ヨセミテ編


残雪が見えてくる
 私にとって今回の旅のハイライトはヨセミテ国立公園。グランドキャニオンなどの“乾いた雄大さ”とは正反対の美しい景色を見たかったのです。ラスベガスからネバダ州の乾いた風景を走りぬけ、カリフォルニア州に入ると景色は一変。さらに高地にあるヨセミテ国立公園が近付くと、山肌には残雪さえ見えて来ました。つい数時間前までは灼熱の砂漠の中を走っていたというのに。
 国立公園入り口のゲートで入園料を払ってからも、宿泊地となるキャンプ場まではまだまだ。とにかく広いのです。途中、翌日登ることになる「ハーフドーム」を遠くに望むことが出来るオルムステッド・ポイントで写真撮影。私たちの小さいこと…。

オルムステッド
ポイント

キャンプの夕食
 出発から10時間半後の午後5時半、キャンプ地に到着。左はこの日の夕食の様子。この後、翌日のハーフドーム登頂について、他のツアーガイドの人が注意事項を説明…というか「お前らホントに行けるのか?」から始まりました。「過去に10時間以上のトレッキングをしたことがないとムリ」とか「水は4リットル、サンドウィッチ3個は必要」とか…そんなのあまりにも大げさだ…と思って水は2リットル、サンドウィッチは2個しか用意しなかったのですが、これが後で大変なことになるとは思ってもみませんでした。
 翌日は5時半に起床して準備を始めたのですが、結局、車でヨセミテ公園内のビレッジまで送ってもらい、トレイルの出発点を出たのは午前7時。

夜明け前の
ハーフドーム

まだ元気なとき
 最初はごく普通の山登り。そんなに急でもないジグザグ道のトレイルを登って行きます。ハーフドームまでのほぼ半分の距離になると言われたネバダフォールに着いたのが午前10時。単純に行くと午後1時にハーフドームに着く計算ですが、実は出発前に「午後1時には引き返してくるように」と言われていました。つまり、すでにギリギリ。この後も、ドーム型の一枚岩、ハーフドームの麓に着くまではだらだらの上り坂。これが思った以上に長く、ハーフドーム手前の急な岩肌(右の写真)を登り始めた時点で午後1時でした。
 この岩肌はかなりの急斜面で日陰も少なく、ここで一気に体力と水分を消耗。標高も2000m超なので、息も絶え絶えに何とか20分ほどで登り切ると、目の前に現れるのが…

急な岩肌を登る

てっぺんは遙か
 ←このハーフドーム。でかい…まだこれを登らなアカンのか…。しかも急斜面にはワイヤーが張られていて、それを頼らなければ登れません。手を離して足を滑らせると真っ逆さま。それでもここまで来たからには登り切らずには帰れません。引き返し指示の時間も過ぎていましたが、手と足を使って、たくさんの登頂者で渋滞する岩肌を必死に登りました。登りも下りもこのルートしかないので、下りの人と行き違うのも大変。止まって待つ間もワイヤーから手は離せません。
 でも、仲間で励まし合いながら、目前に迫ったゴールを目指しているのでなかなか楽しかったです。途中、誰かが落としたペットボトルが“からんからん”と音を立てて落ちていくのを見た時は、ちょっと背筋が寒くなりましたけどね。

矢印が私

てっぺんで記念撮影
 ワイヤーに取り付いてから約20分。岩頂を目指した全員が無事てっぺんにたどり着きました。ハーフドームというだけあって、ドームを半分に割ったような形になっているのですが、割れた側は右の写真のように真っ直ぐに切り立ったガケになっています。自分の座っている場所の下が、こんな風な断崖絶壁になっていることを知ってか知らずか…いやぁ、恐れ知らずの女性たちです。あっぱれ、あっぱれ。
 で、彼女らの側から、その写真を撮った私の方を見ると、左下のように見えていたようです。赤い矢印の位置に私がいます。断崖にも驚きですが、やはり自然の雄大さと、自分の小ささに溜め息が出ます。
 てっぺんに着いたのが午後2時前だったので、あまりゆっくり出来なかったのが残念でしたが、引き返し指示時刻を1時間も過ぎていたので、帰りを急がねばなりませんでした。

絶壁上の美女達

小さいねぇ
 帰りの写真は、右の1枚だけしかありません。ハーフドーム手前の急な岩肌で一気に水分を消費しただけでなく、長時間、日なたを歩いたおかげで持って来た水をどんどん飲んでしまい、帰り道の半分も行かないところで水が尽きてしまうという失態。行程の約半分の位置になるネバダフォールに流れ落ちる川の水も、バクテリアがいるので飲んではダメということで、右の写真のように足を冷やすだけ。やがて、帰着指示時間の午後6時も過ぎてしまい、喉の渇きの中、必死に急いだ挙句に道を間違い、何とかゴール地点にたどり着いたのは午後7時27分。「午後7時半になっても戻らなければ、レンジャーに連絡する気だった」というツアーリーダー、ミシェルの怒ったような、呆れたような苦笑いが忘れられません。
しばしの休息

写真をクリックすると、大きな写真も見られます(DPEのLサイズより少し大きめ)。

ラスベガス編へ  サンフランシスコ編へ

のページへ戻る