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2008年5月22日作成

結露について(実務編)


結露防止のためには適切な断熱材の設置が必要である。

寒冷地において屋根、外壁、床などが断熱仕様になっていないのは結露対策上大変不安であるが、それ以外の地域では断熱材は必要ないのだろうか?断熱工事を行う場合断熱材の厚さはどのくらいあればよいのだろうか?と心配になる。

このような疑問に対して簡単にチェックすることが出来るツールを紹介する。
計算式の苦手な方は途中の解説を読み飛ばして、自動計算のEXCELシートで数値確認だけでもお試しいただきたい。

◆結露計算について

結露発生の有無を確認するには下記の手順を踏んで計算していかなければならない。

1.外気温および内部の温・湿度を設定
2.温・湿度境界(屋根、壁、床など)の層を構成している材料の確認
3.構成材料の熱伝導抵抗、透湿抵抗を確認
4.熱貫流抵抗、湿気貫流抵抗を計算
5.各層の温度を計算
6.対象温度での飽和水蒸気圧を計算
7.各層の実在水蒸気圧を計算
8.飽和水蒸気圧と実在水蒸気圧を比較

ところで、設計者にとっても建物の使用者にとっても一番の関心事は、どんな材料をどの程度の厚さで用いたら結露を起こさないか、である。

また、複雑な計算をしないで簡略に結果を確認したいという欲求があるのも事実である。
そのような方にお勧めの結露確認方法を下記に示す。

◇確認手順

1.外気温および対象となる室内の温・湿度を設定

2.室内側の温・湿度における露点温度を計算

 露点温度計算シート(EXCELファイル 23.5KB)

3.各層の温度を計算

 層別温度計算シート(EXCELファイル 29.5KB)


これだけで結露の確認作業は終わりである。

ただし、結果はあくまでも標準的な計算値である。
概要編で述べたとおり室内の温度分布は床と天井でも異なり、壁の隅角部や家具の背部でも温度低下を起こす。
通常の部位で結露を起こさないためのチェック用として使用していただきたい。

また、計算シート使用に当たっては下記の事項を前提とする。

*対象となる部屋の温度は0℃以上とする。
*各部材の接合部(目地など)における熱損失は考慮しない。
*内部結露については構成材の湿気貫流抵抗を考慮しない。
 (構成材内部において水蒸気の層間移動があるものとして判定する)
*構成材としての空気層の断熱性能は対象としない。
 (空気の層間移動、層内の対流などにより空気の熱伝導抵抗は期待できない)




◆温度計算シートの数式

内部
Rsi
R1 境界面1 R2 境界面2 R3 境界面3 R4 境界面4 R5 外部
Rso
tsi t1 t2 t3 t4 tso

1〜R5:各構成材料の熱伝達抵抗
Rsi:室内側表面の熱伝達抵抗
Rso:外部側表面の熱伝達抵抗
Ti:室温
To:外気温
Tsi:内部表面温度
Tso:外部表面温度
とすると、各層の温度は下記の式で表される。

内部表面温度:Tsi=Ti-(Ti-To)×Rsi/Rt
境界面nの温度:Tn=Ti-(Ti-To)×(Rsi+燃n)/Rt




◆露点温度計算シートの数式

Td:露点温度
e:露点温度における飽和水蒸気圧
ln:自然対数
T:絶対温度(K)=t℃+273.15    として、

露点温度(Td)は、

Td=13.715×y+8.4262×10-1×y2+1.9048×10-2×y3+7.8158×y4

ただし、

y=ln(e/611.213)  (y≧0 とする)

ln(e)=-6096.9385×T-1+21.2409642−2.711193/100×T+1.673952/100000×T2+2.433502×ln(T)




◆シートの使い方


@室名を記入
A部位の種別を選択(*セルをクリックして部位を選択する
B室温を記入
C外気温を記入
D構成材名称を記入(*空欄の場合は各層の温度が計算されない
E熱伝導率を記入
F構成材の厚さを記入(*単位はmなので注意 ⇒厚さ30mmの場合は0.03と記入)
D〜Fは層別に繰り返し記入




対象となる部屋の設定温・湿度を黄色のセルに記入




◆参考:湿度による各状況

湿度 発生する状況
40%以下 静電気の発生、インフルエンザウィルスの活性化
50%以上 静電気の抑制、インフルエンザウィルスの死滅(高湿度を好む種類もある)
40〜60% 人体にとっての快適湿度(温度によって差あり)
60〜80% カビ・ダニの育成に適した湿度(温度:5〜35℃)
80%以上 カビの活性化、人体に不快(温度によって差あり)、家具・木製建具・造作材等の劣化




◆参考:各材料の熱伝導率

材料名 熱伝導率 倍数
W/m.K kcal/m.h.℃
乾燥空気 0.024 0.021 0.6
硬質ウレタンフォーム 0.025 0.022 0.7
ポリスチレンフォーム 0.037 0.032 1.0
グラスウール16K 0.045 0.039 1.2
グラスウール10K 0.05 0.043 1.4
木毛セメント板 0.1 0.086 2.7
天然木(1種) 0.12 0.103 3.2
天然木(2種) 0.15 0.129 4.1
パーティクルボード 0.15 0.129 4.1
合板 0.16 0.138 4.3
ALC 0.17 0.146 4.6
天然木(3種) 0.19 0.163 5.1
アクリルガラス 0.2 0.172 5.4
石膏ボード 0.22 0.189 5.9
0.582 0.501 15.7
レンガ・土 0.62 0.533 16.8
土壁 0.69 0.593 18.6
フロートガラス 1.0 0.086 27.0
コンクリート 1.60 1.376 43.2
83.5 71.81 2256.7
アルミ 236 202.96 6378.3

*1kcal/m.h.℃=1.16279W/m.K
*倍数:各材料を断熱材としてみた時、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)の性能を確保するために必要な厚さの倍数



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