TOPあかげらの表紙>第282号


― 小さな花 ―
  
 大輪の花はそれなりの風情があるが、小さな花の方が好きだ。花弁の大きさが数ミリ程度しかないワスレナグサのような小さな花に惹かれる。大きくても2センチ程度までがいい。

 「北の国から」の倉本聡が何かの本に大根の花やジャガイモの花のことを書いていた。本州はじめ各地からラベンダーの花を見に貸し切りバスで押しかけて来た人々が、ラベンダーだけを眺めてさっさと帰ってしまう。

 傍らにひっそりと咲いている大根やジャガイモの花に目もくれようとせずに。私には倉本の憮然とした表情が見える。野菜の花は小さくてかわいらしい。可憐な花を無視する人々は、単なる観光客であって花好きとは言えない。

 私は野菜の花が大好きだが、残念ながら家庭菜園もなく、花屋から買った小さな花を描くしかない。

                        339 千葉 喜秋