政治家の家族は私人か

 田中真紀子前外相の娘が離婚したことを報じた『週刊文春』に対し、娘側が出版差し止めの仮処分を地裁に申請して受理された。これは言論の弾圧だと大騒ぎになった。高裁では逆転したけど、簡単に差し止め命令がでたこと自体が大問題なんだ。
 とにかくそう簡単に定期刊行物をボツにしてもらいたくないな。真紀子の娘がくっつこうと離れようと関心ないけど、「淑女の雑誌から」が読めない一般読者はたいへんな精神的苦痛を受けるのだから。
 問題の記事を読んでみたけど、どうってことない内容だ。一連の報道のひとつなんだろうけど、だれも気に留めないよ。こんなネタを柱にして売るのもたいした報道姿勢ではないけど、これを差し止めようとして、仮処分まで申請するのもヒステリックだ。
 田中真紀子は、仮処分申請は娘のやったことで自分は関与していないとしているが、このヒステリックな行動パターンは誰のものか推測できない人はいない。つまりそのくらい政治家の家族は一心同体と見られているんだ。
 石原慎太郎の末息子だって、衆議院選に立候補したとき、最初は傍観してたけど、慎太郎は息子の形勢がヤバイと知ると、駆けつけて「私の息子をどうぞよろしく」って頭を下げていたじゃないか。「石原家のDNAは確実に勢いを失っている」という笑い話は、そのとおりだね。
 選挙の時は親の七光りをフルに使ったり、一家総出でさんざん公私混同しておきながら、きまりの悪いことは私人だから報道するなってのはご都合主義もいいとこだよ。
 そもそも真紀子自身が親の七光りで票を世襲し、旦那までそのご威光で当選させてるんだから、頭のてっぺんからつま先まで家族総動員、公私混同のかたまりじゃないか。秘書給与の問題だって限りなく黒に近いグレーだ。
 オレに言わせれば、かつての埼玉県知事親子の例を引くまでもなく、政治家なんて家族に資産を分散させてカモフラージュさせたり、インサイダー取引やら利権の配分などやりたい放題なんだから、むしろ普通の公人以上に生活を監視されてもしかたがない。結婚や離婚はあらたな資産の合併や分散を意味する以上、一般の人が知っておくことは公益に合致する。そんなことガキでもわかるだろうが。
 それにつけても裁判官という人間は、どうしてこうきれい事でものごとを判断するのだろう。本当にきれいなことしか知らないのか、汚いことはないことにできる、世間知らずの唐変木かのどっちかだ。いずれにしろ、英語では、こういう人をクレバー(利口)とはいうけど、ワイズ(賢い)とは言わない。仮処分決定を下した、この鬼沢とかいう判事の生い立ちを調べてみたいね。でも、それを公表すると、プライバシーの侵害になるってどうせ騒ぐんだろうな。

どうしてこんな簡単な理屈がわからないのだろう。