日本テレビは何故ダメになったのか 文責:井立浩之 2006.06.

日本テレビ暗黒時代

 1985年〜1988年頃の日本テレビは正に“暗黒時代”であった(この呼び名の由来は2003年8月2日放送『スーパースペシャル2003 バラエティ50年史』より)。長く続いたかつての人気番組「それは秘密です!!」「ウィークエンダー」「カックラキン大放送」「太陽にほえろ」「お笑いスター誕生」「おしゃれ」「トップテン」等が大体この時期に立て続けに終わり、そして後継の番組が育たず、多くの番組が短命で消えていった。視聴率的にも、プロ野球は常時20%を穫っていたものの、新しい番組は1桁が普通、19時台では頻繁に5%を切る番組も少なくなかった。

 

世代交代

 日本テレビはオイルショックの時に数年間定期採用を控えた時期がある。その暗黒時代は、ちょうど第1次黄金期を築いた世代が息切れしたものの、その後を継ぐべき世代が極端に少なかったからと言えるようである。

 結局この暗黒時代では、その後継は、定期採用を再会した“いわゆる「昭和51年組」”以降の世代に、まだ制作力などが育ってもいない若手にもかかわらずバトンが引き継がれてしまったようである。また当時は、社内の相互の風通しも悪く、編成部も視聴率をとれるように番組を編成を組む環境が整っていなかったのも視聴率低下の一因らしい。

 しかし、逆にどうしようもない低迷期だったからこそ、制作に関してもアグレッシブで自由な番組作りが出来るようになり、徐々に新番組にも芽が出始め、また少しして昭和51年以降入社の世代に主導権が移ったことにより、その風通しのわるさは奇麗に消え始める事となる。

 そして昭和51年組のスタッフを中心にした<クイズプロジェクト>の第1弾「クイズ世界はSHOWbyショーバイ!!(1988.10~1996.9)が次第に大ヒットとなり、以降「知ってるつもり?!」(同第2弾、1989.10~2002.3 ※開始2年まではクイズもやっていたのョ。)「マジカル頭脳パワー!!」(1990.10~1999.9同第3弾)「どちら様も!!笑ってヨロシク」(非クイズプロジェクト、1989~1996)など、クイズ番組などを中心に、ヒット番組が続くようになる。これは、ほとんどの番組は前番組からの悪い下地のせいもあってか、なくってか、最初は低発進だったが、粘って育て続けてヒットに至ったものである。特に「マジカル」は初回7.0%、第26.0%(歴代最低)、第3回6.2%…、と第11回まで1桁が続いたが,第19回では16.8%を穫り、6年目の19965月には最高視聴率31.6%までに達した。

 1991102日(水)19:00~22:46に放送された初の4時間クイズバラエティー「10月は人気番組で SHOWbyショーバイ世界まる見えマジカルで笑ってヨロシク」および、春秋のそのシリーズ(〜99年9月)が実現、さらに高視聴率をあげたことは象徴的である。

 

 

1994年、視聴率4冠達成、2002年まで9連続。

 1994年4月、上記のように、番組制作、番組編成の両面でも視聴率がとれる体制が整った日本テレビは、それに見合った大改編を行う。それが功を奏し、フジテレビと年末まで年間視聴率のデッドヒートをするまでになり、最終的には同年の間に微々たる差でフジテレビを負かし、視聴率4冠に輝いた。(※4冠…1全日(6:00~24:00)、2プライム(19:00~23:00)、3ゴールデン(19:00~22:00)、4ノンプライム(6:00~19:00)

 翌年以降は、弱体化した2位のフジテレビとの差を更に突き放し、1週間、1ヶ月などの区切りでも連続しト視聴率4冠を穫っていた時期もあった。

 

 

 

2次黄金期(1996~2000)の番組編成

 この頃の番組編成はドラマ枠内と、深夜枠を除けば、かなり人気番組が各時間で安定していて、変化に乏しいとも言える。特に1997年4月に「どっちの料理ショー」「ぐるナイ」が改編され、10月に「伊東家の食卓」「さんま御殿」が登場、翌4月に「鉄腕DASH」が昇格すると、さらに(88年以降の、育てる体質もあってか)安定した感が増した。

 またナイターも相変わらず好調だったため、実際編成部の戦略としては、『野球のない1〜3月にフジテレビに少しでも差をつけ、4月〜9月のジャイアンツ戦で貯金をし、10月時点で貯金が少なければ失敗しても負けない範囲で新番組の投入を含む改編をし、少なければ安全策を取って改編を行わないというもの。これが年間視聴率の“勝利の方程式”(「TV大人のみかた」小池正春・著、ダイヤモンド社・刊、1998年初版。87頁よりそのまま抜粋)』ということだったらしい。

 

