布、干し椎茸、人参、好みで鶏肉などを入れて圧力をかけ煮る。そこに味醂と醤油を適量加え、別鍋で煮ておいたこんにゃくを1cm四方くらいに刻み加え、大豆を加える。これで一度冷まして味をしみこませれば「大豆五目煮」の完成。簡単で特殊な材料、高価な材料は使用しない。

 次に洋の方。鍋にみじんニンニク、鷹の爪とオリーヴ油を入れて火にかける。香りが出てきたらベーコン、みじんタマネギを投入し炒める。ここにトマト水煮(缶づめ)をつぶして入れる。濃厚な味が好きならブイヨンなどを入れてもいいが、我が家ではシンプルにそのまましばらく煮る。しばらくしたら大豆の水煮を投入し、味をなじませる。メキシカンなイタリアンな、でもどこかなつかしい味である(給食でたまに出た料理だからだろうか)。

 豆を煮る、というとあの甘い味を想像するが、豆は本来しっかりと味をもっているものなので、シンプルな味付けで健康的に食べたいものだ。同じタンパク質なら肉を常食するよりおすすめだ。

 他におすすめの豆は、ウズラ豆、金時豆、いんげん豆など。どれも五目煮やトマトソース煮でいける。ただしややコストが高い。スーパーあたりでないと入手しにくいからだ。升売りをしている「豆屋」って、最近見かけない。

 

貧乏その3 〜パンは自分で作ろう 編

 結婚してしばらくしてから家計簿をつくづく眺めていて、食費に占めるパン代の割合が高いことに気づいた。というのもうちは2人ともパン好きで、スーパーで売っている食パンでは我慢できず、おいしいパン屋をあれこれ探して満足できるものを買っていたからだ。大体1斤を3日で消費するからしょっちゅうしょっちゅうパン屋に行っていた。それにパン屋に行ったらやはりおやつパンにも手が伸びてしまう。

 たまに高くておいしいパン、ならよかったのだがデイリーに高くておいしいパン、というのは単なる贅沢、分不相応ではないかと2人とも思うようになった(食費の中でパン代が突出していたことがわかっていただけると思う)。

 そこでホームベーカリーの導入を考えた。一時的には出費が大きいが、材料費、電気代を含めて長い目で見たら得になる、と2人で算出したのだ。とはいえホームベーカリーのパンがおいしくなかったら何の意味もない。アパートの友人やら同僚の家にあるというホームベーカリーを借りたり見せてもらったり実際に食べさせてもらったりして検討した結果、導入したのがN社のホームベーカリーである。

 実際に計算してみよう。ホームベーカリーでパンを焼くのに必要な材料(1斤分)は、強力粉 280g、砂糖 17g、スキムミルク 6g、バター 11g、水 210ml、ドライイースト 2.8gである。これから1斤分の原価計算を行うと、

  強力粉 約200円/kg    1斤56円      バター 約150円/450g   1斤 4円

  イースト  600円/500g    1斤 4円      スキムミルク 約700円/kg  1斤 4円

砂糖はヨーグルトを買うと付いてくるものをためておいて使っているので実質経費ゼロ、水道代は計算に入れない、電気代は1斤13円程度。つまり合計は、81円/1斤となる。

 パン店で1斤のパンを買うと最低でも250円はする。つまり1斤を手作りすると250-81=169円が浮く。年間365/3=121斤のパンを食べるので、浮くお金は169*121=20449円が1年で節約できる。ホームベーカリー代くらいは1年で軽く償却できる。我が家はすでに5年以上使用。完全に黒字経営だ。

 確かにたまにはパン屋で購入することもある。しかし1年の365回の朝食のほとんどは上記自家製パンを食べる。我が家で最も多く食卓にのぼる自家製食材である。自家製パンの長所として、上記の材料のみなので、保存料、pH調整剤などの添加物は口に入ることがない。この差は常食している場合大きい。自家製は健康にもよいのだ。さらに健康向上のため全粒粉、ライ麦などを混ぜることもあるが、発酵阻害をおこさないよう粉全体の1割に相当する、28gずつなのでコストは大きくはかわらない。

 上記計算で示した原価を見ての通り、材料を買うときは業務用食品店で大量に仕入れるのがコツ。イーストなどは小分けして冷凍保存できる。間違っても1回分がわざわざ1包みに入っているような、スーパー売りの少量イーストなどは買わない。

 

