
行くまでは本当に自分のアイゼンワークで行けるのかな、
槍沢はいいとしてもどうしても穂先への不安は拭いされなかった。
が、絶好の条件に恵まれ、槍山頂から素晴らしいパノラマが楽しめた。
4月は結構仕事疲れがあるので、あまり頑張らず、前夜発2泊3日のほほんプランとした。
増発の臨時アルプスで松本着。新島々からバス。沢渡近辺には桜がちらほらと咲いている。
5:15頃 上高地BT (1500m)着 5:30 河童橋発
朝日を浴びた焼岳が美しい。
槍見河原までHiking MLのメンバーの一人と一緒だ。
梓川右岸を始めて通るが、岳沢も間近にみられ、
早朝の鳥のさえずりが心地よい。
また左岸に比べてぐーと人が少ない。
6:45 穂高神社奥宮 (-7:15) (吊り橋を渡る)
明神池には朝もやが立ち込めていなかったが、
明神岳が一層間近に臨めて良かった。
7:22 明神分岐 8:02 徳沢公衆トイレ前 8:25 徳沢園 (1560m)
発
徳沢で間食。ここは実に気持ちいい所だ。
9:21 横尾 (1620m) (-9:50)
人がいっぱい。しかし圧倒的に涸沢方面へ向かうようで、槍方面は予想したより少ない。
ここで靴をはきかえる。このあたりからコース中所々雪があらわれ出す。
横尾を出てから、同行者にペースが落ちたと指摘されるが、
そりゃプラブーでこの平坦地、無理ないところだ。
10:42 槍見河原着 10:45-11:15 槍見河原付近で休憩
遠くのほうに槍の穂先が見える。ぱっと見た目にはとても黒々としていた。
ただ、それは圧倒されるほどかなたに聳えていた。
ここで、同行者ハイカーと別れる。念のために軽アイゼンの装着方法を講習するが、
雪国育ちで、雪の上でも安定した歩行をしていたので、安心して別れることができた。
11:23 一の俣出合 11:33 二の俣出合
流れの緑が実にすがすがしい。
昨年9月、常念岳からの下りで槍沢方面から押し返すような凄い風が吹き上がってきたが、
こんなきれいな流れが優しく迎えてくれることが意外。
これからの単独行の不安に押しつぶされそうになることもあったが、
こういう所に来ると、思いっきり自然に浸れる喜びのほうが勝ってきてしまう。
「もうすぐロッヂ」とある桟道からの登りで、枝をよけてルートをはずしたらズボッとはまる。
春の雪の薄さを実感。
急登しばしでロッヂ到着。
12:02? 槍沢ロッヂ (1820m)
着 (-12:52) 確か小屋前の温度計 8C。
小屋で昼食をとり、テント手続きをする。
トイレは微生物活用のもので大変きれいで、木の香りもする。
13:42 槍沢キャンプ場 (1980m) 着
樹林から抜けると、日差しがきつく、暑い。袖をまくるがやけどしそうなくらいで、すぐ元に戻す。
予想以上に結構テントが張られている。
テントを無意味に重くしたくなく、(^。^;) 小屋跡地の横の土の上に張る。
ぽかぽかとして、テントはまさしくサンルーム状態。
ロッヂで購入したビール(\500)を雪で冷やす。うわぁ、極楽、極楽。
日没も待たずに少し眠ってしまうが、夜中は少し風も出て来て、
寝た時間の割には眠りが浅くなってしまった。
6:00 槍沢キャンプ場 (1980m)
出だしは平坦。サイドは高い壁なので、
何かもっとスケールの大きい所にいるような錯覚すら感じる。
6:45-6:50 大曲
写真の左奥から大きく曲がっていく。
このあたりからぼちぼち暑くなってくる。サングラスをかけ、
前を望むと今までと比べて傾斜がぐーときつくなっているのが
目に入る。
昨日の眠りの浅さもたたってか、なかなかピッチが上がらない。
穂先も見えず、ただただ単調な急傾斜を行く。
暑さもこたえてくる。
あそこまで上がって今回はよし、としようか、
いずれにしても自分の今の力で穂先は無理なのじゃないかな、と
弱気な自分が顔を覗かせる。
でも、とりあえず、あそこまでは、と力を振り絞りながら上がる。
8:20 グリーンバンド? 自分としては、山頂以上にここが感動のピーク。
ここまで上がって右手に殺生ヒュッテと穂先が!!