 また、当時低迷を極めていたフジテレビのバラエティーはタレント主導型だったのに対し、このときの日本テレビのバラエティーはスタッフの色がでやすい企画主導型がウリだった。

 

また深夜では、以前からの「11PM」「EXテレビ」…といった、よみうりテレビを始めとする地方局と制作を分担した実験的な番組作りを、さらに発展させた「ZZZ」を開始させた。これは各曜日スポーツニュース+バラエティー×2の3階建ての番組枠で、各バラエティーの殆どは、<系列の地方局の制作&有力制作会社の制作協力>で制作されたものである。出演者もかなり豪華で、出演者、スタッフからの両面において、余裕のあるスタッフが深夜と言うのびのびした場所で遊びながら作っている、という感じの番組が多かったおぼえが。

 この背景には、それまで視聴率的に営業しにくかった深夜枠(だから若手育成の枠が多い)も、個人視聴率導入や、全体の視聴率底上げもあってスポンサーに結構売れるようになり、プライムの人材育成としてでなく、独立した“商売できる”枠として認識できるようになったこと。そして、BS時代を迎えるに当たり系列基幹各局に制作力をつけてもらいたいとの思いがあったらしい(「TV大人のみかた」によれば、氏家当時会長がそう言って制作することになる各局へじきじきに回ってたそうです)

 

一方、最近の番組編成は

00年前後から、第2次黄金期の初期に栄華を極めた長寿番組が徐々に弱体化しはじめた。99年秋には「マジカル」、01年春には「バラ珍」「生ダラ」「ルックルックこんにちは」「DAISUKI!」、そして02年春には「ウリナリ」「知ってるつもり」、02年秋には「ヒッパレ」などが終了。その後も03年正月に「電波少年」、05年春に「歌の大辞10」、05年秋に「火サス」と…。

 おまけにこれらのなかでその後番組が、なかなか定着しない枠が結構出始めた。前番組の末期よりも視聴率をとれず低迷、終了、というのが続く事も(マジカル、バラ珍、ルック、火サスの後など)。後継が成功した番組でも全盛期を支えたベテランが制作に入っている事が多く、若手への引き継ぎはあまりうまく行かなかったのかもしれない。

 

 また他局も同様だが、特番のレギュラー化、深夜からの格上げも以前に比べかなり増加。しかし、その成功率は他局よりも若干低い印象である。*

 

そして深夜枠も、「夜は別バラ」開始、ZZZ解体の後、迷走している。地方局製作枠が徐々に目立たなくなり、06年春にはよみうりテレビと中京テレビ以外の地方枠は全廃されました。替わりに、日本テレビ制作枠が増加。どうやら若手育成の場にしたのであろう。また、時間枠の組み方もしょっちゅう変わり、視聴率もテレビ東京の「スポパラ」に追いつかれそうなほどらしい。

 

 また一部では、特に2005年の「A」「ミンナのテレビ」など、以前よりターゲットや企画意図が明瞭でない番組が増えた、との指摘も(*確か「日経エンタテインメント」の『テレビ証券』による。うろ覚えですが…)。

 逆にフジテレビでは「トリビアの泉」「ヘキサゴン」「ネプリーグ」「IQサプリ」などむしろ日テレが得意だった企画主導型の番組や、クイズ番組が増えて来ていて、また今年の夏の「26時間テレビ」は「国民的なおもしろさ!史上最大!!真夏のクイズ祭り 26時間ぶっ通しスペシャル()」というタイトルで、以前の日テレのスーパークイズスペシャルを彷彿させる…

 

不祥事〜視聴率操作 →視聴率を気にするあまり閉塞感があるのでは

社屋移転〜敷地面積減!?、環境が悪化か

プロ野球視聴率低迷 

 暗黒時代も第2次黄金期も日テレの年間視聴率を支えていた巨人戦。確かにこれが低迷すれば、年間視聴率1位、2位陥落も頷ける。

 

 

現場の閉塞感

世代交代が失敗気味

 

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It’s my反省(2006年9月2日)

・もう少し具体的なデータが用意できんでしたばい。内容としては、ここ数年個人的に抱いていた、日テレのダメポイントと、本分にも出て来ている社史を読んで抱いた事が中心になっています。お題に就いては、そもそも日テレてダメになったの?という声も聞こえてきそうかも(実際、「A」「ドラマコンプレックス」巨人戦くらい?)。ただ、社史を読む限り、1994年の4冠達成およびそれへの熱意、今となっては執着とも言えるのかもしれませんが、それがひしひしと伝わって来ました。

 発表時は、神谷さん(幹事長)のスーパーナイスフォローもあって、政友会の皆さんが、きちんと議論なさってくれたのの良かったのですが、正直の所めそうあ側の受けはイマイチだったかも…。ごめんなさい。

参考にしました↓
Wikipedia

(日本テレビ放送網)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93

 

 

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