入川真ノ沢・甲武信岳(奥秩父)

MR443 入川真ノ沢・甲武信岳(奥秩父)

date 2002/6/21-23 晴のち曇、晴のち曇のちガス、ガス時々霧雨
コース 入川渓流観光釣場〜入川林道〜柳小屋〜真ノ沢〜甲武信小屋〜甲武信岳〜三宝山〜大山〜股ノ沢林道〜柳小屋〜入川林道〜入川渓流観光釣場
実働 第1日:2h50m、第2日:7h45m、第3日:8h05m、計:18h35m。
概要 入川基点、柳小屋泊、真ノ沢滝多く長い、甲武信小屋泊、アズマシャクナゲ、股ノ沢林道下降。
メンバー すうじい(単独)
行程 →:山道、:溯行、\\:藪漕ぎ
【6月21日】 晴のち曇
入川渓流観光釣場13:10→14:10赤沢出合14:25→15:25中間小尾根15:30→16:25柳小屋(泊)

【6月22日】 晴のち曇のちガス
柳小屋5:40股ノ沢出合5:506:25通らず入口6:40魚止滝上6:558:05 8m滝8:20
9:50千丈ノ滝下10:1010:20武信白岩沢出合下10:30→10:45千丈ノ滝上10:50木賊沢出合
11:15(1:4)枝沢12:1012:35不動ノ滝12:4513:00左岸枝沢13:05三宝沢出合13:15
13:48(2:1)スラブ枝沢13:5314:25 10m階段滝上平流14:3515:00奥ノ二俣15:05→
15:20休15:25→15:35甲武信小屋(泊)

【6月23日】 ガス時々霧雨
甲武信小屋5:40→6:00甲武信岳6:10→6:40三宝山6:45→7:55武信白岩中央岩峰8:00→8:45
大山9:10→白泰山分岐9:35→股ノ沢林道分岐9:50→11:50柳小屋12:10→13:15中間小尾根
13:20→14:00赤沢出合14:05→15:00入川渓流観光釣場
記録  荒川源流の入川真ノ沢から甲武信岳に登るのが、一つの夢だった。そして、アズマシャクナゲの花を見たい、という気持もあった。久々のお泊まり沢登りとなった訳である。

【6月21日】 晴のち曇
 朝ゆっくり起きて、家を出る。入川渓流観光釣場手前の駐車スペースに着いたのは、既に正午を過ぎていた。久々の泊まり掛け山行なので、パッキングに手間取る。

 観光釣場を横目に、入川林道を歩く。橋を渡って間もなく、道は二分する。右に登って行く立派な舗装道路は、東大演習林のものだ。左に下って行く、ゲートのある狭い林道を辿る。やがて森林軌道跡の水平林道となり、赤沢出合までひたすら歩く。1時間程で赤沢出合に至ると、ベンチがあり、森林軌道についての説明板もある。荒川起点の碑も立っている。

 赤沢出合から、少し赤沢左岸を登ると、すぐに赤沢吊橋で右岸に渡る。ジグザグ急登で森林軌道跡まで達すると、今度は赤沢上流へ向かって、ほぼ水平にトラバースする。少し不安になる頃、山道は軌道跡から分かれ、登り始める。やがて、途中で道は二分するが、その先で合流するので、どちらを歩いても良い。刈り払いしていない右のジグザグルートを採る。

 再び合流後、道は一時不明瞭になるが、慎重に捜せば、間もなく入川と赤沢を分ける尾根を越す。今度は、入川側の大高巻トラバースの始まりだ。多少のアップダウンを繰り返しながら、進んで行くと、赤沢出合から1時間程で、中間の小尾根に乗り、これを10m程登る所がある。ここでタルんでいると、日帰りらしい軽装の渓流師(ヘルメットと渓流足袋がザックに吊してあった)が降りてきた。

 更に1時間ほど頑張ると、入川の流れ近くまで下り、間もなく柳小屋前に至る。小屋の前では、松葉沢が右岸から出合い、吊橋が入川を渡っている。単独の釣師が、吊橋のすぐ近くで釣りをしている。吊橋前のベンチに荷を置いて、松葉沢で水を汲む。

 今日の予定はここまでなので、小屋に入ってくつろぐ。今宵の宿泊客は、先程の釣師と私の二人だけだ。間抜けなことに、コッヘルを忘れてきたので、小屋に置いてあったミニやかん・鍋を借用する。シュラフカバーだけでは、少し寒かった。

