◇ダブルスーパーの製作供

ここでは過去に製作したダブルスーパーを取り上げてみました。

 昔の話になりますが2バンドのラジオを作りました。
当時は短波が6-18MHzでしたが、調整を始めるとテストオシレターの信号が2ヶ所で同じ程度の強さで入ります。どちらがイメージかの区別で苦労をしました。
 中間周波が455KHz、発振周波数を同調周波よりも455KHz 高く取ると910KHzだけ高い電波も受信出来ます。こちらがイメージです。
 このイメージ信号を防ぐには中間周波を高くとれば良いのですが、フィルターとしてLCに頼っていた当時は周波数が高くなると分離が悪くなり、どうしても455KHzのIFTも必要になります。そこでダブルスーパーが必要になりました。
 中間周波は455KHzよりも低くすれば分離は更に良くなるので一時期Q5erと呼ばれた50KHzのIFTも現れました。このIFTを使うと第1中間周波が455KHz、 第2中間周波が50KHzとなりこれもダブルスーパーになります。しかしイメージ信号については良くはなりません。


以前製作したダブルスーパー(コリンズタイプ)


 私はアマチュア無線を1955年に始めました。最初は3.5MHz、7MHzに出ていましたが50MHz、144MHzが賑わってくると新しい受信機が必要になります。
当時、流行っていたのがクリコンと称する水晶を局発に使ったものを親受信機の頭に付ける方法です。周波数を変えるには 親受信機で同調を取ります。
 この形式のダブルスーパーは高い周波数が安定して受信出来るのが特徴でコリンズ式ともいわれました。この方式の欠点は、クリコンと親受信機を完全にシールドする事と親受信機の発振周波数の高調波が受信周波数に入らないことです。  昔アマチュア無線の受信機に使っていたリードのケースがあり、これがコリンズ式なのでこのケースを活用することにしました。第一局発固定のダブルスーパー用に球が配置されているので同じような回路になりました。
 最初は中波と3.8MHz-12MHzはシングルスーパー、3.8MHz-12MHzの受信帯に12MHz-20.2MHz,20.2MHz-28.4MHzの2バンドをダブルスーパーにする計画にしました。
 球は配線が見にくいので嫌いなMTですが、ケースの穴がMT用なので諦めてMTを使いました。


後 部 写 真


 第一局発は水晶でなくコイルとトリマー・コンを使い、うまくいけば水晶を探す予定でした。シングルスーパーの2バンドのコイルは、サンヨーのトランスレスラジオから取り外しました。中波の小型アンテナコイルは、分割巻きでないハニカムコイルなので感度が良くありません。
 IFTの1段目には村田のセラミックフィルターを使いました。このフィルターは出力インピーターンスが1KΩなので中間周波の1段目は利得が殆どありません。
 このケースは、アマチュア無線用なので、AM-SSBの切り替えやBFOも付けるようになっており、検波はCQ誌に出ていた回路でBFOを入れればSSB、切ればAMが聞こえると書いてありましたがAMはとても音が悪く6BE6のG1で2極管検波に変えました。
 周波数の切り替えは4接点が7回路要りますが、4接点全部を使うのは1回路だけなので、買い入れてあったスイッチを組み替えて3枚で組立ました。


コリンズタイプの回路図


 バリコンは3連を使い、6AH6のグリッドの同調は430PFでは大きすぎるのでバリコンに直列にコンデンサーを入れバリコンの容量が最大の時に10.8MHZ,17,8MHZが入るようにしました。
 中波と短波の切り替えは、同じスイッチを使うと配線が非常に長くなるのでリレーを使いました。しかしリレーへの線が長くなり短波ではトラッキングが完全には取れませんでした。
 電源にはチョークコイルの代わりにTRを入れました。放熱板を付けなかったので別に抵抗をいれてあります。これは電圧が高すぎたからです。
 リードのケースにはバリコン用、第2受信部、BFO用と各種のシールドが付いていましたが無しで組み立てました。ところがダブルスーパーのバンドは、一面にビートが入り実用になりません。そして親受信部のコイルに直接強い放送が入り、周波数を切り替えても同じ放送が聞こえるところが何ヶ所かあります。
それに親受信機の部分もコイルはトランスレスの2バンドラジオからの取り外し品でお粗末なものでした。
これではいけないと中波は除き付属のシールドケースを探して使い、親受信機の部分は3.5MHz-8.5MHzとして、コイルはセラミックのボビンに空芯、トリマーはエアバリコンとセラミックを使いました。


