女の顔は請求書

 「女の顔は請求書」って言葉、誰かが言っていたけど、まさしく当を得た表現だね。
 簡単に言えば、女性はいつでも「ちょうだい、ちょうだい」がベースにあるってこと。っていうと聞こえが悪いけど、要するに常に相手に何かをしてもらうことをじーっと待ってるんだ。自分から先に与えたり行動しようとしない。男の本質がカタリだとすれば、女の本質はタカリだよ。
 「あなたが私を愛してくれたら、その半分くらいはお返しするわよ」って言うヤツがいる。当たり前だろ、それじゃあ。香典だって半分返すんだから。
 落語に出てくる「品川心中」だって、相手の男を先に川に飛び込ませておいて、「あら、寒そうだから今日はやめるわ」、「じゃあ、失礼」って言って帰っちゃうんだから。これほど失礼な話はない。
 でもね、請求書ばかり突きつけてると、そのうち誰も納品しなくなるよ。今はやりの架空請求詐欺だって、最初のうちは勘違いして金を振り込んじゃったヤツがいるけど、今ではだれもそんな手に乗らないもん。たまには納品するから、間違えて支払っちゃうことも起きるわけ。
 「損して得する」とか、「捨てなければ得られない」っていう哲学が女性には通じないんだよね。コップ酒になみなみと酒をついで、マスの中にあふれさせてくれると、なんかトクした気がするでしょ。ホントはあふれさせても1合に満たなかったりするんだけど、いっぱい注いでくれたという気持ちになる。
 もし、大きなコップでも、八分目で止めちゃったら、ケチな人だなと思うのがふつうだよね。そんな店には客が来なくなる。
 その点、男の顔は納品書だね。与えて与えて、与え尽くす人生だもん。オレなんか納品書ばっかりで、請求書を書くヒマがないよ。納品しても受領書ひとつよこさない人ばっかり。そのくせ、一丁前にクレームだけはつけるんだから、たちが悪い。
 でも、いいの。与えることは快楽だからね。与えた瞬間に元を取ったと思えばいい。あなたの笑顔が代金です。「和顔愛語」という四文字熟語は貴重な言葉だ。それはだれでも人に与えられる報酬。男の苦労に報いるには、モノもカネも、ましてやカラダもいらないの。やさしい笑顔と感謝に満ちた言葉で十分。赤ん坊でもできることだよ。
 わかったか、やさしい言葉と笑顔くらい、タダなんだから、もっと思いっきり振りまけ、世の請求書女ども! 

納品する前に請求するのが女性の本質だ。何か文句あっか?