ここではロボットの手や足,胴体などに使われる構造材の特性一覧を紹介します.値はあくまで比較用の参考値であり,製品や加工条件によって大きく異なることがあります.
ロボット用の材料を考えたとき,まず考慮すべきなのが比重,ヤング率です.比重は水=1g/cm^3を基準とした材料の単位体積あたりの重量で,1より小さいと水に浮くことになります.鉄に対してアルミ合金が約1/3,さらにC-FRPではアルミ合金の2/3程度となります.
ヤング率は材料の持っている剛性,変形しにくさで,値が大きいほど硬く変形しにくい材料といえます.こちらも鉄に対してアルミ合金は1/3程度ですが,C-FRPでは鉄と同等の値を持つグレードもあります.
ヤング率を比重で割った値を比較すると,各材料単位重量あたりの剛性が分かります.この値が大きいほど,同じ重さでも変形しにくい強い材料だといえます.これでみると鉄とアルミはほぼ同じ値となります.つまりアルミは鉄の1/3で軽いが,その分剛性も1/3しかない(3倍やわらかい)ので鉄と同じ荷重を持たせようとしたら3倍の量を使う必要があり,結局総重量的には同じになるというイメージです.実際には形状を工夫して断面2次モーメント等で有利になるケースもありますが,この値が大きい材料ほど,そもそもの素材のポテンシャルが高いといえます.
引張り強度とは,材料を引張っていったときに破断する応力です.通常ロボットなどで使う場合,よっぽどのことがない限り引きちぎれるということはないので,金属材料ではとくに意識しなくても良いと思いますが.アクリルなどの割れやすい材料では注意しないといけません.
■比重,ヤング率(剛性)
■ヤング率/比重=ある重量における材料の変形しにくさ
■引張り強度
|
比重 |
ヤング率 |
ヤング率/比重 |
引っ張り強度 |
|
g/cm^3 |
GPa |
|
MPa |
| ステンレス(SUS304) |
7.90 |
199.14 |
25.2 |
520 |
| 炭素鋼(S45C) |
7.86 |
205.80 |
26.2 |
600 |
| 鉄(SS400) |
7.87 |
192.08 |
24.4 |
400 |
| アルミ合金(A2017) |
2.70 |
69.09 |
25.6 |
400 |
| 純チタン |
4.60 |
106.33 |
23.1 |
654 |
| マグネシウム合金 |
1.80 |
44.10 |
24.5 |
280 |
| 真鍮(C3604) |
8.43 |
100.94 |
12.0 |
360 |
| アクリル(メタクリル)樹脂 |
1.19 |
3.14 |
2.6 |
65 |
| ABS樹脂 |
1.20 |
2.65 |
2.2 |
35 |
| PP(ポリプロピレン)樹脂 |
0.90 |
1.47 |
1.6 |
60 |
| PC(ポリカーボネート)樹脂 |
1.23 |
2.45 |
2.0 |
104 |
| ジュラコン(POM) |
1.41 |
3.43 |
2.4 |
100 |
| C-FRP(低級グレード) |
1.53 |
117.60 |
76.9 |
2700 |
| C-FRP(高級グレード) |
1.53 |
225.40 |
147.3 |
3920 |
| C-FRPマグネシウム合金 |
2.03 |
539.00 |
265.5 |
998 |