ラスト・ジャパニーズ

 日本人の出生率が、ついに1.29まで下がったんだって。過去20年間の政府予測は、すべてはずれ。厚生労働省予測なんて、単なる願望にすぎないことが証明された。
 人口を維持するためには、2.08が必要とされているから、このまま出生率が変わらないと、日本の人口はどんどんへっていく。あと150年で人口ゼロ、つまり日本人はこの地球上から絶滅する計算だ。
 おーし、じゃあ、あと150年生きて、日本人最後のオスになってやっか。あるいは、冷凍してもらって、150年後に解凍・蘇生させてもらってもいい。そうなったら、世界中から珍重されるだろうな。天然記念物のトキと同じ。日本人を絶滅させるなってんで、いろんなとこから援助の手が差しのべられる。年金なんかに頼る必要はまったくなくなるね。
 事実上、オレが新しい日本人の始祖になるから、Homo Japonesque Mitchan なんていう学名がつく。どうだい、戒名よりかっこいいだろう。
 150年後、日本人としての男はオレ一人。日本国内のまわりは婆さんばかりだから、茶飲み友だちにはなるけど、種の保存には役に立たない。海外の若い女性と交配させるしかないということになる。外国人は好みじゃないけど、日本人の若い女性がいないんだから、この際しょうがない。
 「ミッチャンの DNA は体型、気質ともに典型的な日本人の形質を保存しているものと思われる」「逆境や粗食に耐えて、よく働く特徴を備えたニッポンジンそのもの」なんていうお墨付きを WWF(世界自然保護基金)あたりからもらって悠々自適、もてもての毎日。
 ぜひ、あこがれている武士道の国の子どもを産みたいという若い女性が世界中から持参金つきで押しかけてくるよ。2P、3Pどころか、10P、20Pみたいな種馬生活。究極の逆援交!
 男はいくつになっても精子そのものの生殖能力に変化はないから、卵子さえ若ければOK。いくら歳をとっても、相手が変わればビンビンだい。
 「いや、まいったな〜。困るよキミ、それは不道徳だよ。あ、そこはダメ!」なんていう間もなく女性たちに押し倒されて…。
 という夢を見ていたら、そばの携帯電話が鳴って目が覚めた。大変、大変、とりあえず、年金保険料を納めに行かなくちゃ。


このまま女性の「出産ストライキ」が続いたら、どうなるんだろう。