尿路結石の話


筋でも違ったかと思った。
左腰のちょっと上のほうに少し張りを感じたのだ。
それは仕事を始めて一時間ほどたったころの話だ。
少し違和感を感じながら診療を続けていると、それは痛みに変わり
また少しづつ強くなっていった。30分ほど経ったころにはかなり強い痛みになっていた。
その時ちょうど患者さんの脇で冠の調整をしていたのだが、痛みが我慢できなくなって
すこし横になれば治まるかとちょっとことわって、一度院長室に引っ込んだのだが
どのような姿勢をとっても痛みは治まらず、反対にまだまだ強くなっていく。
歩くことさえままならぬようになった時、もうどうにもしょうがなく
普段懇意にしていただいてる病院に向かうことにした。
患者さんを置き去りにすることには非常に抵抗があったのだが
この状態ではなんともしょうがない。

その時にはこの痛みに見当はついていた。
すこし前にCTを撮った時、腎臓に石があることを告げられていた。
嗚呼、あの石が落ちたんだなと思いながら病院にいく。
検尿をするとコーヒーのような色。かなりびびりました。
やはり病名は尿路結石。うわさには聞いていたがかなりの痛さだ。
さすがは三大疼痛!
ただそれが点滴を受けて10分ほどするとうそのように楽になった。
信じられないほどだ。
歯科に来院する方の痛みもこんな風に劇的に改善できればなあと考えた。
石の大きさは4x8mm。自然排出を待つことになる。

点滴を受けながら色々と考えた。
最近身体が少しづつ言うことを聞かなくなってきた。
以前友人の歯科医が
”自分の歯科医としてのピークは今ではないだろうか。
後は衰えていくばかりじゃないだろうか。”と言う様なことを話していて
それに対して自分は
”そんなことは無いだろう。少なくとも自分はまだ確実に進化していると思う。
新しい知識、技術を身につけ自分で納得の行く仕事が増えていると思う。”
と反論した。
でも、確かに目も時々ピントが合いにくいときが出てきた。今回のように
突然の仕事放棄もある。もし入院などという事態になれば...とも考えた。
そういえばこの10年で骨折も三回している。(情けない話だが...)

やはり今までのようなやり方よりも、少し身体のことを考えた仕事のあり方というものを
考えなくてはならないのだろう。
そろそろ50歳という節目に当たることだし、ゆとりというものを持てということか。
でも仕事をしているほうが、気持ち的には楽だというのが難しいところだ。
まあぼちぼちと変わっていくくらいでいいかな。

ところで、僕の身体の中のあの石はもう4ヶ月にもなるのに
時々痛みを起こしながらまだ居座っています。
よほど居心地がいいのでしょうか。

追記:その石は4月1日の朝、するっと出てきました。
    実に4ヶ月と10日僕の中に居座ったわけだ。
    これでほっとしたわけだが
    出てきた日が問題で、石の写真もつけていろんな人にメールを送っても
    誰も信じてくれなかった…

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