【6月22日】 晴のち曇のちガス
 柳小屋の前から溯行開始。既に釣り始めている、昨夜の釣師に別れを告げ、その先の真ノ沢吊橋を潜って、真ノ沢に入る。30分ほど、平凡な流れを溯ると、最初のゴルジュ「通らず」入口に達する。入口の釜の先で、ゴルジュはすぐに右に屈曲する。右岸の滑り易い岩の斜面を、少し登ってデジカメ撮影。連続する小滑滝の奥に、2段5m滝までは見えている。

 「通らず」の高巻は、入口まで戻って、左岸の踏跡を辿る。2段5m滝の上に、魚止滝2段8mCSが現れ、その上流に下降する。小ナメの上の石滝3mは、右壁を登って越えると、「通らず」のゴルジュは終わる。

 少し進むと、雰囲気の良い、釜を持つ滑滝2mが現れる。思わず三脚を立てて、一眼レフの出番だ。その上にも、2段2m滑滝が続き、幾つかナメ・釜を過ぎると、スベリ台みたいな5x8m斜瀑となる。左壁を適当に登って越えると、第二のゴルジュ入口の8m滝が現れる。ここでも三脚を立てる。

 8m滝は、右岸のルンゼから巻き始める。続く2m滝、6m上2条滝も併せて、右岸を巻くが、ブッシュが剥がれている箇所があり、少し悪い。続く2x8mトヨナメ状は、釜の左手から取り付くが、流倒木が邪魔をしてややこしい。ゴルジュ出口の2m階段状滑滝は、簡単に越せる。

 しばらく平凡な流れを辿ると、巨岩ゴーロ状の(3:1)武信白岩沢出合に達する。少し手前の右岸にケルンがあり、真ノ沢林道への巻道取付点である。真ノ沢本流は、4mCS滝となって落下している。左岸沿いに一旦武信白岩沢に入り、すぐにゴーロを横断して、中間小尾根状を越え、真ノ沢本流に入る。間もなく、樹木の合間から、千丈ノ滝が見えてくる。

 千丈ノ滝は上段15m、下段10mCSの、豪快な2段逆くの字滝である。少し手前の右岸の草付を登り、デジカメを構える。ちょっと不安定なので、三脚を担ぎ上げるのは止めた。下で三脚を立て、一眼レフの出番。高巻は、武信白岩沢出合下まで戻り、踏跡を辿って、真ノ沢林道まで高度を上げる。林道という名の踏跡をトラバースして行くと、眼下に千丈ノ滝が垣間見えてくる。

 千丈ノ滝のすぐ上で、真ノ沢林道は沢に降りる。恐る恐る落口から千丈ノ滝を見下ろそうとするが、とても全貌は窺えない。ここで真ノ沢を横断した真ノ沢林道は、格段と不明瞭になり、赤テープは左岸を高く登っているようだ。30分程、平凡な流れを辿ると、正面に木賊沢を分け、本流は右に屈曲する。この辺り、沢筋がハッキリしない傾向があるので、注意が必要だ。

 ゴーロ沢を少し進むと、左岸に涸れルンゼを見て、沢は左へ曲がる。ゴルジュの小滝群に続いて4m滝を右から巻く。倒木帯を越えると、2段5m逆くの字滝となる。いつの間にか、霧雨状の天気になってしまった。その先の2段5m滑滝を前衛とする7m滝は、左から巻いて越える。3-4mの滝を幾つか過ぎると、右岸から(1:4)の枝沢が出合う。

 この先、右岸は台地状で、快適そうなサイトである。ナメが続くようになり、3x5m、8x12m2条の滑滝を越える。倒木帯の先に、不動ノ滝10m階段スダレ状が姿を見せる。小豆色がかった、特徴ある滝である。左壁に取り付き、一度水線に近付いてから、左手の凹角をよじ登る。

 さらに、ナメ・滑滝が連続し、倒木も多くなる。右岸にガレを見て、明るく広い倒木帯に突入すると、左岸から、(5:1)の目立たない三宝沢が出合う。正面の8mスダレ状が、駒鳥ノ滝であろうか。右岸のザレを登って巻く。滝上は、薄暗い針葉樹林帯の、傾斜のあるナメ連続帯となる。ここで、頭上にシャクナゲの花が咲いていた。

 頻繁に倒木跨ぎを続けながら、傾斜のあるナメ連続帯を登って行く。結構なアルバイトである。小滝、4m2条滝、小滝と越え、倒木帯を過ぎると、左岸から枝沢。更に進むと、小滝の上で、左岸の倒木の乗ったスラブ滝から、(2:1)の水量比の枝沢が出合う。

