★★★日本語教師Q&A★★★


最近多くの方から日本語教師に関する質問が多く寄せられるため、とてもメールで対応しきれなくなってしまったので、こちらにQ&A集を設けることにしました。
主にイタリアで日本語教師をすることに関するものです。
ただ、これはあくまでも私個人の経験に基づくものです。参考程度にお読みください。

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Q1:イタリアでの日本語教師の需要は?
A1: あるといえばあるし、ないといえばないのが現状。どういうことかというと、公的機関、各種語学学校での需要は皆無だが、個人レベルではある。つまり、学校 などではコースを設けるほど希望者もないので、とても教師を常時雇っておくことは出来ない。個人レッスンを申し込める学校もあるが、費用が高いため、よほ どの必要性がない限り、値段を聞いて希望者側があきらめるケースがほとんど。というわけで、個人で勉強してみたい人が、人づてに日本人の存在を知って「日 本語を教えてもらえないだろうか」と依頼してくることが多い。こういう視点から見れば、需要があるとも言えるのである。しかし、これは予測がつかないもの だし、レッスンも個人だと不定期になりやすい。現在このような形でイタリアで教えている人が多数いると思われるが、あくまでも趣味、副収入になれば、とい う感じである。
Q2:どうやってイタリアで日本語教師になったのか?

A2: 私の場合は全くの偶然から。日本語教師になろうと思ってイタリアへ来たのではない。たまたま日本語教授法の通信コースを受講中に、友達の子供が習いたがっ ているということで始めたのがきっかけ。6年ほど他の仕事の傍らに友達や知り合いなどに個人レッスンをしていたが、ヴェネツィアのいくつかの語学学校に 「教えないか」と声をかけてもらったため、学校などでも教えるようになった。私自身は学校などに全く働き掛けておらず、向こうから友達や知り合いを通して 連絡が来た。ヴェネツィアは小さい町なので、人づてに私が日本語を教えていることが伝わったようである。学校側も公的にはなんの募集もしていない。

学 校で教え始めるに至っては、簡単な履歴を聞かれた程度である。資格、経験などそういったものは一切問われていない。これはある意味では誰でも教えられると いうことになるが、授業を受講する側からみれば、どこの馬の骨が来るともわからないという、ちょっと無責任な感じもしないではないだろう。

Q3:イタリアで日本語教師になるには?

A3: 現在時点では、「イタリアで日本語教師をやりますっ!」と言ってなるのはほぼ不可能。1の項でもふれたように、需要がないからである。その次のネックが労 働ビザ。イタリアで労働ビザを取るには2つの方法がある。まずはイタリア国籍所有者との結婚。結婚すれば、日本国籍のままでもほぼイタリア人同等の資格を 持つことが出来るため、労働に関しても全く問題がない。もう一つは、イタリアで仕事を見つけ、雇用主に労働ビザ申請の手続をしてもらって取得するという方 法。ただこれに関しては、職種、場所によって様々な規制があるようで、簡単ではない。それに時間もかかるため、雇用主側が面倒くさがってやりたがらないこ とが多い。
もう一つ、これは私が労働ビザを取得したケースであるが、法律改正と追認によってイタリア政府が単発的に出した労働ビザである。イタリアでは、過去に数 回、外国人の不法労働者を正規化し、納税させるために、ある一定期間にイタリアに入国し、住居、仕事のある人、その他条件を満たした人を対象に労働ビザを 出したことがある。これはsanatoria, regolarizzazioneと呼ばれるが、この単発ビザがこの先また出るかは疑問である。(注意:私は決してイタリアで不法労働していたわけではな いのであしからず。)

ただし、イタリアで日本語教師になるのは決して不可能とは言いきれない。どこでどんなチャンスが転がってくるともわからないので、あきらめなさいとは決して言えない。

Q4:収入は?
A4:これは難しい質問である。
公的機関、学校で教えるとなれば、当然そこの規定に従うこととなる。大学などの公的機関は月給制、語学学校では時給制となる。しかし個人レッスンとなる と、自分で設定できるので、高くしてもいいし、安くしてもいい。生徒との交渉で決めることも出来るかもしれない。
いずれにせよ、常勤教師として雇用されないかぎりは、日本語教師業だけで生活していくことはまず無理といえる。個人レッスンだけの収入ではあまりにも不安定だからである。
Q5:イタリア語の知識は必要?
A5:イタリアで教えるなら当然必要。というより、イタリアで生活するつもりであれば、現地の言葉を覚えるのは必須である。
日本語を教えるにあたって、外国語を使わないでやる直説法というのがあるが、イタリアで、それも生徒が全員イタリア人、さらに社会人である場合はイタリア 語を使わないで教えるのは不可能ではないが、難しい。私の経験からすると、直説法になじめるのはほんの一握りの人達で、大半の人達は論理的な説明を求めて くる。そして実際そうやって教えたほうが、覚えが早いのである。
また、これは人によって意見が違ってくるかもしれないが、私は出来るだけクラスでは「先生と生徒」という関係ではなく友達のような感覚でやっていくように している。イタリア人というのは人柄、好感度(simpatia)というのをとても大切にするので、授業中でもちょっと息抜きの感覚で、イタリア語で雑談 したりして、みんなとなじむようになるのも大切なことであると思っている。こういった機会には、生徒達がどんなことを習いたがっているのかなど、そういっ たことも知るいい機会でもある。私はほとんど社会人相手で、どちらかといえば、みな興味や趣味で日本語を習っている人が多いので、試験などを気にする必要 もない。カリキュラムやノルマがあるわけでもないので、出来るだけ生徒の興味に沿ったことについてやっていくのも重要ではないかと思っている。

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