ThinkPad CPU換装のすすめ


http://www5b.biglobe.ne.jp/~oh_lavie/cpu/cpu_1.htm

 ThinkPadにはCPU換装が可能なものがあります。多少分解のリスクは伴いますが(パターンカットや半田付けを伴うクロックアップよりは安全な方法です)、CPUを換装することによって、愛機ThinkPadをパワーアップすることができるなんて素敵な話だと思いませんか。
 でも、気を付けなければいけないのは、CPUも進化により様々な規格や制限があり、どのCPUも換装できるというわけではないということです。ここでは私の経験(失敗)をもとに、知りうる限りの最近の(といっても、中古ですのでちょっと昔の)CPU換装・規格についてまとめてみました。

■ ThinkPadとPentiumV/Celeron

(1) Micro BGA/2規格のThinkPad

 Micro BGA/2(Micro Ball Grid Array /2)規格のThinkPadには、TP240/X/ZやTP570/E、TP130、X20/21、R30等があります。

 これらのCPUは専用の機械でシステムボードに直付けされていて、素人にはCPUの換装は不可能と言えます。したがって、これらのThinkPadをパワーアップ使用とする場合は、システムボードを上位機種のものと交換するしか手はありません。



※上段:X20のPentiumV/600
※下段:A22eのCeleron/800
 いずれも、システムボードに直付けされているため、システムボードを交換しなければ、パワーアップを図ることはできない。


(2) Micro PGA2規格のThinkPad

 MicroPGA2(Micro Pin Grid Array 2)規格のCPUを実装したThinkPadには、T20/21/22、A20/21/22等があります。Micro PGA2はインターポーザと呼ばれる基板に搭載されたBGAパッケージからなり、ZIFソケットとして提供されているため、CPUの換装が容易にできます。
 この内、A20mは、Speed Step未対応のMobile Celeronマシンのため、Micro PGA2規格の高速Mobile PentiumVに換装しても低クロック動作(バッテリモード)となり、その恩恵に最大限預かることはできません。例えばA20mにMobile PentiumV/700を実装しても、600MHzの動作しか得ることができません。しかし一方で、Mobile CeleronはもともとSpeed Stepに対応しないため、高クロックのMobile Celeronを用意できれば、スペック通りの動作速度を実現できます。当方ではA20mをMobile Celeron/900に換装し、900MHz動作を実現しました。


※A21mのCPUファンとヒートパイプ。液晶ユニット
 但し、A20mに高速CPUを使う時は、放熱についても気を使う必要があります。当方では、CPU換装と同時にA21mで採用されているヒートパイプを流用、液晶を含む上半身もA21mのものを使用しています。(A21mの上半身には、液晶の裏側にサーマルプレートが実装されていて、CPUファン・ヒートパイプを通して熱が逃げる構造になっています)


 放熱に留意する必要がある点はT20にも当てはまります。T20はMobile PentiumV搭載マシンですので、Speed Step対応で、理論上は最高1GHzのPentiumVに換装可能ですが、T20のCPUファンでは、これらの高速CPUに対しては放熱面で力不足です。CPUをより高クロックのものに換装する際は、CPUとともに、CPUファンもT21/22のものにしておくとよいでしょう。


※左側T20のCPUファン。右側、実装されているのはT22のCPUファン。放熱効果が異なる。

 蛇足ですが、A20mにはSpeed Step対応のMobile PentiumVマシンが存在するようです、型番はA20mながら内部的にはMobile CeleronのA20mとは全く異なるようです。
 Speed Step対応のMobile PentiumVマシンは、通常、バッテリとACを併用した時でないと高クロック動作しません。Mobile PentiumV/850に換装したのにベンチをとると、700MHzしか出ていないってことあります。但し、これを回避する裏技(デバイスマネージャの操作とアプレットの適用とか)があるみたいで、この裏技を適用すれば、ACだけでも高クロック動作が実現できるようです。