貧乏その2 〜牛スジは最高の素材 編

 いつの頃からか、牛スジ肉にはまっている。何しろ値段が安い。100円/100gを下回ることが多く、しかもあまり購入者がいないため投げ売りされやすい(半額シールなどが貼られやすい)。しかし関西風おでんにはつきものの具らしく冬場はやや値が上がる。岡山に移住してから使うようになった素材なので関東での相場はわからないが、さらに安いらしい。

 さて、この牛スジの使い方だが、下処理を省略してはいけない。まず大量の湯で下ゆでをする。すると湯は真っ黒になり、大量のアクと油が出てくる。これらはもちろん捨てる。貧乏料理だからといって光熱費をケチってまずく体に悪いものを食べるのは当給食室では意味がない。

 下ゆでした牛スジ肉は軽く湯で洗い、さらに余計な油を流す。その後大量のタマネギ(青空市などで売られている10数個入って100円の袋などで充分。生食しないので高価なタマネギは不要)をざくざく刻んだものと少々の焼酎(安物で可)で煮込む。我が家ではここで圧力鍋を用い光熱費と時間を節約。

 充分煮込んだ牛スジは万能である。ゴボウなどと煮込み、飲み屋の定番「牛スジ煮込み」にしてもよし、ビーフシチュー(スジといえども立派なビーフ!)に入れて高級感を出してもよし、さらに大量のネギなどと炒めて挽きコショウをしただけでも癖になる味となる。もちろん一緒に煮込んだタマネギは全て一緒に使う。これがまたおいしい。

 栄養的には、スジなのでゼラチン質、コラーゲンの固まりである。霜降り肉などを常食している金持ち層と比べると健康や肌のツヤに大きな差が付くのは当然だ。また、歯ごたえもあるため、とにかく噛む。噛むことで顎の筋肉が引き締まり、顔つきにも張りが出る。もちろん顔から頭への血行もよくなるため頭も良くなる。噛まなくてもとろけるようなフォアグラを常食している金持ち層と比べると、顔の締まり、頭の良さに大きな差がつくのは当然だ。

 牛スジ購入のコツ。買うときは特売、底値を狙い、スーパーのものを買い占める勢いでとにかく大量に買い、一気に下処理をするのが良い。処理後のものは冷凍も可能であり、冷凍してもさほど味わいは落ちない。

 

貧乏その1 〜余った仕出し弁当編

 ここ数日学会の手伝いでスタッフ用の仕出し弁当が出されている。しかもそれらは余る。当然私、麦夫はそれらがそのまま廃棄されるのを見届けるわけがなく持ち帰る。家でそのまま食べて一食分を浮かす、というネタではわざわざここで取り挙げる意味がない。手を加えるのである。家で冷めた仕出し弁当を食べているとどうも味の濃さが気にならないだろうか?食べる雰囲気が異なることもあるが、味が冷めていく過程で素材にしみこんでいくためでもある。そこで登場するのが鍋と水だ。

 濃い味の原因は保存性を高めるために加えられた大量の糖分、塩分、加工調味料だ。しかしこれらは全て水溶性物質、つまり水に溶ける。鍋に少な目の水と一緒に仕出し弁当のおかずを入れ、ちょっと煮込む。その後具だけを取り出し頂く。ちょうどよい薄味でしかも暖かい惣菜が食べられる。製造後時間が経過したものに熱を通したことにもなり衛生的だ。おかずの味が混ざるのが嫌ならば小皿に分けてに水を加え電子レンジで加熱してもよい。

 鍋には余剰調味料の水溶液が残る。ここでこれを飲んでしまうと摂取量は元のおかずと同じになってしまう。これらは洗浄水と考え捨てる。捨てることに抵抗はないのか?と疑問に思うかもしれないが、かずのこを戻す過程で発生した塩水を飲む者はいないだろう。おっと、こんな高級食材の例はこのページにふさわしくない。

 揚げ物はどうするか。水を使わずに電子レンジで温める。温められることにより含まれた油分が流動性を増し、クッキングペーパー上に転がせば滲み出した油が簡単に吸い取られる。冷えているとこれがうまく吸い取られない。

 初回に取り挙げたこのネタのように、当ページで紹介する貧乏料理はケチ性だけではなく健康も考えたい。

麦実の一言。

 濃い味のお総菜を煮た煮汁はそれなりの味があるので、豆腐やジャガイモを煮ると味がしみていいですよ。煮物ではなく、お弁当具を細かく刻んでお酢につけこみ、酢に味を出させてご飯と混ぜるといんちきちらし寿司が出来ます。