【中国経済時評】 BRICsと「第5の波」
【中国経済時評】
BRICsと「第5の波」
(沈才彬新著『検証 中国爆食経済』)より
中国はいま高度成長が続き、ものすごいスピ-ドで変化している。中国経済拡張の規模、成長のスピ-ド、および世界へのインパクトなどはいずれも人々の予想を遥かに超えている。現代人の誰も経験したことがない、中国の台頭という歴史的な出来事に対し、日米を含む諸外国は勿論のこと、中国自身も心の準備ができておらず、戸惑いを隠せない。まさに「中国の衝撃」である。
それでは世界経済史から見れば、中国の台頭はいったいどういう位置づけだろうか。近代史において、これまで世界の経済成長に巨大な影響を与えた歴史的な出来事は4回もあった。18世紀半ば英国の産業革命、19世紀後半米国の台頭、20世紀半ば日本・西ヨ−ロッパの高度成長、20世紀90年代米国のIT革命であった。21世紀にBRICsと呼ばれるエマ−ジング諸国の離陸、特に中国の躍進は、正にこれらに次ぐ世界経済成長の第5の波となる。
周知のとおり、BRICsとは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)という4カ国の英語表示の頭文字で作られた造語であり、2003年10月米国の大手証券会社ゴ-ルドマン・サックスが投資家向けに発表したレポ-ト「BRICsとともに夢見る2050年への道」(Dreaming with BRICs.The Path to 2050)に由来する。世界各国で大反響を呼んだこのレポ-トは、BRICs4カ国は今後50年で最も成長する国々だと予測した。
ゴ-ルドマン・サックス・レポ-トには、現在のべ-スで経済成長が続けば、2039年までにBRICsのGDP合計は、米国、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリアの6カ国合計を凌ぐ。さらに、2050年には、経済大国の順位は、@中国(44兆ドル)、A米国(35兆ドル)、Bインド(27.8兆ドル)、C日本(6.6兆ドル)、Dブラジル(6兆ドル)、Eロシア(5.8兆ドル)、Fイギリス(3.8兆ドル)の順になる、と予測された。
言うまでも無く、BRICsのうち最も注目されるのは中国(China)である。ゴ-ルドマン・サックス・レポ-トによれば、2020年時点で中国のGDPは7兆ドルにのぼり、日本の5兆ドルを凌ぎ世界第二位の経済大国になり、2050年に44兆ドルで日本の6.6倍に相当する経済規模で米国を追い越し世界最大の経済パワ-になる。中国という新しいス−パ−パワ−の出現は、世界を震撼させるほどインパクトが大きい。
しかし一方、当面続いている中国の経済拡張は素材・エネルギーの「爆食」を特徴とするものであり、資源や環境に配慮せず、効率も伴っていないため、その脆弱さが否定できない。安定的なエネルギー供給を確保できるかどうかが中国の経済成長の行方を左右する鍵となっている。第1章は、中国のエネルギー事情から見た「爆食型成長」の限界を検証する。
(2006年1月28日)
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