斜め後方から(シールドを施したもの)


 クリコン部の同調は8.5MHz-23.5MHzを1バンドでカバー、従って受信時には、2つのツマミを回す必要があり面倒ですが、リードのケースは最初からこのように作られています。局発の水晶は5MHzを使い、10,15MHzを取り出します。5MHzは親受信機の 3.5MHz-8.5MHzと各周波数帯の10,15MHzに入りますが、マーカーということにしてあります。
 シールドを付け、親受信機のコイルをきちんと巻いたので、何とか実用になる受信機になりました。この方式では、ダイアルの書き込みが大変楽で 3.5MHz-8.5MHzを書き込むと次のバンドはそれぞれ5MHZを足せば良く簡単に出来ます。


<2004.10.25>

◇ダブルスーパーの製作掘

第1周波可変のダブルスーパーを取り上げました。

 コリンズ式は、シールドを完全にする事と、普通はあまり広い周波数をカバーするには向いていないので次に第1周波可変のダブルスーパーを作りました。
この方式はLCによる高い周波数の局発になり安定した発振をさせるのは大変です。 1mmのアルミ板を折り曲げたシャーシに組み立てたのでは現在のアマチュア無線のSSB受信に実用になる受信機はとても作れません。
 そこで中波と海外の放送受信用のものを作りました。第一中間周波数を3MHzにしたのでイメージ比が良く、第一中間周波は1段で普通の放送は用なので高い周波数でも周波数の変動が気にならない使いやすい受信機が出来ました。当然、分離はあまり良くありません。


以前製作した第1周波可変のダブルスーパー


 構成は高周波増幅(短波だけ)6SD7,周波数混合(短波だけ)6AC7,発振(短波だけ)6T4第2周波数変換(中波はここから)6SA7,中間周波増幅6SS7,検波、増幅6SZ7,出力6G6G,整流6X5,バリコンは短波用が3連ギア付き330PF,中波と短波のバンドスプレッド用にFM3連とAMが2連の330PF,どちらもギア付きバリコンを使いました。
  周波数は22MHz-10.5MHz と10.5MHz-5.75MHzがダブルスーパー
     1650KHz-530KHzがシングルスーパー
  大きさは幅30儿發17儕行き22

<主な使用部品>
 ○バリコン 3連 330PF×3とFM×5で330PFと並列にFM用、それにFM-AMの両方の付属トリマーを使い410PF〜65PFにしました。
 最小容量を大きくしたのはトリオのSJ(30-15MHz)とSI(15-7.5MHz)を規格より低い周波数で使う為です。しかしバリコンの最小容量を増やして同調周波数の範囲を狭くするのはあまり良い方法ではありません。
 ○コイルA トリオのSシリーズコイルのSJ 
 発振コイルはグリッド側を0.5t減らす。PC-1310PF 
 ○コイルB トリオのSシリーズコイルのSI
 発振コイルはSIのコイルは使えず8mm,コア入りボビンに自作,PC-550PF


