*戦前の超高級ラジオ*

高周波1段増幅回路付6球スーパー・ヘテロダイン
コイルと、真空管の配置が何処となく好奇心をそそるラジオ

 RF・ANT・OSCのコイルは、それぞれシールドケースの中に納められます。コイルのシールドが3本1群、シャーシ後部にST管が6本並び興味をそそるラジオです。
 当初、高二をスーパーに改造したものだと思いましたが、この配置では高二は無理だと思いました。
 結論は、当初から高一付スーパーとして作られたようです。しかし、この配置では、高周波増幅が如何に出来ていたのか、働いていなかったのではないかと思います。


◇前 面 全 容◇

バリコンは交換、これも戦前の5R−25のものを使いました。


 戦前のラジオの復元あるいは再生とでもいいましょうか。戦前のラジオのシャーシとスピーカーをいただきました。
 球は58-2A7-58-2A6-2A5-80Bという、戦前のラジオとしては超高級品です。そして使われている部品から、メーカー品ではなく、個人が部品を集めて作った品のようです。
 電源トランスをよく見ると、B電圧は330V,60mAの半波、ヒーター電圧は5V,1.5Aですから、整流管はKX-80Bです。もし生きている球が付いていれば、と思いましたが残念ながらありませんでした。
 2A6は、戦後修理の時に3ZDH3Aに代えられていました。部品の配置は、球を後列に1列に並べてあり、見栄えは良いのですが、原型では、58,2A7共G1からの線がシャーシ下部に引き出され、コイルにつないでありました。果たしてこれでまともに働いたのか疑問です。


◇セット上部から◇

コイル群と真空管の様子


  .丱螢灰鵝Д潺筌泙裡穫◆⇒椴未少ないところでは、バリコンの羽根がトリマーを隠すので調整不能。ローターのアースバネが無い、これでは使えないので、他の品を流用、容量は360PF

 ◆。稗藤圈Д肇螢沺爾最大50PF、コイルは13mH Q=50
周波数は、230KCリード線引き出し、最初は周波数が175KCと思っていました
   が、調整の時、トリマー容量を最大にしても230KC以下にはなりませんでした。

  コイル:アンテナコイルとプレートコイルは同じメーカー(DEXCOIL,No60)で、
   どちらも1次コイルはハニカム、アンテナコイルは0.7mH、プレートコイルは
   2.7mH
   このハニカムコイルはボビンの中に入っており、コイルの相互はトリマーコ
   ンデンサーで接続してある。
   アンテナコイルは使用する周波数に同調するようで、受信不能になるといけ
   ないので、20回巻きに取り替えました。
 2次側のコイルのインダクタンスは290μH このコイルは恐らく高1コイルでしょう。
 局部発振コイルは、ミヤマの溝付きボビン(32mmφ)に巻いてあり、引き出し線にP,
 Bなどの記号は無し、115μH:185μH、このコイルは、1MHZ-1.3MHZの間が発振しないので、発振プレート側に0.16mmの線を 20t巻き足しました。
 パディングコンデンサーはIFが455KHZ 用のものを使い、ネジをいっぱい締め付けた
 状態で使っています。

 ぁ(審螢灰鵐妊鵐機次MERSHON ELECTROLYTIC 8MFD 450V
   8μFの電解コン、他は2-2-1-1-1-1μFのペーパーコンデンサーが2個で、どれ
   も皆不良でした。
 復元用の抵抗はなるべく大型のL型、小容量のコンデンサーはマイカ、バイパスコン
 はチューブラペーパーですが、大きいものが入りきらないところは、セラミックや
 マイラーコンデンサー、1/4Wの抵抗を使用、内部配線は1950年頃のラジオの感じで
 す。


◇シャーシ裏全容◇

◇配線の様子◇


 検波管にはUZ-2A6を使うつもりでしたが、探しても無く、55があったので使いました。この球はカソードに3KΩを入れると、約3Vの電圧が発生し、この電圧がAVCとして掛かります。
 それでAVCを掛ける58のカソードバイアスは3V+3Vで6Vになるようにカソード抵抗が大きくしてあります。600Ωが無かったので750Ωが入れてあります。


 最初から付いていたMERSHON ELECTROLYTICというのが気になり調べてしまみました。

  ※平滑コンデンサー:MERSHON ELECTROLYTICは故 伊藤喜多男氏の発行された
   文献によると、当時の最高級品のようです。

  参考文献:「音響道中膝栗毛」


後日、キャビネットを加工して貰い収めてみました。

<2004.9.23>

 ただ、球とコイルの配置がとても格好が良く、箱に入れてしまうのはなんとなく惜しいラジオです。
 ラジオは一般家庭でも高価であまり普及していなかった時代ですから戦前のスーパーは、かなりの高級品だったと思います。
 普通は高1か3ペンのマグネチックのSPがあたりまえでダイナミックSPが付いていたものは高級品でした。
これは、更に上位機種にあたる高1付の6球スーパーです。