第一級陸上特殊無線技士試験受験記
 今回はこの第一級陸上特殊無線技士(一陸特)試験に挑戦しました。

この資格について

 電波法施行令第3条により、以下の資格の操作及び監督の範囲に属する業務を行う際に必要となる国家資格です。

一 陸上の無線局の空中線電力五百ワット以下の多重無線設備(多重通信を行うことができる無線設備でテレビジョンとして使用するものを含む。)で三十メガヘルツ以上の周波数の電波を使用するものの技術操作
二 前号に掲げる操作以外の操作で第二級陸上特殊無線技士の操作の範囲に属するもの

 陸上無線技術士の登竜門的資格であるとともに、特殊無線技士の中では最も難しい、"最後の牙城"的存在感を放つ資格です。

試験対策

 一陸特の試験科目は、無線工学、法規の2科目です。試験対策としては、以下の参考書等を利用しました。

@「第一級陸上特殊無線技士 平成17年6月期」(電気通信振興会)
A「第一級陸上特殊無線技士試験一陸特集中ゼミ」(吉川忠久著、東京電機大学出版局)


 はじめは@の参考書だけを購入して勉強を始めました。ページ順に、第1章の「多重通信の概念」から始めました。第1章が結構サクサクと進んでいったので、これならいけそうだと思いました。しかし第2章の「基礎理論」に入ってから、躓きはじめます。というのも第1章が主に知識系の文章問題だったのに対して、この章から公式を用いた色んな計算問題が出てきたからです。キルヒホッフの法則、π形・T形抵抗減衰回路網の公式、対数を用いてのデシベル換算etc.・・・これまで受けてきた無線資格で見たことのなかった問題が非常に多く、大きく戸惑いました。そしてこの時から、一陸特が決して易しい試験でないことを認識することになりました。同じ特殊無線技士でも、こと無線工学に関しては、私が取得した一海特と比べても、かなりの難易度の差を感じました。また航空通や四海通よりも難しいと感じました。

 解説を読んでも理解しにくい問題が多く、すっかり勉強が滞ってきたことから、こうした状況を打破するため、もっと分かり易そうな参考書を、と言うことで、Aの参考書を購入することにしました。ちょっと遠回りの勉強にはなってしまったものの、この参考書を使ったことで、@だけでは理解できなかったところが、理解できるようになったりと、結構成果がありました。少なくとも、私のように計算問題が苦手な、コテコテの文系から一陸特を目指す方にとっては、大きな助けになるかもしれません(時間がなく、あまり遠回りできない方は、ざっと@で分からなかったところだけを読むので使うのもいいかも)。さて、ある程度Aを理解できるようになったら、再び@を用いての勉強を再開します。Aだけでも合格できないことはないと思いますが、ただ掲載問題数が少ないことから、やはり確実に合格を押さえるなら、掲載問題数の豊富な@か、Aに連動する「第一級陸上特殊無線技士一陸特合格精選370題試験問題集」(吉川忠久著、東京電機大学出版局)があった方がいいでしょう。こうして試験日3ヶ月程前から勉強に取り組み、Aを一読し、@を3回ほど繰り返し解きました。こうして試験本番へ臨みます。

試験を受けて

 試験当日、多くの受験者が来ていました。パッと見50人はいたんじゃないでしょうか。受験者層は10代後半〜50代ぐらい。女性は2人ほどいました。受験者数が多いため、受験者は午前と午後の受験のどちらかに分かれますが(試験時間は自分で任意に選べない。それと勿論試験問題は午前と午後で異なる)、私の場合、試験は午後からで13時からのスタートとなりました。試験は、試験終了時間の16時(だったかな?)まで無線工学と法規の科目が一緒に課されます。試験を受けてみて。無線工学は、7〜8割ぐらい過去問集で見た問題ばかりでした。ただちょっと数値を変えたりとか細かい工夫がしてあります。私が勉強していたときよく間違えた苦手とする問題が結構出題されたので当初焦りましたが、直前の見直しが効いたようで何とか救われた問題もありました。計算問題もそれほど複雑な出題はなく、何とか出来たんじゃないかと感じました。法規は、9割がた過去問集で見た問題でした。法規は無線工学に比べると殆ど勉強していなかったのですが、一度過去問を模擬試験代わりに解いて不合格になったことがあったことから、それ以来侮れないと感じて苦手な個所を直前になって徹底的にやりました。これが奏を効したようで、何とか合格ラインに達したと感じました。ちなみに法規は、業務書類とか罰則が結構混同しやすいところでした。なお、通信士や陸上無線技術士資格に見られるような科目合格制度はありません。試験の難易度は他の特殊無線技士試験に比べると格段に難しいとは言え、この辺は他の特殊無線技士資格と一緒のようです。だから、折角無線工学が合格ラインに達しても、法規で駄目だった場合それで即不合格になります。そして次回再び2科目受けなければならないことになります。法規も他の特殊無線技士試験に比べるとやはり範囲が広く決して簡単ではないことから、無線工学とのバランスを考えながら勉強する必要があるでしょう(ちなみに無線工学の合格基準が15/24=約63%であるのに対し、法規は8/12=約66%以上とやや高く設定されています)。

 さて、こうして全体的に、悪くてギリギリ合格か不合格という手応えの中試験は終了しました。会場で販売されていた免許申請書を購入してから、試験会場をあとにしました。平均合格率は約20%とか。果たして結果や如何に?

試験を終えて

 試験終了の翌週、日本無線協会のHPに解答が掲載されたので、早速採点しました。自己採点してみたところ、無線工学18/24、法規11/12でした。それから約1ヶ月後、合否通知が届き合格でした。早速免許申請をし、約1週間程経ってから以下の免許証が届きました。


 一陸特はこれまで受けた無線資格の中で勉強が結構大変でしたが、無事合格できて良かったです。プロ資格としては、次は陸技に挑戦したいと思います。また最後に残った特殊無線技士、国内電信級陸上特殊無線技士にもいつか挑戦してみたいです。国陸特は、試験科目が、法規と電気通信術(75字/分の和文のモールス)のみで、無線工学がないというちょっと変わった資格。でも国陸特はこの電気通信術が総通レベルとかなりのクセ者のようで、それで試験は甘くないようです。特殊無線技士といっても、これは別格ですね。総通を受けることになったら、その前哨戦として挑戦できたらと思います。
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