回 路 図



 ○中波アンテナコイル 25mm径の並四コイルの再生コイルを取り、アンテナコイルはそのまま、
 ○同調コイルは0.16mmの線をボビン一杯に巻く、約 270μH 
 ○発振コイル トランジスタ用のIFTのコアに110t、タップ10t PC-330PF 
 ○第一中間周波IFT 3MHz 8mmコア入りボビン50t 同調コンデンサー100PF Q=80
 このコイルを2個作り約1cmの間隔に並べて結合。調整の時、最初はコイルの間隔を離しておき少しずつ近づけて一番感度が良いところに固定する。近づけすぎると双峰になります。
 ○第2発振コイル3.455MHz 8mmコア入りボビンに40tタップ8t同調コンデンサー210PF、シールドケース入り
 ○周波数切り替えスイッチ 3-3接点 2枚 2-4接点 1枚 1-3接点 1枚 2回路のショート接点 2枚を組み合わせ、シールド板を2枚入れて組み立てます。
 図には書いてありませんが短波の同調コイルは、Aコイルの時Bコイルをショートしています。
○球 電源トランスの規格電流が2A、そして昔からあこがれの6AC7を混合に使ったので、6SS7,6SZ7,6G6とヒーター電流0.15Aの球を使い、ヒーターの消費電流を1.7Aに納めました。
 Sメーターの背後からLEDの照明をつけました。
 B電流はダブルスーパーの時60mAで、6X5とシリコンダイオード2本でブリッジ整流です。中波の時は消費電流が減り、B電圧が高くなるのが欠点です。
 6T4のカソードに入っている100KΩは、中波受信の時6T4のカソードが浮くので、ヒーター、カソード間の耐圧が心配なので入れました。


シャーシ裏


 <調  整>
 自作のコイルは、デップメーターを使い巻き数を決めます。コア入りのコイルは、巻いたコイルの中間にコアが入った状態で規定の周波数に合うようにコイルを巻きます。それからトリオのコイルも組立前にデップメーターを使い、コアを調整して周波数を合わせておきます。
 発振コイルに直列に入るパディングコンデンサーの容量は、浮遊容量として30PFを並列に入れたバリコンの最大容量の時に、Aバンドでは10.5+3MHz,Bバンドでは5.5+3MHz,BCは530+455KHzの周波数に同調する容量をデップメーターを使い確認します。
 完成したら、まず中間周波を合わせ、A,Bバンドは、低い周波数はコイルのコア、高い周波数はトリマーを調節して、感度最大の点に合わせます。BCでは、デップメーターを使い、600KHzと1400KHzに同調するところにメモリを付け、600KHzは発振コイルのコアの調節、1400KHzは発振バリコンのトリマーを調節してそれぞれこの周波数が受信出来るようにしました。


後 部 か ら


 <作り上げての感想>
 普通のシングルスーパーでは、中波から短波に切り替えると感度が悪くなりますが、このラジオは、中波より短波に球を3本余分に使っているので、短波と中波の感度差がありません。それで中波の放送を聞いて、日本短波放送に切り替えても、音量調整は同じ位置です。
 そしてイメージは6MHz離れているので、中間周波が455KHzの場合のように、短波の調整中イメージに悩まされることがありません。
 ダイアルの見栄えが悪いのが最大の欠点です。減速装置としてギア付きバリコンを使いましたが、バリコンの軸が出ていないので、ネジを上手くセンターを出してハンダ付けするのに一苦労、そしてこの軸とつまみが接近しているので、ダイアル面にカバーが付けられません。
 第1中間周波のIFTは、調整後ケースに入れました。心配していたスプリアスは、第2局発3.455MHzの高調波とそのイメージらしきものだけです。前回作ったコリンズ式のダブルスーパーでは、多数のスプリアスがダイアル一面 にぴょこぴょこと出ましたが、それに比べると遙かに静かです。
周波数切り替えとシングル、ダブルの切り替えの為にスイッチに10接点必要になりました。作ってから気が付きましたが、中波もダブルスーパーにすればスイッチは6接点で済みます。
埃を防ぎ、積み重ね出来るように木の箱に入れました。コリンズ式のダブルスーパーでは、シールドのために金属の箱に入れる必要がありますがこの式のスーパーでは木箱でも混信などありません。大きさは幅30.5cm高さ18cm奥行き22cmです。


<2004.10.25>


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