ヘ行PEKIGNESE
原産国:
CHINA
起源:
古代
初期の用途:
COMPANION
現在の用途:
COMPANION
寿命:
12〜13 年
別名:
ペキン・パラストフント
体重:
3〜6 kg
体高:
15〜23 cm


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確立されて久しい犬種であることには疑問の余地がないが、何ぶん中国生まれなので、その起源は彼の大国の茫洋たる歴史の中に埋もれて、掘り起こそうにもなかなか手がかりがない。
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中国の寺院や宮殿の魔よけとして建物の周囲に何世紀も座り続けている石像の犬の特徴は、ペキニーズに酷似している。どっしりとした大頭、短く幅広の顔、挑むような大目玉の間に反りかえった鼻、ライオン風の体つき、たてがみ状の襟巻き、勇ましく背負いあげた尾。古風で趣のあるこれらの特徴は、全てペキニーズに共通する。
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ペキニーズが数種類の東洋犬と祖先を同じうすることはほぼ間違いない。選別繁殖によって様々な犬種が生まれ、めいめい独自の個性を発達させていった。
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中国の王族に代々珍重されてきた。王朝によって待遇に若干の差があったかもしれないが、とにかく懇ろに扱われてきた。17世紀に満州族が中国に侵入して清朝を建てると共に、俄然ペキニーズの株が上がり、その古風なおもしろさと他犬の追随を許さぬ個性を以って王族の寵愛を恣にした。どうみてもペキニーズとしか思えない小像や装飾品も多数遺っている。この犬の有力な支持者の一人は西大后そのひとであった。
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紫禁城の奥で手厚い擁護を受けて育ち、城外では殆ど顔を知られていなかった。犬を外へ連れ出した者は投石刑による死を以って罰するという厳重な掟があった。綿繍を施した絹の犬服をまとい、大勢の宦官にかしずかれ、恵まれた少数の貴人にのみその存在を知られ愛育される深窓の令犬だったのである。

1860年、清朝皇帝の濫発する懲罰的措置に憤った英と仏に音頭をとられ、欧米諸国が北京に進駐して紫禁城に入った。宮廷人たちは貴重な獅子犬を含む財産を抱えて散り散りに逃走したが、うっかり5匹ばかり置き去りにしていった。それが皆、英国将校らの手に落ち、英へ連れて行かれた。5頭の中で最も有名になったのはヴィクトリア女王に献上されたルーティという犬である。
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英におけるペキニーズの動静は1890年代に入るまでは殆ど知られていない。中国では確実に時代が変化していた。かつての門外不出犬は半ば公然と紫禁城外に持ち出され、おそらく繁殖もされていたことから、宮廷の役人や宦官が以前よりも大胆になっていたことは明白であった。
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独立独歩の精神と堅固な意志を持つ犬である。我を通したい、頑固で、こちらの言うことを聞く耳は持たぬこともあるが、その埋め合わせにライオンばりの勇気が備わっている。唯我独尊の気風と自尊心は恐らく最大の魅力でもある。

こちらも毅然として譲らぬ構えで臨むべきである。どちらが主人かわかればいたってかわいい楽しい犬となり、権威を尊重し、飼い主の願いに耳を傾けるようになる。
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子供と一緒に育てるとなかなかよい相棒になる。しかし、高齢者や子供のいない夫婦などに飼われていると、おそらく赤ん坊嫌いになる。
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聡明で、祖先から受け継いだ王侯の威厳をたっぷり身につけている。優れた番犬の素質もあり、知らない人が近づいて来れば警告してくれる。
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無駄吠えが多いという噂が流れているが、実際は正反対で、むしろ寡黙な犬が多い。
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どこから見ても極めて美しい犬だが最大の美点はその気立てであろう。恐れを知らず、しかし凶暴ではなく、超然として、物怖じしない。勇ましく大胆で自信満々の天晴れな小型犬である。
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心臓の強い個性派で長寿が普通である。大した病気もせず15年から17年は生きるのでなければまともなペキニーズとは言えない。
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好き嫌いのない犬だが、食べたがるものばかり与えていると好みが難しくなる。
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眼が巨大で顔がぺしゃんこなので他犬種より眼球が傷つきやすい。日頃からよく注意して眼を点検しなければならない。生理食塩水か硼酸水で洗眼し、具合が悪そうな時は獣医師の専門治療を受ける。時期を逸してはならない。眼がチャイナ・ブルーになる、或いは潰瘍化するまで放置してはいけない。
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毛の手入れは怠けてはならない。週に一度隈なくブラシをかけて健やかな肌と毛を保つ。
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頑固犬であるがたゆまず教えれば基礎的な服従訓練はかなり容易に覚える。決して絶望してはいけない。引き綱訓練に関しては、50回連れ出しても進まじと踏ん張る犬。なのに51回目には、恰も引き綱をつけて生まれてきたかのように突然颯爽とひも付きで歩き出したりする。とにかく犬に譲歩せず、こちらの信念を曲げず、主導権は主にありということを犬に思い出させることが肝要である。
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様々な環境や状況によく適応する。狭いアパートも広い豪邸も楽しい我が家である。一人暮らしのお年寄り、子供のある若年夫婦、どちらのぺとにもなれる。独立心旺盛なので絶え間なく相手をする必要はなく、犬の方でもまっぴら御免である。どことなく猫的な性格だが家人への愛情を出し惜しみすることはない。大家族の一員としても唯一のペットとしても等しく幸せを満喫する。
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頭部は需要な犬種特徴である。体の割りに大きいことを旨とする。頭蓋は幅広く頂が平坦で、耳は頭頂と同じ高さにつく。耳は頭の幅広さを強調するように位置し、顔面を縁取っている。鼻鏡は黒く広く、鼻孔はよく開き、間隔の離れた両目の間に上向きに反りかえっている。眼は大きく丸く、濃暗色で濡れたように輝いている。顎は強靭堅固かつ輪郭明瞭で、アンダーショットである。これら全ての頭部の基本要素に平たい顔という最も重要な特徴が加わって、ペキニーズを他犬種から断然際立たせている。
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コンパクトな体なので短い頸を必要とし、頭が肩から直接生えているかのような印象を与える。ボディはよく張った肋を伴って小さいながら充実し、狭いウェストと後躯に向かって次第に細まってゆく。

後躯は細作りで骨も前肢より軽く、後肢の足先はまっすぐ前方に向いている。前肢は重く湾曲し、足が外向している。肩はほどよく傾斜し、ボディは四肢の間に吊り下がる感じで、前肢より前にある程度張り出すほど胸の厚みがある。この体形が犬種に特徴的な
ローリング(横揺れ)ゲイトを生む。歩様はよどみなく、横揺れすると同時に流れるようになめらかでもある。
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尾、耳、四肢のフリンジとスカーティングは長く豊かで、躯幹の毛に比べていくらか柔らかい。メイン(たてがみ状の頸毛)またはラフ(襟毛)が頸回りをたっぷりとおおい、肩の周囲にケープを形作る。喉の周囲ではごわごわと硬い質感で、しばしばピブ(涎かけ)と称される。メインはこの犬種の特色の一つだが、長年の間に徐々に消滅しつつある。

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ペキニーズの玉手箱
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「新犬種大図鑑」(The new Encyclopedia of the DOG)
ブルース・フォーグル著者、福山英也監修
「犬の大百科」(The International ENCYCLOPEDIA of DOGS)
アン・ロジャーズ=クラーク&アンドルー・H・ブレイス編、神里洋監修