森田経営合同会社 |
06-6185-3777
m-m-llc@fol.hi-ho.ne.jp
|
|
決 算 会 計 |
融資のときの決算書のチェックポイントは?
金融機関は融資する会社に対して「格付け」を行っています。
平成11年7月に策定された「金融検査マニュアル」によるものです。
平成14年6月には金融検査マニュアル 別冊【中小企業融資編】を策定、平成16年2月に改訂しています。
これらのマニュアルにより借り手を検査し、格付けを行い、融資業務にいかしています。
借り手の側にとっては、融資に対する検査でのポイントを知っておくことで、融資交渉に役立てることができます。
ご興味のある方はどうぞ 金融庁のホームページ
格付けの大きな要素が、決算書から読みとれる財務指標です。
各金融機関によって、決算書を見るところは若干違うようですが、多くのポイントが共通しているようです。
ある金融機関の担当者から教えていただいた、とにもかくにもこの3つ というポイントをご紹介します。
● 黒 字
これは当たり前すぎますね。
損益計算書の「当期利益」がプラスになっているかどうか。
次に、損益計算書の「経常利益」がプラスかどうか。
とにかく黒字は融資には有利なんです。
もし、赤字になっちゃったら?
大丈夫。
赤字だとしてもその原因によって金融機関の評価は変わってきます。
ただ、これだけは守りましょう。
「絶対に2期連続の赤字は避ける、または避ける努力をする」
2期連続赤字になった会社が融資を受けるのは、非常に難しくなりますから。
● 売上高
これも当たり前かな。
損益計算書の一番上「売上高」を見てください。
まずは、規模。
一般的に、月商(1ヶ月の売上高)の3ヶ月分以内に借入残高がおさまっていればセーフと言われています(業種によりますけどね)。
資金使途が運転資金だと、月商の1〜2ヶ月くらいが借入金額の限度です。
次に、前期との比較。
2期間の売上高を比較して、増えていると融資には有利です。
売上が伸びているときにお金を貸す方がリスクは少ないですからね。
● 償却前利益
ちょっと聞き慣れない用語かもしれません。
言いかえれば、「減価償却する前の当期利益」ということです。
損益計算書の金額がすべて現金取引でおこなわれたとしましょう。売掛とか買掛とか未払とかを一切無視。
損益計算書の経費の中で現金が出ていかない経費があります。それが「減価償却費」。あと「繰延資産償却」というのもあるかもしれない。
当期利益は減価償却費を引いたあとの金額だから、この減価償却費をプラスすると、現金ベースの当期利益が計算できるというわけです。
償却前利益 = 当期利益 + 減価償却費
償却前利益は何を意味するのか?
この利益で借金の返済をしなければなりません。そう借入金の返済原資を表しています。
借入金の返済元本は、お金が出ていきますが、経費にはなりません。損益計算書には出てこないんです(利息のみ経費です)。
ですから、現金ベースの利益から、この借入金の返済をしていくことになります。
計算例)
当期利益 100、 減価償却費 10、 返済元本 30 とします。
償却前利益=当期利益100+減価償却費10=110
償却前利益110>返済元本30 なので、返済は余裕があります となります。
上記の計算例では、返済余裕が80(=110−30)ありますから、追加融資が受けやすくなります。
上記3つのチェックポイントは簡単に確認できると思いますので、自社の決算書をチェックしてみてください。
えっ 3つともダメだって? 追加融資は厳しいかも・・・
でもあきらめずに頑張りましょう。
上記以外でも、金融機関によってさまざまな財務分析や検査がおこなわれていますから。


|
|
|
|
|