和歌山県 醤油蔵のある街「湯浅」 ・ のこぎり状の家並み「黒江」

台風4号が猛威を振るう7月の3連休の1日目、以前から予約していた和歌山の宿にキャンセルを入れた。自然が相手では旅館もキャンセル料は請求できないだろう。翌日の朝、予報では直撃する恐れがあると言われていた和歌山市内は、幸運にもほとんど被害もなくすでに青空がのぞいているという。そうとなれば、せっかくの連休をじっとしているのはもったいない。早速、キャンセルを入れた旅館に再度予約の電話を入れ、朝10時過ぎに滋賀県大津市を出発。

和歌山市近郊は結婚してからも妻と二人で何度か訪れたことはあるが、いつも通り過ぎるだけで、ゆっくりと観光したことはない。それに、私も歳をとったのか見て回りたい興味の対象が変化してきている。今回は一泊二日の予定で宿も確保しているため、ゆっくりと見て回れそうだ。
醤油蔵のある街「湯浅」
滋賀から名神・近畿・阪和道と高速道路を乗り継いでいくと約1時間半で「湯浅」ICに着く。ここ湯浅は醤油発祥の地として知られ、醸造町の歴史を伝える町並みとして2006年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。ICを降りてから少し道がわかりにくいが、JR「湯浅」駅を目指していけばもうすぐだ。
伝統的建物群に指定されるだけあって、その辺一帯はまるで江戸時代にタイムスリップしたような感じさえする。今でも人が住み、商売が行われている。各家々の軒先には、訪れる旅人たちを楽しませるための「せいろミュージアム」が飾られている。それぞれが工夫された昔ながらの一品を展示している。心憎い演出だ。ただ、電柱だけが残念でならない。

せいろミュージアム。一つずつのぞいて行くのも面白い。

格子の町家がある北町通り。丸いポストがよく似合う。

醤油の老舗「角長」がある通り。

「角長」裏手にある「大仙堀」。かつては醤油の積み下ろしに利用され、隣の山田川とつながっている。辺り一帯にはほのかな醤油臭と海の香りがミックスした独特な匂いが漂っていた。

細い路地はつい入っていきたくなります・・・。
のこぎり状の家並み「黒江」
湯浅を後にして次に訪れたのは海南市「黒江」。ここ黒江は、室町時代から木地師による木椀塗りが始まり、江戸時代以降は紀州椀の産地として知られている(らしい・・・私は知らなかった)。
今回、この町を訪れるに辺り、事前に情報収集をしたところ、どのガイドにも「のこぎり状の・・」と言う紹介文が載っている。果たしてどんな町並みなんだろう。わくわくしながら、どうでもいいような顔をしている妻には詳細は告げず、とにかくやって来た。町並み観光用の駐車場はないので、近くの「漆器伝統産業会館」に車を停めさせてもらった。

メインの川端通りの裏筋に「のこぎり状の家並み」はあった。昔、木地家筋、塗師家筋などとしてして知られていた細い路地に面した家並みで、まっすぐな路地に対して各戸の軒が斜めになるように建てられている。なるほどこれが「のこぎり状」かぁ。ふ〜ん・・。

川端通りに面して建つ「木地家」。小物などいろいろと売っています。

「黒江ぬりもの館」 こだわりの製品を展示販売しています。町並みも趣があります。一番黒江らしい町並みです。
和歌山を代表する2つの町並みを散策した。どちらか一つでは時間をもてあますが、この2つをセットとして「町並み観光」とすれば案外いけるかもしれない。

夕方5時過ぎ黒江の町を後にして、今晩泊まる予定の「新和歌浦」へ向かった。万葉集にも詠まれたこの町の景色も私の大好きな風景である。以前、趣味の油絵でも描いたことがあるほどの町並みだ。乞うご期待。