まだ見えないんじゃないかな、と思っていただけに感動。
この槍沢は、昨年末に天寿を全うして亡くなった祖父が
昭和31年に登ったコースだ。
穂先を見ていると、まるでそこに祖父が宿っているような気に。
しばし祖父と対話。
−−「おじいちゃん、(生前は)山の話が出来なくて残念。
おじいちゃんが山やっていたなんて、
お母さん教えてくれなかったよ。」
−−「おじいちゃん、自信がないから、見守っていてくださいね。
でも、まだそっちには呼ばないでくださいね。」
と、祖父を偲びながら、穂先に向かって一歩一歩刻んでいく。
8:35-8:45 坊主の岩屋手前の岩
今まであんなに暑かったのに、ここからはぼちぼち風がきつくなってくる。
ようやくフリースを取り出したが、既に咳を連発するようになっていた。
槍の肩まで最後の急登。(坊主の岩小舎から肩までは約1.2キロ、標高差390m)
連休もここまでくると、歩幅の合うステップが簡単に見つかるのだが、
それでも次第にピッケルを持つ手も重く、足もやや流れぎみになる。
10:15 槍ヶ岳山荘 (3060m) (-11:20)
外トイレ横から笠が岳方面の展望が抜群。
まだ咳がおさまらないので、山荘でラーメン(\700)を頼んで、暖まる。
雲一つかかっていない穂先を見上げ、とりあえず行けるところまで、とアイゼン装着。
(槍沢を登っている人の8、9割強は、ババ平周辺で既にアイゼンを装着しているが。)
いよいよ、ずーーーーと心配してきた穂先へ。 [下線をクリックすると、穂先の報告へリンク]
13:15 槍ヶ岳山荘前 (3060m) (-13:25 下山開始)
ここからは楽しみにしてきた尻セードが出来る!!
出だしの坂は急傾斜なので歩いて下って、坂の中盤から尻セード。
うわっぁぁぁ、凄いスピード!!
この時点ではピッケルでのスピードの抑え方が体得できていないので、
滑落停止を3、4回練習してみる。
どうしても上半身が流れて、2度打ちならぬ3度打ちでようやく止まる時もあった。
13:40 坊主の岩屋前 (2690m)
アイゼンをはずし、雨具の上を着込んで、尻セード戦士に:-)。
登りでは振り向くのはコワイよ、と思いながら眺めてきた斜面はすこぶる快適!!
恐怖心もとれてきて、足をまっすぐ揃えて、ちょっと前傾。ピッケルでのスピードの調節法も体得。
ボブスレー尻セードレーンは、キャホー!!キャホー!!!!と下れる。
が、だんだん緩斜面が目立ち始めると、レーンを求めて、
空しくずぶずぶのトラバースを繰り返すのが増えてきてしまった。
14:50 大曲近辺
もうここからは諦めて歩くしかない。
15:30 槍沢キャンプ場 (1980m)
5:50 槍沢キャンプ場 (1980m) 発
アイゼン装着をどうしようかな、とちらっと思うが、雪はさほど堅くないし、
ましてや凍結していない。とにかくはやくあのロッヂのきれいなトイレへ行きたい!!
6:17-32 槍沢ロッヂ (1820m)
ロッヂ前で、ペンギンさんと再会。
だんだんと擦れ違うパーティーが増えてくる。
一の俣出合いを過ぎた頃からどんどん身の軽やかな単独行者に抜かれる。
このなだらかさでは、プラブーがきついギブスのようだ。横尾まで心理的に長い。
8:09-8:53 横尾 オマケ:屏風岩鑑賞お散歩
空身、ジョギングシューズ、ピッケルと
なんとも不思議な恰好に変・身ーーーv(^^)v お散歩
こちら側の人の多さには本当に驚きながら、
スキップぎみにとんとんと行く。
しかし、重荷の人々が下ってくるとよけていたので、
意外に時間がかかってしまう。
9:53-10:10 本谷橋
稜線上部はもうガスに隠されている。
11:00-11:10 横尾 (1620m) 11:32 横尾・徳沢中間地点
11:44 新村橋前通過 11:54 徳沢園 (1560m)前
12:12 徳沢トイレ発 12:44? 徳本峠分岐
12:54?-13:40? 明神館 (昼食)
ずーと楽しみにしていた岩魚定食(\1600)。
岩魚の塩焼き、おそば、切り干し大根、おしんこ、ほかほかのご飯、
ちょっと高いけど、大満足。
14:09 小梨平 14:15? 上高地BT
(約1500m)
今回の最大の難所はなななんと下山後にあったようだ。沢渡行きバスは長蛇の列。
新島々行きの整理券は、17:10のしかもらえず。(T_T)
美化センターでコインシャワー(入場100円+2分半100円)で汗を流し、
ビジターセンターのスライドもゆっくり見学。
17:20 上高地BT
10分遅れで出たバスは、丸々2時間かけて新島々へ。
結果、最終のあずさは乗れないことに(T_T)
長野回りで新幹線で帰る選択肢も示されたが、
急行アルプスで帰ることにした。(プラン前夜発2泊3日→前夜発/2泊3日/後朝着となった)
・ 中村成勝編 『日本雪山登山ルート集』(山と渓谷社,1996), pp. 30-31.
・ 鈴木昇己著 『山小屋の主人がガイドする槍・燕を歩く』(山と渓谷社,1992),