究極? ブラインシュリンプ孵化器の自作
aqua-report #7 original work of a extreme brine shrimp incubator


ブラインシュリンプ(アルテミア)の孵化器と言えば、アクアリストの皆様は各自ペットボトルを利用し様々な工夫をしながら自作に励んでおられる事だと思います。
しかしこの孵化器、ちょっとした工夫でさらに扱いやすくなります。

今回は、私、ひろろんが現時点で究極(?)と思ってるペットボトル孵化器のシステムをご紹介します。究極と言っても、良くショップで見かけるブライン孵化製品などのように、魚への投与までの自動化を考えている訳ではありません。最後にスポイトでブラインを魚に与える楽しみは奪うことなくそのままに、卵の抜け殻の分離と塩水の分離、そしてブラインシュリンプの回収までのムダな手間を徹底的に省いたものです。

ブラインシュリンプ孵化器システム概念図(ひろろん式)


上記が、その"究極"のシステムの概念図です。って、誰でもこれくらい考えられるね・・・
ちなみに
弁を操作して孵化器を上方に持ち上げるだけで、あの邪魔な卵の殻と海水を分離し、ブラインシュリンプだけを回収出来る、という代物です。




■ 用意するもの ■

ペットボトル2本・・・・500mlのが最適。うち1本は脚にする
プラ繋ぎ1個・・・・・・できればL字型のもの。(高さを低くできる)
1個・・・・・・・・・2か3口の弁。錆びないステンレス製のもの
ろ過器1個・・・・・・・プラスチック製の茶こし
チューブ・・・・・・・・透明なシリコンチューブが最適
エアーポンプ1個・・・・小型で静かなポンプがよい。水作がオススメ
逆流防止弁1個・・・・・適宜。ポンプへの水の逆流がコワイ人は必要
コップ等の容器1個・・・ブライン回収用に必要
照明・・・・・・・・・・適宜。ブラインが光に集まる



■ 作り方 ■

このシステムの要となるのはプラ繋ぎ・弁・ろ過器の3点です。


まずプラ繋ぎですが、ペットボトルのキャップにプラつなぎよりやや小さい真円の穴を開け、そこにプラつなぎを接続します。
プラ繋ぎはキャップ内部に5mmも食い込んでいれば十分です。この微妙な段差だけでブラインの殻と未孵化卵を遮断できてしまいます。

逆さまになるペットボトル孵化器を安定して置くためにペットボトルで脚を作っておきます。

ペットボトル孵化器完成。

孵化器本体となるペットボトルは、底の部分をカットします。

孵化器全体の高さを低く出来るため、L字形プラ繋ぎをオススメしますが直線タイプでも機能的には何ら問題ありません。


次に弁(バルブ)ですが、全ての水の流れをここで操作します。3箇所操作ができる4方弁か2箇所操作のできる3方弁を使用します。
この弁をビニタイなどで壁面などに固定できるとなお扱いやすくなります。


このシステムの最後の要ろ過器
と言っても、
近所のホームセンターで300円程度で売っているプラスチック製の茶こし

コーヒー用の使い捨てろ過紙と比較しても圧倒的に低ランニングコストで扱いやすく、プラスチック製のため、半永久的に使用可能。


全体の組み立て方ですが、大体上記の概念図のようにチューブを接続すれば概ねOKでしょう。弁の位置はなるべくペットボトルの上端よりも高いところに設置してください。弁操作の間違いがあっても水漏れを防ぐことが出来ます。



■ 使用方法 ■

1.ブライン飼育時

まずペットボトル孵化器にブライン孵化用の塩水をセットします。

次に孵化器内にエアーポンプからの空気が送られるように弁の向きを設定します。
空気がコポコポ出ますが、出る量は弁で微調整できます。

ここまで出来たら、ブラインの卵を入れます
あとはこのまま孵化するのを待ちます。


2.ブライン濃縮時

孵化器内がオレンジ色っぽくなってきたら、ブラインが孵化してます。弁を操作してエアーレーションを停止し、5分くらい放置します。するとオレンジ色のブラインの塊が下方に集まっていきます。卵の殻は上方に自然に浮かび上がり、容器内部に付着し分離します。未孵化卵は一番底のプラ繋ぎの周囲に沈殿しています。

ここでライトボックス等で下から光を当てるとブラインが集まりやすいですが、光が無くても暗い場所ならば自然と下方に溜まってきます。


3.ブライン回収時

ブラインが集まってきたのを見計らって、図のように弁の向きを設定します。そして、ペットボトルを上へゆっくり持ち上げます

すると、勢いよくブラインを含んだオレンジ色の液体が流れ出てきます。ろ過器はオレンジ色のブラインシュリンプをこし取り、塩水を下へ流します。

濾過器内に得られたペースト状のブラインを軽く水ですすぎ洗いし完全に余分な塩分等を除去させたら、後はスポイト、スプーン、直接・・好きな方法で水槽内の魚に投与します。



■ うちでの使用例 ■

実際の使用風景です。
一応ペットボトル孵化器から水漏れしても大丈夫なように容器に入れてあります。
ブラインの孵化を早めるため保温をする場合は、ペットボトル孵化器ごと保温ケースの中に入れます。うちでは保温しなくてもこの状態で2日もすれば殆ど孵化するので保温しておりません。
ライトボックスはブラインの回収時にONにします。

下に見えるコップはブライン回収用のコップ。


ブラインを孵化させた所。
画像のようにブラインの色でオレンジ色っぽくなります。ペットボトルの上層の内壁に張り付いているのが卵の抜け殻です。

エアーレーションを停止させたら直ぐに弁より高い場所に置いておくのがポイントです。


ブラインが出てきたところ。オレンジ色に見える部分がそのペースト状の大群。

ペットボトルの中身は最後まで抜いてしまっても大丈夫ですが、その場合多少ですが未孵化卵や殻が混入するようです。

うちではこの孵化器を作成してからブライン孵化飼育が非常にラクになりました。さらに卵の殻が殆ど混ざらないようになり、塩水も水槽に入らなくなりと、今のところ良い事ずくめです。

弁に一つ空きがありますが、これは将来的にもう一本ペットボトル孵化器を増設するための予備弁です。通常の室温で保温なしで約2日もあればブラインは孵化しますが、1日おきに交互に孵化させれば安定してブラインを供給する事が出来るようになるはずです。

また、孵化したブラインはできるだけ早く体が柔らかい内に魚にあげるのが原則ですが、作り過ぎてしまった時などは、放って置いてもこのまま数日間は生きていますが栄養分やエネルギーも減少してしまいますので、栄養補給のためブラインにブラインの餌をあげましょう(^-^; 酵母などを食べるようです。うちでは薬局などに売っているエビオス錠を投与していますが、大きさが1.5倍くらいになります。ただ酵母は水槽内の水質悪化も招く恐れもあるそうなので、ご注意。

半年ほど使っての問題点ですが、ブライン濃縮時にAIRを止めて、そのまま忘れて2〜3時間ほど経ってからようやく気付き、ブラインが酸欠で全滅している・・・なんて事をやらかします。死んだブラインは完全に沈殿してしまうため回収が困難ですが、投与すれば魚は食べるようです。もちろん食いつきは悪いですが。この時、濃縮時にライトを点灯しておくと忘れ防止にも役立つようです。(2003.8.19追記)





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更新 2003.10.10
公開 2003.2.6
制作 2003.1.29
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