 Mobile PentiumVは、ディスクトップPentiumVの2代目にあたる「Coppermine」をベースにして、消費電力と発熱を抑えるように改良されたもので、Mobile PentiumUの後継にあたります。0.18μmプロセスで製造され、最初のMobile PentiumVでは、動作周波数が400/450/500MHzのものが存在します。その後、Speed Step技術と呼ばれる消費電力を低減させる技術が採用された動作周波数が600MHz〜1GHzのMobile PentiumVが登場しました。

※このクラス最高速Speed&Step対応。Mobile PentiumV/1G L2キャッシュは256KB
 一方Mobile Celeronは「Coppermine-128K」と呼ばれる0.18μmプロセスで製造されたものです。Mobile PentiumVのL2-Cacheが256KBなのに比べ、L2-Casheが半分の128KBに抑えられています。(低価格化のため)ベースクロックは100MHz/133MHz、動作周波数が450MHz〜933MHzのものが存在します。

※Mobile Celeron/900 L2キャッシュ128KB


(3) Micro FC-PGA規格のThinkPad

 Micro FC-PGA(Micro Flip Chip Plastic Grid Array)規格のCPUを換装したThinkPadには、T23、R31、A30等があります。Micro FC-PGAはFSB133MHzで、FSB100MHz規格だった前述のT20/21/22、A20/21/22等では、CPUはもちろんのこと、メモリも流用できない可能性があります。T23、R31、A30等にはPC133規格のSD-RAM S.O.DIMMが必要です。

Mobile PentiumV-M

 Micro FC-PGAで適用されるPentiumはMobile PentiumV-Mと呼ばれ、Mobile PentiumVの後継CPUにあたります。ディスクトップの3代目PentiumV「Tualatin」に改良が加えられ、0.13μmプロセスで製造されたMobile PentiumV-Mは、L2-Cacheが256KBから512KBに拡張されています。


 Micro FC-PGAはMicro PGAと異なりインターポーザと呼ばれる基板を持っていないため、CPU裏側にコンデンサが露出しています。またMicro FC-PGAはZIFソケットで提供されるため、CPUの換装が容易にできます。

 またSpeed Step技術を改良したEnhanced Speed Step技術が採用されており、AC駆動時とバッテリ駆動時で動作周波数と動作電圧を切り替えるだけでなく、ソフトウェアから自由に切り替えることが可能みたいです。動作周波数は、866MHz〜1.33GHzが存在するようですが、Mobile PentiumV/1.20Gや1.33Gは未だ手にしたことがありません。

Mobile Celeron

 一方、Micro FC-PGAで提供されるMobile Celeron「Tualatin-256K」は、Mobile PentiumV-M同様に0.13μmプロセスで製造されています。しかし、Mobile PentiumV-Mで採用されたEnhanced Speed Step技術は、Tualatin-256Kには搭載されていません。動作周波数は、1.06GHz〜1.33GHzで、最高速Mobile Celeron/1.33Gも容易に入手できます。

http://dictionary.rbbtoday.com/Details/term3194.html

Mobile Pentium 4-M

 Pen4の外見はPenVと変わらない。pinの数も同じため、物理的には、PenV機にも搭載することができそうだ。(動作すってことはないだろうなあ)PenVでは133MHzだったベースクロック(FSB)が、Pen4では、400MHzになっており、たとえ動いたとしても、

 133MHz × 4.0 = 533.3MHzなんてことに・・・。


※Pentium4-M/1.6G(SL5YU)

 Mobile Pentium 4-Mは、Mobile Pentium III-Mの後継にあたり、NetBurstマイクロアーキテクチャを採用したはじめてのモバイル向けCPUです。
 Mobile Pentium 4-Mは、低消費電力を実現するため、最高性能モードとバッテリ駆動モードをソフトウェアから自由に切り替えることができるEnhanced Speed Step技術が採用されています。

 また、CPUが待機状態での消費電力を低減させるDeeper Sleepモードなどの機能が搭載されていることにより、平均消費電力が2W以下に抑えられています。
 Mobile Pentium 4-Mは、Pentium 4のNorthwoodとほぼ同等な仕様となっており、製造プロセスは0.13μm、2次キャッシュ容量は512KB、ベースクロックは400MHzで、動作周波数は、1.4GHz〜2.6GHzの製品が存在します。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Pentium4-M

2007 by Monkung Factory