 やがて右岸の岩壁に沿って平流滑床となり、右岸に涸れルンゼを見て、沢は右へ大きく曲がる。5x8m滑滝の先の、5m滝は右壁を登る。下が倒木で埋まった10m階段滝は、左岸からトラバース気味に巻く。流れは平流となり、滑が断続する。左岸に何本かの涸れ枝沢を見て、最後の5m・2m滝を越え、水量の減った倒木混じりの沢を進めば、やっとの事で奥ノ二俣に至る。

 奥ノ二俣には、荒川源流点の碑が立っている。先ずは、小休止しよう。ここから、遊歩道が甲武信小屋まで続いており、格段に歩き易くなるのだが、完全にバテ狂っているので、思うようには足が上がらない。途中で一回小休を入れて、フラフラになりながら、甲武信小屋に辿り着く。

 小屋の前で、ヌク沢を溯行して来たという単独沢屋と言葉を交わす。「今日は一畳二人だよ」と小屋の人が言うのを聞いて、かなり迷ったが、ツェルトで寒い思いをするのもイヤだし、ましてや状況の判らぬ真ノ沢林道を駆け下るなんて御免被ると思い、食事付小屋泊まりに決定。

 小屋では、近くに風邪ひき人間とイビキ軍団がいて、とっても難色だったが、まあ暖かい部屋で横になれただけでも、有り難いことである。

【6月23日】 ガス時々霧雨
 霧雨の中、小屋を後にする。甲武信岳の東面をトラバースし、北側の鞍部まで行って、頂上を往復する。ガスで全く展望のない山頂では、何度かトライして、やっとのことでi-modeのメールが送れる。更に30分ほど、苔むした針葉樹林帯を進めば、三宝山に至る。真ノ沢林道の下降点を捜しながら進むのだが、それらしい箇所が見付からない。

 三宝山から向きを変え、縦走路は東へと下降する。尻岩付近で、右手へ分かれて行く踏跡らしきものを見掛けたが、或いはそれが真ノ沢林道なのかも知れない。鞍部まで下りきると、今度は武信白岩への急登が始まる。途中、アズマシャクナゲが咲いている。

 武信白岩は、2288の南峰が最高地点であるが、登山道はこの北西を巻いている。次の中央岩峰は眺めが良さそうなのだが、今日は残念ながら霧の中だ。北峰は、危険なためか、ロープでルートが塞がれている。この辺り、アズマシャクナゲの群落が、濃いピンクの花を付け、美しい。

 最後のピーク大山山頂に至れば、薄日が射して暑くなるが、ガスで相変わらず展望はない。この辺り、ドウダンツツジの類やコケモモなど咲いている。お腹が空いたので、小屋のオニギリ弁当を半分食べる。

 十文字峠へ向かって下って行き、途中で右へ分かれる、白泰山方面への静かな道に入る。再び霧雨となる。やがて股ノ沢林道が右に分岐するので、これを辿る。林道とは言っても、踏跡程度である。ひたすら右へ右へとトラバースして行く。股ノ沢林道に入ってから30分ほどで、一度樹林帯の緩傾斜地に至ると、錆びた機械などが放置してある。その後も、幾つかの小沢を渡り、蜿蜒のトラバースが続く。

 いい加減ウンザリする頃、尾根に乗ってジグザグ下降をすれば、見覚えのある真ノ沢吊橋に出る。吊橋の上から、真ノ沢の流れを眺める。吊橋を渡り、柳小屋まで、もう一頑張りだ。真ノ沢林道分岐まで、道は随分と高度を上げるが、真ノ沢林道にはロープが張ってある。道は再び下降を始め、入川沿いを進めば、松葉沢出合で吊橋を渡る。

 柳小屋前のベンチに座り、オニギリ弁当の残り半分を食べる。ここから、再び登りが始まる。アップダウンを交え、約1時間で、中間の小尾根に達し、小休する。更に40分程で、赤沢出合に降り立つが、赤沢沿いの軌道跡から、ジグザグの急降下をしている時に、5〜6人のハイキング仕様の軽登山靴集団に追い付く。話を聞けば、真ノ沢林道経由で、千丈ノ滝見物に出掛けたとのこと。だが、結局滝直下までは到達出来ず、武信白岩沢出合までで引き返したとのこと。まことに、お気の毒であった。

 赤沢出合からは、森林軌道跡の林道を急ぐ。約1時間で、入川渓流観光釣場手前の駐車スペースまで戻る。途端に、雨がザーッと降り出した。

溯行図

アルバムT:入川林道・柳小屋・真ノ沢下部

アルバムU:千丈ノ滝・真ノ沢上部

アルバムV:甲武信岳・武信白岩

滝見亭・南関東の滝」に「入川真ノ沢'02-06」(画像8枚)があります

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