アンプ製作・・・ No6

 UV211シングル ステレオ メインアンプ

                                               


デッカイ球です                                               UV211シングルアンプの製作は退職後に、この球を手にとって見たときから徐々に準備をはじめたのですが中々はかどらず、完成したのは6台目でした。

 昭和60年頃このデッカイ球の魅力に引かれて、先ず球UV211GEC製を2本購入し、その後56年して再度、予備用として中国製のUV2112本購入、この時トランス類とシャーシーも同時に購入しておいたのです。

 でっかくて、どっしりして、とても興味のある球でしたから、どんな音が出るのだろうと思い一番先に製作したかったのです。でもなんと言ってもこの球は高圧を扱うのです。素人の自分はただ危険だから注意、注意とだけ思い込んでいたのでまず配線図探しに苦労しました。

このアンプは電源回路が主なのです。だから複雑な回路図が多かったのです。あれこれ探したが簡単な回路図は見当たらないのです。しかも高電圧を扱うのですから配線材も高圧線用が必要だったり、電解コンデンサーも高耐圧の品を探しもとめて時間が掛かってしまいました。

配線図はやっと198110月号のラジオ技術・「真空管アンドローノイズ電源製作大特集(UV211orUv845)」と言うのが見つかったのです。石井義治氏の配線図をお借りして一部を変更しています。

いよいよ製作に取り掛かったもののトランスもデッカクて重く、一人では動かせないので子供に助手を頼んだのです。トランス類は電源がタンゴのMSUVDRLL・チョークはタンゴのMS10200D・入力トランスはタンゴのTC6035・アウトプットトランスはタンゴのX10S・シャーシは鈴蘭堂の大型のものです。最高に重たいアンプです。

こんなにデッカイ・トランスをシャーシーに取り付けると、もう動かす事が出来ません。シャーシーを裏向けにしたまま身体をあちこちに移動しての作業でした。

 

                                      製作に入る

まずは電源回路の配線からです。UV211のフイラメントは10ボルトで直流(普通は交流)に整流してハム防止作を講じなければならないとありました。まず直流に変える為のフイラメントの整流器には、耐圧300ボルト1アンペアのシリコン整流器を4ヶ使用しました。10ボルトに1オームの抵抗を入れて8ボルトくらいに落としてヒーターへ接続しました。

 電源回路を変更する

整流回路は勝手に色々と考えてシリコン整流の後に、整流用の真空管GZ34を入れてみました。電解コンデンサーへの負担が少なくなるだろうと思ったからです。果たしてどうかは不明です。とに角何でも我流で試しながら作っています。

電源回路には、B電源と別にもう1B1電源がいります。B電源の整流方法は、シリコン整流器の耐圧は1000V3アンペアのものを6個使っています。その後にチョークコイル、を通した後電解コンデンサーはすべて耐圧500V、又は550Vです。

B1電源回路は、シリコン整流器耐圧1000V1アンペア4個です。これをブリッジ方式で整流しています。フイラメントも同じくブリッジ方式で直流にしています。

次にUV211のプレートは高圧が1000V近くも掛かりますので、安全の為、まずエージング用の回路が載っていたので、先ずこれを製作しました。UV211を数時間通電し球を慣らした後、正規の回路図に戻して作り直す様に説明がしてありましたのでこの通りにしたのです。古い球を慣らすためです。

 先ず、エージング回路が出来上がりました。スイッチを入れますが、B電源回路は繋がないでUV211のフイラメントだけ灯して電流を3時間ほど流しました。いったん休み又、流す。これを45回繰り返してから今度は、低B電源350-400ボルトをUV211のプレートに繋いで同じく45回通電を繰り返しました。出力トランスの16オームには抵抗16Ωか又は16Ωのスピーカーを繋ぎます。

 エージング用の回路図は下記のものです。

 

                                       エージング回路図

        

 

                                                 正規の配線へ

その後はエージング様の回路を取りはずし正規の配線図に作り直しました。電源回路のシリコン整流器にはフアストリカバリーという名のものを使用し、B回路の配線コ―ドは耐熱ビニール線を使用しました。高電圧に耐える線です。

 UV211バイァス用の抵抗750オームはメタル・クラッド50ワットのものを使用しアースは母線方式としたのです。こうして部品一つ一つにも充分に気を付けて良い品を選んだのです。

 電源回路の配線が終わりますと、エージエング後はそんなに難しい事は無く、デッカイ割にはスムーズに出来上がってしまいました。でも準備から完成までは2年近くかかっていました。

 今回はエージングに充分時間をかけていたので、完成後にスイッチを入れる時も、そんなに不安は無かったのですが何と云っても高電圧が出ているので、誤配線は無いかよくよくチエックしてから、用心の爲ゴム手袋をしてテスターを握りました。スピーカーとチューナーを繋いでスイッチオンしますと直ぐに鳴り出しました。やれやれ、ひとまず安心です。

 チューナーをはずして電圧を測る。B電源回路の出口の所は970ボルト211のプレートは940ボルトありました。やっぱりすごい電圧です。本当はプレート電圧をもう少し高い980Vぐらいにしたかったのですが、球の安全を第一にしていますので、フイラメント電圧を下げることによってプレート電圧をぐんと低めにしたのです。

 次にB18.2キロの抵抗2個の出口の電圧を計ります170Vしか出ていません。本来は272Vとのところが170Vしか出ていません。余りにも低いので、元の8.2kの抵抗を取り替え、色々替えて調整し、最後は800Ωに落とし220Vまでアップしました。この辺は我流です。

 次に、211のフイラメント、カソードバイアスの左右の電圧を計りました。フイラメントの片側右は55Vで左は45Vでした。両方が同じになると思っていたのですがなりませんでした。

 続いてボリュームを上げると片方だけハムがでるのです。又、なんとなく発振気味でもあります。

 ボリューム全体をシャシーに直接アースしたり、初段管5687のグリッドから500キロのボリュームの間へ30kの抵抗を入れたりして発振を止めました。また、初段管5687のヒーターの片側をアースに落としましたらハムも少なくなりました。

 最後は211のフィラメントのバランス用100Ωボリュームを電圧を計りながら左右にまわして調整すると、これでハムはぐんと少なくなりましたがSPに耳を付けると少しあります。完全には取れません。

 完成しました

一応、各部の電圧はよいと思ったので、チューナーとプリアンプとを正式に接続して聞いてみました。高音は2A3に良く似ていますが伸びのある響きは高音、低音とも全く違います。

 これは凄いぞ。感激、感激、素人でもこんな素晴らしいアンプを完成することが出来るのだと自信もついて大満足です。

後日のことですが、中国製真空管211を差して各アンプの聞き比べをしましたら、VT25ppにはかないませんでした。6GB8ppにも低音は負けました。続いて再度GEC211に差し替えてテストしましたら高音の伸びと、低音の響きと艶ががらりと変わって素晴らしい音色に戻りました。トランスもデッカク球もデッカイだけの事はあります。最高のアンプです。

 でも、やはり中国製の211は劣るなぁと思いました。もう中国製の球は使えません。

 

  UV211シングル ステレオ メインアンプ配線図   

         

 

                                                                               ソケットの見方  

                

 

                                                  後日再度、電源回路を変更

その後、別の配線図などからヒントを得たものですから整流管GZ34を取り外すことにしました。代わりの真空管UV211の安全のため、延滞リレーを使うことにしました。スイッチをONしてもすぐに電流が流れない方式です。

また、B1の電源部も変更して図の様に変えました。B1の電圧が240Vになりましたが、その他には何ら影響はありません。音も前と同じです。